JPH0584923A - インクジエツト記録装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明の目的は、フィルタにトラップされた気
泡をフィルタから容易に除去することが出来、印字不能
になることを防ぐことが出来る装置を装備したインクジ
ェット記録装置を提供するものである。 【構成】本発明のインクジェット記録装置はインク噴射
ヘッド１とインクカートリッジ２の配管途中にインク袋
４を設けた事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインク噴射ヘッドとイン
クカートリッジの配管途中に設けられた自在に形状を変
えることができ、且つ復元性を有するインク袋を装備し
たインクジェット記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】インクジェット記録装置は、インク噴射
ヘッドに設けられた噴射ノズルから記録紙に向けてイン
ク滴を吐出して記録を行うよう構成されている。

【０００３】上記インクジェット記録装置にあっては、
インク噴射ヘッドの噴射ノズルの径は数ミクロンから数
十ミクロンと非常に小さい。このため、僅かな異物がイ
ンク流路内に進入しただけで噴射ノズルは容易に目詰ま
りを起こし、インクの吐出不良を引き起こす。

【０００４】このため、インク流路内への異物の流入を
防ぐ手段を設けることが必要である。

【０００５】この異物の流入を防ぐ手段として、インク
カートリッジとインク噴射ヘッドの間に異物をろ過する
ためのフィルタを設けたものが考案されている。

【０００６】その中でも図６の如く、インク供給口１４
ａと噴射ノズル１４ｂの間のインク流路途中に、つまり
インク噴射ヘッド１４の流路基板内にフィルタ１５を設
けたものが多く用いられている。このフィルタ１５によ
って、異物の混じらないインクのみがインク噴射ヘッド
１４内へ流入するものであった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】異物によって印字不能
にならないためには、仮にインク噴射ヘッドに異物が流
入したとしても、その異物は噴射ノズルに詰まらない大
きさ、つまり噴射ノズルの径よりも小さくなくてはなら
ない。従ってインク噴射ヘッドとインクカートリッジの
間に設けられたフィルタのメッシュは噴射ノズルの径よ
りも細かくする必要がある。

【０００８】フィルタのメッシュを細かくすることによ
り、かなり細かい異物までろ過するができる。しかし同
時にメッシュがあまりに細かいため、インクカートリッ
ジ側からインク噴射ヘッド内に流入して来る空気（気
泡）をもとらえることになる（以後、トラップする、と
称する）。

【０００９】従来、インク噴射ヘッド内への気泡の流入
は、ドット抜け、印字不良を引き起こし記録装置として
は致命的となった。この点のみを考慮すると、気泡をト
ラップするといった点においてもフィルタは威力を発揮
するのである。

【００１０】しかし前述の従来技術では、フィルタにト
ラップされた気泡が幾つも蓄積することによって、フィ
ルタ部のほぼ全域を気泡が占めるようになる。又、何等
かの原因でインクカートリッジ側からインク噴射ヘッド
内へと多量に気泡が流入するとフィルタは可能な限り気
泡をトラップし、瞬時にフィルタ部のほぼ全域が気泡で
占有されてしまう。その結果、フィルタ部にトラップさ
れた気泡によって通常の印字の際に行われるインクの供
給がチョークされ、インク噴射ヘッドへのインクの供給
不足を招き、最終的には印字不能になるといった課題を
有していた。

【００１１】本発明はかかる従来技術の課題を解決する
ものであり、その目的とするところはフィルタにトラッ
プされた気泡をフィルタから容易に除去することが出
来、印字不能になることを防ぐことが出来る装置を装備
したインクジェット記録装置を提供するものである。

【００１２】

【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、インクを噴射し印字を行うインク噴射ヘッ
ドと、該インク噴射ヘッド内のインクを排出しクリーニ
ング動作を行なうクリーニング装置と、前記インク噴射
ヘッドへインクを供給するインクカートリッジと、前記
インク噴射ヘッドと前記インクカートリッジとを配管し
たインク供給チューブと、前記インク噴射ヘッドと前記
インクカートリッジの配管途中に設けられた自在に形状
を変えることができ、且つ復元性を有するインク袋とに
より構成されたことを特徴とする。

【００１３】

【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

【００１４】図１は本発明の一実施例を示すインクジェ
ット記録装置の斜視図、図２、図３、図４は本実施例の
動作を示す断面図である。

【００１５】図中、１はインク噴射ヘッド、２はインク
カートリッジ、３はインク供給チューブ、４はインク
袋、５はフィルタ、６はインクジェット記録装置本体、
７は吸引式ポンプ、８はインク、９は気泡、１０はＯリ
ングである。

【００１６】図１に示すように、インク噴射ヘッド１と
インクカートリッジ２はインク供給チューブ３により配
管されている。インク噴射ヘッド１にはインクカートリ
ッジ２よりインク８が供給される。インクカートリッジ
２は完全に密閉されており、大気と解放されていない。
インク噴射ヘッド１の流路基板内にはフィルタ５が設け
られている。このフィルタ５はインク８中の異物をろ過
し、インク噴射ヘッド１内への異物の流入を防いでい
る。インク噴射ヘッド１とインク供給チューブ３の配管
途中には自在に形状を変えることが出来、且つ復元性を
有するインク袋４が設けられている。インク袋４は専用
のインク袋基板４ａに包まれている。インク供給チュー
ブ３のインク噴射ヘッド１側の一端は、インク袋基板４
ａのインク流入口４ｂと接続してある。インク袋基板４
ａのインク流出口４ｃはインク噴射ヘッド１に一体成形
で設けられたインク供給口１ａとＯリング１０を用いて
接続されている。インクジェット記録装置６上にはクリ
ーニング装置としての吸引式ポンプ７が設置されてお
り、フィルタ５を通過し流路内に流入した気泡を吸引し
てインク噴射ヘッド１外へ排出させるクリーニング動作
や、インクカートリッジ２の取付後にインクカートリッ
ジ２内のインクをインク噴射ヘッド１内へ引き込む充填
動作の際に用いられる。吸引式ポンプ７のインク吸引部
７ａは、インク噴射ヘッド１がポンプ動作位置にきた時
噴射ノズル１ｂが形成されたインク噴射ヘッド１の前面
に密着するよう位置決めされている。ここで、吸引式ポ
ンプ７のインク吸引部７ａ内はインク８が貯蔵される構
造となっている。

【００１７】図２、図３、図４を基に本実施例の動作の
説明を行う。

【００１８】図２、図３、図４に示すように、ポンプ動
作位置において吸引式ポンプ７のインク吸引部７ａが、
噴射ノズル１ｂが形成されたインク噴射ヘッド１の前面
に密着している。

【００１９】図２は吸引式ポンプ７によって噴射ノズル
１ｂよりインク８の吸引を行い、インク噴射ヘッド１の
クリーニング動作、若しくはインク８の充填動作が行わ
れている際の動作を示している。

【００２０】この時インク８は、図２に示すように矢印
Ａ方向へと流れる。つまり、インク８はインクカートリ
ッジ２からインク袋４、フィルタ５を通過してインク噴
射ヘッド１へと流入する。通常は膨らんだ状態にあるイ
ンク袋４内のインク８も吸引され、フィルタ５を通過し
てインク噴射ヘッド１内へと流入する。最終的には図に
示すように、インク袋４内のインクは全て吸引され、イ
ンク袋４は完全に収縮した状態になる。このようにして
インク噴射ヘッド１のクリーニング動作やインク８の充
填動作が行われる。

【００２１】フィルタ５は、インク８中に混在する異物
をろ過するだけでなく、インク噴射ヘッド１へと流入し
て来る空気（気泡）をもトラップする。時にはフィルタ
５にトラップされた気泡９が幾つも蓄積したり、又何等
かの原因で多量に空気（気泡）が流入してきた時、フィ
ルタ５のほぼ全域が気泡で占有されるといった事にな
る。

【００２２】一方図３はインク噴射ヘッド１のクリーニ
ング動作やインク８の充填動作が終了し、吸引式ポンプ
７が停止した後の動作を示している。。

【００２３】吸引式ポンプ７が停止し、クリーニング動
作やインク８の充填動作が終了した直後は、図２に示し
たようにインク袋４内のインク８は全て吸引され、完全
に収縮した状態にある。しかし、しばらくすると収縮し
たインク袋４には復元力が働き図３の如く元の状態であ
る膨らんだ状態へと戻ろうとする。この復元力によって
インク噴射ヘッド１内には負圧が発生する。負圧が発生
することによってインク噴射ヘッド１は、噴射ノズル１
ｂやインク供給口１ａからインクや空気を引き込もうと
する。前述のようにインクカートリッジ２は完全に密閉
されているため、インクカートリッジ２側、つまりイン
ク供給口１ａからの引き込みは起こらない。よってイン
ク噴射ヘッド１は唯一解放された箇所である噴射ノズル
１ｂよりインクや空気を引き込もうとする。本実施例の
場合、噴射ノズル１ｂが形成されたインク噴射ヘッド１
の前面にはインク８が貯蔵されたインク吸引部７ａが密
着しているため、インク吸引部７ａ内のインク８がイン
ク噴射ヘッド１内へと供給されることになる。

【００２４】図４に示すようにインク吸引部７ａ内には
インク８と気泡９が混在するが、気泡９は浮力によって
上昇しインク吸引部７ａ内最上部で浮遊する。インク吸
引部７ａ内のインク８がインク噴射ヘッド１へと供給さ
れるとインク吸引部７ａ内のインク面は下降し気泡も又
下降する。インク噴射ヘッド１へ供給されるインク容量
に対し、インク吸引部７ａ内の貯蔵容量は十分に大きい
ためその下降量は微少である。従って気泡が下降したと
してもインク吸引部７ａ内のインク８に混じって気泡が
インク噴射ヘッド１へと供給されることはない。つまり
インク吸引部７ａ内のインク８のみがインク噴射ヘッド
１内へと供給されることになる。

【００２５】又噴射ノズル１ｂの先端はインク吸引部７
ａ内のインク８中に位置するため、噴射ノズル１ｂの先
端にメニスカスを形成することはない。よってメニスカ
ス破壊によって噴射ノズル１ｂから気泡を引き込む事は
なくなるのである。

【００２６】この時インク噴射ヘッド１内のインク８
は、噴射ノズル１ｂから引き込んだインクの体積分だけ
図３に示すように矢印Ｂ方向に逆流することになる。つ
まりインク８は、インク噴射ヘッド１側からインクカー
トリッジ２側へと逆流することになる。逆流したインク
８は、元の膨らんだ状態に復元しようとするインク袋４
内に流入する。この際、フィルタ５にトラップされた気
泡９も矢印Ｂ方向に逆流する。矢印Ｂ方向のインク流れ
では、気泡９が流れて行く先にフィルタは存在しない。
よって気泡９はどこにもトラップされる事なくインク袋
４内へと流入する。

【００２７】インク８がインク袋４内に流入してインク
袋４が完全に膨らんだ状態に復元すると、インク噴射ヘ
ッド１内の負圧は解除される。こうしてインク袋４の復
元力による噴射ノズル１ｂからのインク８の引き込みは
終了する。

【００２８】尚、図１に示すようにインク袋４内に流入
した気泡９は浮力によって上昇するが、インク袋４の容
積に対し気泡９の体積は充分に小さいため、気泡９はイ
ンク袋４内最上部で浮遊することになる。従って通常の
印字の際に行なわれるインク８の供給を妨げることはな
く、又インク８の流れに乗ってインク袋４からインク噴
射ヘッド１へと流出することもない。当然放置したとし
ても気泡９がインク袋４から流出し、インク噴射ヘッド
１へと流入することはない。

【００２９】インク噴射ヘッド１のクリーニング動作、
若しくはインク８の充填動作の後には、インク噴射ヘッ
ド１内は勿論、インク噴射ヘッド１の基板流路内に設け
られたフィルタ５にも気泡９の無い状態で印字待機準備
に入れる訳である。

【００３０】次に他の実施例について説明する。

【００３１】図５は本発明の他の実施例を示す斜視図で
ある。

【００３２】図に示すようにインク袋１２をフィルタ１
３とインク供給口１１ａの間、つまりはインク噴射ヘッ
ド１１の流路基板内に設ける。インク袋１２をインク噴
射ヘッド１１の流路基板内に設けた事により小型化、薄
型化が達成できるばかりでなく、更には前述の一実施例
におけるインク袋４専用の基板４ａに相当する部品が廃
止できるため製造が簡単になる。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、イン
ク袋がインク噴射ヘッドとインクカートリッジの配管途
中に設置されたものであるため、インク噴射ヘッドのク
リーニング動作やインクの充填動作の際にフィルタにト
ラップされた気泡は自然とインク袋に吸引される。この
ためフィルタの気泡によってインク噴射ヘッドへのイン
クの供給が妨げられる事なく良好な印字が得られるとい
う効果を有する。このように本発明の実用的効果は極め
て大きいものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のインクジェット記録装置の一実施例を
示す斜視図。

【図２】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
動作の断面図。

【図３】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
動作の断面図。

【図４】本発明のインクジェット記録装置の一実施例の
動作の断面図。

【図５】本発明のインクジェット記録装置の他の実施例
を示す斜視図。

【図６】従来技術のインクジェット記録装置用インク噴
射ヘッドを示す斜視図。

【符号の説明】

１、１１ インク噴射ヘッド ２ インクカートリッジ ３ インク供給チューブ ４、１２ インク袋 ５、１３ フィルタ ６ インクジェット記録装置本体 ７ 吸引式ポンプ ８ インク ９ 気泡 １０ Ｏリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 インクを噴射し印字を行うインク噴射ヘ
   ッドと、該インク噴射ヘッド内のインクを排出してクリ
   ーニング動作を行なうクリーニング装置と、前記インク
   噴射ヘッドへインクを供給するインクカートリッジと、
   前記インク噴射ヘッドと前記インクカートリッジとを配
   管したインク供給チューブと、前記インク噴射ヘッドと
   前記インクカートリッジの配管途中に設けられた自在に
   形状を変えることができ、且つ復元性を有するインク袋
   とにより構成されたことを特徴とするインクジェット記
   録装置。