JPH0584738A - 合わせガラス用着色中間膜の製造方法および合わせガラスの製造方法 - Google Patents
合わせガラス用着色中間膜の製造方法および合わせガラスの製造方法Info
- Publication number
- JPH0584738A JPH0584738A JP3250634A JP25063491A JPH0584738A JP H0584738 A JPH0584738 A JP H0584738A JP 3250634 A JP3250634 A JP 3250634A JP 25063491 A JP25063491 A JP 25063491A JP H0584738 A JPH0584738 A JP H0584738A
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- pigment
- safety glass
- colored
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- Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 着色中間膜の着色剤として顔料を用いて着色
合わせガラスを形成する。その着色部の経時による変色
および褪色の問題を改善し、かつこの着色合わせガラス
のヘイズを低減することができる合わせガラスの製造方
法を提供する。 【構成】 ビニル系樹脂、顔料および可塑剤を含有する
混合物を温度T℃で溶融して膜状に成形する工程を有す
る合わせガラス用着色中間膜の製造方法において、前記
混合物を膜状に成形する工程の前に、前記混合物をその
成形温度T℃より少なくとも30℃低い温度にて0.3
kW・Hr/kg以上の剪断力を付加して混練する工程
を有する。上記方法によって得られた着色中間膜を使用
して合わせガラスを製造する。
合わせガラスを形成する。その着色部の経時による変色
および褪色の問題を改善し、かつこの着色合わせガラス
のヘイズを低減することができる合わせガラスの製造方
法を提供する。 【構成】 ビニル系樹脂、顔料および可塑剤を含有する
混合物を温度T℃で溶融して膜状に成形する工程を有す
る合わせガラス用着色中間膜の製造方法において、前記
混合物を膜状に成形する工程の前に、前記混合物をその
成形温度T℃より少なくとも30℃低い温度にて0.3
kW・Hr/kg以上の剪断力を付加して混練する工程
を有する。上記方法によって得られた着色中間膜を使用
して合わせガラスを製造する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合わせガラス用中間膜
の製造方法とその中間膜を用いた合わせガラスの製造方
法に関し、より詳細にはビニル系樹脂、着色剤としての
顔料および可塑剤を含有する混合物を成膜して得られ
る、部分的あるいは全体が着色された合わせガラス用中
間膜の製造方法と合わせガラスの製造方法に関する。
の製造方法とその中間膜を用いた合わせガラスの製造方
法に関し、より詳細にはビニル系樹脂、着色剤としての
顔料および可塑剤を含有する混合物を成膜して得られ
る、部分的あるいは全体が着色された合わせガラス用中
間膜の製造方法と合わせガラスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】合わせガラスは、2枚のガラス板の間に
合わせガラス用中間膜を配して形成される。この合わせ
ガラスは、建築物の窓および自動車のフロントガラス
等、屋外で長期にわたって使用される場合が多いことか
ら、その耐候性向上を目的として中間膜には紫外線吸収
剤が配合されることが多い。このような紫外線吸収剤と
しては、従来より2−(5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾールや2−(3−t−ブチル−
5−メチル−2−ヒドロキシルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤が用いられている。紫外線吸収剤を含有した中間膜
は、これを含有しない中間膜に比べ耐候性が向上し、経
時による黄変色が著しく抑制される。
合わせガラス用中間膜を配して形成される。この合わせ
ガラスは、建築物の窓および自動車のフロントガラス
等、屋外で長期にわたって使用される場合が多いことか
ら、その耐候性向上を目的として中間膜には紫外線吸収
剤が配合されることが多い。このような紫外線吸収剤と
しては、従来より2−(5−メチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾールや2−(3−t−ブチル−
5−メチル−2−ヒドロキシルフェニル)−5−クロロ
ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸
収剤が用いられている。紫外線吸収剤を含有した中間膜
は、これを含有しない中間膜に比べ耐候性が向上し、経
時による黄変色が著しく抑制される。
【0003】ところが、合わせガラス用中間膜に着色剤
として染料が含まれている場合には、上記のような紫外
線吸収剤が含有されていてもその効果が小さく、着色部
の変色および褪色等が起こるという問題があった。そこ
で、中間膜の耐候性を改善するため、着色剤として顔料
を用いることが検討された。
として染料が含まれている場合には、上記のような紫外
線吸収剤が含有されていてもその効果が小さく、着色部
の変色および褪色等が起こるという問題があった。そこ
で、中間膜の耐候性を改善するため、着色剤として顔料
を用いることが検討された。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】着色剤として顔料を使
用することによって中間膜の耐候性は大幅に向上する
が、顔料は中間膜中に分散状態で存在するため、この中
間膜を用いて形成された合わせガラスは光が散乱しやす
く、全光線透過光量に対する拡散透過光量が増大するた
めヘイズ(曇価)が大きくなるという欠点があった。特
開平2−265728号公報および特開平2−2720
68号公報には、平均粒径の小さい顔料を使用すること
によって、着色中間膜の外観を改良する試みがなされて
いるが、これらの公報においては、顔料を可塑剤に分散
させているため、中間膜成形工程の加熱により、顔料が
その低粘度の可塑剤中で2次凝集するという問題があ
り、上記合わせガラスのヘイズの問題が解消されていな
かった。
用することによって中間膜の耐候性は大幅に向上する
が、顔料は中間膜中に分散状態で存在するため、この中
間膜を用いて形成された合わせガラスは光が散乱しやす
く、全光線透過光量に対する拡散透過光量が増大するた
めヘイズ(曇価)が大きくなるという欠点があった。特
開平2−265728号公報および特開平2−2720
68号公報には、平均粒径の小さい顔料を使用すること
によって、着色中間膜の外観を改良する試みがなされて
いるが、これらの公報においては、顔料を可塑剤に分散
させているため、中間膜成形工程の加熱により、顔料が
その低粘度の可塑剤中で2次凝集するという問題があ
り、上記合わせガラスのヘイズの問題が解消されていな
かった。
【0005】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたものであって、着色剤として顔料を用い、合わせ
ガラス用中間膜の着色部の経時による変色および褪色等
の問題を大幅に改善できるとともに、ヘイズを最小限に
低減できる合わせガラス用中間膜を製造する方法と、合
わせガラスの製造方法を提供することを目的としてい
る。
されたものであって、着色剤として顔料を用い、合わせ
ガラス用中間膜の着色部の経時による変色および褪色等
の問題を大幅に改善できるとともに、ヘイズを最小限に
低減できる合わせガラス用中間膜を製造する方法と、合
わせガラスの製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決する手段】本発明者は、上記目的を達成す
るため鋭意研究を行った結果、ビニル系樹脂、顔料およ
び可塑剤を含有する混合物を溶融して膜状に成形するに
あたって、成形工程の前段階にて、その成形温度T℃よ
り低温にて通常の3倍以上の剪断力を付加して混練し、
その後、混合物を通常の成形温度T℃まで昇温して膜状
に成形することによって、得られた着色中間膜はヘイズ
が低減することを見いだし、本発明を完成するに到った
ものである。
るため鋭意研究を行った結果、ビニル系樹脂、顔料およ
び可塑剤を含有する混合物を溶融して膜状に成形するに
あたって、成形工程の前段階にて、その成形温度T℃よ
り低温にて通常の3倍以上の剪断力を付加して混練し、
その後、混合物を通常の成形温度T℃まで昇温して膜状
に成形することによって、得られた着色中間膜はヘイズ
が低減することを見いだし、本発明を完成するに到った
ものである。
【0007】すなわち本発明は、ビニル系樹脂、顔料お
よび可塑剤を含有する混合物を温度T℃で溶融して膜状
に成形する工程を有する合わせガラス用着色中間膜の製
造方法において、前記混合物を膜状に成形する工程の前
に、前記混合物をその成形温度T℃より少なくとも30
℃低い温度にて、0.3kW・Hr/kg以上の剪断力
を付加して混練する工程を有することを特徴している。
よび可塑剤を含有する混合物を温度T℃で溶融して膜状
に成形する工程を有する合わせガラス用着色中間膜の製
造方法において、前記混合物を膜状に成形する工程の前
に、前記混合物をその成形温度T℃より少なくとも30
℃低い温度にて、0.3kW・Hr/kg以上の剪断力
を付加して混練する工程を有することを特徴している。
【0008】また、上記製造方法によって得られた着色
中間膜を使用し、合わせガラスを製造することを特徴と
している。
中間膜を使用し、合わせガラスを製造することを特徴と
している。
【0009】本発明に使用されるビニル系樹脂として
は、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル−エチレン
共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルメタクリ
レート共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルア
クリレート共重合体、塩化ビニル−グリシジルメタクリ
レート共重合体、塩化ビニル−グリシジルアクリレート
共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール−ポリビ
ニルブチラール混合物等を挙げることができ、特にポリ
ビニルブチラール、塩化ビニル−エチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体が好ましく用いられる。
は、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル−エチレン
共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルメタクリ
レート共重合体、塩化ビニル−エチレン−グリシジルア
クリレート共重合体、塩化ビニル−グリシジルメタクリ
レート共重合体、塩化ビニル−グリシジルアクリレート
共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン−
アクリロニトリル共重合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール−ポリビ
ニルブチラール混合物等を挙げることができ、特にポリ
ビニルブチラール、塩化ビニル−エチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体が好ましく用いられる。
【0010】上記可塑剤としては、上記ビニル系樹脂と
相溶性に富むものであればよく、例えばジオクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシル
アジペート、ジイソデシルアジペート、エポキシ脂肪酸
モノエステル、トリエチレングリコール−ジ−2−ブチ
レート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキ
ソエート、ジブチルセバケート等を挙げることができ
る。可塑剤の配合量は、ビニル系樹脂に対して20〜4
5重量%の範囲が好ましい。
相溶性に富むものであればよく、例えばジオクチルフタ
レート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシル
アジペート、ジイソデシルアジペート、エポキシ脂肪酸
モノエステル、トリエチレングリコール−ジ−2−ブチ
レート、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキ
ソエート、ジブチルセバケート等を挙げることができ
る。可塑剤の配合量は、ビニル系樹脂に対して20〜4
5重量%の範囲が好ましい。
【0011】また上記顔料はプラスチック用として使用
できるものであれば特に限定されず、例えばアゾ系、フ
タロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノ
ン系、ジオキサジン系、アンスラキノ系、イソインドリ
ノ系等の有機顔料や、酸化物、水酸化物、硫化物、クロ
ム酸、硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、砒酸塩、フェ
ロシアン化物、炭素、金属粉等の無機顔料を挙げること
ができる。顔料の配合量は、目的の色に合わせて任意で
あるが、顔料は上述のように可塑剤中において溶解せ
ず、分散状態で存在するので可塑剤量の0.4〜10重
量%が好ましい。また混合物には必要に応じて熱安定剤
や酸化防止剤などを配合してもよく、更に、高耐貫通性
を与えるために、例えば、金属塩等の接着力調製剤を配
合してもよい。
できるものであれば特に限定されず、例えばアゾ系、フ
タロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノ
ン系、ジオキサジン系、アンスラキノ系、イソインドリ
ノ系等の有機顔料や、酸化物、水酸化物、硫化物、クロ
ム酸、硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、砒酸塩、フェ
ロシアン化物、炭素、金属粉等の無機顔料を挙げること
ができる。顔料の配合量は、目的の色に合わせて任意で
あるが、顔料は上述のように可塑剤中において溶解せ
ず、分散状態で存在するので可塑剤量の0.4〜10重
量%が好ましい。また混合物には必要に応じて熱安定剤
や酸化防止剤などを配合してもよく、更に、高耐貫通性
を与えるために、例えば、金属塩等の接着力調製剤を配
合してもよい。
【0012】次に、ビニル系樹脂、顔料および可塑剤を
含有する混合物を所定温度で混練し、成膜する本発明の
方法を、ビニル系樹脂としてポリビニルブチラールを例
に挙げて説明すると、このポリビニルブチラールの通常
の成形温度は170℃であるので、それよりも少なくと
も30℃低い温度、つまり140℃以下の樹脂温度で、
0.3kW・Hr/kg以上の剪断力で混練する。樹脂
温度は通常の成形温度より140〜30℃低い温度であ
る。混練時の樹脂温度と剪断力は、120℃以下で、
0.4kW・Hr/kg以上が更に好ましい。混練時の
樹脂温度が上記温度(成形温度−30℃)より高いと、
顔料の分散が良好に行えず、成形温度より140℃以上
低温にすると、可塑剤、樹脂等の溶融混合がうまく行え
ないため膜の不均一が生じ、また押出機にかかる負荷が
大きくなりすぎるという問題が生じる。一方、剪断力の
上限は特に限定されず押出機の負荷限界内であればよ
い。
含有する混合物を所定温度で混練し、成膜する本発明の
方法を、ビニル系樹脂としてポリビニルブチラールを例
に挙げて説明すると、このポリビニルブチラールの通常
の成形温度は170℃であるので、それよりも少なくと
も30℃低い温度、つまり140℃以下の樹脂温度で、
0.3kW・Hr/kg以上の剪断力で混練する。樹脂
温度は通常の成形温度より140〜30℃低い温度であ
る。混練時の樹脂温度と剪断力は、120℃以下で、
0.4kW・Hr/kg以上が更に好ましい。混練時の
樹脂温度が上記温度(成形温度−30℃)より高いと、
顔料の分散が良好に行えず、成形温度より140℃以上
低温にすると、可塑剤、樹脂等の溶融混合がうまく行え
ないため膜の不均一が生じ、また押出機にかかる負荷が
大きくなりすぎるという問題が生じる。一方、剪断力の
上限は特に限定されず押出機の負荷限界内であればよ
い。
【0013】混練を終えた前記混合物を膜状に成形する
場合には、上述の条件さえ満足すれば公知の方法、例え
ば、カレンダーロール法、押出成形法、キャスティング
法、インフレーション法等を用いることができる。
場合には、上述の条件さえ満足すれば公知の方法、例え
ば、カレンダーロール法、押出成形法、キャスティング
法、インフレーション法等を用いることができる。
【0014】このようにして得られた着色中間膜を用い
て、合わせガラスが製造される。その合わせガラスの形
態としては、例えば、ガラス/中間膜/ガラス、ガラス
/中間膜/ガラス/中間膜/合成樹脂層、ガラス/中間
膜/合成樹脂層、合成樹脂層/中間膜/ガラス/中間膜
/合成樹脂層等があるが、これらに特に限定されるもの
ではない。上記合成樹脂層としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アク
リル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン等の
透明性の高いフィルムまたはシートが好ましく用いられ
る。
て、合わせガラスが製造される。その合わせガラスの形
態としては、例えば、ガラス/中間膜/ガラス、ガラス
/中間膜/ガラス/中間膜/合成樹脂層、ガラス/中間
膜/合成樹脂層、合成樹脂層/中間膜/ガラス/中間膜
/合成樹脂層等があるが、これらに特に限定されるもの
ではない。上記合成樹脂層としては、例えばポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アク
リル樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニリデン等の
透明性の高いフィルムまたはシートが好ましく用いられ
る。
【0015】
【作用】ビニル系樹脂、顔料および可塑剤を有する混合
物を、成形温度T℃より少なくとも30℃低い温度にて
0.3kW・Hr/kg以上の大きな剪断力を付加して
混練することにより、成形温度T℃で混合物を混練する
場合に比べて顔料には強い剪断力が作用するために、可
塑化したビニル系樹脂中に小粒径の顔料を均一に分散さ
せることができる。その後、成形可能な温度まで混合物
の温度を上げても、ビニル系樹脂が高粘度を有するため
顔料の均一な分散状態が保持されるので、顔料粒子の2
次凝集を抑制することができ、成形工程を経てヘイズの
低減した着色中間膜を製造することができる。そして、
この着色中間膜を用いてヘイズの低減した合わせガラス
を製造することができる。
物を、成形温度T℃より少なくとも30℃低い温度にて
0.3kW・Hr/kg以上の大きな剪断力を付加して
混練することにより、成形温度T℃で混合物を混練する
場合に比べて顔料には強い剪断力が作用するために、可
塑化したビニル系樹脂中に小粒径の顔料を均一に分散さ
せることができる。その後、成形可能な温度まで混合物
の温度を上げても、ビニル系樹脂が高粘度を有するため
顔料の均一な分散状態が保持されるので、顔料粒子の2
次凝集を抑制することができ、成形工程を経てヘイズの
低減した着色中間膜を製造することができる。そして、
この着色中間膜を用いてヘイズの低減した合わせガラス
を製造することができる。
【0016】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例を上げて
説明する。
説明する。
【0017】実施例1 ビニル系樹脂としてポリビニルブチラール100重量
部、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エ
チルブチレート40重量部、顔料としてポリアゾイエロ
ー0.13重量部、銅フタロシアニンブルー0.15重
量部およびキナクリドンレッド0.17重量部を可塑剤
分散5%液にした後、直径75cmの2本ロール(間隙
寸法0.75cm)でロール表面温度100℃の温度条
件および剪断力0.65kW・Hr/kgにて混練し、
厚さ0.3〜0.7mm程度のシート状に成形した。こ
のシートをチップ状に切断し、通常押出機にて再溶融し
成形温度170℃、剪断力0.1〜0.15kW・Hr
/kgにて厚さ0.5mmのシート状に成形した。この
シートを厚さ2.5cmのフロートガラス板2枚の間に
挟み、通常の合わせガラスの製造方法にしたがって加熱
圧着し、合わせガラスを作成した。
部、可塑剤としてトリエチレングリコール−ジ−2−エ
チルブチレート40重量部、顔料としてポリアゾイエロ
ー0.13重量部、銅フタロシアニンブルー0.15重
量部およびキナクリドンレッド0.17重量部を可塑剤
分散5%液にした後、直径75cmの2本ロール(間隙
寸法0.75cm)でロール表面温度100℃の温度条
件および剪断力0.65kW・Hr/kgにて混練し、
厚さ0.3〜0.7mm程度のシート状に成形した。こ
のシートをチップ状に切断し、通常押出機にて再溶融し
成形温度170℃、剪断力0.1〜0.15kW・Hr
/kgにて厚さ0.5mmのシート状に成形した。この
シートを厚さ2.5cmのフロートガラス板2枚の間に
挟み、通常の合わせガラスの製造方法にしたがって加熱
圧着し、合わせガラスを作成した。
【0018】実施例2 実施例1と同様にビニル系樹脂ポリビニルブチラール1
00重量部および可塑剤トリエチレングリコール−ジ−
2−エチルブチレート40重量部を用いて、また顔料に
はポリアゾイエロー0.04重量部、銅フロシアニング
リーン0.16重量部、キナクリドンバイオレット0.
06重量部を用い、実施例1と同様のロールを使用し
て、ロールの表面温度140℃および剪断力0.65k
W・Hr/kgにて混練した後、ロールの表面温度を成
形温度170℃に昇温し、剪断力0.1〜0.15kW
・Hr/kgにて混合物を厚さ0.5mmのシートに成
形した。このシートを用いて実施例1と同様に合わせガ
ラスを作成した。
00重量部および可塑剤トリエチレングリコール−ジ−
2−エチルブチレート40重量部を用いて、また顔料に
はポリアゾイエロー0.04重量部、銅フロシアニング
リーン0.16重量部、キナクリドンバイオレット0.
06重量部を用い、実施例1と同様のロールを使用し
て、ロールの表面温度140℃および剪断力0.65k
W・Hr/kgにて混練した後、ロールの表面温度を成
形温度170℃に昇温し、剪断力0.1〜0.15kW
・Hr/kgにて混合物を厚さ0.5mmのシートに成
形した。このシートを用いて実施例1と同様に合わせガ
ラスを作成した。
【0019】比較例 上記実施例1と同じ組成および同じ重量部の混合物を、
同様のローラを用いてローラの表面温度170℃にて剪
断力0.1〜0.15kW・Hr/kgにて混練し、厚
さ0.5mmのシートに成形した以外は、実施例1と同
様にして合わせガラスを作成した。
同様のローラを用いてローラの表面温度170℃にて剪
断力0.1〜0.15kW・Hr/kgにて混練し、厚
さ0.5mmのシートに成形した以外は、実施例1と同
様にして合わせガラスを作成した。
【0020】以上のようにして作成した合わせガラスに
ついて、それぞれヘイズメーターで全光線透過率(%)
および拡散透過率(%)を測定し、JIS K7105
に規定されるヘイズ値(%)を測定した。更に750W
の石英ガラス水銀灯を光源にもつ紫外線照射装置を用
い、JIS R3212の規定に準じて2000Hr暴
露を行い、暴露前後の試料を分光測色計にて測定し、標
準の光Cにおける可視光線透過率変化率と、JIS Z
8730規定のハンターの色差式による色差(ΔEH )
を求めた。その結果を表1に示す。
ついて、それぞれヘイズメーターで全光線透過率(%)
および拡散透過率(%)を測定し、JIS K7105
に規定されるヘイズ値(%)を測定した。更に750W
の石英ガラス水銀灯を光源にもつ紫外線照射装置を用
い、JIS R3212の規定に準じて2000Hr暴
露を行い、暴露前後の試料を分光測色計にて測定し、標
準の光Cにおける可視光線透過率変化率と、JIS Z
8730規定のハンターの色差式による色差(ΔEH )
を求めた。その結果を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】表1から明らかなように、本発明によって
製造された顔料系着色中間膜を用いた合わせガラスはヘ
イズが大幅に改善されており、一方その紫外線照射前後
の可視光線透過率変化率(%)および色差(ΔEH )の
値が小さく、紫外線照射前後で同程度の可視光線透過
率、色調を保持しており、褪色や変色しにくいことがわ
かる。
製造された顔料系着色中間膜を用いた合わせガラスはヘ
イズが大幅に改善されており、一方その紫外線照射前後
の可視光線透過率変化率(%)および色差(ΔEH )の
値が小さく、紫外線照射前後で同程度の可視光線透過
率、色調を保持しており、褪色や変色しにくいことがわ
かる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、耐候性の良好な顔料を
着色剤として用いた合わせガラス用着色中間膜のヘイズ
を低減することができる結果、この着色中間膜を用い
て、光劣化による着色部の変色および褪色を抑制でき、
かつ光の散乱が少ない着色合わせガラスを製造すること
ができ、建築物の窓ガラス、自動車のフロントガラスお
よびサイドガラス等屋外で長期にわたって太陽光線にさ
らされるガラスに有効に利用することができる。
着色剤として用いた合わせガラス用着色中間膜のヘイズ
を低減することができる結果、この着色中間膜を用い
て、光劣化による着色部の変色および褪色を抑制でき、
かつ光の散乱が少ない着色合わせガラスを製造すること
ができ、建築物の窓ガラス、自動車のフロントガラスお
よびサイドガラス等屋外で長期にわたって太陽光線にさ
らされるガラスに有効に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C03C 27/12 N 7821−4G
Claims (2)
- 【請求項1】ビニル系樹脂、顔料および可塑剤を含有す
る混合物を温度T℃で溶融して膜状に成形する工程を有
する合わせガラス用着色中間膜の製造方法において、前
記混合物を膜状に成形する工程の前に、前記混合物をそ
の成形温度T℃より少なくとも30℃低い温度にて、
0.3kW・Hr/kg以上の剪断力を付加して混練す
る工程を有することを特徴とする合わせガラス用着色中
間膜の製造方法。 - 【請求項2】請求項1記載の製造方法によって得られた
着色中間膜を使用することを特徴とする合わせガラスの
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3250634A JPH0584738A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 合わせガラス用着色中間膜の製造方法および合わせガラスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3250634A JPH0584738A (ja) | 1991-09-30 | 1991-09-30 | 合わせガラス用着色中間膜の製造方法および合わせガラスの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0584738A true JPH0584738A (ja) | 1993-04-06 |
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