JPH0584509A - 熱延金属板の冷却過程における温度分散を防止する方法 - Google Patents

熱延金属板の冷却過程における温度分散を防止する方法

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JPH0584509A
JPH0584509A JP4208391A JP4208391A JPH0584509A JP H0584509 A JPH0584509 A JP H0584509A JP 4208391 A JP4208391 A JP 4208391A JP 4208391 A JP4208391 A JP 4208391A JP H0584509 A JPH0584509 A JP H0584509A
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cooling
hot
dispersion
hot rolled
metallic sheet
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JP4208391A
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Kyohei Murata
杏坪 村田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、熱延金属板の冷却過程における温
度分散を防止し、冷却形状を向上させかつ材質分散を防
止する冷却方法を提供する。 【構成】 被冷却金属板の表面上に形成される冷却水の
水膜中に、金網状ネットを浸没させ必要に応じてこれを
加振して、冷却水の流れを均一に乱しかつ撹拌する。こ
の操作により、冷却水の実質水温の均一化と低温化を図
り、膜沸騰の混在を防ぎ、均一冷却が実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱延金属板の広義の熱
処理工程の中の冷却過程における温度分散を防止する方
法に関し、特に、冷却過程における時間的・空間的な温
度分散を防止するための冷却方法に係る。
【0002】本発明は鉄鋼の厚板の制御圧延やホットス
トリップ圧延工程のランアウトテーブル冷却法及びその
他とも関連するものであり、以下には鉄鋼の厚鋼板の制
御圧延・制御冷却加工熱処理法を例に具体的に説明す
る。
【0003】
【従来の技術】鉄鋼の熱処理冷却過程における時間的・
空間的温度分散の問題は、複雑・多様でありかつ古くて
新しい問題でもある。該温度分散現象は被熱処理製品の
寸法・形状不良と材質分散の発生原因である。
【0004】最近、該現象の防止法及び技術に関して本
発明者はいくつかの提案を行った。例えば、特開平1−
284418号公報では、温度分散の発生原因が、伝熱
面の表面粗さと酸化の分散に起因するとして表面粗さを
Rz≦30μmとし、同時に圧延新生面を加速酸化する
ことが有効であることを開示した。特開平02−700
17号公報では、表面粗さを構成するくぼみの幾何学的
形状を、線状溝(Rz≦25μm)にすることが効果的
であると提案している。更に、特開平02−66115
号公報でも伝熱面の加速酸化による濡れ性の向上が有効
であると提案している。
【0005】これらの最新の提案は、何れも伝熱面側条
件の制御が必要であることを明らかにしている。しか
し、前述の通り、該温度分散現象の発生原因は多数あ
り、該温度分散現象を工業的に防止するためには総合的
な対策が必要である。特に、伝熱面側条件の制御と同時
に流体側の条件の制御も必要である。
【0006】流体側条件の制御としては、冷却水を厚鋼
板の上面及び下面にスプレーするときに、上下の平均水
量密度比を制御する方法及び例えば鋼板上の水のマクロ
な流動パターンに工夫を加える等が実施されている。し
かし、実際には例えば鋼板上のマクロな流動パターンを
ミクロに見ると、水流によどみが生じる場所が多数あ
る。このよどみの部位では水温が上昇し、このような機
構で場所により実質水温が分散する。実質水温が高くな
れば、膜沸騰が発生し易くなる傾向があり、膜沸騰の混
在現象が起こり、広い平面内で冷却温度の分散が発生す
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】すなわち、熱間金属の
冷却過程においては、ノズル配列設計による板面上の水
流パターンの制御の他に更に実質水温の均一化の方法と
手段が必要となるがこの方法についての提案は現状皆無
といえる。
【0008】本発明は、このような現状にかんがみ、厚
鋼板の冷却形状不良及び材質分散等を解消するため、実
工程に新たな冷却過程の温度分散の防止手段を導入し、
厚鋼板表面(上、下両面)上のミクロな実効水温の均一
化方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は以下の構成を要旨とする。すなわち (1)熱延金属板の熱処理冷却過程において、熱延金属
板の表面に形成される冷却媒体の膜の中に薄い金網状ネ
ットを挿入し、熱延金属板の表面に押し当てあるいは接
近させて配置し、その状態で冷却媒体を供給し続けて冷
却することを特徴とし、また、 (2)熱延金属板の熱処理冷却過程において熱延金属板
の表面に形成される冷却媒体の膜の中に薄い金網状ネッ
トを挿入し、熱延金属板の表面に押し当てあるいは接近
させて配置し、前記金網状ネットに振動を付加した状態
で冷却媒体を供給し続けて冷却することを特徴とするも
のであって、これにより熱延金属板の冷却過程における
温度分散を防止するものである。
【0010】
【作用】以下、本発明について詳細に説明する。
【0011】本発明者は、鋼板表面上の水膜のミクロな
撹拌を付加することにより、実効水温の均一化が図られ
ること、およびスプレーなどにより供給される冷却水
が、常時均一に鋼板表面上に到達するのを阻害してはな
らないことを必要条件とし、こと両条件を満足するもの
として、薄い金網を適用しこの金網を振動させる方法
が、簡便であり、かつ実用可能であるとの考えのもと
に、本発明を構築するに至った。そして、厚鋼板の公知
制御冷却装置を用いて検証実験を行ったところ、極めて
良好な結果を得た。
【0012】すなわち、本発明の方法は、図1に平面図
を示す通り、該制御冷却装置の鋼板押さえロール1間に
金網2(編み目間隔:約10mm)を張り、熱鋼板3の先
端が該制御冷却装置の押さえロール1間を通過すると直
ちに、該金網2を熱鋼板3に押し当るようにする。この
際該金網2の両端は、該冷却装置の機側の加振装置4に
接続させておく。この金網2は熱鋼板3の上、下両面に
同様に配置するのが望ましい。また、該金網は熱鋼板の
表面近く好ましくは10mm以内であれば、押し当ての場
合と同様の効果が得られることも確認した。
【0013】検証実験は、冷却開始温度750℃から通
常の生産のための制御冷却作業条件下で、金網に振動数
0,1及び10Hz、振幅を約15mmとした振動を付与し
て実施し、制御冷却装置の出側で厚鋼板表面温度をサー
モトレーサーで計測した。
【0014】図2は、制御冷却装置の出側における幅方
向の厚鋼板温度分布を計測した例で、本発明の方法によ
り幅方向の温度分布が著しく低減していることがわか
る。当然のことながら、長手方向の温度分散も低下して
いるのが確認された。更に、冷却終了温度分散の低減効
果は、水膜中に金網を挿入するのみで加振しなくても、
かなりの効果があることも明らかになった。これは金網
自体が水流の障害物となって、水の流れが撹拌され乱れ
るために水温が均一化したからである。金網に振動を付
与する場合、金網の振動数は高い方が好ましいが、1Hz
で相当の効果が認められる。また、振動の方向は平面内
であれば任意でよい。
【0015】冷却後の温度分散の低減に著効がある理由
は以下のように説明される。小型円板状加熱試験片(2
5.0φ×3.0t,mm)を吹上げ衝突噴流水で冷却
し、熱伝達特性を測定する実験を行い、冷却初期の膜沸
騰の発生条件を調べたところ、表1に整理した結果が得
られた。
【0016】
【表1】
【0017】表1から、水温65℃以上では表面粗さ条
件に無関係に膜沸騰が発生するが、水温40℃以下では
特殊な表面粗さ条件下で選択的に膜沸騰が発生するのみ
で、全体的に膜沸騰は発生しない傾向があることが確認
された。したがって、被冷却面上の実質冷却水温が分散
すると冷却曲線群に膜沸騰の有無の同時共存状態が発生
し、大きな冷却温度分散乃至温度偏差が生じることが明
らかになった。この事実より、実質冷却水温の低温化及
び均一化が、冷却過程における温度分散の低減に必須で
あることが理解できる。
【0018】被冷却面上に形成されるマクロな水流パタ
ーンによって板面上に冷却水の滞留する部分が生じ、実
質冷却水温が局部的に上昇し、全体として実質冷却水温
に分散がある板面上の水膜中に挿入された金網の振動に
より冷却水が撹拌され、実質冷却水温の均一化及び低温
化効果が生じ、冷却過程の温度分散が激減したものと言
える。同時に、冷却水の撹拌により膜沸騰蒸気膜の崩壊
も起こる。
【0019】このようなことから本発明方法の実施にあ
たっては、厚鋼板の制御冷却装置に熱鋼板が移動してく
ると、熱鋼板の進入状況に応じて、上流側より熱鋼板表
面上の水膜中に金網状ネットを挿入し、同時に必要に応
じて該金網状ネットに振動を加える。該金網状ネットは
予め振動させておき、水膜中に浸没させてもよい。熱鋼
板の制御冷却装置内の通過状況に応じて、上記操作を上
流側から下流側に順次実施して行くこととする。
【0020】この操作により熱鋼板上(上下両面)に形
成される水膜内が撹拌され、冷却水温の均一化及び低温
化更には蒸気膜の崩壊と発生抑制効果が発現し、熱鋼板
の冷却過程における温度分散が阻止され、全体が均一温
度で冷却される。その結果として熱処理厚鋼板の冷却形
状不良の発生が激減しかつ材質分散も著しく小さくな
る。
【0021】
【実施例】生産用厚板制御冷却装置の各押さえロール間
に、編み目間隔10mmの金網を厚板の上面及び下面に配
置した。該冷却装置の機側に加振装置を設置し、該金網
の両端が加振装置に接続され0,1,10Hzの振動を与
えた。振幅は約15mmとした。供試材は中炭素鋼で圧延
寸法は板厚15mm×板幅3000mm×板長さ20,00
0mmであった。また、冷却開始温度は約750℃に揃え
た。金網を使用し、これと振動付加したものを本発明実
施例(1〜3)とし、両方とも用いない従来法とを表2
に示した。
【0022】各実施例における冷却終了温度の幅方向分
布は図2に示した通りで、本発明法鋼板温度差は著しく
小さくなっている。また、冷却鋼板の曲がり状況も含め
て表2に整理して示しているが、本発明の方法により冷
却鋼板の曲がりは従来法に比較して著しく低減してお
り、その理由は温度分散が減少したためである。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】熱鋼板上の水膜内部の撹拌により冷却過
程における温度分散が減少し、熱処理鋼板の冷却形状が
著しく向上し、かつ広義の材質分散も激減する効果を生
む。ここで、広義の材質とは機械的性質のみならず酸洗
性、スケール密着性及び金属組織の均一性その他を意味
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱延金属板の熱処理冷却過程において本発明の
実施例を示す平面概略図である。
【図2】本発明における冷却終了温度の幅方向分布を従
来法と比較して示す図である。
【符号の説明】
1:押さえロール 2:金網状ネット 3:被冷却熱鋼板 4:加振装置
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年3月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明者は、鋼板表面上の水膜のミクロな
撹拌を付加することにより、実効水温の均一化が図られ
ること、およびスプレーなどにより供給される冷却水
が、常時均一に鋼板表面上に到達するのを阻害してはな
らないことを必要条件とし、この両条件を満足するもの
として、薄い金網を適用しこの金網を振動させる方法
が、簡便であり、かつ実用可能であるとの考えのもと
に、本発明を構築するに至った。そして、厚鋼板の公知
制御冷却装置を用いて検証実験を行ったところ、極めて
良好な結果を得た。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】各実施例における冷却終了温度の幅方向分
布は図2に示した通りで、本発明法により鋼板温度差は
著しく小さくなっている。また、冷却鋼板の曲がり状況
も含めて表2に整理して示しているが、本発明の方法に
より冷却鋼板の曲がりは従来法に比較して著しく低減し
ており、その理由は温度分散が減少したためである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱延金属板の熱処理冷却過程において熱
    延金属板の表面に形成される冷却媒体の膜の中に薄い金
    網状ネットを挿入し、熱延金属板の表面に押し当てある
    いは接近させて配置し、その状態で冷却媒体を供給し続
    けて冷却することを特徴とする熱延金属板の冷却過程に
    おける温度分散を防止する方法。
  2. 【請求項2】 熱延金属板の熱処理冷却過程において熱
    延金属板の表面に形成される冷却媒体の膜の中に薄い金
    網状ネットを挿入し、熱延金属板の表面に押し当てある
    いは接近させて配置し、前記金網状ネットに振動を付加
    した状態で冷却媒体を供給し続けて冷却することを特徴
    とする熱延金属板の冷却過程における温度分散を防止す
    る方法。
JP4208391A 1991-03-07 1991-03-07 熱延金属板の冷却過程における温度分散を防止する方法 Withdrawn JPH0584509A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101353695B1 (ko) * 2011-12-21 2014-01-20 주식회사 포스코 증기막 제거장치 및 이를 포함한 고온판재 냉각기

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101353695B1 (ko) * 2011-12-21 2014-01-20 주식회사 포스코 증기막 제거장치 및 이를 포함한 고온판재 냉각기

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Effective date: 19980514