JPH0583536A - 疑似中間調表示のデイザ方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】多階調画像信号を二値データで疑似中間調表現
するディザマトリックスで、ハイビジョンモニタ等の高
解像度表示装置の表示でも特有の縞模様の発生を目立た
ないものとする。 【構成】Ｂayer型ディザマトリックスの各要素の数値を
各行毎の合計値、各列毎の合計値、各右下がり斜め方向
の合計値、および各左下がり斜め方向の合計値がすべて
等しくなる如く配置する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はイメージスキャナ、ファ
クシミリ等における多階調の読取画像信号を疑似中間調
表現の二値データに変換するディザマトリックス、およ
びディザ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】ラスタ走査して得た多階調画像信号を二
値データに変換する回路において、中間調を表現する手
段の一つとして入力画像信号のｎ×ｎ画素より成る正方
領域の画素毎の白黒判別しきい値を変化させるディザマ
トリックスによるものがあり、二値化データで再現した
表示画像の階調変化の自然さおよび解像度を両立させた
ものとしてＢayer型、渦巻型、網点型等が知られてい
る。Ｂayer型ディザマトリックスの例を図４に示す。同
マトリックスの各要素の数値順に対応するしきい値を生
成し、同しきい値の各要素に対応するデータをあらかじ
め記憶したメモリより、入力画像信号の画素および走査
線のクロックに同期せしめて繰り返し読み出し、アナロ
グに変換した信号を同入力画像信号とともにレベル比較
器を介して二値データとする。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記二
値データを再現した画像を表示する表示装置がハイビジ
ョンモニタの如く高解像度のものになると、表示画像に
前記ディザマトリックスの数値配置に起因する特有の方
向性のある縞模様が現れ、表示画像の品質を低下させる
ものであった。本発明はハイビジョンモニタにおいても
前記縞模様の目立たなくする手段を提供するものであ
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記ディザマトリックス
を構成する各要素の各行毎、各列毎、各右下がり斜め方
向毎、および各左下がりの斜め方向毎の和を、全て等し
い数値となる配列とする。

【０００５】

【作用】中間調の表示単位とするｎ×ｎ画素の正方領域
の各画素毎の白黒判別しきい値を、同正方領域内におい
てもディザの主旨を生かしつつ平均化し、縞模様の発生
しないようにする。すなわち、前記ディザマトリックス
の各行毎、および各列毎の各要素の合計値を等しい値と
なる如く各要素を配置する。また前記ディザマトリック
スを水平方向に繰り返したマトリックスの各右下がり斜
め方向毎、および各左下がり斜め方向毎、つまり図１に
示すマトリックスで屈折する点線矢印でなぞった各要素
についても同様ｎ個の合計値を前記行、および列毎の合
計値と全て等しい数値とする。上記条件を満たしたディ
ザマトリックスの例を図１に示す。

【０００６】前記ディザマトリックスの各数値の示すし
きい値レベルの順位に対応せしめて設定したしきい値の
データをあらかじめメモリ17に記憶する。入力画像信号
11の水平および垂直同期信号13、14に同期せしめ、同入
力画像信号11の画素クロック信号12および水平走査線数
を計数するドットカウンタ15、ラインカウンタ16のそれ
ぞれの下位２ビットで指定し、前記メモリ17に記憶のし
きい値データの水平方向および垂直方向の各要素に対応
のデータを読み出す。前記メモリ17より読み出したデー
タをアナログ信号に変換し、同アナログ信号を基準信号
として前記入力画像信号11のレベルを判別し、同前記入
力画像信号11のレベルに応じた二値信号20を出力する。

【０００７】

【実施例】中間調の表示単位を４×４画素としたときの
例について説明する。しきい値レベルの順序を示す０〜
15の数字を要素とする４×４構成のディザマトリックス
において、各要素の各行毎の合計値、各列毎の合計値、
および同マトリックスを水平方向に繰り返したときの一
行目の各要素から始まる右下がり斜め方向および左下が
り斜め方向の連続する四要素の各合計値が全て等しい
値、すなわちこの例では３０となる如く各要素の数字を
配列する。前記ディザマトリックスの例を図１に示す。
前記ディザマトリックスの各要素の数値の示すしきい値
レベルの順位に対応せしめ、最小値を１とし「０」を含
めて１７レベルの各しきい値を設定する。すなわち、隣
接する前後のしきい値を等間隔とし、前記ディザマトリ
ックスより生成したしきい値マトリックスの例を図２に
示す。前記の隣接するしきい値の間隔は入力する画像の
特性に応じて不等間隔としたものであってもよい。

【０００８】図３に示すディザ装置10に入力の多階調の
画像信号11をレベル比較器19の信号入力に供給する。一
方前記画像信号11の画素に対応するクロック信号12をド
ットカウンタ15のクロック入力に供給し、同画像信号11
の水平同期信号13を同ドットカウンタ15のリセット入力
に供給して同期せしめ、一走査線を構成する画素数を計
数する。前記水平同期信号13をラインカウンタ16のクロ
ック入力に供給し、前記画像信号11の垂直同期信号14を
同ラインカウンタ16のリセット入力に供給して同期せし
め、一画面を構成する走査線数を計数する。

【０００９】前記ドットカウンタ15およびラインカウン
タ16のそれぞれの下位２ビットを、図２に示すしきい値
マトリックスの各要素の値をデータとしてあらかじめ記
憶の読出専用メモリ17のアドレス入力に供給し、出力し
たデータをデジタル−アナログ変換器18を介してアナロ
グ信号に変換し、前記レベル比較器19の参照入力に供給
する。前記レベル比較器19の参照入力に入力の信号を基
準レベルとし、同レベル比較器19の信号入力に入力の前
記画像信号11のレベル大小に応じて二値とした信号を出
力する。

【００１０】

【発明の効果】本発明のディザマトリックスによりに二
値化したデータの表示画像の解像度、および階調の自然
さを損なうことなく、しかもハイビジョンモニタにおい
ても特有の縞模様の確認を困難にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のディザマトリックスの構成図である。

【図２】図１のディザマトリックスより生成したしきい
値マトリックスの一例の構成図である。

【図３】ディザ装置のブロック図である。

【図４】従来のＢayer型しきい値マトリックスの構成図
である。

【符号の説明】

10 ディザ装置 11 画像信号 12 クロック信号 13 水平同期信号 14 垂直同期信号 15 ドットカウンタ 16 ラインカウンタ 17 読出専用メモリ 18 デジタル−アナログ変換器 19 レベル比較器 20 出力二値信号

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ラスタ走査多階調画像信号のｎ×ｎ画素の
   正方領域の画素毎の白黒判別しきい値を変化せしめるデ
   ィザマトリックス各要素の縦、横、斜め方向の和を等し
   くしたことを特徴とする疑似中間調表示のディザ方法。
2. 【請求項２】前記正方領域を構成する画素を４×４とし
   たことを特徴とする請求項１記載の疑似中間調表示のデ
   ィザ方法。
3. 【請求項３】前記多階調画像信号の画素クロック信号を
   計数し同画像信号の水平同期信号でリセットのドットカ
   ウンタ、および同ドットカウンタの桁上げ信号を計数し
   同画像信号の垂直同期信号でリセットのラインカウンタ
   それぞれの下位２ビットをアドレス信号とし、前記ディ
   ザマトリックスより生成のしきい値マトリックスの各要
   素の値をあらかじめ記憶のメモリより読み出してデジタ
   ル−アナログ変換器を介し、参照入力に供給したレベル
   比較器の信号入力に前記多階調画像信号を供給し、二値
   画像信号を出力することを特徴とする請求項１または２
   記載の疑似中間調表示のディザ装置。