JPH058340Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、車両等に用いられるボールジヨイ
ントに関する。

（従来の技術） 従来のボールジヨイントとしては、例えば第２
図に示すようなものが知られている。

第２図において、１はナツクルアームの軸着部
であり、この軸着部１内にはボールジヨイントソ
ケツト２が圧入されている。ボールジヨイントソ
ケツト２内にはボールスタツド３の球部４をベア
リング部材であるベアリングシート５で包着した
状態で組込み所定の作動トルクを得るようにして
いる。

（この考案が解決しようとする問題点） しかしながら、このような従来のボールジヨイ
ントにおいては、ナツクルアームの軸着部のボー
ルジヨイントソケツトのソケツト孔はその長手方
向の寸法が大きいため、ボールジヨイントソケツ
ト内に大きな空間が画成され、取付強度が劣化す
るという問題点があつた。また、ソケツト自体が
肉厚となるという欠点もあつた。

（問題点を解決するための手段） この考案は、このような従来の問題点に鑑みて
なされたものであつて、ボールジヨイントソケツ
ト内の空間を有効に利用して取付強度が高く、ソ
ケツトの肉厚を薄くしたボールジヨイントを提供
することを目的としている。

この目的を達成するために、この考案は、円筒
状のソケツト部材内にベアリング部材を介してボ
ールスタツドの球部を摺動自在に組込んでナツク
ルアームとタイロツドとの連結を行うボールジヨ
イントであつて、前記ベアリング部材に前記ソケ
ツト部材のソケツト孔の端部迄延在するストツパ
部を一体形成し、該ストツパ部により包囲された
空間部をベアリング部材に形成し、該ストツパ部
の後端外側を前記ソケツト部材にカシメ固定して
いる。

（作用） この考案においては、ソケツト部材内にその端
部迄延在させたストツパ部を有し、該ストツパ部
により包囲された空間部が形成されたベアリング
部材を圧入してそのストツパ部をソケツト部材に
カシメ固定するようにしたため、充分な取付強度
を確保することができる。また、ソケツト部材内
に圧入されるベアリング部材の圧入部分を大きく
することができるので、ソケツト部材自体を肉薄
に形成することが可能となる。

（実施例） 以下、この考案の実施例を図面に基づいて説明
する。

第１図はこの考案の一実施例を示す図である。

まず、構成を説明すると、第１図において、１
１はナツクルアームであり、ナツクルアーム１１
の端部には円筒状の軸着部１２が形成されてい
る。１３はタイロツドであり、タイロツド１３の
一端はボールスタツド１４のスタツド軸１５に連
結されている。

ナツクルアーム１１の軸着部１２には収納孔１
６が形成され、収納孔１６内には円筒状のボール
ジヨイントソケツト（ソケツト部材）１７が圧入
されている。ボールジヨイントソケツト１７内に
はボールスタツド１４の球部１８がベアリング部
材であるベアリングシート１９により包着された
状態で組込まれている。

ここで、ベアリングシート１９にはストツパ部
２０が一体に形成されており、ストツパ部２０は
ボールジヨイントソケツト１７内に形成されたソ
ケツト孔２１の開口端迄延在されている。また、
ベアリングシート１９にはストツパ部２０により
包囲された空間部２２が画成されており、空間部
２２は図中下方に向かつて開口している。

また、ボールジヨイントソケツト１７の開口端
には内方に突出する鍔部２３が形成されており、
この鍔部２３に対してストツパ部２０の後端外側
がカシメ加工により固定されている。なお、２４
はダストカバーであり、ダストカバー２４はボー
ルジヨイントソケツト１７とスタツド軸１５との
間に装着されている。

次に、作用を説明する。

この実施例においては、ストツパ部２０を一体
形成したベアリングシート１９でボールスタツド
１４の球部１８をボールジヨイントソケツト１７
内に抱持し、ソケツト孔２１の開口端迄ストツパ
部２０を延在させて、ストツパ部により包囲され
た空間をベアリングシート１９に形成し、ストツ
パ部２０の後端外側をボールジヨイントソケツト
１７にカシメ固定したため、充分な取付強度を確
保することができる。また、、ベアリングシート
１９の圧入部分が大きいので、ボールジヨイント
ソケツト１７自体を肉薄に形成することができ
る。

（考案の効果） 以上説明してきたように、この考案によれば、
ボールジヨイントソケツトのソケツト孔内にスト
ツパ部を有するベアリングシートを圧入し、スト
ツパ部により包囲された空間をベアリングシート
に形成し、ストツパ部の後端外側をボールジヨイ
ントソケツトにカシメ固定するようにしたため、
充分な取付強度を確保することができる。また、
ベアリングシートの圧入部分が大きいので、ボー
ルジヨイントソケツト自体を肉薄に形成すること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す断面図、第
２図は従来例を示す図である。 １１……ナツクルアーム、１３……タイロツ
ド、１４……ボールスタツド、１７……ボールジ
ヨイントソケツト（ソケツト部材）、１８……球
部、１９……ベアリングシート（ベアリング部
材）、２０……ストツパ部、２１……ソケツト孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状のソケツト部材内にベアリング部材を介
   してボールスタツドの球部を摺動自在に組込んで
   ナツクルアームとタイロツドとの連結を行うボー
   ルジヨイントであつて、前記ベアリング部材に前
   記ソケツト部材のソケツト孔の端部迄延在するス
   トツパ部を一体形成し、該ストツパ部により包囲
   された空間部をベアリング部材に形成し、該スト
   ツパ部の後端外側を前記ソケツト部材にカシメ固
   定したことを特徴とするボールジヨイント。