JPH0583257B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【0001】

【産業上の利用分野】 本発明は保持位置切換機
構を備えた側柵に関するものである。

【0002】

【従来の技術】 例えば、事故等により、身体の
一部、特に脚部の運動機能が麻痺した患者にとつ
て、車椅子はなくてはならないものである。その
ような患者がベツドと車椅子との間で、乗降する
場合、正常に機能する身体の一部、例えば、上肢
によつて身体を支え、ベツドのマツトレス上へ、
あるいは車椅子へいざるように移動したりしなけ
ればならず、患者にとつて大変な負担であり、介
助者なしでは為しえない場合も多い。

【0003】

【発明が解決しようとする課題】 その場合、ベ
ツドに車椅子を近付けようとすると、車椅子にあ
るフツトレストがベツドのサイドフレームに当接
して、それ以上、車椅子を近付けることができな
いので、車椅子とベツドのマツトレスには、間隔
が生じてしまい、介助者なしでは、安全且つ確実
に乗降を達成することが困難な状態にある。 そこで本発明は、前記した動作を介助者なしで
容易に達成すべく、保持位置切換機構を備えた側
柵を提供することを目的とする。

【0004】

【課題を解決するための手段】 前記した課題を
解決するために、本発明は、ベツド等のサイドフ
レームに、板部材を保持位置切換機構を介して設
けると共に、前記板部材を水平状態に支持補助す
るための支持補助杆を設けるようにしたものであ
る。 また、本発明は、ベツド等のサイドフレーム
に、柵部材を保持位置切換機構を介して設けると
共に、前記柵部材を水平状態に支持補助するため
の支持補助杆を設けるようにしたものである。 また、本発明における保持位置切換機構は、板
部材または柵部材の可動部に設けられた受け部
と、板部材または柵部材の固定部に設けられ前記
受け部に係止する回動自在な押圧子とを具備し、
前記受け部に、押圧子が嵌合すべき空間部を形成
すると共に、押圧子に突部を設け、前記空間部に
押圧子を押し込みつつ回動させて突部を選択的に
係止させる係止凹部を複数設けるようにしたもの
である。 さらに、本発明は板部材または柵部材の長手方
向端部に沿つて、緩衝枠を設けるようにしたもの
である。

【0005】

【作用】 先ず、側柵を通常の側柵として機能さ
せるためには、一旦、保持位置切換機構の押圧子
を押し込んでやり係止解除状態とし、板部材の回
動側をフリーな状態とする。そして、押圧子を押
し込んだまま、板部材を鉛直方向にたててやり、
押圧子を解放すると、押圧子は復帰し、空間部の
係止凹部に押圧子の突部が係止し、板部材は、鉛
直状態で保持される。 次に、側柵を乗降の際の補助手段として機能さ
せるためには、押圧子を押し込んで係止解除状態
とし、押圧子を押し込んだまま、板部材を水平方
向に倒伏させてやり、押圧子を解放すると、空間
部の係止凹部に押圧子の突部が係止し、板部材
は、水平状態に保持される。この際、支持補助杆
は板部材の下面にもたらされ、板部材が支持補助
される。尚、水平方向に倒伏した板部材は、ベツ
ドのマツトレスの高さと同一な高さにあり、患者
は、かかるベツド側部における側柵に、容易に車
椅子を近付けることができる。また、前記板部材
は、水平方向外側に突出した状態となるので、車
椅子を近付けても、サイドフレームがじやまにな
ることはない。しかも、板部材の長手方向端部に
沿つて設けられた緩衝枠によつて、緩衝され、傷
つくようなことはない。そして、例えば、治療行
為や診察の際には、板部材を抱えて鉛直下方に回
転格納することができるので、治療行為や診察の
邪魔になるようなことはない。

【0006】

【実施例】 次に、本発明にかかる保持位置切換
機構を備えた側柵について、一実施例を挙げ、添
付の図面を参照しながら以下説明する。 第１図において、参照符号１は保持位置切換機
構を備えた側柵を示し、この側柵１には、ベツド
等のサイドフレーム２上に、基枠３を取付け、こ
の基枠３上に支柱４、板部材５の固定部である板
部材基部６を固設して、板部材５の可動部７を前
記板部材基部６に保持位置切換機構８を介して保
持すると共に、一端を前記基枠３に蝶着すると共
に他端部に緩衝部材９を介した支持補助杆１０に
より支持する構成としたものである。 また、前記保持位置切換機構８は、板部材５の
可動部７に設けられた受け部１１と板部材基部６
に取り付けられ前記受け部１１に係止する回動自
在な押圧子１２とを具備するものである。前記受
け部１１は、押圧子１２が嵌合すべき空間部１３
を有しており、押圧子１２が空間部１３内におい
てばね部材１４を介して嵌合されている。前記押
圧子１２の表端面には、押し込み回動操作がしや
すいようにつまみ部１５が設けられると共に、板
部材５の可動部７の保持位置を示す表示（サイ
ドレール、アプローチ、格納）が記載されて
いる。サイドレールは側柵１を通常の側柵１と
して機能させるための保持位置を示し、アプロ
ーチは板部材５の可動部７を水平状態に保持して
乗降補助に供する位置を示し、格納は可動部７
を垂直下方に格納する位置を示している。押圧子
１２には突部１６が設けられ、前記空間部１３に
は押圧子１２を押し込みつつ回動させて突部１６
も選択的に係止させる係止凹部１７が複数設けら
れている。これら係止凹部１７は前述の板部材５
の可動部７の保持位置を示す表示（サイドレー
ル、アプローチ、格納）に対応するように、
それぞれ直角のなすように形成される。 前記支持補助杆１０は一端を前記基枠３に蝶番
１８を介して蝶着される。この蝶番１８は、基枠
３側に溶接された第１の蝶番１９と、支持補助杆
１０側に溶接された第２の蝶番２０とかからな
り、前記第１蝶番１９を両端部側から第２蝶番２
０により同軸的に挾みこむように配設される構成
としている。この場合、第１蝶番１９と第２蝶番
２０とは、噛み合い歯２１により噛み合う状態に
形成されると共に、第１蝶番１９の下方側端部と
第２蝶番２０との間に若千のあそび２２が設けら
れる。すなわち、支持補助杆１０を垂直上方に引
き上げて、前記第１蝶番１９と第２蝶番２０との
噛み合つた状態を解除し、支持補助杆１０を蝶番
１８を中心に回動して、緩衝部材９を設けた他端
部を突出させた位置に噛み合わせ支持する状態と
することにより、水平状態にある板部材５の可動
部７に他端部を緩衝部材９を介して当接するよう
になつている。尚、可動部７がサイドレールや
格納の位置にあるときは、支持補助杆１０は基
枠３側に沿わした状態にある。 さらに、前記板部材５の可動部７には、長手方
向端部に沿つて、緩衝枠２３を設けるようにした
ものである。

【0007】 本発明にかかる保持位置切換機構を備
えた側柵１は以上のように構成されるものであ
り、次のその作用が説明する。 先ず、側柵１を通常の側柵１として機能させる
ためには、一旦、保持位置切換機構８の押圧子１
２のつまみ部１５を持つて押し込みつつ、サイ
ドレールを指示するように回動させてつまみ部１
５から手を離す。押圧子２はばね部材１４の弾発
力に抗して、押し込まれてフリーな状態となり、
回動後に、空間部１３の係止凹部１７に押圧子１
２の突部１６が係止するので、板部材６の可動部
７は、鉛直状態で保持される。 次に、側柵１をアプローチの補助手段として機
能させるために、アプローチを指示するよう
に、押圧子１２のつまみ部１５を持つて押し込み
つつ回動させてつまみ部１５から手を離す。この
際、押圧子１２を押し込んだまま、板部材６の可
動部７を水平方向に倒伏させる。空間部１３の係
止凹部１７に押圧子１２の突部１６が係止し、可
動部７は、水平状態に保持される。この際、支持
補助杆１０を垂直上方に引き上げて、第１蝶番１
９と第２蝶番２０との噛み合つた状態を解除し、
支持補助杆１０を蝶番１８を中心に回動して、緩
衝部材９を設けた他端部を突出させた位置に噛み
合わせ支持する状態とすることにより、水平状態
にある板部材５の可動部７に他端部を緩衝部材９
を介して当接するようにする。この場合、水平方
向に倒伏した可動部７は、ベツドのマツトレスＭ
の高さと同一の高さにあり、患者は、かかるベツ
ド側部における可動部７を橋渡しとして適用する
ことができなくなる。また、前記可動部７は、水
平方向外側に突出した状態となるので、容易に車
椅子Ｃを近付けることができ、車椅子Ｃを近付け
ても、サイドフレーム２がじやますることはな
い。しかも、可動部７の長手方向端部に沿つて設
けられた緩衝枠２３によつて、緩衝され、疵つく
ようなことはない。そして、例えば、治療行為や
診察の際には、可動部７を鉛直下方に回転格納す
ることができるので、治療行為は診察の邪魔にな
るようなことはない。

【0008】 以上、本発明にかかる保持位置切換機
構を備えた側柵１について、一実施例を挙げ、説
明したが、板部材５の代りに柵状の枠体、他のい
ずれの構造のものでも適用可能である。

【0009】

【発明の効果】 本発明によれば、側柵を通常の
側柵として、車椅子等をアプローチして乗降する
際の補助手段として適用することができる。前記
板部材は、水平方向外側に突出した状態となるの
で、車椅子を近付けても、サイドフレームがじや
まになることはない。しかも、板部材の長手方向
端部に沿つて設けられた緩衝枠によつて、車椅
子、ベツド等は疵つくようなことはない。そし
て、治療行為や診察の際には、板部材を持つて鉛
直下方に回転格納することができるので、治療行
為や診察の邪魔になるようなことはない。 以上のとおりであるので、介助者がいなくて
も、患者は安全且つ確実に乗降を達成することが
可能となる。

【0010】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明にかかる保持位置切換機構を備え
た側柵の外観斜視図である。

【図２】図１に示す側柵の要部説明図である。

【図３】図２に示す保持位置切換機構の押圧子の
操作面を説明する平面図である。

【図4a】図２に示す保持位置切換機構の断面説
明図である。

【図4b】図４ａに示す保持位置切換機構のＡ−
Ａ線に沿つて切断して見た矢視図である。

【図4c】図４ａに示す保持位置切換機構の押圧操
作した際の作用説明図である。

【図５】図２に示す保持位置切換機構の支持補助
杆の要部拡大斜視図である。

【図６】図５に示す支持補助杆の動作状態を示す
説明図である。

【図７】本発明にかかる保持位置機構を備えた側
柵の作用を説明する図である。

【符号の説明】

１ 側柵 ２ サイドフレーム ３ 基枠 ４ 支柱 ５ 板部材 ６ 板部材基部 ７ 可動部 ８ 保持位置切換機構 ９ 緩衝部材 １０ 支持補助杆 １１ 受け部 １２ 押圧子 １３ 空間部 １４ ばね部材 １５ つまみ部 １６ 突部 １７ 係止凹部 １８ 蝶番 １９ 第１蝶番 ２０ 第２蝶番 ２１ 噛み合い歯 ２２ あそび

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベツド等のサイドフレームに、板
   部材を保持位置切換機構を介して設けると共に、
   前記板部材を水平状態に支持補助するための支持
   補助杆を設けることを特徴とする補助位置切換機
   構を備えた側柵。
2. 【請求項２】 ベツド等のサイドフレームに、柵
   部材を保持位置切換機構を介して設けると共に、
   前記柵部材を水平状態に支持補助するための支持
   補助杆を設けることを特徴とする保持位置切換機
   構を備えた側柵。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載の保持位置
   切換機構は、板部材または柵部材の可動部に設け
   られた受け部と、板部材または柵部材の固定部に
   設けられ前記受け部に係止する回動自在な押圧子
   とを具備し、前記受け部に、押圧子が嵌合すべき
   空間部を形成すると共に、押圧子に突部を設け、
   前記空間部に押圧子を押し込みつつ回動させて突
   部を選択的に係止させる係止凹部を複数設けるこ
   とを特徴とする保持位置切換機構を備えた側柵。
4. 【請求項４】 請求項１または２記載の板部材ま
   たは柵部材の長手方向端部に沿つて、緩衝枠を設
   けることを特徴とする保持位置切換機構を備えた
   側柵。