JPH05828A - 線状体の吸引装置 - Google Patents

線状体の吸引装置

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JPH05828A
JPH05828A JP3159911A JP15991191A JPH05828A JP H05828 A JPH05828 A JP H05828A JP 3159911 A JP3159911 A JP 3159911A JP 15991191 A JP15991191 A JP 15991191A JP H05828 A JPH05828 A JP H05828A
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    • B65H54/00Winding, coiling, or depositing filamentary material
    • B65H54/86Arrangements for taking-up waste material before or after winding or depositing
    • B65H54/88Arrangements for taking-up waste material before or after winding or depositing by means of pneumatic arrangements, e.g. suction guns
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 破断した光ファイバ(線状体)を確実に吸引
して、光ファイバ製造作業の作業性の向上を図る。 【構成】 光ファイバ13が巻付け引取られるキャプス
タインホイール17の光ファイバ搬送で方向下流側に吸
引ノズル32を設けた光ファイバ13の吸引装置におい
て、線速によって変化する光ファイバ13のパスライン
1 の移動範囲内で、且つ、そのパスラインL1 の側方
に吸引ノズル32を配設して屑ファイバ溜め34を取付
け、吸引ノズルのその吸入口35をパスラインL1 と直
交させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、光ファイバの
製造工程における断線処理などに用いられる線状体の吸
引装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ファイバを製造するには線引
機を用い、光ファイバ母材から光ファイ素線を線引き
し、被覆を施した後、抗張力のテストをし、巻取機によ
って巻取っている。
【0003】図5に一般的な光ファイバの線引機を示
す。同図に示すように、光ファイバの線引機10は、光
ファイバ母材11を線引きする線引炉12と、線引きさ
れた光ファイバ13の外径を測定する外径測定器14
と、光ファイバ13の外周に、被覆を施すダイ15a及
び硬化炉15bからなる被覆部16と、光ファイバ13
に一定の張力を与え、抗張力をテストする第1,第2キ
ャップスタンホイール17,18と第1,第2キャプス
タンベルト19,20及び荷重ローラ21からなるスク
リーニング部22と、光ファイバ13を巻取る巻取機2
3とを具備するものである。
【0004】なお、スクリーニング部22では、第1キ
ャプスタンホイール17と第2キャプスタンホイール1
8との間の光ファイバ13に張力を付加するために荷重
ローラ21を用いているが、この他に、該荷重ローラ2
1を使用せず、第2キャプスタンホイール18に相当す
るものが定トルク駆動することによって第1キャプスタ
ンホイール17と第2キャプスタンホイール18との間
の光ファイバ13に張力を発生させる方法によって抗張
力をテストすることもできる。
【0005】また、光ファイバの抗張力テストは必ずし
も、図5に示すように、線引工程の中で行われるとは限
らず、線引工程の製造された光ファイバ13を更にスク
リーニング部22を備えた着色機に掛けることにより、
着色工程で抗張力テストを同時に行なうことも多い。更
には、線引工程,着色工程で全く抗張力テストを行なわ
ず、スクリーニング22部にサプライと巻取機を備えた
専用抗張力試験機で抗張力テストを行なうこともある。
【0006】ところで、上述したようなスクリーニング
部22を備えた光ファイバの製造装置においては、必ず
ガラス中の低強度部の存在によって一定割合で破断が生
じる。そのため、その破断時ごとに光ファイバ13の走
行を一時中断させ、キャプスタンホイール17,18等
にからまった光ファイバ13を除去する必要がある。こ
の作業は光ファイバの製造装置の生産性を著しく低下さ
せるため、従来より能率的な断線処理、生産復帰の方法
が従来より提案されている。その中でも、断線した光フ
ァイバを吸引装置によって吸引して処理する方法が最も
有望であり、例えば特開平2−204341号公報にお
いて開示されている。
【0007】図6に従来の光ファイバの吸引装置を示
す。同図に示すように、第1キャプスタン部30におい
て、搬送される光ファイバ13の搬送方向(図中Lで示
す)の下流側近傍のパスラインL0 と同軸となるよう
に、エアホース101でエア供給される吸引ノズル10
2をホルダ103へ着脱自在に係合配置している。
【0008】而して、このような吸引ノズル102を第
1キャプスタン17の出口近傍でパスラインL0 と同軸
となるように設け、この吸引ノズル102内に光ファイ
バ13を通過させておき、圧縮エアGを常に供給して吹
出し状態としておくことにより、例えば、光ファイバ1
3が断線した際でも、光ファイバ13は確実に吸引し得
ることとなる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の光ファイバの吸引装置にあっては、光ファイバ
13を予め吸引ノズル102の中に通しておく必要があ
り、最初に光ファイバ13を巻取機22に導く口出し作
業を必要とし、その口出し作業が面倒であると共に作業
時間が長くかかってしまうという問題があった。特に、
近年光ファイバの口出し作業を機械によって自動化する
試みがなされており、その際には光ファイバの端末を線
ガイドで導くこととなるので、光ファイバを通すには吸
引ノズルを分割式にするなどの工夫が必要となり、装置
が複雑化してしまう。
【0010】また、光ファイバ13の断線時にこの光フ
ァイバ13を吸引しているときには吸引ノズル102の
吹出し口から破断した光ファイバが高速で飛散する。そ
のため、吸引ノズル102の吹出し口側にファイバ溜め
を設けなければならない。ところが、従来の光ファイバ
の吸引装置にあっては、吸引ノズル102が光ファイバ
13のパスライン上に位置しているため、構造上、ここ
にファイバ溜めを設けることは困難である。そのため、
光ファイバの製造装置のローラや作業者などに飛散した
光ファイバがからみついてしまい、後の掃除が面倒であ
るという問題があった。
【0011】本発明はこのような問題点を解決するもの
であって、高速で走行するときに破断した光ファイバな
どの線状体を確実に吸引し、製造作業の作業性の向上を
図った線状体の吸引装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の線状体の吸引装置は、走行する線状体が巻
付け引取られるキャプスタンホイールにおける該線状体
搬送方向下流側に吸引ノズルが設けられた線状体の吸引
装置において、線速によって変化する線状体のパスライ
ンの移動範囲内に前記吸引ノズルの吸入口を位置させた
ことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の線状体の吸引装置は、走行
する線状体が巻付け引取られるキャプスタンホイールに
おける該線状体搬送方向下流側に吸引ノズルが設けられ
た線状体の吸引装置において、前記吸引ノズルを前記線
状体のパスライン側方に配設すると共に、前記吸引ノズ
ルの吸入口を該パスラインと直交して位置させたことを
特徴とするものである。
【0014】
【作用】高速走行中の線状体に断線が発生すると、ただ
ちに吸引ノズルによりキャプスタンホイールから繰り出
される線状体が吸引される。このとき、吸引ノズルが線
状体のパスライン移動範囲内に位置することで、線状体
の線速が変化しても破断した線状体を確実に吸引でき
る。また、吸引ノズルが線状体のパスラインの側方に位
置することで、線状体の口出し作業が容易となり、且
つ、破断した線状体を簡単に収集できる。
【0015】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0016】図1及び図2に本発明の一実施例に係る線
状体の吸引装置を示す。なお、従来と同様の機能を有す
る部材には同一の符号を付して重複する説明は省略す
る。
【0017】図1及び図2に示すように、本実施例の線
引機における第1キャプスタン部31は、線引された光
ファイバ13が巻付け引取られる第1キャプスタンホイ
ール17と、このキャプスタンホイール17の駆動機構
により走行する第1キャプスタンベルト19をガイドす
るローラ19a〜19cとから構成されており、光ファ
イバ13のパスラインL1 はこれらの配置によって適宜
決定されることになっている。
【0018】本実施例の線状体としての光ファイバの吸
引装置にあっては、吸引ノズルを光ファイバのパスライ
ンと同軸に配設せず、この吸引ノズル中に光ファイバを
予め通してない状態で高速で走行する光ファイバを確実
に吸引することができるようになっている。
【0019】即ち、図1及び図2に示すように、前述し
た第1キャプスタン部31において、搬送される光ファ
イバ13の搬送方向の下流側のパスランL1の側方に吸
引ノズル32が配設されている。この吸引ノズル32に
は中間部に図示しない圧縮エア源に連結されたエアホー
ス33が接続されると共に、吸引ノズル32の基端部に
は屑ファイバ溜め34が取付けられている。そして、吸
引ノズル32の先端部の吸入口35はパスラインL1
直交する方向を向いて位置している。
【0020】なお、吸引ノズル32は一般的に使用され
ているものであり、エアホース33を介して中間部に入
った圧縮エアが吸引ノズル32内を周方向に回ると共に
屑ファイバ溜め34側に急激に吹出されるようになって
いる。従って、このエアの流れによって発生するエジェ
クタ効果により吸入口35に破断した光ファイバ13を
吸入する吸引力が発生する。
【0021】ここで、吸引ノズル32の取付位置に関し
て破断した光ファイバ13の吸引の成功率を調査する試
験を行った。
【0022】図3に吸引ノズルの取付位置による線状体
吸引試験を行うための各吸引ノズルの取付位置、図4に
異なる線速での線状体のパスラインを示す。
【0023】最初に、吸引ノズルの取付最適位置を求め
る検討を行った。図3に示すように、上述した実施例の
ように吸引ノズル32をパスラインL1 の側方に設けた
ものを実施例1とし、前述した従来技術のように吸引ノ
ズル102をパスラインL0 と同軸上に設けたものを比
較例1、また、吸引ノズル32をパスラインL0 の下側
に設けたものを比較例2とし、それぞれ破断した光ファ
イバ13の吸引成功率の試験を行った。なお、試験条件
として、吸引ノズルの穴径を22mm、エアホース33か
らの圧縮エア圧を5kg/cm2 とした。
【0024】表1に試験結果を示す。
【0025】
【表1】
【0026】表1より明らかなように、従来式の比較例
1と側方にノズルを備えた実施例1の方式が高線速にお
いても確実な光ファイバの吸引を行なった。但し、比較
例1の方式は、パスライン近辺に屑ファイバが飛散し、
特に、線速400m/min 以上の高線速では莫大な屑ファ
イバが短時間に堆積するためローラにからみつくなどの
問題を生じた。そのため、常時、作業者による屑ファイ
バ除去作業が必要であった。一方、比較例2と実施例1
の方式は、屑ファイバが全てファイバ溜めに溜まるた
め、光ファイバ除去作業は吸引終了後にファイバ溜めを
処分するだけで良く、作業性は非常に良好であった。本
試験で使用した屑ファイバ溜めは、排出される光ファイ
バを受止める一方で大量のエアを外へ逃がす必要がある
ため、編目が5mm程度のネットを袋状にしたものを使用
したが、小孔が適当にあけられた布またはプラスチック
製の袋でも一向に差し支えない。
【0027】また、本試験での観察結果より、側方から
の吸引が下方よりも成功率が高い理由は、以下の理由に
よるものと判断された。即ち、石英ガラスを主成分とす
る光ファイバは、通常の繊維等と異なり剛性が高いた
め、断線が生じるとキャプスタンホイールの直下に落ち
ようとせず、図4に示すように、光ファイバがしなりな
がら放出される。そして、線速が高くなるほど光ファイ
バは直線状にキャプスタンホイールから放出されるよう
になる。従って、吸引ノズルの吸入口がパスラインの直
下にあると、通常走行時のパスライン近傍に吸引ノズル
を配置しても、断線時は光ファイバが吸引ノズルから離
れてしまい、また、線速が高くなるほど吸引ノズルと光
ファイバとの距離は開く傾向があるため吸引が非常に困
難となる。ところが、吸引ノズルがパスラインの側方に
ある場合、光ファイバの走行経路がずれても吸引口とパ
スラインとの距離は直下に置いた時ほどは変化せず、ま
た、変化しても吸入口の口径の幅だけは余裕があるた
め、光ファイバが吸引ノズルからあまり離れない。その
ため、高速においても容易に光ファイバを吸引できるも
のである。
【0028】以上の結果より、吸引ノズルの吸入口と光
ファイバとの距離が十分近く、かつ線速によって変化し
ない位置、即ち、線速によって変化するパスラインの移
動範囲内に吸引ノズルを配置すれば、吸引ノズルがアパ
スラインからはずれていても断線した光ファイバを吸引
できることは明らかとなった。側方配置方式では、理論
上は吸引ノズルの口径が大きく、吸入口とパスラインと
の距離が短いほど幅広い線速の範囲で光ファイバを確実
に吸引できることになる。
【0029】次に、吸引ノズルの口径と吸引成功率との
関係について検討した。検討した吸引ノズル口径は、
8,22,50,75mmの4種類である。これらの吸引
ノズルをパスラインの側方に配置し、光ファイバを線速
20〜800m/min で走らせ、強制的に断線させて確実
に吸引できるかどうかを調査した。吸引ノズルは前述と
同様に一般的なものを使用し、エア圧を全て5kg/cm2
で行なった。
【0030】表2に試験結果を示す。
【0031】
【表2】
【0032】表2より明らかなように、吸引ノズルの口
径には最適値が有り、22〜50mmの間の口径が最も確
実に光ファイバを吸引することができると判明した。口
径が大きくなりすぎると成功率が低下する原因は、本試
験ではエア圧を口径によらず5kg/cm2 で一定としてい
るために、口径が大きい吸引ノズルは吸入時の風速が相
対的に低下し、高線速側では流れてくる光ファイバを吸
引するだけの風量が足りず、成功率が低くなるためであ
る。従って、エア圧を高くすれば大口径でも特に問題無
く吸引できると推定されるが、設備自体の小型化、低コ
スト化を考えれば、必要以上に口径を大きくするメリッ
トは小さいと考えられる。また、小口径側では、口径1
0mm以下になると明らかに成功率が低下することが判明
した。従って実施例における吸引ノズルの口径は最低で
も10mm以上、できれば20mm以上であることが望まし
い。
【0033】最後に、吸引ノズルの吸入口とパスライン
の距離と吸引成功率との関係について検討した。吸引ノ
ズルを実施例1と同様にパスライの側方に配置し、パス
ラインとの距離を5〜50mmの間で振った以外は実施例
1と同様のこれらの配置で光ファイバを線速20〜80
0m/min で走行させ、強制的に断線させて確実に吸引で
きるかどうかを調査した。
【0034】表3に試験結果を示す。
【0035】
【表3】
【0036】表3より明らかなように、距離が10mm以
下であれば線速800m/min でも問題無く断線ファイバ
を吸引できることが判明した。この距離は短いほど成功
率が高くなるが、同時に走行中の光ファイバが吸引ノズ
ルと接触したりして光ファイバを損傷する危険性が増大
するので、5〜10mm程度の距離が実施用上は最適な領
域である。
【0037】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の線状体の吸引装置によれば、線速によって
変化する線状体のパスラインの移動範囲内に吸引ノズル
の吸入口を位置させたので、線状体の線速が変化しても
破断した線状体を確実に吸引することができる。
【0038】また、吸引ノズルを線状体のパスラインの
側方でその吸入口をこのパスラインと直交して位置させ
たので、線状体の口出し作業を簡単且つ短時間で行うこ
とができ、線状体製造作業の作業性の向上を図ることが
できると共に、吸入ノズルに屑溜めを取付けることで破
断した線状体を簡単且つ確実に収集でき、屑の飛散を防
止することができる。その結果、特に光ファイバなど生
産速度が高速であり、且つ、口出し作業を自動化させた
線引機,着色機,巻替え機などの破断処理に対して有効
的に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る線状体の吸引装置の正
面図である。
【図2】線状体の吸引装置の側面図である。
【図3】吸引ノズルの取付位置による線状体吸引試験の
説明図である。
【図4】異なる線速での線状体のパスラインの説明図で
ある。
【図5】一般的な光ファイバの線引機の正面図である。
【図6】従来の光ファイバの吸引装置の正面図である。
【符号の説明】
13 光ファイバ(線状体) 17 第1キャプスタンホイール 18 第2キャプスタンホイール 31 キャプスタン部 32 吸引ノズル 33 エアホース 34 屑ファイバ溜め 35 吸入口 L1 パスライン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行する線状体が巻付け引取られるキャ
    プスタンホイールにおける該線状体搬送方向下流側に吸
    引ノズルが設けられた線状体の吸引装置において、線速
    によって変化する線状体のパスラインの移動範囲内に前
    記吸引ノズルの吸入口を位置させたことを特徴とする線
    状体の吸引装置。
  2. 【請求項2】 走行する線状体が巻付け引取られるキャ
    プスタンホイールにおける該線状体搬送方向下流側に吸
    引ノズルが設けられた線状体の吸引装置において、前記
    吸引ノズルを前記線状体のパスライン側方に配設すると
    共に、前記吸引ノズルの吸入口を該パスラインと直交し
    て位置させたことを特徴とする線状体の吸引装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の線状体の吸引装置におい
    て、吸引ノズルの吸入口の内径を10mm以上としたこと
    を特徴とする線状体の吸引装置。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の線状体の吸引装置におい
    て、吸引ノズルの吸入口と線状体のパスラインとの距離
    を10mm以内としたことを特徴とする線状体の吸引装
    置。
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