JPH0582879U - 定量噴射エアゾール用容器 - Google Patents

定量噴射エアゾール用容器

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JPH0582879U JP2284392U JP2284392U JPH0582879U JP H0582879 U JPH0582879 U JP H0582879U JP 2284392 U JP2284392 U JP 2284392U JP 2284392 U JP2284392 U JP 2284392U JP H0582879 U JPH0582879 U JP H0582879U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 全使用期間にわたり均一なエアゾールの噴射
を行うとともに、圧縮ガスの噴射を完全に遮断する。 【構成】 加圧ガスと原液とを隔離された主副の2重構
造の容器に封入するとともに、副容器内に封入された原
液を定量バルブの一回の動作で常時一定量噴射させるよ
うに構成する。 【効果】 安全かつ効率的な使用を可能とし、圧縮ガス
吸入による人体への悪影響を防止する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
この考案は、定量噴射エアゾール用容器、特に口腔内にエアゾール状物質を一 定量噴射するのに好適な定量噴射エアゾール用容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薬剤等の物質を一回の動作で常に一定量噴射することのできるいわゆる 定量噴射用容器として、いくつかの形態のものが知られている。 その一つはディスペンサータイプといわれているものであり、その構成は図4 に示すように、上下に逆止弁01、02を有する押圧式定量バルブを主な構成と し、指でボタンB0 を押してそのエネルギーによりシリンダー内の一定量を噴射 する機構を備えたものである。
【0003】 他の構成のものとしては、図5に示すような定量噴射バルブを用いたエアゾー ルのものも知られている。図5において、瓶状の容器03に入れられた原液04 は加圧され定量噴射バルブVo に圧送される。定量噴射バルブVo 内に滞留した 原液はノズル05を被冠するように取り付けられたボタンB1 を押下することに より、一定量噴出されるようになっている。 原液を加圧する加圧源06として、気体状圧縮ガスを使用したもの、及び液化ガ スを使用したものがある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
上記の従来技術のうち、図4に示されるようなディスペンサータイプのものは 、構造が簡素で製造コストが安いという利点はあるものの、指でボタンを押圧す るストロークが限られ噴射に必要なエネルギーに限界があるので、均一なミスト を得ることは困難である。 また、図5に示される形態のものは、均一なミスト を得るための十分な圧力を持っているが、圧縮ガス用の定量バルブは、その構造 上、製品圧力が内容物(原液)の残存量により大きく変化するために、噴射状態 が変わってしまい、噴出されるエアゾールの性状が、粗いミスト、不均一なミス トのものや棒状のものがしょうじる欠点があった。
【0005】 また、上記いずれのものにあっても、上記の理由、及びボタンを不完全に押し た場合に所定の噴出量よりも少なくなる可能性が大きいなどの理由から、全使用 期間にわたり必ずしも定量の原液が噴出されるものとはなっていない。 この種のエアゾール用容器において、定量噴射は望まれるものであり、特に口 腔内に噴射するものにあっては、過剰に噴出した場合に身体に危険をもたらす場 合があり得ることから、不定量の噴出、特に過剰に噴出することは厳重に避けな ければならない。
【0006】 また、通常のエアゾールのように液化ガスを加圧源として使用するものにあっ ては、液化ガスを噴射剤として用いるため、均一なミストを得ることが可能であ り、内容物(原液及び液化ガス)の残存量により製品圧力が大きく変化すること はないなどの利点がある。しかしながら、この形態のものはガス自体も噴射され るため、使用者がガス自体をも吸入して身体に悪影響を及ぼす危険性がある。
【0007】 上述のように、従来公知の定量噴射エアゾール用容器においては、そのいずれ もが不都合を有しており、定量噴射、特に口腔内への定量噴射のためには不十分 のものであった。 本発明の目的は、全使用期間にわたり均一なエアゾールの噴射を行うことがで き、かつガスの噴射を完全に遮断した定量噴射エアゾール用容器を得ることを目 的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本考案は、上記の課題を解決し且つ目的を達成するために、原液と加圧ガスと を隔離された2重構造の容器に封入するとともに、定量バルブとして例えばダイ ヤフラム式バルブを用いた定量噴射エアゾール用容器を開示する。より具体的に は、主容器と、伸縮自在の薄膜から成り前記主容器の内部に配置された副容器と から2重構造容器を構成し、副容器内には原液を封入し、主容器と副容器で画成 された空間内には副容器を常時押圧する液化ガス/または液化ガスと圧縮ガスの 混合物(以下、加圧剤という)を封入するとともに、定量バルブの一回の動作で 副容器内の原液を常時一定量噴射させるように構成した定量噴射エアゾール用容 器を開示する。
【0009】
【作用】
副容器内に封入された原液は、主容器と副容器とで画成された空間内に封入さ れた加圧剤の押圧力により圧力を受けている。そして、使用者がその使用時に定 量バルブを一回作動させる毎に、副容器内の原液は常時一定量噴射される。この 際、圧力ガスは副容器により隔離されているので原液とともに口腔内に噴射され ることはない。
【0010】
【実施例】
以下、図面により本出願の考案である定量噴射エアゾール用容器の一実施例を 説明する。 図1は定量噴射エアゾール用容器の概略を示す断面模式図であり、図2は図1 の定量噴射エアゾール用容器の2重構造容器部分の全体を示す断面図であり、図 3は図1の定量噴射エアゾール用容器に用いる定量バルブの断面拡大図である。
【0011】 図1及び図2において、定量噴射エアゾール用容器の2重構造容器Cは全体と して逆皿状の底壁1を有する円筒状の瓶形状容器から成り、主容器2の内部に円 筒袋状の伸縮自在の薄膜からなる副容器3を設けることにより2重構造の容器に 形成されている。この薄膜の副容器3としては内容物である原液と化学反応を起 こしにくい素材、例えばアルミニウム薄膜やポリエチレン/ナイロン/ポリエチ レン等の積層膜を適宜用いる。そして、この2重構造容器Cの上部には、副容器 3内に封入された原液を噴射するための定量バルブVが設けられている。定量バ ルブVの上部には原液噴射を操作するためのボタンBが取り付けられている。
【0012】 このように構成された2重構造容器Cの底壁1の中心部には孔が穿設され、こ の孔から主容器2と副容器3とで画成された空間4に、エアゾールとして使用可 能な液化石油ガス等の液化ガス、炭酸ガス、窒素ガス、圧縮空気等の圧縮ガスを 封入した後、栓5によりこれを封止する。 次に、図3により定量バルブVについて説明する。図3において、バルブの中 心線XーXより左半分(A)はバルブの非作動状態図を示し、右半分(B)はそ の作動(噴射)状態図を示す。
【0013】 定量バルブVの一部を構成する取付具6は2重構造容器Cの上部開口の開口縁 部に、その外方縁部をかしめることにより取り付ける。取付具6の中央付近には 上方向に立ち上がり部7が形成されており、この立ち上がり部7には中心方向に 突出した凹溝8が形成されている。また、立ち上がり部7はその上端で内側に折 り曲げられ水平な上端部9を形成し、さらにその中央部で上方外側に折り返され 、そこに形成された開口部10にステムP(後述する)を挿通させている。
【0014】 前記取付具6の内側にはステムPを保持するためのハウジングHが配設されて いる。ハウジングHは、その内部にステムPを挿通させる内筒11と、内筒11 の外側面中央部から外方向に延設された円盤状の水平片12とから構成されてい る。この内筒11は説明の便宜上、水平片12を基準に上下二つの構成部分、す なわち上部内筒110及び下部内筒111から成るものとする。そして、上部内 筒110はその上端に外方向に突出した係止片13が延設され、この係止片13 を前記取付具6の凹溝8に係止することによりハウジングHは取付具6に支持さ れる。また、下部内筒111の下端には内方向に突出したスプリング受け座14 が延設されている。このスプリング受け座14の底部には原液の流出路112が 設けられている。一方、水平片12はその外端部及び中間部において、それぞれ 錘下して設けられた外側片15及び中間片16とを具備している。
【0015】 ハウジングHの外側片15の内側下方には略椀状のタンクカバーKが配設され ている。このタンクカバーKは、椀状のカバー本体17と、カバー本体17の中 央底部に穿設された原液吸入用吸入口18の縁部から上方に突出して形成された 筒状の吸入筒19と、この吸入筒19の内側面上端からさらに上方向に延設され た支持筒20とから形成されている。また、図においてカバー本体17の水平部 分と垂直部分との境界部分にはタンクカバーK内への原液の流入を可能とする開 口21が形成されている。このように形成されたタンクカバーKは、そのカバー 本体17の垂直部分の上端において、カバー本体K側に一体形成された突部22 をハウジングHの外側片15の内側面に設けられた突起23と係合させることに より、ハウジングHに取り付けられる。
【0016】 ハウジングHとタンクカバーKとの間には、略椀状の例えばゴム弁Gが配設さ れている。ゴム弁Gは可とう性を有する椀状のゴム弁本体24と、ゴム弁本体2 4の中央底部に一体形成された筒状の係合筒部25とを備えている。ゴム弁本体 24及び係合筒部25は各々その上端に外係止部26及び内係止部27が一体形 成されている。そして図3に示すように、外係止部26はハウジングHの外側片 15と中間片16及びタンクカバーKの突部22とで囲まれた空隙に嵌装される 。また、内係止部27はハウジングHのスプリング受け座14の底部とタンクカ バーKの支持筒20とで囲まれた空隙に嵌装される。このように、ゴム弁Gはハ ウジングHとタンクカバーKの間に配設される。
【0017】 次に、ステムPについて説明する。前述したとおり、このステムPにはその中 心線X−Xより左半分(A)は非作動状態を示し、右半分(B)は作動(噴射) 状態を示している。 ステムPは中実丸棒のロッド28と、ロッド28の上部に一体形成された筒状 の噴射管29とから成り、さらにロッド28と噴射管29の連結部にはストッパ ー部材30が一体に突設されている。このストッパー部材30と前記ハウジング Hのスプリング受け座14との間にはスプリングSが挟持されており、したがっ てステムPは常時上方に付勢されている。ストッパー部材30の上方へのストロ ークを規制するため、及び定量バルブVからの原液の漏洩を防止するために前記 取付具6の開口部10周囲に可とう性の2枚のシール部材34、34が設けられ ている。そして、噴射管29の管内には霧化された原液を外部に流出するための 噴出路31が、その先端には噴出口32が形成されている。さらに、噴出口32 の上部には、従来周知のような円筒状のボタンBが、ステムPを被冠するように 該ステムPに取り付けられている。そして、ボタンBの内部には、噴出路31お よび噴出口32と連通する鈎の手状の噴射通路35が形成されている。また、噴 射管29にはバルブV内外を連通させる連通孔33が穿設されている。
【0018】 次に、前述の構成を備えた本実施例の作用を説明する。 先ず、図3の中心線X−Xより左半図の(A)に示すように、ステムPが非作 動時には、ステムPのストッパー部材30はスプリングSの付勢力によりシール 部材31を上方に押し上げた状態で静止している。 この時、図1に示すように、可とう性の薄膜3内に封入された原液は容器内空 間4に封入された加圧剤の押圧力により定圧バルブV内に圧入される。すなわち 、この原液は、一方ではタンクカバーKとゴム弁Gとで囲まれた空間Iaに流入す る。他方では吸入口18から支持筒20内空間IIa に流入した原液は、ハウジン グHの流出路112を通りハウジングHとゴム弁Gとで囲まれた空間IIIaに流入 する一方、ステムPのロッド28とハウジングHのスプリング受け座14との間 隙を通りハウジングHの上部内筒110とロッド28とで囲まれた空間IVa にも 流入し、これらの空間内を充満させる。また、この状態では噴射管29内の空間 Va(噴出路31)は大気と連通するのみである。
【0019】 次に、上記非作動状態から指で噴射用のボタンBを作動させてステムPを押下 させ、作動(噴射)状態にする。図3の中心線X−Xから右半図(B)において 、ステムPはスプリングSの付勢力に逆らって図示した位置まで押下されたもの とすると、吸入口18から流入した原液は空間IIb まで流入するが、ステムPの ロッド28とゴム弁Gの係止部27との圧密作用により空間IIIbもしくは空間IV b への流入が阻止される。一方、ステムPの下降により噴射管29の連通孔33 が下降し、空間Vbと空間IVb とが連通する。また、空間IVb と空間IIIbとが連通 していることから、空間IIIb,IVb及びVbは全て大気に連通する(大気圧になる) 。
【0020】 ところで、容器内の原液は開口21を通じてタンクカバーK内の空間Ibに流入 し、原液と大気との圧力差(大気圧の方が小さい)により、空間Ib内の流入液は 空間IIIbに向かってゴム弁Gを押圧する。そして、この押圧力によりゴム弁Gが 変形し、その変形した容積分だけ空間IIIb内の滞留液を空間IVb に向かって押し 出す。そして、空間IVb 内にあった原液も圧力を受け、連通孔33、空間Vb(噴 出路31)を通り噴射口32から外部(口腔内)へ噴射される。ゴム弁Gの変形 量(たわみ量)は原液の残存量にかかわらず常に一定になるように設定されてい るので、毎回噴射される量は常に一定となる。また、原液は噴射管31を通って 噴射口32、及びこれと連通するボタンB内の噴射通路35から噴射される時に 急激に大量の空気に触れるため、霧化される。
【0021】
【考案の効果】
上記説明から明かなように、この考案によれば、口腔内に原液を常に均一に一 定量噴射できるため,安全かつ効率的な使用が可能である。また、加圧剤が原液 と一緒に噴射されないため、圧力ガス吸入の心配がなく人体に悪影響を与えない 。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定量噴射エアゾ−ル用容器の概略を示す断面
模式図である。
【図2】 図1の定量噴射エアゾ−ル用容器の2重構造
容器部分の全体を示す断面図である。
【図3】 図1の定量噴射エアゾ−ル用容器に用いる定
量バルブの断面拡大図である。
【図4】 ディスペンサ−タイプの定量噴射バルブを用
いた従来技術である。
【図5】 加圧源を用いた定量噴射バルブの従来技術で
ある。
【符号の説明】
C…2重構造容器(エアゾ−ル容器)、V…定量噴射バ
ルブ、2…主容器、3…副容器、4…圧縮ガス

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 瓶形状から成り、その内部空間に内容物
    であるエアゾールの原液を封入したエアゾール容器と、
    前記エアゾール容器内の原液を一定量噴射させる定量バ
    ルブとを備えた定量噴射エアゾール用容器において、前
    記エアゾール用容器は主容器と伸縮自在の薄膜から成り
    前記主容器の内部に配設される副容器とを備えた2重構
    造容器で構成し、前記副容器の内部空間にはエアゾール
    の原液を封入し、前記主容器と前記副容器とで画成され
    た空間には前記副容器を押圧する加圧剤を封入するとと
    もに、前記定量バルブは一回の動作で前記副容器内の原
    液を常時一定量噴射させるようにしたことを特徴とする
    定量噴射エアゾール容器。
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