JPH0582376B2 - - Google Patents

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JPH0582376B2
JPH0582376B2 JP18590885A JP18590885A JPH0582376B2 JP H0582376 B2 JPH0582376 B2 JP H0582376B2 JP 18590885 A JP18590885 A JP 18590885A JP 18590885 A JP18590885 A JP 18590885A JP H0582376 B2 JPH0582376 B2 JP H0582376B2
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Japan
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acid
reaction
cinnamic
acids
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JP18590885A
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JPS6245556A (ja
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Toshio Matsuhisa
Usaji Takagi
Katsuji Myata
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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Mitsui Toatsu Chemicals Inc
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は桂皮酸アルキルエステル類の加水分解
による桂皮酸類の製造方法に関する。 桂皮酸類は香料または感光性樹脂の原料など、
工業的に重要な化合物である。 (従来の技術) 桂皮酸類の合成方法としては、これまで種々の
方法が知られている。例えば、ベンズアルデヒド
を原料として Perkin反応、Knoevenagel反応、
Claisen縮合、ベンゼンやベンゼン誘導体とアク
リル酸エステルを原料とする方法などが知られて
いる(例えば、特公昭47−50611、特開昭58−
59927、米国特許第3783140、同3922299など)。ま
た、スチレンまたはその誘導体と一酸化炭素、ア
ルコールおよび酸素を触媒の存在下に反応させる
方法も最近提案されている(例えば、特公昭59−
5570、同60−23661など)。 これらの方法のうち、ベンズアルデヒドと酢酸
エステルを用いるClaisen縮合や、ベンゼンまた
はベンゼン誘導体と、アクリル酸エステルを原料
とする方法、スチレンまたはその誘導体と一酸化
炭素、アルコールおよび酸素を原料とする方法な
どは、いずれも、一旦桂皮酸エステルが生成する
ので遊離の桂皮酸を得るにはエステルを加水分解
する必要がある。 カルボン酸エステル類を酸またはアルカリを用
いて加水分解して遊離のカルボン酸を得る方法は
公知である。しかし、一般に桂皮酸エステル類の
加水分解はアルコール、ジオキサン、アセトンな
どとの水溶液中で水酸化ナトリウムなどのアルカ
リを用いて均一系で行なわれている(例えば、特
開昭49−102614)。また、最近、酸を触媒として
加水分解する方法も提案されている(特開昭60−
112736)。 (発明が解決しようとする問題点) 桂皮酸エステル類のアルカリ分解によつて桂皮
酸類を得る場合には、桂皮酸エステル類に対して
等モル以上のアルカリを必要とし、さらに得られ
た桂皮酸アルカリ塩を中和するためにアルカリと
等モル以上の酸が必要となる。 アルカリを用いずに、酸を触媒として用いてエ
ステルを分解する方法は、一般のエステル加水分
解法として公知であるが、桂皮酸エステル類の場
合には反応が遅く、未反応原料が残ることが多く
目的物の収率および品質が劣り、さらに精製が必
要となる。例えば、前述の特開昭60−112736には
pKaが 2.0以下の酸を用いる方法が開示されて
いるが、酸水溶液を用いた場合は反応が遅く、ま
た、桂皮酸エステル類の転化率は、23.2%で、未
反応原料が多く残存している。また、この方法で
は固体酸触媒を用いる方法が例示されているが、
この場合には生成する桂皮酸類を抽出するなどの
方法で固体酸から分離しなければならない。 (問題を解決するための手段) 本発明者らは、桂皮酸エステル類の酸水溶液に
よる加水分解について鋭意検討の結果、特定の条
件および方法を用いることにより、高い反応速度
で反応が進み、温和な条件下で短時間で反応を実
施できることを見出し本発明に到達した。 本発明は桂皮酸エステル類を酸水溶液の存在下
で加水分解して桂皮酸類を製造する方法において
水溶性の酸を桂皮酸エステル類1モルに対して10
モル以上用いて、かつ、反応系内の酸水溶液の酸
度関数Hpを−1以下の状態を保ちながら、加水
分解することを特徴とする桂皮酸類の製造方法で
ある。 本発明方法で用いられる原料の桂皮酸エステル
類は、一般式
【化】 (式中、R1は、水素または芳香環上の少なく
とも1種以上の置換基であり、ハロゲン、水酸
基、炭素数1−4のアルキル基、または炭素数1
−4のアルコキシ基を表わす。R2およびR3はそ
れぞれ同種または異種の基であり、水素、炭素数
1−6のアルキル基を表わす。R4は未置換また
は置換基を有するアルキル基もしくはアルケニル
基を表わす)で示される桂皮酸エステル類であ
り、具体的には桂皮酸メチル、桂皮酸エチル、桂
皮酸プロピル、桂皮酸ブチル、α−メチル−β−
フエニルアクリル酸エチル、α−プロピル−β−
クロロフエニルアクリル酸メチル、β−3、4−
ジメトキシフエニルアクリル酸メチル、β−4−
メトキシフエニルアクリル酸メチル、桂皮酸ベン
ジル、桂皮酸シンナミル、桂皮酸グアヤコールな
どがあげられる。 これらの桂皮酸エステル類は各種の方法で製造
することができる。例えば、前述のようにベンズ
ベンズアルデヒドと酢酸エステルからClaisen縮
合、あるいはベンゼンまたはベンゼン誘導体とア
クリル酸エステルとの反応、さらにはスチレンの
酸化的カルボニル化反応等で製造できる。また、
天然物の蘇合香油などから分離することもできる
このような方法でえられたものがいずれも使用で
きる。 本発明で用いられる酸は、水に溶けて水溶液と
して使用できる酸である。水に不溶性の酸は目的
物の桂皮酸類との分離が必要となり、好ましくな
い。また、桂皮酸類と反応するおそれのある酸は
好ましくない。 好ましい酸としては、たとえば、塩酸、硫酸、
燐酸、二燐酸、フオスフイン酸、フオスフオン酸
トリポリ燐酸、H2S2O7,H2S2O10,H2S2O13の化
学式で表わされるポリ硫酸、過塩素酸、トリフル
オロ酢酸、パラトルエンスルフオン酸、フルオロ
スルフオン酸、トルフルオロメタンスルフオン酸
などのいわゆる超強酸などが使用できる。また、
フルオロスルフオン酸と五フツ化アンチモンなど
との組合わせで作られるマジツク酸と呼ばれる酸
も使用できる。 これらの酸は、単独で用いてもよいが、2種以
上の混合酸の形でも使用できる。 特開昭60−112736で使用できる酸としてあげら
ている硝酸、フツ化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化
水素酸、反応が極めて遅いか、または、原料の桂
皮酸エステル類や、生成物の桂皮酸類と反応し
て、目的物以外の生成物を生じるので、本発明方
法には不適当である。 本発明者らは、酸水溶液による桂皮酸エステル
類の加水分解反応を詳細に検討した結果、反応速
度が系内の酸水溶液の酸度関数と密接な関係があ
ることを知つた。すなはち、桂皮酸エステル類を
加水分解する場合、実質上工業的に有効な反応速
度を得、反応を完結させるためには、反応系内の
酸度関数(Hp)を、−1以下の状態に保ちながら
反応させることが必要であることがわかつた。こ
こで、酸度関数(Hp)とは、改訂3版 化学便
覧 基礎編 343−345ページに記されてい
るように、塩基Bとその共役酸BH+の活量系数
をそれぞれyB,yBH+,水素イオンH+の活量をaH+
とすると Hp=−ogaH+・yB/yBH+ で定義される物性値であり、代表的な数値は上記
のページに記されている。 酸度関数を−1以下に保ちながら反応しようと
すれば、例えば、塩酸水溶液を使用する場合は、
約10重量%以上の濃度を保つ必要があり、硫酸水
溶液の場合は、約20%以上の濃度が必要となる。
酸度関数が−1以上の状態で反応した場合には、
比較例で後述するように、反応が極めて遅くな
る。また、本発明方法を有効に実施するためには
酸の使用量を桂皮酸エステル類1モルに対し10モ
ル以上用いることが必要である。10モル以下であ
ると桂皮酸エステル類と酸水溶液の良好な攪拌状
態が得られず、反応成績が劣る。 加水分解の温度は通常、室温−140℃の範囲で
行われる。反応圧力は通常、常圧で実施される
が、場合によつては若干加圧または減圧で行うこ
ともできる。 本発明方法は、必要に応じて、アルコール類、
ケトン類、エーテル類、炭化水素類などを系内に
存在させて使用することができる。 本発明方法は、反応中に生成するアルコールを
系外に留出させながら加水分解を行うことにより
反応をさらに促進させることができる。 アルコールを系外に留出させる手段として、次
の方法が有効である。例えば、反応液中へ不活性
ガスを吹き込みながら生成するアルコールを排気
ガスと共に系外に留去させる方法、加水分解の反
応温度以下の沸点の不活性溶媒を反応系に滴下し
発生する蒸気と共に生成するアルコールを系外に
留出させる方法などが有効である。 また、反応を促進させるために、テトラフエニ
ルホウ化ナトリウムなどの相間移動触媒や、ドデ
シルベンゼンスルフオン酸などの界面活性材を使
用することができる。 本発明方法は、原料、および酸水溶液を一括し
て反応器に仕込んで反応させる回分式でも、それ
らの1部を少しずつ滴下しながら行う半回分式で
も、また、原料、および酸水溶液を連続的に仕込
み、反応液を連続的に排出させる連続式反応のい
ずれの方法でも実施できる。 加水分解によつて生成したアルコールは、反応
後、反応液から蒸留または抽出などの方法で容易
に回収することができるが、前述のように不活性
ガスや不活性溶媒の使用などにより、反応中にア
ルコールを留去させながら加水分解を行う方法で
は、反応後、反応液から回収する必要はなく、必
要に応じて留出液から回収すればよい。また、反
応中に系外に排出されるガスを適当に分縮するこ
とにより分離することもできる。 このように、目的物の桂皮酸類および生成した
アルコールを容易に分離して取得できることは、
反応の促進と共に本発明方法の大きな利点の1つ
である。 (発明の効果) 本発明によれば、桂皮酸エステル類の酸による
加水分解が温和な条件下で、高い反応速度で進行
し、収率も極めて高く、さらに、生成するアルコ
ールの回収も容易であり、工業的に極めて有利な
桂皮酸類の製造法となる。 (実施例) 以下、実施例および比較例により本発明を具体
的に説明する。 実施例 1 攪拌装置、温度計、留出物冷却用のリービツヒ
冷却管をとりつけたセパラブルフラスコに桂皮酸
メチル16.2g(0.10モル)と50重量%硫酸(酸度関
数−3.4)250mlを仕込み、激しく攪拌しながら
105℃に加熱し2.0時間反応させた。反応液を減圧
下で100℃に加熱し、20.5gの留出液を得た。反応
中の少量の留出液とあわせてガスクロマトグラフ
イーで分析した結果、2.2gのメタノールが回収さ
れていた。メタノールを回収後の反応液を液体ク
ロマトグラフイーで分析したところ、桂皮酸が
14.8g生成しており、仕込んだ桂皮酸エステルに
対しほぼ定量的に桂皮酸が生成した。 比較例 1 実施例1において、50重量%硫酸の代わりに、
15%硫酸(酸度関数−0.8)250mlを用いて105℃
で2時間反応させたほかは、実施例1と同様に反
応させた。反応液の分析結果、桂皮酸が3.8g生成
し、未反応の桂皮酸メチルが12.0g存在した。 比較例 2 実施例1において、50重量%硫酸250mlの代わ
りに、同濃度の硫酸100ml(硫酸 0.68モル)を用
いて同様の反応を行つたところ、2時間後の反応
液には、桂皮酸が7.4gしか生成しておらず、8.1g
の未反応の桂皮酸メチルが存在した。 実施例 2 実施例1と同じ装置に空気吹き込み管および、
リービツヒ冷却管の後段にドライアイスーメタノ
ールで冷却したコールドトラツプをとり付け、反
応中、空気を500ml/分の流量で液中に吹き込
み、1.5時間反応した以外は実施例1と同様に反
応を行つた。反応液を分析の結果、14.3gの桂皮
酸が生成していた。未反応の桂皮酸メチルは認め
られなかつた。この反応で24.3gの留出液が得ら
れ、その中にメタノールが2.9g含まれていた。 実施例 3 実施例1の装置に滴下ロートを取り付け、桂皮
酸メチル16.2gと50%硫酸水溶液250mlを仕込み、
激しく攪拌しながら滴下ロートから、1,2−ジ
メトキシエタンを50g/Hrの速度で滴下し、ほぼ
同じ速度で留出液を得た。1.5時間後滴下を止め、
反応液を分析した結果、14.3g桂皮酸が生成して
おり、未反応の桂皮酸メチルは認められなかつ
た。 実施例 4 実施例1において、50%硫酸水溶液を26重量%
塩酸(酸度関数−2.8)に、反応温度を100℃反応
時間を1.5時間に変更した以外は実施例1と同様
に反応を行つた。反応液を分析の結果、14.8gの
桂皮酸が生成しており、未反応の桂皮酸メチルは
認められなかつた。 比較例 3 実施例4において、26重量%塩酸の代わりに、
5重量%塩酸(酸度関数−1.5)250mlを用い100
℃で1.5時間反応させた以外は、実施例4と同様
に反応を行つた。反応液の分析結果、桂皮酸が
2.2g生成しており、未反応の桂皮酸メチルが
13.8g存在した。 実施例 5 実施例2において、50重量%硫酸水溶液を60重
量%燐酸(酸度関数−1.5)に、反応温度を120℃
に、反応時間を4時間に変更した以外は実施例2
と同様に反応を行つた。反応液の分析結果14.1g
の桂皮酸が生成しており、未反応の桂皮酸メチル
は認められなかつた。 実施例 6 実施例1において、桂皮酸メチルを桂皮酸エチ
ル17.6g(0.1モル)反応温度を110℃に、反応時間
を3時間に変更した以外は実施例1と同様に反応
を行つた。反応液の分析結果、14.7gの桂皮酸が
生成した。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 桂皮酸エステル類を酸の存在下で加水分解し
    て桂皮酸類を製造する方法において、水溶性の酸
    を桂皮酸エステル類1モルに対して、10モル以上
    用いて、かつ、反応系内の酸水溶液の酸度関数
    Hpを−1以下の状態に保ちながら加水分解する
    ことを特徴とする桂皮酸類の製造方法。
JP18590885A 1985-08-26 1985-08-26 桂皮酸類の製造方法 Granted JPS6245556A (ja)

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