JP2002338515A - マンデル酸類の製造方法 - Google Patents

マンデル酸類の製造方法

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JP2002338515A
JP2002338515A JP2001148963A JP2001148963A JP2002338515A JP 2002338515 A JP2002338515 A JP 2002338515A JP 2001148963 A JP2001148963 A JP 2001148963A JP 2001148963 A JP2001148963 A JP 2001148963A JP 2002338515 A JP2002338515 A JP 2002338515A
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glyoxylic acid
acid
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glyoxylate
compound
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Kimio Ariyoshi
公男 有吉
Hideyuki Baba
英幸 馬場
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マンデル酸類を経済的に効率良く提供する。 【解決手段】 グリオキシル酸エステル、グリオキシル
酸エステルのオリゴマー、グリオキシル酸エステルアル
キルヘミアセタール、グリオキシル酸エステルジアルキ
ルアセタール及びグリオキシル酸の異なる群から選ばれ
る2種以上のグリオキシル酸系化合物と芳香族化合物と
を反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なマンデル酸
類の製造方法に関するものである。
【0002】さらに詳しくは、グリオキシル酸エステ
ル、グリオキシル酸エステルのオリゴマー、グリオキシ
ル酸エステルアルキルヘミアセタール、グリオキシル酸
エステルジアルキルアセタール及びグリオキシル酸の異
なる群(グリオキシル酸系化合物と記す)から選ばれる
2種以上のグリオキシル酸系化合物と芳香族化合物とを
反応させることを特徴とするマンデル酸類の製造方法に
関するものである。
【0003】マンデル酸類は、医農薬香料等の重要な合
成中間体である。例えば代表的なマンデル酸類であるパ
ラヒドロキシマンデル酸は重要な医農薬中間体であるパ
ラヒドロキシベンズアルデヒドの原料であり、4−ヒド
ロキシ−3−メトキシマンデル酸は香料バニリン(4−
ヒドロキシ−3−メトキシベンズアルデヒド)の重要な
原料である。
【0004】
【従来の技術】マンデル酸類の製造方法としては、芳
香族アルデヒドと青酸とを反応させて得られるマンデロ
ニトリルを酸で加水分解する方法、芳香族化合物とグ
リオキシル酸を酸またはアルカリの存在下に反応させる
方法が知られている。の方法は猛毒の青酸を用いる安
全衛生上の問題や廃水処理上の制約が多く、工業的な製
法とは言えず、工業的にはもっぱらのグリオキシル酸
を用いる製法が採用されている。しかしながら、市販も
しくは工業的に入手可能なグリオキシル酸はグリオキザ
ールを硝酸や塩素等を酸化剤として液相酸化する方法に
より製造されており、その製造工程では多量の硝酸や塩
素を用いるため、副生する多量の窒素酸化物の処理や、
生成物からの未反応強酸(硝酸、塩酸)の分離が煩雑で
ある。即ち、精製工程が長く多大なコストがかかるため
グリオキシル酸を高価な原料に成らしめている。また市
販もしくは工業的に入手可能なグリオキシル酸は通常有
姿40〜50%の水溶液であるため輸送コスト上の制約
もある。即ち、より安価な原料を用いたマンデル酸の製
造方法が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
状況に鑑みてなされたものであり、従来になく安価な原
料を用いマンデル酸類を経済的に効率良く製造すること
を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、安価な
原料を用い、マンデル酸類を経済的に効率良く製造する
方法を提供するため、鋭意検討を重ねた結果、グリオキ
シル酸エステル、グリオキシル酸エステルのオリゴマ
ー、グリオキシル酸エステルアルキルヘミアセタール、
グリオキシル酸エステルジアルキルアセタール及びグリ
オキシル酸の異なる群から選ばれる2種以上のグリオキ
シル酸系化合物と芳香族化合物とを反応させることによ
る新規なマンデル酸類の製造法を見出し本発明を完成す
るに至った。即ち、グリオキシル酸系化合物として2種
以上のグリオキシル酸系化合物の混合物を用いることに
より、従来のマンデル酸製造の原料であるグリオキシル
酸単独に比べ高濃度反応が可能であり原料価格、生産性
いずれにおいても有利で安価なマンデル酸類の製造法が
可能となった。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳しく説明する。
【0008】本発明にかかる一方の原料であるグリオキ
シル酸系化合物はグリオキシル酸エステル、グリオキシ
ル酸エステルのオリゴマー、グリオキシル酸エステルア
ルキルヘミアセタール、グリオキシル酸エステルジアル
キルアセタール及びグリオキシル酸の異なる群から選ば
れる2種以上を含む組成物であり、その製法は特に限定
されないが、例えば特開平11−263751公報開示
の方法により好適に得ることが出来る。即ち、1,2−
ジオールであるエチレングリコールを分子状酸素含有ガ
スの存在下に気相酸化してガス状のグリオキザール(α
−オキソアルデヒド)及び/又はグリコールアルデヒド
(α−ヒドロキシアルデヒド)を得て(前段反応)、引き
続き、これに気化室でガス状にしたアルコール、オレフ
ィン及び水からなる群から選ばれる1種以上を加えて前
段反応器に連結された後段反応器に導入し、後段反応器
中で触媒の存在下、分子状酸素含有ガスで気相酸化する
ことによって、グリオキシル酸系化合物組成物を得る方
法が挙げられる。
【0009】前記後段反応器に加えられるアルコールの
具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノー
ル、iso−ブタノール、tert−ブタノール、ヘキサノー
ル、シクロヘキサノール、オクタノール、2−エチルヘ
キサノール、ラウリルアルコール、ステアリルアルコー
ル等の工業的に入手可能な炭素数1〜18のアルキルア
ルコールが挙げられる。上記例示のうち、好ましくは、
メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロ
パノール、1−ブタノール、2−ブタノール、iso−ブ
タノール、tert−ブタノール等の炭素数1〜4のアルキ
ルアルコール、さらに好ましくは、メタノール、エタノ
ールである。
【0010】前記後段反応器に加えられるオレフィンの
具体例は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブ
テン、イソブテン等の炭素数2〜4のオレフィンが挙げ
られる。
【0011】前記グリオキシル酸系化合物の具体例は、
グリオキシル酸エステル又はそのオリゴマーとしては、
グリオキシル酸メチルエステル、グリオキシル酸エチル
エステル、グリオキシル酸ノルマルプロピルエステル、
グリオキシル酸イソプロピルエステル、グリオキシル酸
ノルマルブチルエステル、グリオキシル酸ターシャリー
ブチルエステル等のグリオキシル酸アルキルエステルモ
ノマー又はオリゴマーなどが挙げられる。中でもグリオ
キシル酸メチルエステルまたはそのオリゴマー、グリオ
キシル酸エチルエステルまたはそのオリゴマーが芳香族
化合物との反応性の点で好ましい。
【0012】ここにグリオキシル酸エステルのオリゴマ
ーとはグリオキシル酸エステルの単量体が3〜20構造
単位アセタール結合したオリゴ体を表し、より好ましく
は3〜15単位、さらに好ましくは3〜12単位アセタ
ール結合させたオリゴ体である。グリオキシル酸エステ
ルのオリゴマーは、例えば従来公知のグリオキシル酸系
ポリマーの製造方法で製造できる。例えば、ジクロロメ
タン等の重合溶媒にメタノール等の重合開始剤及びトリ
エチルアミン等の重合触媒を予め加えておき、グリオキ
シル酸エステル単量体を逐次添加して反応させる。更に
別の方法では、前記エチレングリコールの気相酸化反応
などで得られる水やアルコール等を含む粗グリオキシル
酸エステルから、水、アルコール等を除去する精製工程
において、グリオキシル酸エステルが単独重合して重合
単位3〜20のオリゴマーを得ることができる。具体的
には、水、メタノール等を多く含む粗グリオキシル酸メ
チルを、特許第3056705号に記載されているよう
な蒸留工程、即ち粗蒸留工程および共沸脱水工程を経る
ことによって、水、メタノール等の低沸点成分を除去す
ることにより、単量体であるグリオキシル酸メチルとそ
のオリゴ体であるグリオキシル酸メチルのオリゴマーの
混合物を缶出液として得ることが出来る。
【0013】グリオキシル酸エステルアルキルヘミアセ
タールとしてはグリオキシル酸エステルのメチルヘミア
セタール、エチルヘミアセタール、プロピルヘミアセタ
ール、ブチルヘミアセタール等が挙げられる。このグリ
オキシル酸エステルアルキルヘミアセタールは簡便には
グリオキシル酸エステルをアルコール中に溶解させると
形成される。この反応は可逆的であり、グリオキシル酸
エステルアルキルヘミアセタールとグリオキシル酸エス
テル及びアルコールとの平衡が存在する。従ってアルキ
ルヘミアセタールの「アルキル」は溶解液のアルコール
のアルキル基を選択することで任意に調整することがで
き、メタノール溶液にグリオキシル酸メチルを溶解させ
れば、「グリオキシル酸メチルメチルヘミアセタール」
が形成され、エタノール溶液にグリオキシル酸メチルを
溶解させれば、「グリオキシル酸メチルエチルヘミアセ
タール」が形成される。本発明ではグリオキシル酸メチ
ルメチルヘミアセタール、グリオキシル酸メチルエチル
ヘミアセタール、グリオキシル酸エチルメチルヘミアセ
タール、グリオキシル酸エチルエチルヘミアセタールが
好ましい。即ち、グリオキシル酸エステルをアルコール
中に溶解させればグリオキシル酸エステルアルキルヘミ
アセタールが形成されるのであるから、グリオキシル酸
エステルを原料とする場合であって、アルコールが共存
することにより、結果的にグリオキシル酸エステルアル
キルヘミアセタールが反応器中に存在する場合でも目的
物のマンデル酸類を製造できる点で両者を区別する必要
がない。
【0014】グリオキシル酸エステルジアルキルアセタ
ールとしては前記グリオキシル酸アルキルエステルのジ
メチルアセタール、ジエチルアセタール、ジプロピルア
セタール、ジブチルアセタール、メチルエチルアセター
ル、メチルプロピルアセタール等が挙げられる。上記例
示のうち、グリオキシル酸メチルエステルのジメチルア
セタール、ジエチルアセタール、グリオキシル酸エチル
エステルのジメチルアセタール、ジエチルアセタールが
好ましい。
【0015】もう一方の原料である芳香族化合物は置換
又は無置換ベンゼン系芳香族化合物が挙げられ、例えば
ベンゼン、フェノール、O−クレゾール、m−クレゾー
ル、カテコール、クロロベンゼン、アニソール、グアヤ
コール(2−メトキシフェノール)、1,2−メチレン
ジオキシベンゼン等が挙げられる。
【0016】グリオキシル酸系化合物、芳香族化合物の
使用割合(モル比)はグリオキシル酸系化合物(各グリ
オキシル酸系化合物をグリオキシル酸換算とした総モル
数):芳香族化合物=1:0.5〜20の範囲、好まし
くは1:0.5〜2の範囲である。
【0017】反応溶媒としては水、又は水性溶媒が用い
られる。水性溶媒とは水と相溶性のある有機溶媒との混
合溶媒を指し、例えば水−アルコールまたは水−酢酸な
どの混合溶媒が挙げられる。また原料芳香族化合物とし
てベンゼンなどを用いる場合はそれ自身を溶媒またはベ
ンゼン−酢酸などの混合溶媒を用いることが出来る。
【0018】反応温度は−10〜100℃の範囲が採用
される。−10℃未満で反応を実施する場合は反応速度
が緩慢となるので、数日単位の反応時間が必要となり工
業的実施は困難となる。一方100℃より高温では目的
のマンデル酸類の収率が低下する。特に高温下、塩基を
触媒として用いた場合は、グリオキシル酸系化合物がカ
ニッツアロ反応等の副反応を起こし蓚酸及びグリコール
酸に変化して目的のマンデル酸化合物の収率が大きく低
下するため好ましくない。
【0019】グリオキシル酸系化合物と芳香族化合物と
の反応は無触媒でも行えるが、酸又は塩基により促進さ
れる。酸としては塩酸や硫酸およびりん酸等の鉱酸,p
−トルエンスルホン酸,酢酸等の有機酸などが用いられ
るが,なかでも塩酸,硫酸等の強酸が好ましい。塩基と
しては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナト
リウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属水酸化物、アル
カリ金属炭酸塩などが用いられるが、なかでも水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム等の強塩基が好ましい。酸又
は塩基を触媒とする場合その使用量は、使用するグリオ
キシル酸系化合物及び芳香族化合物の種類と濃度、反応
溶媒、反応温度等により異なるが、酸を用いる場合はグ
リオキシル酸系化合物1モルに対し0.1〜10倍モル
の範囲が適当である。また塩基を触媒として用いる場合
はグリオキシル酸系化合物1モルに対し1〜5倍モルの
範囲が適当である。
【0020】反応時間は反応温度、用いる酸または塩基
の濃度、原料濃度等により異なるが0.5〜40時間が
好ましい。
【0021】反応方法はグリオキシル酸系化合物と芳香
族化合物を反応溶媒に混合し、さらに必要に応じて酸ま
たは塩基を触媒として混合、加熱すればよく、その仕込
み方法に制限はないが、芳香族化合物を含む溶液にグリ
オキシル酸系化合物を徐々に添加していくかまたはグリ
オキシル酸系化合物を含む溶液に芳香族化合物を徐々に
添加しても良く、種々選択される。
【0022】なお、反応を実施するに際して反応系を窒
素あるいはアルゴン等の不活性ガス雰囲気に保つこと
が、生成マンデル酸化合物の結晶の着色を防止する点で
好ましい。
【0023】反応終了後のマンデル酸化合物を含む溶液
はそのまま有機合成原料として使用できるが、生成マン
デル酸化合物の単離および未反応芳香族化合物の回収を
必要とする場合は、反応終了後液のpH調整、溶剤抽出
操作、蒸留、結晶化、再結晶、カラムクロマト等の精製
操作を採用することにより達成出来る。
【0024】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。
【0025】実施例1 (グリオキシル酸系化合物の合成)まず、原料として用
いるグリオキシル酸系化合物を特開平11−26375
1公報記載の実施例1を参考に合成した。即ち1、2−
ジオールとしてのエチレングリコールからグリオキザー
ルを合成した後、該グリオキザールにメタノールを加え
気相酸化することによりグリオキシル酸メチルエステル
及びグリオキシル酸を含むグリオキシル酸系化合物組成
液を合成した。
【0026】具体的には、まず、粒径20〜30メッシ
ュの金属銀(触媒)0.8gを充填した断熱型反応器
に、予め気化させたエチレングリコール6容量%と、空
気および窒素ガスを混合(酸素濃度7容量%)してなる
原料ガスを反応温度440℃、空間速度(SV)83
0,000hr−1の条件で連続的に供給して気相酸化
(酸化脱水素)することにより、グリオキザールを含む
反応ガスを得た(エチレングリコール基準グリオキザー
ル収率81モル%)。次に、リン酸第2鉄からなる触媒
を充填した熱交換型反応器に、上記反応ガス(グリオキ
ザール濃度4容量%)と、予め気化させたメタノール
(20容量%)と、空気とを混合してなる混合ガス(酸
素濃度5容量%)を反応温度250℃、空間速度(S
V)2,000hr−1の条件で連続的に供給して気相
酸化(酸化エステル化)することにより、グリオキシル
酸メチルを含む反応ガス(エチレングリコール基準グリ
オキシル酸メチル収率61モル%)を得た。上記両気相
酸化は連続的に実施した。そして、該反応ガスを凝縮捕
集することにより、グリオキシル酸メチル22質量%、
グリオキシル酸1質量%、メタノール45質量%、水2
7質量%、グリコール酸メチル3質量%およびホルムア
ルデヒド2質量%からなる粗グリオキシル酸系化合物溶
液を得た。このグリオキシル酸系化合物はこの状態で原
料として用いることは出来るが、蒸留、抽出、クロマト
分離等の濃縮操作によりグリオキシル酸系化合物の含量
を上げることが好ましい。即ち、上記粗グリオキシル酸
系化合物を粗蒸留(メタノール、ホルマリン等の軽沸カ
ット)することにより、グリオキシル酸メチル43質量
%、グリオキシル酸3質量%、メタノール20質量%、
水29質量%、グリコール酸メチル5質量%からなるグ
リオキシル酸系化合物溶液を得た。
【0027】(パラヒドロキシマンデル酸の合成)攪拌
装置、温度計、ジムロート冷却器および滴下漏斗を備え
た200ml四つ口フラスコの内部を窒素置換し、少量
の窒素を流通させた。該フラスコにフェノール9.4g
(0.1モル)、水酸化ナトリウム4.8g(0.12
モル)を含む水溶液70mlを仕込んだ。この溶液を5
0℃に加熱し、攪拌しながら、滴下漏斗より上記グリオ
キシル酸系化合物18.9g(グリオキシル酸換算で
0.1モル)を3時間かけて滴下した。滴下終了後さら
に1時間、同温度で攪拌を続けた。反応終了後の液を濃
塩酸でpH=4〜5に調整し、高速液体クロマトグラフ
ィーで分析したところ目的物パラヒドロキシマンデル酸
の収率はグリオキシル酸換算の仕込みモル数に対し64
モル%であった。
【0028】実施例2 (グリオキシル酸系化合物の合成)実施例1で得られた
グリオキシル酸系化合物溶液をさらに蒸留で濃縮するこ
とによりグリオキシル酸メチル32質量%、グリオキシ
ル酸52質量%、メタノール3質量%、水3質量%、グ
リコール酸メチル3質量%、グリコール酸7質量%から
なるグリオキシル酸系化合物の混合液を得た (パラヒドロキシマンデル酸の合成)攪拌装置、温度
計、ジムロート冷却器および滴下漏斗を備えた200m
l四つ口フラスコの内部を窒素置換し、少量の窒素を流
通させた。該フラスコにフェノール9.4g(0.1モ
ル)、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)を含
む水溶液70mlを仕込んだ。この溶液を50℃に加熱
し、攪拌しながら、滴下漏斗より上記グリオキシル酸系
化合物9.4g(グリオキシル酸換算で0.1モル)を
3時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時間、同温
度で攪拌を続けた。反応終了後の液を濃塩酸でpH=4
〜5に調整し、高速液体クロマトグラフィーで分析した
ところ目的物パラヒドロキシマンデル酸の収率はグリオ
キシル酸換算の仕込みモル数に対し62モル%であっ
た。
【0029】実施例3 (グリオキシル酸系化合物の合成)実施例2で得られた
グリオキシル酸系化合物の混合液を用いた。
【0030】(パラヒドロキシマンデル酸の合成)攪拌
装置、温度計、ジムロート冷却器を備えた200ml四
つ口フラスコの内部を窒素置換し、少量の窒素を流通さ
せた。該フラスコにフェノール15.0g(0.16モ
ル)、含量85質量%の水酸化カリウム15.1g
(0.23モル)を含む水溶液120ml及び上記グリ
オキシル酸系化合物9.4g(グリオキシル酸換算で
0.1モル)を仕込んだ。この溶液を70℃に加熱し、
1.5時間攪拌した。反応終了後の液を濃塩酸でpH=
4〜5に調整し、高速液体クロマトグラフィーで分析し
たところ目的物パラヒドロキシマンデル酸の収率はグリ
オキシル酸換算の仕込みモル数に対し72モル%であっ
た。
【0031】実施例4 (グリオキシル酸系化合物の合成)実施例2で得られた
グリオキシル酸系化合物の混合液を用いた。
【0032】(3−メトキシ−4−ヒドロキシマンデル
酸の合成)攪拌装置、温度計、ジムロート冷却器および
滴下漏斗を備えた200ml四つ口フラスコの内部を窒
素置換し、少量の窒素を流通させた。該フラスコにグア
ヤコール(2−メトキシフェノール)12.4g(0.
1モル)、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)
を含む水溶液70mlを仕込んだ。この溶液を33℃に
加熱し、攪拌しながら、滴下漏斗より上記グリオキシル
酸系化合物9.4g(グリオキシル酸換算で0.1モ
ル)を7時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時
間、同温度で攪拌を続けた。反応終了後の液を濃塩酸で
pH=4〜5に調整し、高速液体クロマトグラフィーで
分析したところ目的物3−メトキシ−4−ヒドロキシマ
ンデル酸の収率はグリオキシル酸換算の仕込みモル数に
対し73モル%であった。
【0033】実施例5 (グリオキシル酸系化合物の合成)実施例2で得られた
グリオキシル酸系化合物の混合液を用いた。
【0034】(3,4−メチレンジオキシマンデル酸の
合成)攪拌装置、温度計および滴下漏斗を備えた200
ml四つ口フラスコの内部を窒素置換し、少量の窒素を
流通させた。該フラスコに上記グリオキシル酸系化合物
9.4g(グリオキシル酸換算で0.1モル)、98質
量%硫酸19g(0.19モル)、水20mlを仕込み
混合液を−10℃に冷却維持した。この溶液を攪拌しな
がら、滴下漏斗より1,2−メチレンジオキシベンゼン
12.2g(0.1モル)を2時間かけて滴下した。滴
下中、温度が上昇しないように−10〜0℃の範囲に保
たれるように冷却維持した。滴下終了後さらに1時間、
同温度で攪拌を続けた。反応終了後の液を高速液体クロ
マトグラフィーで分析したところ目的物3、4−メチレ
ンジオキシマンデル酸の収率はグリオキシル酸換算の仕
込みモル数に対し75モル%であった。
【0035】実施例6 (グリオキシル酸系化合物の合成)特許第305670
5号公報記載の実施例1に基づき粗蒸留工程及び共沸脱
水工程を行い、共沸脱水塔の塔底液を精製液として得
た。該精製液(グリオキシル酸系化合物)の組成は、メ
タノール3.0質量%、水0.5質量%、グリオキシル
酸メチル25.7質量%、グリコール酸メチル3.6質
量%、グリオキシル酸メチルオリゴマー67.2質量%
であった。なお、含まれるオリゴマーの平均分子量をG
PC(ゲルパーミレーションクロマトグラフィー)によ
り測定したところ1000であった。
【0036】(3−メトキシ−4−ヒドロキシマンデル
酸の合成)攪拌装置、温度計、ジムロート冷却器および
滴下漏斗を備えた200ml四つ口フラスコの内部を窒
素置換し、少量の窒素を流通させた。該フラスコにグア
ヤコール(2−メトキシフェノール)12.4g(0.
1モル)、水酸化ナトリウム4.8g(0.12モル)
を含む水溶液70mlを仕込んだ。この溶液を33℃に
加熱し、攪拌しながら、滴下漏斗より上記グリオキシル
酸系化合物9.5g(グリオキシル酸換算で0.1モ
ル)を7時間かけて滴下した。滴下終了後さらに1時
間、同温度で攪拌を続けた。反応終了後の液を濃塩酸で
pH=4〜5に調整し、高速液体クロマトグラフィーで
分析したところ目的物3−メトキシ−4−ヒドロキシマ
ンデル酸の収率はグリオキシル酸換算の仕込みモル数に
対し72モル%であった。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、マンデル酸類を経済的
に効率良く製造することができる。本発明により得られ
るマンデル酸類は、医農薬香料等の重要な合成中間体で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C022 DA01 4H006 AA02 AC45 AC46 AC48 BA05 BA19 BA35 BE30 BJ50 BN10 BN30 BP30 BS10 4H039 CA62 CA65 CC20 CC30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グリオキシル酸エステル、グリオキシル
    酸エステルのオリゴマー、グリオキシル酸エステルアル
    キルヘミアセタール、グリオキシル酸エステルジアルキ
    ルアセタール及びグリオキシル酸の異なる群から選ばれ
    る2種以上のグリオキシル酸系化合物と芳香族化合物と
    を反応させることを特徴とするマンデル酸類の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 エチレングリコールを気相酸化してガス
    状のグリオキザール及び/又はグリコールアルデヒドを
    得たのち、引き続き、このガス状のグリオキザール及び
    /又はグリコールアルデヒドにアルコール、オレフィン
    及び水からなる群から選ばれる1種以上を加えて触媒の
    存在下で分子状酸素含有ガスにより気相酸化することに
    より得られるグリオキシル酸系化合物と芳香族化合物と
    を反応させることを特徴とする請求項1記載の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006282546A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Mitsubishi Rayon Co Ltd マンデル酸類の製造方法
CN114516809A (zh) * 2022-02-25 2022-05-20 西华师范大学 基于双苄叉丙酮的aie类荧光探针及其制备方法和应用

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