JPH0582295B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は多孔質セラミツク板の製造方法に関す
る。さらに詳しくは、セラミツク板の表面層のみ
溶融しガラス層を設けることで、デザイン性に優
れ、吸水性が小さくかつ汚れの付着しにくい多孔
質セラミツク板を、簡単にかつ低コストで製造す
ることのできる多孔質セラミツク板の製造方法に
関する。

［従来の技術］ 従来より多孔質セラミツク板は、軽量で取扱が
容易であり、保温性、耐火性、耐久性などに優れ
ているためプレハブ住宅などにおいて多用されて
いる。

かかる多孔質セラミツク板は、一般に天然ガラ
ス、人工ガラス、多孔質火山岩、火成岩、堆積
岩、凝灰岩などを主原料とし、これらを造粒した
発泡性無機粒子を加熱発泡せしめ、その後えられ
た多孔質セラミツク板を加圧ローラなどで加圧し
て融着させ同時に成形することでえられる。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、従来の多孔質セラミツク板は単
一の発泡性無機粒子からなつていたためデザイン
性に乏しいという欠点があり、外観の表情を豊か
にしようとすれば所望の模様をもつた異種材料を
貼りつけるなどしなければならず、製作に手間が
かかるとともにコスト的に高くつくという問題点
がある。

また表面が多孔質であるために、吸水性が大き
く、湿気の多い場所で用いるためには、原料ペレ
ツト（発泡性無機粒子）の発泡倍率を下げると
か、防湿性の材料を表面に貼りつけるなどしなけ
ればなず、それぞれセラミツク板が重くなつてし
まう、コスト的に高くなるなどの問題がある。

さらに表面の多孔質部分に汚れが付着しやすい
という問題がある。

本発明は、前記の点に鑑み、デザイン性に優れ
るとともに、吸水性が小さくかつ表面に汚れが付
着しにくい多孔質セラミツク板を、簡単にしかも
低コストで製造することのできる多孔質セラミツ
ク板の製造方法を提供することを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の製造方法は、加熱により発泡する発泡
性無機粒子を焼成炉内で加熱、押圧して多孔質セ
ラミツク板を製造するに際し、粒子状に成形せら
れた発泡性無機粒子からなる基材層上に粒子状に
成形せられた加熱溶融性無機粒子を含む加熱溶融
層を積層し、えられた積層物を加熱発泡せしめた
のちに押圧ローラで押圧成形し、成形後に被焼成
形後に被焼成体の表層を加熱溶融することを特徴
としている。

［実施例］ つぎに図面に基づき本発明の製造方法を説明す
る。

第１図は本発明の製造方法を示す概略説明図で
ある。図において１は焼成炉であつて該焼成炉内
には基材層３および加熱溶融層４からなる多孔質
セラミツク板２を搬送するベルトコンペア５が設
置されている。該ベルトコンベア５は、発泡時の
揮散成分を上下面から均一拡散させ、かつ、上下
面ともに均一な熱伝達を行なうためメツシユ状の
ものを用いるのが好ましく、たとえばステンレス
メツシユベルトにセラミツクコーテイングしたも
の、セラミツクベルトなどが用いられる。

基材層３を構成する発泡性無機粒子としては、
天然ガラス、人工ガラス、多孔質火山岩、火成
岩、凝灰岩などからなる混合物をペレツト化ない
し粒子化したものが用いられ、該ペレツトは供給
ホツパー６ａよりベルトコンペア５上に適宜の量
供給される。その後、前記基材層３の上に加熱溶
融性無機材料を含む加熱溶融層４が供給ホツパー
６ｂより供給される。前記加熱溶融層４は、多孔
質セラミツク板２を加熱発泡せしめて、押圧成形
したのちに加熱することでガラス層を形成する層
であつて、該層４を構成する原料としては、加熱
により溶融してガラス状になるものであればどの
ような材料をもちいてもよく、たとえば、前記基
材層３に用いられる原料にソーダ灰などの融剤を
添加したものなどが好適に用いられる。また加熱
溶融層４には、顔料を含ませてもよく、そうする
ことで所望の色の多孔質セラミツク板２をうるこ
とができる。

加熱溶融層４が積層された多孔質セラミツク板
２は、予備ローラ７によりならされてほぼ均一な
厚さとなり、焼成炉１へ送りこまれ、昇温ゾーン
で昇温されたのち、成ゾーンで加熱され発泡す
る。発泡軟化した多孔質セラミツク板２は、押圧
ローラ８により表面が押圧成形される。

押圧成形された多孔質セラミツク板２は、加熱
装置９によりその表層部が加熱され、加熱溶融層
４が溶融される。加熱装置９としては、ガスなど
を熱源とする遠赤外線ヒータや、コアナダーバー
ナーなどを用いることができる。コアンダーバー
ナーなどを用いることができる。コアンダバーナ
ーを用いるときは、多孔質セラミツク板の表面を
均一に加熱することができる。加熱は、セラミツ
ク板の表面が700〜1200℃程度（加熱溶融層の溶
融温度に該当する）となるよう制御される。以上
の加熱溶融工程は、発泡しないうちに行なうと、
押圧後に発泡し、表面状態が均一でなくなるの
で、多孔質セラミツク板２が完全に発泡したのち
に行なう必要がある。

加熱溶融によつてガラス状になつた多孔質セラ
ミツク板２の表層部は、セルフレベリングにより
表面が平滑になるとともに冷却するに従いガラス
光沢を呈するようになる。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明の製造方法によれ
ば、基材層と加熱溶融層とを一体焼成し、押圧成
形後に加熱溶融層のみ溶融せしめガラス層を形成
することで、デザイン性の優れた多孔質セラミツ
ク板を簡単にかつ低コストでうることができる。
また表面にガラス層が形成されるため、吸水性を
低減させることができるとともに、表面に汚れが
付着するのを防止できるという効果を奏しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の製造方法を示す概略説明図で
ある。 図面の主要符号、２……多孔質セラミツク板、
３……基材層、４……加熱溶融層、９……加熱装
置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 加熱により発泡する発泡性無機粒子を焼成炉
   内で加熱、押圧して多孔質セラミツク板を製造す
   るに際し、粒子状に成形せられた発泡性無機粒子
   からなる基材層上に粒子状に成形せられた加熱溶
   融性無機粒子を含む加熱溶融層を積層し、えられ
   た積層物を加熱発泡せしめたのちに押圧ローラで
   押圧成形し、成形後に被焼成体の表層を加熱溶融
   することを特徴とする多孔質セラミツク板の製造
   方法。 ２ 前記加熱溶融層が顔料を含む特許請求の範囲
   第１項記載の製造方法。