JPH0582010U - 可動鉄心型電磁アクチュエータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 可動鉄心型電磁アクチュエータにおける可動
鉄心の動鉄心の動作抵抗を小さくする。 【構成】 励磁コイルの中心に鉄心摺動筒３を備え、そ
の中に可動鉄心４を収容する。可動鉄心４には、中心部
分に長手方向に中心孔１０があけられ、外周には中心孔
１０を通じるボール収容孔１１を開口させる。ボール収
容孔には複数のボールを収容し、中心孔にはボール１２
に当る中心軸１３を挿入する。最外部のボール１２の外
周面が鉄心摺動筒３に接触することにより可動鉄心４を
支持させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、例えば電流−空気圧変換バルブのバルブ動作機構等に使用する可動 鉄心型電磁アクチュエータに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、電流−空気圧変換バルブのように電流の調整によって流路の圧力を変化 させる装置には、可動鉄心型電磁アクチュエータが使用されている。この種の電 磁アクチュエータは、中心に可動鉄心を設け、励磁コイルによる吸引力とコイル スプリング等の弾性力とを対向させ、両者の釣り合いによって可動鉄心の位置が 決定されるようにしているものが多く、また可動鉄心は、励磁コイルの中心に挿 通した鉄心摺動筒内に収容され、該筒内で軸方向に動作されるようになっている 。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような可動鉄心型電磁アクチュエータにおいて、可動鉄心の動作抵抗より 遥かに大きい励磁コイルの吸引力によって該可動鉄心を動作させる場合には、可 動鉄心の動作抵抗はあまり問題にはならないが、磁力による吸引力とバネの弾性 力とを対向させて釣り合わせる場合には、可動鉄心自体の動作抵抗が釣り合い位 置の精度に大きく影響を及ぼすものであり、上述した従来の可動鉄心型電磁アク チュエータは、摺動筒内面に可動鉄心を接触させて動作させるものであるため、 摩擦による動作抵抗が大きく、精度の向上に限界があった。

【０００４】 本考案はこのような問題を解決し、動作抵抗のより小さい可動鉄心型電磁アク チュエータの提供を目的としたものである。

【０００５】

【課題を達成するための手段】

上述の如き従来の問題を解決するための本考案の特徴は、励磁コイルの中心に 鉄心摺動筒を備え、該筒内に軸方向に往復動自在に可動鉄心を収容してなる可動 鉄心型電磁アクチュエータにおいて、前記可動鉄心の外周面より半径方向に向け て放射状配置に複数のボール収容孔を設け、該ボール収容孔内に一部を該孔の開 口部より突出させて回転自在にボールを収容し、該ボールを前記鉄心摺動筒の内 面に転接させるようにしたことにある。

【０００６】

【作用】

本考案の可動鉄心型電磁アクチュエータは、可動鉄心が鉄心摺動筒内にボール を介して支持されており、励磁コイルに電流を流すことによって生じる磁力によ って可動鉄心が動作する際には、ボールが鉄心摺動筒内を転がりつつ移動し、そ の際の摩擦力は略転がり摩擦のみに近い状態となる。

【０００７】

【実施例】

次に本考案の実施例を図面について説明する。

【０００８】 図１は、本考案の可動鉄心型電磁アクチュエータを電流によって流体圧力を調 整するコントロールバルブに使用した例について説明する。

【０００９】 図において、１は励磁コイルであり、２は鉄心を吸引するコアである。コイル １の中心には鉄心摺動筒３が挿入されており、その中に可動鉄心４が軸方向に往 復動自在に収容されている。可動鉄心４は、その先端がコア２側に向けられ、後 端が流体流路の一次側流路５ａと、二次例流路５ｂとを開閉する弁体６となって いる。弁体６は弁座７に当接することにより流路５ａ，５ｂ間を遮断し、弁座７ からの離反長さを調整して弁の開き度を調整することによって一次、二次側流路 ５ａ，５ｂ間の圧力差を調節するようになっている。

【００１０】 可動鉄心４は、コア２による吸引力に対向する向きにコイルスプリング８によ って附勢されており、励磁コイル１に通電されていないときは、コイルスプリン グ８によって弁体６が弁座７に当接されるようになっており、励磁コイル１に通 電したとき、コア２の吸引力とコイルスプリング８との弾性力とがバランスした 位置で可動鉄心４が停止されるようになっている。

【００１１】 可動鉄心４には、図１，図２に示すように中心部分に軸方向に向けて中心孔１ ０があけられ、この中心孔１０に連通させて可動鉄心４の表面には放射状配置に 複数のボール収容孔１１，１１……があけられている。この各ボール収容孔１１ 内には、複数のボール１２，１２……が収容されており、その最奥部のボール１ ２が中心孔１０内に挿入した中心軸１３に接し、最外部のボール１２がボール収 容孔１１の開口部より一部が突出され、摺動筒３の内面に接触する構造となって いる。

【００１２】 なお図において、１５は弁体開度検出器であり、可動鉄心４に固定されてこれ と一体に動作するセンサー用可動鉄心１６と、その外周の一次、二次からなるセ ンサーコイル１７ａ，１７ｂとから構成されている。

【００１３】 上述の実施例では、中心孔１０内に中心軸１３を挿入してボールを押し出して いるが、図３に示すようにボール収容孔１１の深さを一定にすれば中心孔がない ものであってもよい。

【００１４】 またボール１２は、図４に示すように金属スリーブ２０内に収容し、そのスリ ーブ１０の両端を内側に加締めてボールを抜出不能とし、１個のユニット化する ことにより組立が容易となる。

【００１５】

【考案の効果】

上述したように本考案の可動鉄心型電磁アクチュエータは可動鉄心の外周に回 転自在なボールを突出させ、これを可動鉄心摺動筒の内面に接触させるようにし たことにより、可動鉄心の摩擦抵抗が著しく小さくなり、微小な動作力にて可動 鉄心を動作させることが可能になり、装置の小型化及び高精度化が可能になった ものである。

【００１６】 また可動鉄心の中心に中心孔をあけ、これにボール収容孔を連通させ、かつ該 収容孔内のボールを中心孔内の軸に当接させるようにしたことにより、ボール収 容孔の深さが全て一定になるとともに、ボールとの接触面積が少なくなり、高精 度で低摩擦力のものが容易に得られることとなってたものである。

【００１７】 更にボールをスリーブ内に収容して両端に突出させた状態で抜け止めすること によってユニット化することによりアクチュエータの組立が簡略化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のアクチュエータを実施したコントロー
ルバルブの縦断面図である。

【図２】同上の鉄心部分の横断面図である。

【図３】他の実施例の鉄心部分の横断面図である。

【図４】ボールをユニット化した実施例の拡大断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 励磁コイル ２ コア ３ 鉄心摺動筒 ４ 可動鉄心 ５ａ 一次側流路 ５ｂ 二次側流路 ６ 弁体 ７ 弁座 ８ コイルスプリング １０ 中心孔 １１ ボール収容孔 １２ ボール １３ 中心軸 １５ 弁体開度検出器 １６ センサー用可動鉄心 １７ａ 一次コイルセンサー １７ｂ 二次コイルセンサー ２０ 金属スリーブ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 励磁コイルの中心に鉄心摺動筒を備え、
   該筒内に軸方向に往復動自在に可動鉄心を収容してなる
   可動鉄心型電磁アクチュエータにおいて、前記可動鉄心
   の外周面より半径方向に向けて放射状配置に複数のボー
   ル収容孔を設け、該ボール収容孔内に一部を該孔の開口
   部より突出させて回転自在にボールを収容し、該ボール
   を前記鉄心摺動筒の内面に転接させるようにしたことを
   特徴としてなる可動鉄心型電磁アクチュエータ。
2. 【請求項２】 可動鉄心の中心に軸方向に向けて中心孔
   をあけ、該中心孔に連通させてボール収容孔をあけ、該
   ボール収容孔内にボールを収容するとともに、前記中心
   孔内に前記ボールが接触する中心軸を挿入してなる請求
   項１に記載の可動鉄心型電磁アクチュエータ。
3. 【請求項３】 軸受用ボールは複数個を１個のスリーブ
   内に収容し、該スリーブの両端を内側に加締めて内部の
   ボールを抜け止めした状態にユニット化してボール収容
   孔に収容してなる請求項１又は２に記載の可動鉄心型電
   磁アクチュエータ。