JP4129213B2 - 電磁アクチュエータ - Google Patents

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本発明は,磁性材製のコイルハウジングと,ボビン及びそれに巻装されるコイルを有して前記コイルハウジングに嵌装されるコイル組立体と,このコイルハウジングの一端に連結されて,前記ボビン内に配置される固定コアと,この固定コアに対向して前記ボビン内に軸方向移動可能に配置される可動コアとを備えた電磁アクチュエータの改良に関する。
従来のかゝる電磁アクチュエータでは,可動コアの作動を安定させるために,コイルハウジングの端壁に,可動コアを摺動自在に支承する軸受部材を取り付けている(特許文献1参照)。
特開2002−310328号公報
しかしながら,上記のように,コイルハウジングの端壁に,可動コアを摺動自在に支承する軸受部材を取り付けたものにおいて,可動コアの作動を確実に安定させるためには,軸受部材の可動コアに対する支持スパンを充分長く設定する必要があるが,電磁アクチュエータの軸方向寸法の制約から,その支持スパンは充分に得られていないのが実情である。
本発明は,かゝる事情に鑑みてなされたもので,可動コアに対する支持スパンを充分に確保して可動コアの作動の安定化を満足させ,しかも軸方向寸法の増加を抑えることを可能にした,前記電磁アクチュエータを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために,本発明は,磁性材製のコイルハウジングと,ボビン及びそれに巻装されるコイルを有して前記コイルハウジングに嵌装されるコイル組立体と,このコイルハウジングの一端に連結されて,前記ボビン内に配置される固定コアと,この固定コアに対向して前記ボビン内に軸方向移動可能に配置される可動コアとを備えた電磁アクチュエータにおいて,前記可動コアを,端壁の外端面中心部に凸状の球面を有する有底中空円筒状に構成すると共に,この可動コアの中空部で構成されるガイド孔を,コイルハウジングの他端に固定されて前記ボビン内に配置されるガイドコアの外周面に直接摺動自在に嵌合し,前記可動コアと前記ボビンとの間には,前記可動コアの前記ガイドコアに対する直接摺動を妨げないための間隙を設け,前記可動コアの内外全面に非磁性被膜を形成し,前記コイルの励磁時,前記可動コア及び前記ガイドコア間に発生する軸方向の吸引力が,該可動コア及び前記固定コア間に発生する吸引力より小さくなるようにしたことを第1の特徴とする。
また本発明は,第1の特徴に加えて,前記可動コア及び前記ガイドコアの軸方向対向間隙を,該可動コア及び前記固定コアの軸方向対向間隙より大きく設定したことを第2の特徴とする。
さらに本発明は,第1又は第2の特徴に加えて,前記ガイドコアの一端面に固定小軸を突設し,この固定小軸を,前記コイルハウジングの端壁に設けられた固定孔に嵌入してかしめることにより,該ガイドコアを前記端壁に固定したことを第3の特徴とする。
さらにまた本発明は,第1〜第3の特徴の何れに加えて,前記ガイドコアを,前記コイルハウジングの端壁に固定されると共に前記ボビンの内周面に嵌合する固定部と,この固定部の先端から突出して前記可動コアに摺動自在に嵌合される,固定部より小径のガイド部とで構成したことを第4の特徴とする。
さらにまた本発明は,第1〜第4の特徴の何れに加えて,前記可動コアには,その内部空間を,該可動コア及び前記ボビン間の間隙に連通するブリーザ孔を設けたことを第5の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば,有底中空円筒状の可動コアが,その中空部で構成されるガイド孔をコイルハウジングに固定されたガイドコアの外周面に直接摺動自在に嵌合して,ガイドコアに支承されるので,ガイドコアによる可動コアの支持スパンを充分に長く確保することができ,したがって可動コアの傾きや倒れを確実に防いで,可動コアを軽快に作動させ,その応答性の向上を図ることができる。しかもガイドコアは,可動コアと同様にボビン内に配置されるものであるから,電磁アクチュエータの全長の増加を来すこともない。さらに可動コアは,中空部を有する有底円筒状をなすので,軽量であり,これによっても可動コアの応答性の向上が図られる。しかも可動コアの,被作動部材の端面に当接する端壁の外端面中心部は凸状の球面となっているから,可動コアは,常に被作動部材の中心部に推力を及ぼすことができ,被作動部材の姿勢を常に安定させることができる。さらにまた可動コアとボビンとの間に設けられた間隙は,可動コアのガイドコアに対する直接摺動を妨げない。
また可動コアの内外全面に非磁性被膜を形成したことで,ガイドコア及び可動コア間に非磁性被膜が介在することになり,コイルの励磁時,ガイドコア及び可動コア間に流れる磁束によるも両コアが互いに側方で吸引し合うことを防ぎ,可動コアの良好な作動特性を得ることができる。またコイルの消磁時には,前記非磁性被膜により,可動コア及びガイドコアの摺動面間の残留磁気を断ち切って,可動コアの戻り応答性を高めることができる。
またコイルの励磁時,可動コア及びガイドコア間に発生する軸方向の吸引力が,可動コア及び固定コア間に発生する吸引力より小さくなるようにしたので,可動コアを固定コア側に確実に作動させることができる。
また本発明の第2の特徴によれば,コイルの励磁時,可動コア及びガイドコア間に発生する軸方向の吸引力を,可動コア及び固定コア間に発生する軸方向の吸引力より簡単に小さくすることができ,可動コアを固定コア側に確実に作動させることができる。
さらに本発明の第3の特徴によれば,ガイドコアをコイルハウジングと別体としたことで,ガイドコアには,摺動性の確保のための研磨等の加工を,コイルハウジングに邪魔されることなく容易に行うことができ,またその加工後は,ガイドコアをコイルハウジングに容易にかしめ固定することができる。
さらにまた本発明の第4の特徴によれば,ガイドコアの大径の固定部がボビンの内周面に嵌合する共に,小径のガイド部が可動コアを支承することで,ガイドコア,可動コア及びボビンの3者の同心性を高精度をもって確保することができ,したがって可動コア及びボビン間の間隙を,精度上許容される範囲で最小限に詰めても,それらの相互干渉を防ぐことができ,電磁アクチュエータの小径化に寄与し得る。
さらにまた本発明の第5の特徴によれば,可動コアの往復動に伴ない,その内部空間と可動コア及び前記ボビン間の間隙との間で流体が行き来することになり,流体の可動コアに対する抵抗を排除することができる。
本発明の実施の形態を,添付図面に示す本発明の好適な実施例に基づいて以下に説明する。
図1は本発明の実施例に係る電磁弁の縦断面図,図2は図1の2部拡大図,図3は図1の3部拡大図,図4は図3の4−4線断面図である。
先ず,図1において,電磁弁Vは,電磁アクチュエータAと,それによって作動されて作動オイルの流れの方向を切換える3方向弁Bとからなっている。
電磁アクチュエータAは,一端面を開放した有底円筒状のコイルハウジング1と,このコイルハウジング1内に嵌装されるコイル組立体2と,コイルハウジング1の端壁1aに固着されてコイル組立体2の中空部に配置されるガイドコア3と,コイル組立体2の中空部においてガイドコア3の外周に摺動自在に嵌合される可動コア4と,ガイドコア3と反対側で可動コア4に対向するようにコイル組立体2の中空部に配置される固定コア5と,この固定コア5の外周から一体にフランジ状に張り出してコイルハウジング1の開放端に結合されるヨーク6とからなっており,それら構成要素について順次説明する。
有底円筒状のコイルハウジング1は磁性材で構成され,その外側面には,取り付けブラケット7が溶接等により固着されている。
コイル組立体2は,両端に一対のフランジを持つ合成樹脂製のボビン10と,このボビン10に巻装されるコイル11と,コイル11の全外周面からボビン10の両端面に亙りそれらを被覆する合成樹脂製の封止体12とから構成される。その封止体12の一端には,コイルハウジング1の開放端に設けられた切欠き13から外部に突出するカプラ14が一体に形成されており,このカプラ14には,コイル11に連なる接続端子15の基部が埋設される。
このコイル組立体2は,コイルハウジング1に,その開放端側から嵌合された後,コイルハウジング1の開放端にヨーク6をかしめ固定することにより,コイルハウジング1内に保持される。
ガイドコア3は,コイルハウジング1の端壁1aに固定されると共に,ボビン10の一端部内周面に嵌合する固定部3aと,この固定部3aの内端に一体に突設された,固定部3aより小径で且つ固定部3aより軸方向長さの長いガイド部3bとからなっており,全体として段付き円柱状をなしている。その固定部3aのコイルハウジング1の端壁1aへの固定は,固定部3aの外端面中心部に突設された固定小軸16を,前記端壁1aの中心部の固定孔17に嵌挿した後,その固定小軸16の外端部を端壁1aに対してかしめることにより行われる。
こうしてコイルハウジング1に固定される固定部3aがボビン10の内周面に嵌合することにより,ガイドコア3とボビン10との同心性が確保される。
このガイドコア3は,コイルハウジング1への固定前に,特にガイド部3b外周面を研磨される。したがってガイド部3bの研磨は,コイルハウジング1に邪魔されることなく容易に行うことができる。このガイド部3b外周面の研磨は,ガイド部3bの可動コア4に対する摺動性の向上に寄与する。
可動コア4は,その端壁4aを固定コア5側に向けた有底円筒状をなしており,その中空部は,ガイド部3bの外周に直接摺動自在に嵌合されるガイド孔20と,このガイド孔20の内端にテーパ面21を介して連なり端壁4aで行き止まりとなるばね保持孔22とからなっている。この可動コア4及び固定コア5間には,可動コア4を固定コア5側に付勢するコイル状の当接ばね23が縮設される。その際,当接ばね23の一端部は,前記テーパ面21に誘導されながら,ばね保持孔22に挿入,保持される。
可動コア4とボビン10との間には,可動コア4のガイドコア3に対する摺動を妨げないための間隙24が設けられ,可動コア4の端壁4aとガイド部3b端面との間の空間部を前記間隙24に連通するブリーザ孔25が設けられる。
可動コア4の内外全面には非磁性被膜が形成される。この非磁性被膜の形成には,例えばカニゼンメッキ(Ni−Pメッキ)処理が実施される。
ヨーク6と一体の固定コア5は中空円筒状をなしている。この固定コア5は,ボビン10の,ガイドコア3と反対側の他端部内周面に嵌合され,これにより固定コア5とコイル組立体2との同心性が確保される。前記可動コア4の外径は,この固定コア5と略同径に,正確には固定コア5より若干小径に設定される。また固定コア5の外径は,ガイドコア3の固定部3aと同径に設定される。
図2に明示するように,可動コア4の端壁4aの外端面は,中心部が凸状の球面26,外周部が凸状の截頭円錐面27となっており,固定コア5の内端面は,上記截頭円錐面27と中心角が等しい凹状の截頭円錐面27′で構成される。
可動コア4の後退位置は,上記球面26が3方向弁Bの後述する第2弁体39の平坦な端面に当接することにより規制され,そのとき固定コア5及び可動コア4の両截頭円錐面27,27′間に一定の間隙g1が生じるようになっている。
再び図1において,可動コア4の内外において,この可動コア4とガイドコア3との,互いに軸方向で対向する端面間には,コイル11の励磁により発生するよる軸方向の吸引力が極力小さくなるように,前記間隙g1より充分に大きい間隙g2,g3が設けられる。
コイル組立体2における封止体12の両端壁の半径方向内周部には,軸方向内方に向かって小径となる同径一対の漏斗状部28,28が形成され,一方の漏斗状部28と,ガイドコア3の固定部3aと,コイルハウジング1の端壁1aとの3者に囲まれる環状スペースにOリング29が充填される。また他方の漏斗状部28と,固定コア5と,ヨークとの3者に囲まれる環状スペースにOリング29が充填され,これら両Oリング29によって,コイル組立体2の中空部の両端部がシールされる。この場合,両漏斗状部28,28が同径,固定コア5とガイドコア3の固定部3aとが同径であるから,上記一対のOリング29,29は同一のものを使用することができて,Oリング29,29の誤組みの心配がない。
次に,図1,図3及び図4を参照して,3方向弁Bについて説明する。
図1及び図3において,3方向弁Bは,前記ヨーク6の外端面に一体に且つ前記固定コア5と同軸に形成された円筒状の弁ハウジング30を備える。この弁ハウジング30内には,その先端側に位置する第1弁室31と,弁ハウジング30と一体の隔壁30aを挟んで第1弁室31と同軸に並ぶ第2弁室32とが設けられ,その第2弁室32は,固定コア5の中空部に連続しており,その軸方向長さが第1弁室31より長い。隔壁30aの両端面には,第1弁室31に臨む円錐状の第1弁座33と,第2弁室32に臨む円錐状の第2弁座34とが形成され,これら両弁座33,34の中心孔に連なる出力ポート35が隔壁30aを直径方向に貫通するように設けられる。
第1弁室31の,隔壁30aと反対側の一端は,該弁室31の入口36として開放される。また弁ハウジング30には,第2弁座34に比較的近い箇所で第2弁室32に連なる戻しポート37が設けられる。
入口36には,オイルリザーバ40から汲み上げた作動オイルを圧送する油圧源41に連なる入力油路43が,出力ポート35には,油圧作動機器42に連なる出力油路44が,戻しポート37にはオイルリザーバ40に開放される戻し油路45がそれぞれ接続される。
第1弁室31には第1弁体38が,また第2弁室32には第2弁体39がそれぞれ配設され,これら第1及び第2弁体38,39と第1及び第2弁座33,34との協働により,入口36及び出力ポート35間の導通,遮断と,出力ポート35及び戻しポート37間の導通,遮断とが制御される。
さらに詳しく説明する。第1弁室31の内周面には合成樹脂製の弁ガイド部材47が嵌合される。第1弁室31の内周面の,入口36側の端部は,入口36に向かって拡径するテーパ状の誘導面48に形成され,弁ガイド部材47の第1弁室31の嵌合を誘導するようになっている。また弁ガイド部材47の端部外周面も,上記誘導面48に対応してテーパ面に形成される。このガイド部材47の外端面と弁ハウジング30の外端面とは面一に配置され,これら外端面にオイルフィルタ50の環状ベース50aが重ねられる。そして,この環状ベース50aを囲繞するように,弁ハウジング30の外端面に突設された筒状のかしめ突起56を半径方向内方へかしめることにより,オイルフィルタ50は,第1弁室31の入口36周縁部に固定される。このオイルフィルタ50は,環状ベース50aの内周端から弁ガイド部材47内に突入するカップ状の濾網50bを有し,これにより入力油路43から第1弁室31に流入する作動オイルを濾過することができる。
弁ガイド部材47の内周面には,第1弁座33に隣接して軸方向に延びる複数条(図4参照。図示例では4条)のガイド突起51,51…が一体に形成され,これらガイド突起51,51…に案内されて第1弁座33に接離する球状の第1弁体38が弁ガイド部材47内に収容される。この第1弁体38は鋼球で構成される。弁ガイド部材47の内周面において,上記複数条のガイド突起51,51…相互間に画成される複数条の溝52,52…は,入口36及び第1弁座33間を連通する流路となる。
また弁ガイド部材47の内周面の中間部は,オイルフィルタ50側に向かって拡径するテーパ面53に形成され,このテーパ面53の小径端部でガイド突起51,51…は終わっている。さらに弁ガイド部材47の内周面の,入口36側端部は,テーパ面53の大径端部に連なる円筒状保持面54に形成される。前記オイルフィルタ50の環状ベース50aの内周端は,この円筒状保持面54より半径方向内方に張り出しおり,その張り出し部と第1弁体38との間に,第1弁体38を第1弁座33との着座方向に付勢する弁ばね55が縮設される。この弁ばね55は,前記テーパ面53に沿って延びる円錐コイルばねで構成され,その大径端部55aは前記円筒状保持面54に嵌合して,位置決めされる。
一方,電磁アクチュエータAの被作動部材としての第2弁体39は非磁性材製で棒状をなしていて,第2弁室32に軸方向摺動可能に収容される。この第2弁体39の摺動姿勢を安定させるため,第2弁体39の可動コア4側端部と中間部とに,第2弁室32の,戻しポート37より可動コア4側の内周面に摺動自在に嵌合する一対の環状のジャーナル39a,39aが一体に形成される。
また第2弁体39は,第2弁座34に接離する円錐状の弁部39bと,この弁部39bの先端から突出する小径の押し棒39cとを有しており,その押し棒39cは,第2弁室32から第2弁座34及び第1弁座33の中心孔を順次貫通して,前記第1弁体38に先端を当接させるように配置される。この押し棒39cは,第1弁体38が第1弁座33に着座したときでは,第1弁体38に押されて第2弁体39の弁部39bを第2弁座34から離座させ,これとは反対に弁部39bが第2弁座34に着座したときは,第1弁体38を押して第2弁座34から離座させ得る長さを有する。
以上において,第1弁体38を第1弁座33側に付勢する弁ばね55のセット荷重は,可動コア4を固定コア5に当接させる当接ばね23のセット荷重よりも大きく設定される。
次に,この実施例の作用について説明する。
電磁アクチュエータAのコイル11を消磁した状態では,弁ばね55の付勢力により第1弁体38を第1弁座33に着座させ,これに伴ない第1弁体38が第2弁体39の押し棒39cを押すことで,第2弁体39の弁部39bが第2弁座34から離座させるので,入力油路43は遮断され,出力油路44及び戻し油路45間が導通することになり,油圧作動機器42は,その作動油圧を戻し油路45に解放して,不作動状態に置かれる。
一方,電磁アクチュエータAでは,第2弁体39が上記弁ばね55の付勢力をもって可動コア4を当接ばね23のセット荷重に抗して押圧して,後退位置に保持する。その結果,可動コア4及び固定コア5の対向端面間には一定の間隙g1が生じている。
コイル11を通電により励磁すると,それにより生ずる磁束がコイルハウジング1,ヨーク6,固定コア5,可動コア4,ガイドコア3,コイルハウジング1へと順次走り,それに伴ない固定コア5及び可動コア4間に発生する磁力による軸方向の吸引力により可動コア4が弁ばね55のセット荷重に抗して固定コア5に吸引されながら,第2弁体39を押動し,その弁部39bを第2弁座34に着座させ,同時に押し棒39cにより第1弁体38を押して第1弁座33から離座させるので,出力油路44は,戻し油路45と遮断されると共に,入力油路43と導通することになる。その結果,油圧源41から入力油路43及び出力油路44を通して油圧作動機器42に油圧が供給され,それを作動状態にすることができる。
この間,可動コア4とガイドコア3間に発生する軸方向の吸引力は,これらの対向間隙g2,g3が前述のように充分に大きく設定されているため,無視し得る程小さく,したがって,可動コア4が第2弁体39を押圧する推力は,固定コア5及び可動コア4間に発生する吸引力により支配される。
ところで,コイル11の消磁状態での可動コア4及び固定コア5の対向間隙g1は,コイル11の励磁状態でも,弁部39bの第2弁座34への確実な着座状態を確保するため,可動コア4を固定コア5に当接させない必要最小限の寸法に設定される。しかも,可動コア4及び固定コア5の対向端面は,截頭円錐面27,27′となっているから,可動コア4の動きにリニア性を与えることができ,したがって可動コア4から第2弁体39及び第1弁体38に比較的大きな開閉ストロークを与えることが可能となる。また可動コア4の作動初期の推力を高めて応答性の向上を図ることができると共に,可動コア4の作動終点での推力の急増を抑えて,第2弁体39の閉弁衝撃の減少を図ることができる。
可動コア4の,第2弁体39の平坦な端面に対する当接面は球面26となっているから,可動コア4は,常に第2弁体39の中心部に推力を及ぼすことができ,第2弁体39の一対のジャーナル部39a,39aが第2弁室32の内周面に摺動可能に支承されていることゝ相俟って,第2弁体39の開閉姿勢を常に安定させることができる。
また可動コア4は有底中空円筒状をなして,その中空部で構成されるガイド孔20をコイルハウジング1に固定されたガイドコア3のガイド部3b外周面に直接摺動自在に嵌合して,ガイドコア3に支承されるので,ガイドコア3による可動コア4の支持スパンは,可動コア4内周面の全長に近い長さと,充分であり,したがって可動コア4の傾きや倒れを確実に防いで,可動コア4の軽快な摺動を確保し,その応答性の向上を図ることができる。しかもガイドコア3は,可動コア4と同様にボビン10内に配置されるものであるから,電磁アクチュエータAの全長の増加を来すこともない。さらにまた可動コア4とボビン10との間に設けられた間隙24は,可動コア4のガイドコア3に対する直接摺動を妨げない。
さらにガイドコア3の外周面に摺動可能に嵌合する可動コア4は,その内外全表面に非磁性被膜が形成されるので,ガイドコア3及び可動コア4間に非磁性被膜が介在することになり,コイル11の励磁時,ガイドコア3及び可動コア4間に流れる磁束によるも両コア3,4が互いに側方で吸引し合うことを上記非磁性被膜により防ぎ,可動コア4の良好な作動特性を得ることができ,またコイルの消磁時には,前記非磁性被膜により,可動コア及びガイドコアの摺動面間の残留磁気を断ち切って,可動コアの戻り応答性を高めることができる。しかも前記非磁性被膜の存在は,可動コア4の肉厚に殆ど影響を及ぼさないから,電磁アクチュエータAの,特に径方向のコンパクト化に有効である。
さらにまた可動コア4は,中空部を有する有底円筒状をなすので,軽量であり,これも応答性の向上に寄与する。
第2弁体39のジャーナル39a,39aや可動コア4,ガイドコア3の摺動面の潤滑は,第2弁室32に流入したオイルによって行われる。したがって,そのオイルは,ボビン10及び可動コア4間の間隙24や可動コア4の内部にも浸入している。ところで,可動コア4は,その内部空間を,可動コア4及びボビン10間の間隙24に連通するブリーザ孔25を有するので,可動コア4の往復動に伴ない,その内部空間と前記間隙24との間で上記オイルが行き来することになり,上記オイルによる可動コア4の作動抵抗を排除することができる。
ガイドコア3は,その大径の固定部3aをボビン10の内周面に嵌合させると共に,小径のガイド部3bで可動コア4を支承することで,ガイドコア3,可動コア4及びボビン10の3者の同心精度を高めることができ,したがって可動コア4及びボビン10間の間隙を,精度上許容される範囲で最小限に詰めても,それらの相互干渉を防ぐことができ,電磁アクチュエータAの小径化に寄与し得る。
一方,第1弁体38は,第1弁座33に対する開閉動作が弁ガイド部材47の複数条のガイド突起51,51…により規制されるので,第1弁体38に無用な横振れを与えることがなく,したがって第1弁座33への着座をスムーズに且つ確実にすることができると共に,て,第1弁体38及び第1弁座33は勿論,第1弁体38と常時当接する,第2弁体39の押し棒39cの摩耗防止に寄与し得る。
また第1弁体38の開弁時には,ガイド突起51,51…間の溝52,52…が入口36及び第1弁座33間の流路となるから,第1弁室31での作動オイルのスムーズな流れが確保される。
このような弁ガイド部材47は,弁ハウジング30と別体の合成樹脂製であるから,その形状が比較的複雑であっても,弁ハウジング30に関係なく,簡単に成形することができ,また第1弁体38の諸元の変更時でも,弁ガイド部材47のみの構造変更で対応可能であり,しかも低コストで提供することができる。
また弁ばね55は,弁ハウジング30の端部にかしめ固定されるオイルフィルタ50の環状ベース50aが保持されるので,その環状ベース50aが弁ばね55のリテーナ部材を兼ねることになり,専用のリテーナ部材の廃止により構造の簡素化を図り,コストの低減に寄与し得る。
さらに弁ガイド部材47の内周面の,ガイド突起51,51…と円筒状保持面54との間をテーパ面53としたことで,そのテーパ面53に沿って,倒れの生じ難い円錐状コイルばねからなる弁ばね55の配設を可能にし,この弁ばね55の大径端部55aを円筒状保持面54に支持させたことゝ相俟って,第1弁体38の開閉姿勢の安定化をもたらすことができる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく,その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば,可動コア4に非磁性被覆を形成する代わりに,ガイドコア3に非磁性被覆を形成することもできる。
図1は本発明の実施例に係る電磁弁の縦断面図,図2は,図3は,図4はである。
本発明の実施例に係る電磁弁の縦断面図。 図1の2部拡大図。 図1の3部拡大図。 図3の4−4線断面図
符号の説明
A・・・・電磁アクチュエータ
g1・・・可動コア及び固定コアの軸方向対向間隙
g2,g3・・・可動コア及びガイドコアの軸方向対向間隙
2・・・・コイル組立体
3・・・・ガイドコア
4・・・・可動コア
5・・・・固定コア
10・・・ボビン
11・・・コイル
16・・・固定小軸
17・・・固定孔
20・・・ガイド孔
24・・・可動コア及びボビン間の間隙
25・・・ブリーザ孔

Claims (5)

  1. 磁性材製のコイルハウジング(1)と,ボビン(10)及びそれに巻装されるコイル(11)を有して前記コイルハウジング(1)に嵌装されるコイル組立体(2)と,このコイルハウジング(1)の一端に連結されて,前記ボビン(10)内に配置される固定コア(5)と,この固定コア(5)に対向して前記ボビン(10)内に軸方向移動可能に配置される可動コア(4)とを備えた電磁アクチュエータにおいて,
    前記可動コア(4)を,端壁(4a)の外端面中心部に凸状の球面(26)を有する有底中空円筒状に構成すると共に,この可動コア(4)の中空部で構成されるガイド孔(20)を,コイルハウジング(1)の他端に固定されて前記ボビン(10)内に配置されるガイドコア(3)の外周面に直接摺動自在に嵌合し,前記可動コア(4)と前記ボビン(10)との間には,前記可動コア(4)の前記ガイドコア(3)に対する直接摺動を妨げないための間隙(24)を設け,前記可動コア(4)の内外全面に非磁性被膜を形成し,前記コイル(11)の励磁時,前記可動コア(4)及び前記ガイドコア(3)間に発生する軸方向の吸引力が,該可動コア(4)及び前記固定コア(5)間に発生する吸引力より小さくなるようにしたことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  2. 請求項1記載の電磁アクチュエータにおいて,
    前記可動コア(4)及び前記ガイドコア(3)の軸方向対向間隙(g2,g3)を,該可動コア(4)及び前記固定コア(5)の軸方向対向間隙(g1)より大きく設定したことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  3. 請求項1又は2記載の電磁アクチュエータにおいて,
    前記ガイドコア(3)の一端面に固定小軸(16)を突設し,この固定小軸(16)を,前記コイルハウジング(1)の端壁(1a)に設けられた固定孔(17)に嵌入してかしめることにより,該ガイドコア(3)を前記端壁(1a)に固定したことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて,
    前記ガイドコア(3)を,前記コイルハウジング(1)の端壁(1a)に固定されると共に前記ボビン(10)の内周面に嵌合する固定部(3a)と,この固定部(3a)の先端から突出して前記可動コア(4)に摺動自在に嵌合される,固定部(3a)より小径のガイド部(3b)とで構成したことを特徴とする電磁アクチュエータ。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の電磁アクチュエータにおいて,
    前記可動コア(4)には,その内部空間を,該可動コア(4)及び前記ボビン(10)間の間隙(24)に連通するブリーザ孔(25)を設けたことを特徴とする電磁アクチュエータ。
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