JPH0581902U - 車両用灯具のレンズ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 フォグランプなどの車両用灯具において車両
デザインとの整合の目的でレンズを水平方向に傾斜させ
たときには、同時に配光特性も崩れるものとなり例えば
対向車に対して眩惑を生じさせるなどの課題の解決を図
る。 【構成】 レンズ１に施され、光を水平方向に拡散する
ためのレンズカット２を、照射方向に対してレンズ面１
ａが鋭角となる側の曲率Ｒ２を鈍角となる側の曲率Ｒ１
よりも小さく設定した複合半径円筒面とたことで、前記
レンズ１が水平方向への傾斜を生じている場合にも灯具
の配光特性を左右対称のものとして課題を解決する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は例えばフォグランプなど照明用として用いられる車両用灯具のレンズ に関するものであり、詳細には水平方向で前後に傾斜させられたときのレンズの 構成に係るものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種の車両用灯具のレンズ９０の構成を示すものが図３であり、例え ばフォグランプにおいては車体の形状に沿わせてレンズ９０が灯具の照射方向に 対して水平方向で前後に傾斜して配置される場合がしばしば生ずる。 この場合においても従来は前記レンズ９０に施される光を水平方向に拡散する ための例えば凹面状とされるレンズカット９１は単一の半径を有する円筒面で形 成されるものとなっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記した従来のレンズ９０においては前記レンズカット９１が 単一の半径を有する円筒面とされたことで、左右方向への屈折角が非対称と成り 図４に示すように配光特性Ｈ９０が崩れるとともに、最大光度が生ずる点Ｐも前 記照射方向Ｚの正面から外れるものとなり、例えば対向車に眩惑を生じさせるな どの問題点を生じ、この点の解決が課題とされるものとなっていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記した従来の課題を解決するための具体的な手段として、照射方向 に対して水平方向で前後に傾斜して配置される車両用灯具のレンズにおいて、前 記レンズに施され、光を水平方向に拡散するためのレンズカットは、前記照射方 向に対してレンズ面が鋭角となる側の曲率を鈍角となる側の曲率よりも小さく設 定した複合半径円筒面としてあることを特徴とする車両用灯具のレンズを提供す ることで、左右対称な配光特性が得られるようにして前記した従来の課題を解決 するものである。

【０００５】

【実施例】

つぎに、本考案を図に示す一実施例に基づいて詳細に説明する。 図１に符号１で示すものは本考案に係る車両用灯具のレンズであり、このレン ズ１は灯具の照射方向Ｚに対して水平方向で前後に傾斜して配置されている点は 従来例のものと同様であるが、本考案により前記レンズ１に施される光を水平方 向に拡散するためのレンズカット２は複合半径円筒面とされ、これにより左右対 称な配光特性が得られるものとされている。

【０００６】 ここで、前記レンズカット２について更に詳細に説明を行えば、このレンズカ ット２は全てのユニットが配光特性上の左右の対称性を得られるように形成され るもので、これによりレンズ１として総合した時にも左右の対称性が得られるも のと成るものであり、よって、以下の説明は一つのユニット２Ａで代表させて行 うものとする。

【０００７】 先ず、ユニット２Ａが左右対称の特性を有するための条件を述べれば、第一に は左右方向への拡散角度が同一である（条件１）ことが必要であり、第二にはそ の同一角度で拡散される左右方向への光量が同一である（条件２）ことが必要で あり、上記の二点が満足された場合にのみ左右対称の配光特性が得られるものと なる。

【０００８】 本考案においては、先ず前記条件２を満足させるために前記ユニット２Ａの照 射方向Ｚに直交する幅Ｄの二等分線Ｃを求め、この二等分線Ｃよりも左側に入射 する光は全て左方向に屈折させ、右側に入射する光は全て右方向に屈折させるこ とで左右方向の光量を同一とするものであり、加えて条件１を満足させるために 左側に入射する光に対する拡散角θ１と、左側に入射する光に対する拡散角θ２ とが同一となるようにレンズカット２の左半径Ｒ１と右半径Ｒ２とを調整するも のである。

【０００９】 具体的には、前記レンズ１の表面１ａから垂線Ｘを垂下して前記二等分線Ｃと の交点Ｑを求め、この交点Ｑにおいて前記垂線Ｘ上に中心を有する左半径Ｒ１と 右半径Ｒ２とが接続するようにするものであり、前記左半径Ｒ１と右半径Ｒ２と は前記レンズ１の傾斜角により前記照射方向Ｚと表面１ａとが鋭角となる半分の 半径が鈍角となる半分の半径よりも小さくなるようにして、適宜に調整されるも のである。

【００１０】 次いで、上記の構成とした本考案のレンズ１の作用・効果について説明を行え ば、前記交点Ｑにおいて垂線Ｘ上に中心を有する左半径Ｒ１と右半径Ｒ２とが接 続されたことで、交点Ｑにおけるレンズカット２の接線は前記レンズ１の表面１ ａと平行となり、且つこの交点Ｑは二等分線Ｃに一致しているので、交点Ｑを通 過する光、即ちユニット２Ａの中心を通過した光のみが照射方向Ｚに向かうもの となり、これ以外の光、即ち二等分線Ｃよりも左の光は左方向にと屈折させられ る。

【００１１】 このときに前記左半径Ｒ１と右半径Ｒ２とが調整され左右方向への拡散角が同 一とされているので、結果としてレンズ１による配光特性Ｈ１は図２に示すよう に左右対称のものとなる。

【００１２】

【考案の効果】

以上に説明したように本考案により、レンズに施され、光を水平方向に拡散す るためのレンズカットを、照射方向に対してレンズ面が鋭角となる側の曲率を鈍 角となる側の曲率よりも小さく設定した複合半径円筒面とたことで、前記レンズ が水平方向への傾斜を生じている場合にも灯具の配光特性を左右対称のものとし て、視認性の向上と対向車への眩惑を生じさせることの無いものとして、この種 の灯具の性能向上に優れた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る車両用灯具のレンズの一実施例
を要部で示す断面図である。

【図２】 同じ実施例の配光特性を示すグラフである。

【図３】 従来例を要部で示す断面図である。

【図４】 従来例の配光特性を示すグラフである。

【符号の説明】

１……レンズ １ａ……表面 ２……レンズカット ２Ａ……ユニット Ｃ……二等分線 Ｑ……交点 Ｒ１……左半径 Ｒ２……右半径 Ｘ……垂線 Ｚ……照射方向

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 照射方向に対して水平方向で前後に傾斜
   して配置される車両用灯具のレンズにおいて、前記レン
   ズに施され、光を水平方向に拡散するためのレンズカッ
   トは、前記照射方向に対してレンズ面が鋭角となる側の
   曲率を鈍角となる側の曲率よりも小さく設定した複合半
   径円筒面としてあることを特徴とする車両用灯具のレン
   ズ。