JPH0581368B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、衝撃ドリル装置に関し、特に、衝撃
ドリルスピンドルによつて回転接続駆動されるド
リルチヤツクを備え、そのドリルチヤツクは軸方
向の連結路を有し、その連結路を通り抜けて衝撃
ドリルスピンドルの衝撃作用が、ドリルチヤツク
内で中心へ移動可能なチヤツクジヨーの間に保持
されたドリルの端部に伝達され、かつ前記ドリル
チヤツクは衝撃ドリルスピンドル上を軸方向に移
動可能に案内されており、ドリルに対して前方へ
向かう方向における移動工程が、衝撃ドリルスピ
ンドルとドリルチヤツクとの間のストツパによつ
て制限されている衝撃ドリル装置に関するもので
ある。

［従来の技術とその問題点］ 西ドイス公開特許明細書第3132449号より公知
の前記の種類の衝撃ドリル装置において、衝撃ド
リルスピンドルは交差方向の貫通路を有し、その
貫通路はチヤツク本体内に固定されたボルトによ
つて貫通されている。その交差方向の貫通路は、
衝撃ドリルスピンドルの軸方向において、ボルト
の太さよりも幾分長く、その結果、ボルトによつ
て引き起こされる連結は、回転固定されている
が、かる一定の軸方向にスピンドルの自由な遊び
を可能にしており、その遊びはドリルチヤツク内
に保持されたドリルへ衝撃ドリルスピンドルの衝
撃作用を伝達するのに必要である。衝撃ドリル作
業の間、ドリルがドリル箇所において十分大きい
ドリル抵抗を受ける限りは、そのドリル自身の軸
方向の衝撃運動の行程は、衝撃ドリルスピンドル
の行程と同じく、たいていは、ボルトによつて可
能とされるスピンドルの自由な遊びよりも小さ
い。しかしながら、ドリルが僅かしかまたは全く
抵抗を受けていないから、衝撃行程が比較的大き
くなり、衝撃ドリルスピンドルがそのスピンドル
の前記貫通路の軸方向の端部においてボルトに当
たることによつて、衝撃エネルギーの大部分が衝
撃ドリルスピンドルから直接ドリルチヤツクに伝
達される。その際、互いに直接当接する面が小さ
く、その結果、大きな面荷重率が生じ、それは衝
撃ドリルスピンドルまたは前記ボルトにおける永
久変形、および長い間にはドリルチヤツクおよび
衝撃ドリルスピンドルにおける損傷につながり得
る。

ドリルチヤツクおよび衝撃ドリルスピンドルを
過酷すぎる荷重を回避するように、冒頭に述べた
種類の衝撃ドリル装置を構成することが本発明の
根底を成す課題である。

［問題点を解決するための手段および作用］ 本発明によると、前記課題は次のことによつて
解決される。すなわち、前記ストツパが、衝撃ド
リルスピンドルの側ではその衝撃スピンドルに備
えられたフランジによつて、そしてドリルチヤツ
クの側では衝撃ドリルスピンドルを取り囲むチヤ
ツク本体内の環状肩部によつて形成されており、
前記フランジおよび環状肩部は、互いに対向する
面が打ち当たる際に互いに広い面で当接する。結
果として、打ち当たりの際に互いに当接する面が
即座に大きく選ばれ、衝撃ドリルスピンドルによ
るドリルチヤツクの過酷な衝撃荷重の際も面荷重
率が小さく、互いに当接する面における永久変形
またはドリルチヤツクの他の損傷または破壊が、
確実に回避される。

さらに、本発明においては、前記フランジがそ
の背面にもつ１つの面を形成しており、その面に
対向して、チヤツク本体内に保持されたリング板
が配設され、そのリング板とフランジの前記面と
は、ドリルから離れる方向において衝撃ドリルス
ピンドル上のドリルチヤツクの移動行程を制限す
るための広い面のストツパを形成している。リン
グ板は、チヤツク本体の環状切欠き内に装着され
た環状リングであつてもよく、衝撃ドリルスピン
ドルによるドリルチヤツクの衝撃荷重が、ドリル
から離れる後退方向においては、それと反対方向
よりも実質的に弱いので、前記のことは、衝撃ド
リルスピンドル上でドリルチヤツクを保持するた
めに十分である。

結果として、衝撃ドリルスピンドル上でのドリ
ルチヤツクの軸方向運動の遊びは、両ストツパ間
での相互作用において、いわば自動的に調節さ
れ、打ち当たりの際にその都度互いに当接する面
の衝撃荷重は、前記面の大きさの他に、両ストツ
パ間で定められている衝撃ドリルスピンドル上で
のドリルチヤツクを軸方向運動の自由な遊びの大
きさにも左右され、すなわち衝撃ドリルスピンド
ル上のドリルチヤツクがストツパ間で軸方向に自
由に動くことのできる程度が大きいほど僅かであ
る。

［実施例］ 以下、図面に描かれた実施例を用いて本発明を
詳細に説明する。図は本発明によるドリルチヤツ
クの軸方向の断面図を示している。

図面に描かれた衝撃ドリル装置において、１は
ドリルスピンドルで、２はそのドリルスピンドル
１によつて駆動されるドリルチヤツクである。ド
リルチヤツク２はドリルスピンドル１上で回転接
続して配設され、それを可能にするためにドリル
スピンドルには平坦面３が備えられ、その面３
は、ドリルスピンドルによるドリルチヤツクの回
転駆動の方向において、ドリルチヤツク２のチヤ
ツク本体１２の対応する平坦な対向面（図示され
ていない）と連動するが、ドリルスピンドル１上
でドリルチヤツク２が軸方向に移動する可能性を
損わない。しかしながら、そのような連動面３に
よる代わりに、衝撃ドリルスピンドル１上でのド
リルチヤツク２の回転接続は、他の方法、例え
ば、衝撃ドリルスピンドル１およびチヤツク本体
１２において対向している切欠き内にはめられ
て、このことによつて、軸方向の相対運動を阻止
することなく、ドリルチヤツク２と衝撃ドリルス
ピンドル１との相対回転を阻止する軸ピンによつ
ても実現され得る。

ドリルチヤツク２が軸方向の連結路５を備えて
おり、その連結路５を通り抜けて衝撃ドリルスピ
ンドル１の衝撃運動が、ドリルチヤツク２内で半
径方向において中心へ移動可能なチヤツクジヨー
６の間に保持されたドリル（図示せず）の端部に
伝達される。

衝撃ドリルスピンドル１上でのドリルチヤツク
２の軸方向の移動行程は、ドリルに対して前方へ
向かう方向において、衝撃ドリルスピンドルとド
リルチヤツクとの間のストツパによつて制限され
ている。このストツパは、衝撃ドリルスピンドル
１の側ではその衝撃スピンドルにあるフランジ４
２によつて、そしてドリルチヤツク２の側では衝
撃ドリルスピンドルを取り囲むチヤツク本対１２
内の環状肩部４０によつて形成されている。フラ
ンジ４２および環状肩部４０は、互いに対向する
面での打ち当たりの際に互いに広い面で当接し、
衝撃ドリルスピンドルによるドリルチヤツクの過
酷な衝撃荷重の際でも、ストツパ面における面荷
重率は、ドリルチヤツクまたは衝撃ドリルスピン
ドルにおける永久変形または破壊を懸念しなくて
よいくらい僅かなままである。

フランジ４２は背面にもう１つの面４４を形成
しており、その面４４に対向して、チヤツク本体
１２内に保持されたリング板４３が配設されて、
そのリング板４３は、衝撃ドリルスピンドル１と
フランジ４２を受け入れるチヤツク本体１２の凹
所１５内にある環状切欠き内に嵌め込まれた弾性
リング４５によつて保持されている。前記リング
板４３はフランジ４２の面４４と共に、ドリルか
ら離れる方向において衝撃ドリルスピンドル１上
でのドリルチヤツク２の移動行程を制限するため
の広い面のストツパを形成している。環状肩部４
０とリング板４３によつて形成されるストツパの
間で、ドリルチヤツク２が衝撃ドリルスピンドル
１上を軸方向に自由に移動することができ、その
際、正常な衝撃ドリル駆動においては、衝撃ドリ
ルスピンドル１のフランジ４２が、衝撃行程ごと
に、または、ほとんどの衝撃行程ごとに、いずれ
にせよ規則的にドリルチヤツク２の環状肩部４０
に打ち当たらないように、前記の軸方向の移動の
遊びが十分大きく選ばれている。

［発明の効果］ 本発明の衝撃ドリル装置によると、ドリルチヤ
ツクおよび衝撃ドリルスピンドルの過酷すぎる荷
重が回避される。

［要約］ 衝撃ドリルスピンドル１によつて回転接続駆動
されるドリルチヤツク２が軸方向の連結路５を有
し、その連結路５を通り抜けて衝撃ドリルスピン
ドル１の衝撃作用が、ドリルチヤツク２内で中心
へ移動可能なチヤツクジヨー６の間に保持された
ドリルの端部に伝達される。ドリルチヤツク２は
衝撃ドリルスピンドル１上で軸方向に移動可能に
案内されている。移動行程がドリルに対して前方
へ向かう方向においてストツパによつて制限さ
れ、そのストツパは、衝撃ドリルスピンドル１の
側ではその衝撃スピンドル１に備えられたフラン
ジ４２によつて、そしてドリルチヤツク２の側で
は衝撃ドリルスピンドル１を取り囲むチヤツク本
体１２内の環状肩部４０によつて形成されてい
る。フランジ４２および環状肩部４０は、互いに
対向する面が打ち当たる際に広い面で互いに当接
する。

【図面の簡単な説明】

図は本発明によるドリルチヤツクの縦断面図を
示している。 符号の説明、１……衝撃ドリルスピンドル、２
……ドリルチヤツク、３……平坦面（連動面）、
５……連結路、６……チヤツクジヨー、１２……
チヤツク本体、１５……凹所、４０……環状肩
部、４２……フランジ、４３……リング板、４４
……面、４５……弾性リング。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 衝撃ドリルスピンドル１によつて回転接続駆
   動されるドリルチヤツク２を備え、そのドリルチ
   ヤツク２は軸方向の連結路５を有し、その連結路
   ５を通り抜けて衝撃ドリルスピンドル１の衝撃作
   用が、ドリルチヤツク２内で中心へ移動可能なチ
   ヤツクジヨー６の間に保持されたドリルの端部に
   伝達され、かつ前記ドリルチヤツク２は衝撃ドリ
   ルスピンドル１上を軸方向に移動可能に案内され
   ており、ドリルに対して前方へ向かう方向におけ
   る移動工程が、衝撃ドリルスピンドル１とドリル
   チヤツク２との間のストツパによつて制限されて
   いる衝撃ドリル装置であつて、 前記ストツパが、衝撃ドリルスピンドル１の側
   ではその衝撃スピンドルに備えられたフランジ４
   ２によつて、そしてドリルチヤツク２の側では衝
   撃ドリルスピンドル１を取り囲むチヤツク本体１
   ２内の環状肩部４０によつて形成されており、前
   記フランジ４２および環状肩部４０は、互いに対
   向する面が打ち当たる際に、互いに広い面で当接
   するようになされている衝撃ドリル装置におい
   て、 前記フランジ４２が、その背面にもう１つの面
   ４４を形成しており、その面４４に対向して、チ
   ヤツク本体１２内に保持されたリング板４３が配
   設され、そのリング板４３と前記面４４とは、ド
   リルから離れる方向における衝撃ドリルスピンド
   ル１上のドリルチヤツク２の移動工程を制限する
   ための広い面のストツパを形成していることを特
   徴とする衝撃ドリル装置。