JPH0581232A - スウイング動作時の運動解析方式 - Google Patents

スウイング動作時の運動解析方式

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JPH0581232A
JPH0581232A JP23963891A JP23963891A JPH0581232A JP H0581232 A JPH0581232 A JP H0581232A JP 23963891 A JP23963891 A JP 23963891A JP 23963891 A JP23963891 A JP 23963891A JP H0581232 A JPH0581232 A JP H0581232A
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JP
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motion
circularity
locus
data
value
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JP23963891A
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English (en)
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Tomoko Segawa
智子 瀬川
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明はゴルフ・テニス・野球などのスポー
ツにおけるスウィング動作時の運動解析方式に関し、3
次元座標をもとにスウィング軌跡の円形度を測定するこ
とにより、的確なフォーム解析によるプロ選手などとの
フォームの比較を可能とし、適切なスポーツ用品選択が
可能となるスウィング動作時の運動解析方式を実現する
ことを目的としている。 【構成】 スウィング動作状態を画像としてとらえ、そ
の画像を位置計測手段(12)にて3次元座標として取
り出し、この3次元座標値をもとに、速度、加速度など
の各種の運動物理量を運動定量化手段(13)で算出す
るとともに、上記3次元座標の各座標間を補間部(1
9)で補間することによりスウィング動作の軌跡として
3次元の近似的円形軌跡を得、この近似的円形軌跡の円
形度を円形度算出部(20)で算出することにより、ス
ウィング動作のフォーム解析を運動解析手段(14)に
て行う構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴルフ・テニス・野球
などのスポーツにおいて、スウィング軌跡の円形度から
スウィング時のフォームを解析するスウィング動作時の
運動解析方式に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のスポーツブームを反映して、スポ
ーツ選手だけでなく一般の人も、ゴルフ・テニス・野球
など各種スポーツを楽しむ機会が増えている。上記した
スポーツの場合は、それを行うための用具が必要となる
が、これらの用具は、使用する人の個人性に照らし合わ
せて適切に選択することが重要である。
【0003】このような観点から従来より、例えばゴル
フであれば、クラブのスウィング軌跡などを解析したデ
ータをもとに用具を選択することが行われている。図1
7は従来のスポーツ用品選択装置の原理を示すものであ
る。同図において、1は画像入力手段、2は位置計測手
段、3は運動定量化手段、4は運動解析手段、5はスポ
ーツ用品推論手段であり、上記運動解析手段には運動解
析辞書6と基準値決定部7が設けられ、また上記スポー
ツ用品推論手段5にはスポーツ用品知識ベース8が設け
られている。
【0004】このような構成におけるスポーツ用品選択
手順を説明する。まず、ユーザにスポーツ用品を実際に
使用してもらう。例えばゴルフのクラブであれば、それ
をスウィングしてもらい、そのときの運動状態をTVカ
メラなどの画像入力手段1で読み取る。次にその画像か
らユーザの体の各部とゴルフクラブの位置とその軌跡を
位置計測手段2により算出し、これら位置および軌跡か
ら速度、加速度など運動の物理量を運動定量化手段3に
て算出し、運動状態を定量化する。そして運動解析手段
4にて、上記物理量をもとに運動解析辞書6を用いて解
析を行う。
【0005】上記運動解析辞書6には、標準的な軌跡、
速度、加速度などの運動状態を示すデータが、上記定量
化した項目ごとに格納されている。また、運動解析手段
4は、身長、体重などの人間が簡単に把握できる条件だ
けでなく、ユーザのもつ運動能力の情報(速度、加速
度、位置変動など)を用いて、標準的なデータとユーザ
のデータとの比較を行う手段を備えており、例えば平均
値・分散などの統計的手段により、ユーザのデータと標
準的なデータ(全データの平均)との差異を定量化す
る。そして、スポーツ用品推論手段5では、標準的なデ
ータとユーザのデータとの差異を補うためのスポーツ用
品知識ベース8を利用して、ユーザに適切な用具を選択
する処理が行われる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような従来のスポーツ用品選択方式では、運動解析手
段4にて用いる体の各部分の変動量など、ユーザの体型
の違いによってフォームの違いが生じやすく、それのみ
では正しい解析が行えず、適切な用具選択が行えないと
いう問題があった。
【0007】本発明は、ゴルフ・テニス・野球などのス
ポーツにおいて、スウィング動作を画像としてとらえ、
その画像を3次元座標として取り出し、この3次元座標
の各座標間を補間して3次元の近似的円形軌跡を得て、
この近似的円形軌跡の円形度を測定して、スウィング動
作のフォーム解析を行うようにすることにより、個人の
体力、体型に影響されることなく、プロ選手などとのフ
ォーム比較を的確に行うことができ、この比較データを
もとに適切なスポーツ用品選択を可能とするスウィング
動作時の運動解析方式を実現することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】図1は本発明の原理説明
図である。同図において、11は画像入力手段、12は
位置計測手段、13は運動定量化手段、14は運動解析
手段、15はスポーツ用品推論手段、16は運動解析辞
書、17は基準値決定部、18はスポーツ用品知識ベー
スであり、これらは前期した従来例の説明で参照した図
17の符号1〜8の各部と同じものであるので、機能な
ど重複する説明は省略する。
【0009】この発明では、運動定量化手段13に補間
部19、円形度算出部20を設け、例えばゴルフのクラ
ブをスウィングしたときに、位置計測手段12でクラブ
ヘッドの3次元座標を取り出し、この3次元座標の各座
標間を補間して、3次元の近似的円形軌跡を得て、この
近似的円形軌跡の円形度を算出し、その算出結果を運動
解析部14で解析するようにしている。
【0010】
【作用】このようにして、ユーザに例えばゴルフクラブ
をスウィングしてもらい、その運動状態を画像入力手段
11で読み取り、位置計測手段12でクラブヘッドの軌
跡の3次元的な位置座標を求めて、その軌跡の各座標点
間を補間部19にて補間を行い近似的な円形軌跡を得
る。つまり、スウィング軌跡の点と点の間を点で埋め
て、連続的な曲線の軌跡を得るような補間を行う。そし
て、円形度算出部20にて、その局線の円形度を算出
し、この算出結果を運動解析手段14にて円形度の値を
運動解析辞書16に格納されている各種データと比較し
て解析データを得る。このデータをもとにスポーツ用品
推論手段15ではスポーツ用品知識ベースを参照して、
そのユーザに合った用具を選択する。
【0011】このように、ゴルフ・テニス・野球などの
スウィング動作時に各部の動きの3次元軌跡の円形度を
求めることによって、個人の体力や体型に関係なく有効
なフォーム解析を行うことができ、適切な用具の選択が
可能となる。
【0012】
【実施例】図2は本発明の一実施例のシステム構成を示
すもので、この実施例ではユーザがゴルフクラブを選択
する場合についてを例にとって説明する。
【0013】図2において、211 ,212 は画像入力
手段としてのテレビジョンカメラ(TVカメラ)であ
り、ユーザ22がゴルフクラブをスウィングする様子を
撮影するもので、左右に各1台設けるのは3次元的な距
離を測定するためである。これら各TVカメラ211
212で得られた画像信号は位置計測装置231 ,23
2 に送られ、位置計測を行ったのち、これら位置計測信
号を用いて3次元座標算出部24で3次元座標が算出さ
れる。
【0014】また、25は速度、加速度などの運動物理
量を算出し、運動状態の定量化を行う運動定量化部、2
6は3次元座標の各座標間を補間する補間部、27は補
間処理により近似的な円形となった軌跡の円形度を算出
する円形度算出部、28は運動定量化部25で算出され
た速度、加速度などの運動物理量を運動解析辞書29の
内容と比較して運動解析を行う運動解析部、30は上記
運動解析辞書29に格納すべき基準データを決定する基
準値決定部である。上記運動解析辞書29には、年令
別、経験年数別、ハンディキャップ別、種々のプロゴル
ファのデータなどが格納されている。
【0015】また、31はゴルフクラブ選択部、32は
ゴルフクラブ選択ルールであり、ゴルフクラブ選択ルー
ル32は、運動解析項目を入力しその解析内容に対応し
て、どのゴルフクラブが適切かのルールを格納しておく
ものである。上記ゴルフクラブ選択部31は、ゴルフク
ラブ選択ルール32と運動解析部28で実際に解析され
た結果から、そのゴルファに適切なゴルフクラブを選択
指示するものである。この指示はディスプレイやプリン
タなどの表示部33で表示される。
【0016】なお、上記3次元座標算出部24、運動定
量化部25、補間部26、円形度算出部27、運動解析
部28、運動解析辞書29、基準値決定部30、ゴルフ
クラブ選択部31、ゴルフクラブ選択ルール32は、パ
ーソナルコンピュータなどのホスト計算機34上でのソ
フトウェアで実現できる。
【0017】このような構成において、全体的な処理手
順について説明する。ユーザ22がゴルフクラブをスウ
ィングする様子は、左右のTVカメラ211,212
よってとらえられ、その画像からクラブヘッドの動き、
体の各部(頭、肩、腰、手、膝)の動きが解析される。
具体的には、解析したい各部の位置を位置計測装置23
1 ,232 により算出し、これら各位置情報により3次
元座標算出部24で各部の3次元座標を算出する。そし
て、この3次元座標値をもとに、速度、加速度など各種
の運動物理量を運動定量化部25で算出し、その結果を
運動解析部28にて運動解析辞書29の内容と比較する
ことにより運動解析を行う。次に、この解析結果をもと
に、ゴルフクラブ選択部31ではゴルフクラブ選択ルー
ル32に格納された内容から判断して、当該ユーザ22
には、どのゴルフクラブが適切であるかを指示し、その
指示内容を表示部33で表示する。
【0018】このようにすることにより、ユーザ22に
対して適切なゴルフクラブを選択することができる。次
に図2で示した各構成要素を詳細に説明する。まず、位
置計測装置231 ,232 の具体的な構成およびその機
能を図3により説明する。ここでは位置計測装置231
について説明するが、位置計測装置232 も同様の構
成、機能である。図3において、41はA/D変換部、
42は色抽出回路、43は雑音除去回路、441 ,44
2 は投影算出回路、45はDSP(Digital Signal Pro
cessor)である。
【0019】このような構成において、ユーザ22の運
動状態の位置計測を行うために、まず、位置計測を行う
べき部分、例えば頭、肩、腰、手、膝にそれぞれ異なっ
た色のマーカM1 ,M2 ,・・・を付ける。A/D変換
部41では、TVカメラ21 1 から入力した画像信号を
RGB(Red, Green, Blue)ディジタル信号に変換す
る。このときTVカメラ211 からの画像はA/D変換
部41内で作られる外部同期信号に同期して入力され
る。この外部同期信号は2台の位置計測装置231 ,2
2 で同期がとれるようにしておく。
【0020】上記A/D変換部41から出力されたRG
Bディジタル信号は色抽出回路42に送られる。この色
抽出回路42では、図4の如く、R,G,Bの画像デー
タに対してテーブル46を使用してデータ変換を行い、
複数の特定色の画像データのみ、画素値をその色に相当
する特定値(“1”)にして出力し、他の色に対しては
画素値を“0”にして出力する。
【0021】雑音除去回路43では、例えば3×3の論
理フィルタを用いて孤立点除去を行い、4連結などドッ
トが連続する連結パターンを抽出する。図5は3×3の
入力パターンに対する出力値のテーブルの例を示すもの
で、同図において、“1”の部分は信号が入っており、
*の部分は信号のない部分であり、例えば“1”の周囲
が*であるとすれば、“1”は孤立点であり、この孤立
点は物体の形状をなしていないとみなし、雑音と判断し
てそれを除去するものである。
【0022】このようにして雑音除去された2値パター
ンに対し、投影算出回路441 ,442 にて各行ごとの
水平投影、各列ごとの垂直投影を求める。この投影算出
回路441 ,442 は識別する色の数だけ設けられる。
例えば色マーカを付着する部分が5箇所であれば5個の
投影算出回路が必要となる。この投影算出回路は図6に
示すように、ある色に対する1ビットの画像データを上
記雑音除去回路43で雑音除去した1ビットの色データ
から水平投影値と垂直投影値を求め、これらの各投影値
からその色マーカの重心を求めるものである。すなわ
ち、色マーカM1 ,M2 ,・・・を頭は赤、肩は黄、腰
は青などというように色別にして付着し、これら各色に
対する1ビットの画像データを雑音除去して、水平、垂
直の投影値を得て、各マーカM1 ,M2 ,・・・の重心
を求めるのである。
【0023】この重心の算出はDSP45を用いて行
う。図7はDSP45の外部RAMの内容とプログラム
の処理を示すもので、RAM46に格納されるデータと
しては、水平投影値、垂直投影値、投影有効区間、任意
区間幅、区間最大投影値(投影値の累積及び開始、終了
点)、算出された重心値などである。すなわち、図6の
処理で得られた水平投影と垂直投影の結果、および物体
の移動領域の最大値と最小値を投影有効区間としてRA
M46に格納する。さらに物体の大きさの2倍程度の値
を区間幅としてRAM46の任意区間幅の領域に格納す
る。そして、水平投影値、垂直投影値、投影有効区間、
任意区間幅の値を使って、順次、各区間の投影値の累積
値を算出する。
【0024】このようにして、任意の区間の投影を行い
(処理S1)、次々に算出される区間投影値は前に算出
された最大の区間投影値と比較して(処理S2)、この
区間最大投影値よりも大きければ、その区間投影値を新
たな区間最大投影値に書き換えると同時に、その区間の
開始点と終了点の格納を行う(処理S3)。この処理の
繰り返しにより、投影値が最大の区間およびその区間の
開始点と終了点が得られ、これらのデータをRAM46
に格納する。
【0025】図8は上記区間最大投影値の算出について
示すもので、ここでは画像データ51における開始点B
を10行目、終了点Eを97行目とし、各区間幅を「4」と
設定する。これらの設定値はパソコン(ホスト計算機)
から与えられる。同図の場合、区間最大投影値は例えば
312で、その開始点は14行目、終了点は17行目である。
【0026】次に最大投影値を持つ区間内で重心を算出
する。ここでは、図9の画像例を用いて重心算出の具体
例を説明する。図9において、PI(0,0),PI
(0,1),・・・PI(1,0),PI(2,0),
・・・はそれぞれ画素を示し、太線で囲った部分61が
画像上の物体であり、この物体は画素PI(i,j)の
iがi=1からi=3,jがj=1からj=3にて構成
されている。まず、水平投影値と垂直投影値を求める。
水平投影値は、
【0027】
【数1】
【0028】で表わされ、垂直投影値は
【0029】
【数2】
【0030】で表わされる。式(1),式(2)の各式
において、水平投影において最大投影値を持つ区間の開
始点をsth 、終了点をedh とし、また垂直投影において
最大投影値を持つ区間の開始点をsth 、終了点をedv と
する。ここでは、図9からわかるようにi=sth =1,
j=stv =1,edh =3,edv =3であるので、これら
の値を式(1),式(2)に入れると、水平投影値は、
【0031】
【数3】
【0032】のように求められ、また垂直投影値は、
【0033】
【数4】
【0034】のように求められる。このようにして求め
られた水平投影値と垂直投影値を用い、重心を求める。
ここでは、重心(Xcenter, Ycenter)は、Xcenter=
(水平投影値)/(処理を行った画素の総数)、Ycent
er=(垂直投影値)/(処理を行った画素の総数)で表
わせる。この場合、処理を行った画素の総数は、iがi
=1からi=3、jがj=1からj=3であり、3×3
で9個であるため式(3)で求められた水平投影値「1
8」および式(4)で求められた垂直投影値「18」と
を用いると、Xcenter=18/9、Ycenter=18/9
となり、結局、図9で示した物体の重心となる画素値は
(2,2)として求められる。
【0035】このような重心の算出手段を用いることに
より、ユーザの各部およびゴルフクラブに付着された各
々の色マーカM1 ,M2 ,・・・の重心を算出すること
ができる。
【0036】次に前記した任意区間の設定手段について
説明する。これは、ある任意の区間の投影をとる場合、
その区間の決め方を示すもので、図10(a)のように、
任意区間(イ),(ロ),(ハ),・・・を重複するこ
となく等間隔でとると、対象物Aの場合は、区間内(こ
の場合、区間(イ)内)に位置するため、所望の重心を
算出することができるが、対象物Bの場合は、区間にま
たがって位置するため算出した重心の誤差が大きくなる
という問題がある。これを解消するため、同図(b) の如
く、任意区間(イ),(ロ),(ハ),・・・を半周期
ずらしながら重複させる。これにより、対象物Bもこの
場合、任意区間(ニ)内に位置するため、この区間
(ニ)で重心を算出することができる。なお、図中Nは
ノイズを示している。
【0037】次に3次元座標算出部24における3次元
座標算出手段について説明する。まず、TVカメラ21
1 の位置を(X1,Y1,Z1)とし、TVカメラ21
2 の位置を(X2,Y2,Z2)として、これらの回転
角をそれぞれ(w1,f1,k1),(w2,f2,k
2)とする。また、画面上の中心をそれぞれ(x01,
y01),(x02,y02)とし、焦点距離をc0
1,c02とする。これらの値はカメラ検定により予め
算出しておく。物体の位置(X,Y,Z)は、それぞれ
のカメラの画面上の位置(xx1,yy1),(xx
2,yy2)より次式のように算出できる。
【0038】
【数5】
【0039】このようにして、3次元座標が算出され
る。この3次元座標による物体の位置(X,Y,Z)の
算出結果より、表1に示すような物理的な運動量を求め
る。
【0040】
【表1】
【0041】例えば、表1における速度(この速度をV
とする)は、時刻t1のときの物体の位置を(X1,Y
1,Z1)、時刻t2のときの物体の位置を(X2,Y
2,Z2)とすると、
【0042】
【数6】
【0043】のように表わせる。このようにして運動定
量化を行うが、次に、この運動定量化の移動量のなかで
この発明の要旨となる軌跡の3次元円形度算出手段につ
いて説明する。この3次元円形度算出は、入力データを
3次元位置座標として算出し、それを補間部26で3次
元補間を行ったのち、円形度算出部27で円形度算出す
るという手順で行われる。
【0044】まず、補間部26では、3次元位置座標に
より求められる3次元曲線の各座標点間を、例えばスプ
ライン補間を用いて曲線近似を行う。例えば、ゴルフク
ラブをスウィングした運動状態を、そのゴルフクラブの
クラブヘッド部に色マーカを付けて、その色マーカの重
心の軌跡を図11の如く3次元位置座標(図示P1 ,P
2 ,・・・で示す)として取り出し、これらの点をスプ
ライン曲線を用いて滑らかに結ぶことにより各座標
1 ,P2 ,・・・間を補間して円形に近いスウィング
軌跡Lを得る。
【0045】このようにして得られた近似的な円形軌跡
の円形度を円形度算出部27により算出する。この円形
度を算出する手段として、次の(1) 、(2) の方式があ
る。 (1) 円形度e=(3次元の周囲長)2/面積で求め、こ
の場合、eは軌跡の形状が円に近いほど小さい値となり
(ほぼ4π)、軌跡の形状が複雑になるほど大きい値と
なる。従って、このeの大きさから円形度を測る。 (2) 軌跡Lの形状をグラフで表示する。この方式は、
図12(a)に示す如く、角度に対する半径の長さ関数を
求める。つまり、閉曲線の内部に一点Pをとり、曲線上
の点を、X軸からの角度θに対するP点からの長さr
(θ)で表わす。上記P点は軌跡の形状の重心にとる。
このようにして、図12(b) の如く、横軸に角度θ(動
物体の軌跡解析の場合は時間の情報が加わるので、横軸
に時間tをとる)をとり、縦軸に半径rをとって、この
半径rの変化を度合いにより、円形度を測ることができ
る。半径rが一定なほど軌跡形状は円に近く、半径rの
変動が激しいほど、軌跡形状は複雑な形状であることが
わかる。
【0046】上記(1) ,(2) のような方式により円形度
を測ることにより、例えば、ゴルフクラブのスウィング
軌跡がどの程度、円に近いかを知ることができ、フォー
ムの解析を行うことができる。
【0047】以上のようにして、求められた定量化され
た値を用い、運動解析部28にて運動解析辞書29を参
照して運動解析を行う。ここでは、統計解析手法を使用
して運動解析を行う例について説明する。前記した手段
で求めたユーザの種々の物理量と、運動解析辞書29に
格納してある各物理量に対応した基準値を比較する。上
記運動解析辞書29に格納されている基準値は、ユーザ
とプロゴルファのデータの非類似度を求め、最も非類似
度の小さなデータを基準値として使用する。
【0048】例えばユーザがゴルフクラブをスウィング
したとき、インパクト瞬間の速度がV1 であったとし、
そのユーザの年令、ゴルフ経験年数、ハンディキャップ
に対応する基準のインパクト瞬間速度をVとすると、そ
の差Vd はVd =V−V1 で算出される。
【0049】このようにして解析された解析結果、すな
わちインパクト瞬間の速度の基準値との差Vd をもと
に、そのユーザにはどのゴルフクラブが適切であるかの
選択を、ゴルフクラブ選択部31が行う。この選択する
方式を以下に説明する。
【0050】ゴルフクラブ選択ルール32には、表2の
ような選択ルールが格納されている。
【0051】
【表2】
【0052】例えば、速度に関する上記解析結果V
d は、ゴルフクラブ選択ルール31に格納されている標
準データVthと比較して、Vd >Vthの場合は、長いク
ラブまたはカーボンシャフトクラブの使用を勧める、と
いうような内容が格納されている。ここで、上記Vth
インパクト瞬間のクラブヘッドスピードの閾値である。
また、表2において、ARGth1,ARGth2は、飛球
線に対するクラブの入射角度の閾値であり、インサイド
アウト、アウトサイドインのスウィングを判定するもの
である。これらの閾値は、クラブ選択ルール31におい
て、年令別、経験年数別、ハンディキャップ別に格納し
ておく。つまり、上記インパクト瞬間の速度と同様、ユ
ーザの年令、経験年数などに対応する基準値との入射角
差ARGd を求め、このARGd がクラブ選択ルール3
1に格納されている標準入射角データARGth1,AR
th2と比較し、例えばARGd >ARGth1であれば
フックフェースぎみであるとか、ARGd <ARGth
であれば、スライスフェースぎみであるとかというよう
な判断を行う。
【0053】上記クラブ選択ルール31の各閾値Vth
ARGth1,ARGth2については、それぞれVd ,A
RGd の平均値と標準偏差を算出し、平均値+標準偏差
×αに等しくする。ここで、αはシステムで固有の値に
しておく。Vd ,ARGdの分布曲線を正規分布と仮定
し、ユーザのデータが過去のゴルファの標準的なデータ
と比較して、どのくらい標準的であるかを的確に判定で
きる。
【0054】ところで、上記運動解析辞書29に対して
基準値を与える基準値決定部30の基準値の決定は、プ
ロゴルファとユーザとの間の非類似度の測定を行って、
目指すべき運動状態を推測することにより行うが、複数
のプロゴルファのタイプごとに複数のサンプルデータか
ら正確な基準値を割り出すために、クラスタ分析を行
う。クラスタ分析は、ゴルファの体型や体力に依存する
フォームの癖を割り出すにも有効である。
【0055】このクラスタ分析を行うために、標準値と
プレイヤ間の非類似度の測定を行う。この非類似度は、
表3のような1変量の観測値が与えられたとき、標準値
とプレーヤとの間のデータ間距離を計測することによっ
て求める。
【0056】
【表3】
【0057】距離の定義例としては、ミンコフスキー距
離と、異なる分散の影響をさけるための標準化ユークリ
ッド距離がある。上記ミンコフスキー距離は、プレイヤ
iとjとの非類似度Dijを、
【0058】
【数7】
【0059】で定義する。また、標準化ユークリッド距
離は、
【0060】
【数8】
【0061】により定義する。ここでσ k 2 は変量Xk
の分散を表わす。以上のような定義により、複数のプロ
ゴルファとユーザのデータとのデータ間距離(非類似
度)を測定し、最も非類似度の小さいプロゴルファのデ
ータを選択することで目指すべきフォームである基準値
を決定する。図13は、この決定処理を示すものであ
る。同図において、ユーザのデータをXi1(i=1,
2,・・・l)とし、プロゴルファ1のデータをXi2
プロゴルファ2のデータをXi3,・・・プロゴルファP
のデータをXiPとして、上記ユーザのデータXi1と各プ
ロゴルファ1,2,・・・PのデータXi2,Xi3,・・
・XiPとの間のデータ間距離をそれぞれ測定する(処理
S11)。そして、各々のデータ間距離がD11,D 12
・・・D1Pであるとすれば、次にこれらの各距離値
11,D12,・・・D1Pを比較して(処理S12)、最
小の距離値を求める。その結果、例えば距離D12が最小
であれば、ユーザのデータはプロゴルファ2のデータと
一番類似していると判定する。
【0062】次に上記した非類似度のデータを用いてプ
ロゴルファなどのサンプルデータのクラスタ分析を行
い、ユーザがどのクラスに位置するかを分析する場合に
ついてを説明する。このクラスタ分析はデータ間距離の
近いもの同志を集めてグループ化するものであるが、グ
ループ化するほどデータが多くない場合には、上記した
ように、あるユーザのデータと複数のプロゴルファのデ
ータとを比較して、そのデータ間距離の最も小さいプロ
ゴルファのデータを選択することで目指すべきフォーム
である基準値を決定することができるが、データが多く
なった場合は、データ間距離の近い者同志をグループ化
して、ユーザがどのグラスに属するかの分析を行う。
【0063】このクラスタ分析に行う過程でクラスタ間
の距離を決定する方法としては、最短距離法、群平均
法、重心法、メジアン法などがあるが、ここでは群平均
法を例にとって説明する。
【0064】この群平均法は、各クラスタ間の非類似度
をそれらに含まれる対象間の非類似度の平均的な値で決
めようとする考えに基づいたものである。クラスタuと
クラスタvを統合してできた新たなクラスタwに含まれ
る対象と、別な任意のクラスタtに含まれる対象とにお
いて、全ての可能な対の非類似度の平均により、この2
つのクラスタ間の非類似度を決めるものである。
【0065】クラスタu、クラスタv、クラスタtに含
まれる対象の数をnu ,nv ,nt とすると、クラスタ
wとクラスタtの非類似度Dwtは、
【0066】
【数9】
【0067】で表わされる。このようにして求めた非類
似度から、データのクラスタ分析を行った一例を図14
に示す。このクラスタ分析の過程は、まず、全てのデー
タの組み合わせにおいてデータ間距離を求めると、デー
タ間距離の最も近いものは、図14からとの対であ
るので、とを統合して1つのグループG1 とし、こ
れを新たにと名付け、非類似度を群平均法によって更
新する。次に各クラス(要素)間の距離を比較すると、
最もデータ間距離が近いのはとの対であるので、
とを統合して1つのグループG2 とし、これをと名
付け、非類似度を群平均法によって更新する。さらにデ
ータ間距離の比較を行い、データ間距離の最も近いのは
とならびにとの対であるので、それぞれ統合し
てそれぞれグループG3 ,G4 としこれらを新たに並
びにと名付ける。同様にしてとを統合して1つの
グループG5 とし、これを新たにと名付ける。次に、
とを統合してグループG6 とする。
【0068】上記各クラスタの非類似度の値は、例えば
クラスタとの非類似度の値は「1」、次のクラスタ
との非類似度の値は「2」、最後の全体のクラスタ
の非類似度の値は「10」であるとする。
【0069】図14で示したようなクラスタ分析した結
果をデンドログラムで表現すると図15のようになる。
図15において、あるデータ間距離(非類似度)で切る
と、例えば非類似度を「6.0」とし、この値の高さで
切ると(,,)、(,,)、(,)に
まとめられ、これを3つのクラスタと考える。また、非
類似度を変えて、例えば非類似度を「9.0」とし、こ
の値で高さを切ると、(,,,,,)と
(,)にまとめられ、2つのクラスタと考える。こ
のように切る高さを変えることによりクラスタの数も異
なり、使用目的によってどのくらいの高さで切ればよい
かを判定する。
【0070】上記した方法で複数のプロゴルファのクラ
スを分析し、ユーザと各クラスとの距離を求めて、最も
データ間距離の小さなクラスにユーザが含まれると判断
し、そのクラスのデータの平均値を基準値とする。
【0071】このように決定された基準値をもとに、運
動解析部28にてユーザの各種運動物理量から運動解析
を行い、その解析結果によりゴルフクラブ選択部31に
てゴルフクラブ選択ルール32を参照して、そのユーザ
に最適なゴルフクラブを選択指示して、それを表示部3
3で表示する。
【0072】なお、上記実施例において、位置計測装置
231 ,232 の位置計測手段として、図3に示すよう
な構成として説明したが、例えば図16のような構成と
しても良い。この図16の構成は、TVカメラ211
212 を同期させて画像をVTR711 ,712 に記録
するもので、具体的には一方のTVカメラ211 の同期
信号をもう一方のTVカメラ212 の外部同期信号に入
力する。これにより2台のTVカメラ211 ,212
画像の同期がとれ、物体の3次元計測が実現できる。そ
して、VTR711 ,712 をホスト計算機34に接続
し、ホスト計算機34からVTR711 ,712 の録
画、再生、巻き戻しを制御する。ユーザのスウィングが
始まる前にVTR711 ,712 を録画状態にし、スウ
ィング終了後に、VTR711 ,712 を巻き戻す。そ
の後、1フレームずつ再生し、ホスト計算機34で画像
処理を行う。このホスト計算機34での画像処理は、図
3で示した位置計測装置のハードウェアで実行する内容
をソフトウェアで行えば良い。
【0073】また、上記実施例では、3次元軌跡を補間
する手段としてスプライン補間を例にとって説明した
が、補間手段としてはスプライン補間に限られるもので
はなく他の手段を用いて補間を行うようにしても良い。
【0074】また、上記実施例ではゴルフクラブのスウ
ィング時における運動状態を解析する場合を例にとって
説明したが、この発明は、ゴルフのみならず野球・テニ
ス・その他スウィング動作を必要とするスポーツ全般に
適応可能である。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、ゴルフ・テニス・野球
などのスポーツにおけるスウィング動作時における各部
の動きを3次元座標としてとらえ、この3次元座標の各
座標間を補間して近似的円形軌跡を得、その軌跡の円形
度を算出することによって、プレイヤの体型や体力の違
いに影響されずに、例えばプロの選手とのフォームの比
較を行うことができ、目指すべきフォームに近づけるに
適したスポーツ用品を選択することが可能となり、これ
らのスポーツの上達の促進を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理説明図である。
【図2】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図3】図2における位置計測装置の構成図である。
【図4】位置計測装置における色抽出、つまり特定色に
対するデータ変換動作を示す図である。
【図5】位置計測装置における雑音除去動作を示す図で
ある。
【図6】位置計測装置における色マーカの投影量算出手
段を説明するための図である。
【図7】位置計測装置における重心算出処理を示す図で
ある。
【図8】位置計測装置における区間最大投影値の算出手
段を示す図である。
【図9】位置計測装置における投影値算出例を示すため
に画像の一部を取り出して示す図である。
【図10】位置計測装置において任意区間の設定手段を
示す図で、同図(a)は任意区間の重複がない場合、同図
(b) は任意区間を重複させた場合の例を示す図である。
【図11】3次元座標をスプライン補間した例を示す図
である。
【図12】円形度算出例を説明するための図で、同図
(a) は角度に対する半径の長さから円形度を求める方
法、同図(b) は角度を横軸にとり半径の長さを縦軸にと
って円形度を求める方法を示す図である。
【図13】データ間距離の測定により非類似度の小さい
データを基準値として選択する動作を説明するための図
である。
【図14】クラスタ分析の一例を説明するための図であ
る。
【図15】図14をデントログラムで表現した図であ
る。
【図16】位置計測装置の他の構成例を示す図である。
【図17】従来の運動状態解析手段のシステム構成図で
ある。
【符号の説明】
11 画像入力手段 12 位置計測手段 13 運動定量化手段 14 運動解析手段 15 スポーツ用品推論手段 16 運動解析辞書 17 基準値決定部 18 スポーツ用品知識ベース 19 補間部 20 円形度算出部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スウィング動作時における各部の運動状
    態を画像としてとらえ、その画像を位置計測手段(1
    2)にて3次元座標として取り出し、この3次元座標の
    座標値をもとに各種の運動物理量を運動定量化手段(1
    3)で算出するとともに、上記3次元座標の各座標間を
    補間部(19)で補間することにより、スウィング動作
    の各部の軌跡として、3次元の曲線軌跡を得、この3次
    元の曲線軌跡の円形度を円形度算出部(20)で算出す
    ることにより、スウィング動作のフォーム解析を運動解
    析手段(14)にて行うことを特徴とするスウィング動
    作時の運動解析方式。
  2. 【請求項2】 円形度を算出する手段として、上記曲線
    軌跡が閉ループである場合に、その曲線軌跡の3次元周
    囲長の2乗値をその曲線軌跡によって描かれる閉ループ
    形状の面積で除した商の大きさから円形度を求めること
    を特徴とする請求項1記載のスウィング動作時の運動解
    析方式。
  3. 【請求項3】 円形度を算出する手段として、上記近似
    的円形軌跡の回転角の変化または時間の経過に対する回
    転中心から上記曲線軌跡までの長さの変化の度合いから
    円形度を求めることを特徴とする請求項1記載のスウィ
    ング動作時の運動解析方式。
  4. 【請求項4】 上記円形度の値を、そのスウィング動作
    に対応するスポーツの用品選択に関する変量として用い
    ることを特徴とする請求項1記載のスウィング動作時の
    運動解析方式。
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