JPH0581166U - トレイ搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 搬入路から何れのユニットにも取り込まれな
かったパッケージ挿着トレイを再度搬入路上流側へ戻す
ことができるようにする。 【構成】 合糸機１の各ユニット２へ給糸パッケージ挿
着トレイＴを供給する搬入路Ｌ_１と、各ユニット２より
空トレイＴを排出する搬出路Ｌ_２と、搬出路Ｌ_２の下流
端と搬入路Ｌ_１の上流端とを連結する待機路Ｌ_３と、そ
の下流端近くに設けられた口出装置３と、搬入路Ｌ_１下
流端と搬出路Ｌ_２上流端とを連結するバイパス路Ｌ_５と
よりなり、必用最小限のトレーＴを循環させるようにす
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、合糸機の給糸パッケージを挿着するトレイを搬送するトレイ搬送 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

本出願人は、先に合糸機のトレイ搬送装置を提案し、既に出願している（特願 平３−１０７４４５号）。そのトレイ搬送装置は、図２に示すものであり、多数 のユニット２よりなる合糸機１の各側に延長され、各ユニット２に給糸パッケー ジＰのトレイＴを供給、排出する搬入路Ｌ₁ 及び搬出路Ｌ₂ と、それらを合糸機 １の一端で連結し、排出されたトレイＴに満パッケージＰを挿着させるべく待機 させる待機路Ｌ₃ と、待機路Ｌ₃ の下流端近くに設けられ、挿着されたパッケー ジＰの糸端を口出しする口出装置３と、口出しを失敗した給糸パッケージＰのト レイＴを待機路Ｌ₃ に戻すためのバイパス路Ｌ₄ とを有するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

上記のトレイ搬送装置においては、口出装置３によって口出しされたパッケー ジＰは、その位置で待機しており、そこからの搬入路Ｌ₁ への切出しは、ユニッ ト２から搬出路Ｌ₂ へ空トレイＴが排出されるときの信号によってなされる。ま た、搬入路Ｌ₁ に入ったトレイＴは、各ユニット２の待機位置に自動的に入るよ うになっている。ところが、トレイ排出信号のミスあるいは搬入路Ｌ₁ からユニ ット２へのトレイＴの取込みミスが発生することがある。その場合、いずれのユ ニット２にも取り込まれなかったトレイＴが搬入路Ｌ₁ の終端部に停滞すること になり、作業員によって除去しなければならない。

【０００４】 この考案は、搬入路から何れのユニットにも取り込まれなかったパッケージ挿 着トレイを再度搬入路上流側へ戻すことのできるトレイ搬送装置を提供すること を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案のトレイ搬送装置は、合糸機の各ユニッ トへ給糸パッケージ挿着トレイを供給する搬入路と、各ユニットより空トレイを 排出する搬出路と、搬出路の下流端と搬入路の上流端とを連結する待機路と、そ の下流端近くに設けられた口出装置と、搬入路下流端と搬出路上流端とを連結す るバイパス路とよりなり、必用最小限のトレーを循環させるようにしたものであ る。

【０００６】

【作 用】

上記のように構成されたトレイ搬送装置においては、各ユニットにおける合糸 過程で給糸パッケージが空になると、そのトレイは搬出路に排出され、そのユニ ットはトレイ取込み可能状態となる。一方、口出装置によって口出しされたパッ ケージは、搬入路に進み、トレイ取込み可能状態にあるユニットに取り込まれる 。トレイ取込みミスが発生しても、そのトレイは搬入路の下流端まで移動し、バ イパス路に乗り移って搬出路、待機路、口出装置、搬入路へと移動する。また、 ユニットより搬出路に排出されたトレイは、待機路に進んで作業員によって給糸 交換がなされ、口出装置で口出しされる。

【０００７】

【実施例】

図１を参照し、この考案のトレイ搬送装置について説明する。

【０００８】 このトレイ搬送装置は、合糸機１の各ユニット２に対して給糸パッケージＰを 挿着したトレイＴを供給する搬入路Ｌ₁ と、各ユニット２よりトレイＴを排出す る搬出路Ｌ₂ と、排出されたトレイＴに満管のパッケージＰを挿着させるために 待機させておく待機路Ｌ₃ と、パッケージＰの糸端を口出し処理する口出装置３ と、口出装置３により口出しすることができなかったパッケージＰのトレイＴを 待機路Ｌ₃ に戻すバイパス路Ｌ₄ と、搬入路Ｌ₁ の下流端と搬出路Ｌ₂ の上流端 を連結するバイパス路Ｌ₅ とより構成されている。

【０００９】 合糸機１の各ユニット２は、２個の給糸パッケージＰより１個の合糸パッケー ジを形成するもので、このユニット２が多数並設されて合糸機１が構成されてい る。各ユニット２には、２つ一組のトレイＴを３組、合計６個取り込むことがで き、このトレイ搬送装置には、ユニット数×６個の必要最小限のトレイＴを循環 させておく。このようにすると、従来のトレイ搬送装置のように、ユニット２か ら搬出路Ｌ₂ へ空トレイＴを排出するときのトレイ排出信号が少なくとも不要と なる等、制御を最小限とすることができる。なお、７はコントロールボックスで ある。

【００１０】 搬入路Ｌ₁ 及び搬出路Ｌ₂ は、それぞれ各ユニット２の背面側、前面側に沿っ て延長されており、それぞれ図示省略したプーリー間に渡された丸ベルトよりな っている。これらの駆動方向は矢印に示すとおり、互いに逆方向である。また、 搬入路Ｌ₁ の駆動は、トレイＴが口出装置３より搬入路Ｌ₁ に切り出されたこと を図示省略したセンサーが感知して行うようにしてもよい。

【００１１】 待機路Ｌ₃ も、図示省略したプーリー間に渡された丸ベルトよりなっており、 合糸機１の端部のブロアーボックス４を囲むように形成され、搬出路Ｌ₂ の下流 端から搬入路Ｌ₁ の上流端へコ字状に延びており、搬出路Ｌ₂ からトレイＴを受 け入れて一時ストックさせ、そこで作業員が給糸交換作業をなし得る長さとなっ ている。そして、満管のパッケージＰが挿着されたトレイＴは、待機路Ｌ₃ の出 口側から口出装置３へ１個づつ送られる。また、待機路Ｌ₃ の適所には、トレイ Ｔが所定個数以上ストックされたことを作業員に知らせるための図示省略したセ ンサー及び警報機が設けてある。

【００１２】 口出装置３は、待機路Ｌ₃ の下流端近くに設けられ、待機路Ｌ₃ から１個づつ 送られるパッケージＰの糸端をそのボビン頭部に数回巻付けて残部をボビンの中 心孔に挿入する、いわゆる口出し処理を行う。口出しされたパッケージＰのトレ イＴは、従来のトレイ搬送装置のようにその位置で待機することなく、搬入路Ｌ ₁ へ送られる。従って、従来のトレイ搬送装置のように、口出装置３から口出し 成功パッケージＰ挿着トレイＴを切り出すための、トレイ排出信号は不要となる 。この口出装置３の構成は、従来、コーン・トゥ・コーンタイプの自動ワインダ ーの給糸パッケージの口出しに用いられているものと同様のものであるので、詳 細は本出願人の前記先行出願に譲る。

【００１３】 バイパス路Ｌ₄ 及びバイパス路Ｌ₅ は、複数のローラーが並設され、トレイＴ の重力によって滑り下るグラビテイコンベアである。搬入路Ｌ₁ は搬出路Ｌ₂ よ り高い位置にあり、各ユニット２内のトレイ待機路は、搬入路Ｌ₁ から搬出路Ｌ ₂ に傾斜しているが、バイパス路Ｌ₄ 及びバイパス路Ｌ₅ も各ユニット２のトレ イ待機路と同じ勾配で傾斜している。

【００１４】 バイパス路Ｌ₄ の搬入路Ｌ₁ との分岐位置には、支軸を中心にエアーシリンダ ６によって回動する切換えレバー５が設けられている。口出装置３によってパッ ケージＰの糸端を口出しすることができなかったときには、切換えレバー５が、 図示の位置から４５°回動して搬入路Ｌ₁ を遮断する。従って、そのトレイＴは バイパス路Ｌ₄ 側へ振り向けられる。

【００１５】 バイパス路Ｌ₄ には、３個のトレイＴがたまったことを知らせる図示省略した アラームが設けられており、ここに振り向けられたパッケージＰは、作業員によ って口出し可能状態に処置され、１個づつ待機路Ｌ₃ に還流される。

【００１６】 各ユニット２内の待機路は、前述したように、搬入路Ｌ₁ から搬出路Ｌ₂ に傾 斜しており、これもトレイＴの重力によって滑り下るグラビテイコンベアである 。この待機路には、巻取り中の最前端のものを含めて２列に最大３個づつのパッ ケージＰを挿着したトレイＴがストックされる（図１には一つのユニット２にの みパッケージＰ及びトレイＴが図示されている）。そして、搬入路Ｌ₁ を進むト レイＴは、空きがある場合には、各ユニット２の待機路に自動的に入れられる。 なお、各ユニット２内の待機路の詳細は、本出願人の前記先行出願又は特願平２ ─１３０６２３号出願に委ねる。

【００１７】 以上のように構成されたトレイ搬送装置を備える合糸機１において、各ユニッ ト２の給糸位置で２個の給糸パッケージＰから糸を合わせて巻き返す過程でその 給糸パッケージＰが空になると、そのトレイＴは搬出路Ｌ₂ に排出され、そのユ ニット２内の待機路が搬入路Ｌ₁ よりパッケージ挿着トレイ取り込み可能状態と なる。一方、口出装置３によって口出しされたパッケージＰは、搬入路Ｌ₁ に進 み、トレイ取り込み可能状態にあるユニット２内の待機路に取り込まれる。例え その取込みを失敗しても、そのトレイＴは搬入路Ｌ₁ の下流端まで移動し、バイ パス路Ｌ₅ に乗り移ってそこを下り、搬出路Ｌ₂ に乗り移る。そして、再度搬出 路Ｌ₂ →待機路Ｌ₃ →口出装置３→搬入路Ｌ₁ と移動する。また、ユニット２よ り搬出路Ｌ₂ に排出されたトレイＴは、待機路Ｌ₃ で作業員によって空ボビンが 抜かれ、新たな満管パッケージＰが差換えられ、口出装置３に送られて口出しさ れる。そこで口出しを失敗すると、トレイＴは、切換えレバー５に移動を遮られ てバイパス路Ｌ₄ に導入され、一時ストックされる。このようなトレイＴが３個 たまるとアラームが作動し、作業員の手で口出し可能状態に処置され、待機路Ｌ ₃ に戻される。

【００１８】

【考案の効果】

この考案は、以上説明したように構成されているので、以下に記載するような 効果を奏する。

【００１９】 即ち、トレイ搬送路をループ状にし、必用最小限のトレーを循環させるように したので、各ユニットでのトレイの取込みミスが発生しても、そのトレイは還流 して再利用することができるし、従来のトレイ搬送路のように口出ししたパッケ ージを一時待機させておく必要がなくなる等、複雑なプログラムが不要となり、 制御を最小限とすることができる。また、搬入路下流端と搬出路上流端とを連結 するバイパス路にグラビティコンベアを利用できるので、経費もそれほど増加し ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案のトレイ搬送装置の平面図である。

【図２】従来のトレイ搬送装置の平面図である。

【符号の説明】

１ 合糸機 ２ ユニット ３ 口出装置 Ｌ₁ 搬入路 Ｌ₂ 搬出路 Ｌ₃ 待機路 Ｌ₅ バイパス路 Ｐ パッケージ Ｔ トレイ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】合糸機の各ユニットへ給糸パッケージ挿着
   トレイを供給する搬入路と、各ユニットより空トレイを
   排出する搬出路と、搬出路の下流端と搬入路の上流端と
   を連結する待機路と、その下流端近くに設けられた口出
   装置と、搬入路下流端と搬出路上流端とを連結するバイ
   パス路とよりなり、必用最小限のトレーを循環させるよ
   うにしたトレイ搬送装置。