JPH0580068B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はVTRのテープローデイング装置に係、
更に詳しくは、テープのローデイング途中におい
てテープに損傷を与えることのないように改良さ
れたテープローデイング装置に関する。

従来の技術 VTRにおけるテープのローデイングにおいて
は、テープは水平位置に配されたテープカセツト
から引出されて傾斜した回転ヘツドドラムに巻付
けられ、所定のパス（テープ走行路）に沿つて掛
け渡される。従つてテープガイド類に巻付けられ
るテープの傾きは、ローデイング中とローデイン
グ完了時とでは当然異なつている。ところが従来
は、ローデイング完了時を基準とし、テープガイ
ド類はこのローデイング完了時にテープがひねら
れたりしないように配置されていた。

発明が解決しようとする問題点 このためローデイング中の配置においては、テ
ープガイド類は上記の条件を満足することが困難
であり、従つて薄くて腰の弱いテープを用いると
きには、エツジに傷がついたり、片伸びを起こし
たりすることが多かつた。

一方、この対応策として、ローデイング機構の
動作に連動してテープガイドの傾斜を変化させる
機構が提案されているが、これは構造が複雑にな
り、精度が出しにくい弱点があつた。

本発明は上記の実情に鑑みなされたもので、そ
の目的は、薄くて腰の弱いテープをローデイング
する時、ローデイング途中においてテープに損傷
を与えるようなことのないテープローデイング装
置を提供することになる。

問題点を解決するための手段 上記の目的を達成するため、本発明の発明者
は、ローデイング機構の軌跡を工夫し、ローデイ
ング中にのみテープに接触し、ローデイング完了
時には非接触となるテープガイドを設け、このテ
ープガイドの傾斜角を任意に選択して、ローテイ
ング途中のテープの傾きに適合するようにした。

即ち、駆動装置から駆動されてシヤーシに設け
られたカム溝に沿つて移動する移動台と、この移
動台に植設された複数個のテープガイドとを備
え、このテープガイドの一つは、上記移動台の移
動によつてテープの引出しを行い、テープのロー
デイング完了後は上記テープと非接触となるよう
に構成した。

作 用 以上のように構成することにより、ローデイン
グ中のテープは上記一つのテープガイドを経て他
のテープガイドにかけられ、ローデイング完了時
のテープは直接上記他のテープガイドにかけられ
ることになる。従つて上記他のテープガイドの配
置や傾斜角をローデイング後のテープに最も適す
るものに設定し、上記一つのテープガイドの角度
を選択して、テープのローデイング中に上記他の
テープガイドに生ずる不都合を上記一つのテープ
ガイドで補正してやるようにすることができる。

実施例 以下、VTRのテープローデイング装置に適用
した本発明の一実施例を、図面に基づき説明す
る。

先ず第２図〜第６図により、本発明によるテー
プローデイング装置の主要部であるテープ引出し
装置１について説明する。第２図に示す如く、こ
のテープ引出し装置１はローデイングリング２に
隣接し、巻取リール台３に近接して設けられてい
る。図において符号４はシヤーシ上に固定された
案内板であつて、この案内板４には所定の位置に
所定形状のカム溝５が形成されている。なおこの
カム溝５の終端部は方向の異なるカム溝５ａとな
つている。

第３図〜第５図に示す如く、案内板４の下部に
は支軸６を中心として回動可能な扇形歯車７が設
けられており、この扇形歯車７は第２図のローデ
イングモータ８から図示されていない減速歯車を
経て回転駆動される駆動ギヤ９に噛合されてい
る。また同じ支軸６には、案内板４と扇形歯車７
との間に回動レバー１０が取付けられており、こ
の回動レバー１０は、この回動レバー１０に固定
された係止片１１と扇形歯車７に固定された係止
片１２との間に掛けられた捩りばね１３を介し
て、扇形歯車７に連結されている。

一方、前記カム溝５に沿つて移動される移動台
１５はほぼ三角形状をなす平板で、この移動台１
５の所定の位置には夫々所定の方向に傾斜したテ
ープガイド１６，１７，１８が植設されている。
このうちテープガイド１６と１８とは固定ピンか
ら成り、テープガイド１８は固定ピンの外周に取
付けられた回転自在のガイドローラ１９とピン頂
部のフランジ兼用のキヤツプ２０とから構成され
ている。又移動台１５の所定の位置には下方に向
かつて２個の案内ピン２１，２２が植設されてお
り、この２個の案内ピン２１，２２が前記カム溝
５内に沿つて移動する。そしてこれにより移動台
１５、従つてテープガイド１６〜１８の移動中に
おけるその時々の位置が定めされることになる。
そして移動台１５と前記回動レバー１０とは、こ
の案内ピン２１と回動レバー１０の先端部のピン
２３との間に設けられたリンクプレート２４によ
つて互いに連結されており、案内ピン２１と２２
との間にもリンクプレート２５が設けられてい
る。

なお第３図における符号２７は案内板４のカム
溝５の終端近傍に固定されたストツパー用のピン
で、その頭部には第６図に示すように円錐形状の
係合面２８が形成されている。そしてこの係合面
２８を有するピン２７に、移動台１５の所定の位
置に形成された円錐形状の座ぐり面２９を有する
半円形状の凹部３０が係合するようになされてい
る。また符号３１はフランジとガイドローラ付き
のテープガイドで、案内板４の所定の位置に取付
けられている。

なおまた第２図において、符号３３は回転ヘツ
ドドラム、符号３４はローデイングリング２に設
けられたピンチローラ、符号３５〜３７は同じロ
ーデイングリング２に取付けられたテープガイ
ド、符号３８は供給リール台、３９は供給リール
台側のテープ引出しピン、符号４０はテンレギピ
ン、符号４１はローデイングリング２のリングギ
ヤに噛合するローデイングリング駆動ギヤであ
る。

次に以上のように構成されたテープ引出し装置
１の動作を主とした、テープのローデイング動作
について説明する。テープカセツトが装着された
状態では、テープ４３は第２図における二点鎖線
で示された状態にある。そしてこの時、移動台１
５のテープガイド１６〜１８はテープ４３の内側
にあり、又ローデイングリング２のピンチローラ
３４並びにテープガイド３５〜３７、及び供給リ
ール台３８側のテープ引出しピン３９並びにテン
レギピン４０もテープ４３の内側に配されてい
る。そしてローデイングモータ８が所定の方向に
回転を始めると、先ず駆動ギヤ９を介して扇形歯
車７が時計方向に回動する。このため、第３図に
おいて、捩りばね１３を介してこの扇形歯車７に
連結されている回動レバー１０も同じく時計方向
に回動するから、この回動レバー１０とリンクプ
レート２４を介して連結された移動台１５が移動
を始める。そしてその案内ピン２１，２２がカム
溝５に案内されて、移動台１５はストツパー２７
方向に向かつて移動する。このためテープ４３は
主としてテープガイド１６によつて引出される。

そして移動台１５がその移動の終端部に近づく
と、その案内ピン２２のみが方向の異なるカム溝
５ａ内に配流から、移動台１５は案内ピン２１を
中心として反時計方向に首を振ることになる。こ
のため、第７図に示すようにこれまで先頭を切つ
て進んでいたテープガイド１６が反時計方向に回
動することになる。そして移動台１５がストツパ
ー２７に当接して停止した時には、第４図及び第
８図に示すように、テープガイド１６と１７とは
テープの引出し方向にほぼ直角な方向に並んだ状
態になる。しかしこの時も、テープ４３は第８図
に示すようにテープガイド１６，１７，１８及び
固定のテープガイド３１にかけられている。

一方、上記テープ引出し装置１の動作と平行し
て、供給リール台側のテープ引出しピン３９及び
テンレギピン４０も引出されて第８図に示された
状態となる。

この第１のローデイングが終わると、ローデイ
ングモータ８からの駆動はギヤ９からローデイン
グリング駆動ギヤ４１に切換えられ、ローデイン
グリング２が反時計方向に回転する。そしてこれ
によりテープ４３はき更に引出され、第１図に示
す如く、回転ヘツドドラム３３に巻付けられてテ
ープのローデイングが終了する。この時、第１図
に示されるように、これまでテープガイド１６に
もかけられていたテープ４３は、テープガイド１
７，１８に直接かかり、テープガイド１６とは非
接触となる。

なお移動台１５がストツパー２７に当接してか
ら、ローデイングモータ８の駆動力が駆動ギヤ４
１に切換えられるまでのタイムラツグは、捩りば
ね１３の変形によつて吸収される。又移動台１５
とストツパー２７とは前記円錐形状の係合面で互
いに係合しているから、テープのテンシヨンなど
で移動台１５が浮き上がり、走行中のテープがぶ
れるようなことはない。

以上のように、テープガイド１６はテープのロ
ーデイング中はテープ４３に接触し、しかもロー
デイング中のテープ４３はテープガイド１６を経
てテープガイド１７，１８にかけられており、テ
ープのローデイング完了後はテープガイド１６は
テープと非接触となつてテープ４３は直接テープ
ガイド１７，１８にかけられることになる。従つ
てテープガイド１７，１８の傾斜角をローデイン
グ後のテープに最も適した状態に設定しておき、
テープガイド１６の角度を選択して、テープのロ
ーデイング中にテープガイド１７，１８に生じる
不都合をテープガイド１６によつて補正してやる
ようにすることができる。そしてこれによりロー
デイング中にテープに無理な力がかからないよう
にすることができる。

発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、移動台
に植設された複数個のテープガイドの一つは、移
動台の移動によつてテープの引出しを行い、テー
プのローデイング完了後はテープと非接触となる
ように構成されている。このためローデイング中
のテープは上記一つのテープガイドを経て他のテ
ープガイドにかけられ、ローデイング完了後のテ
ープは直接上記他のテープガイドにかけられるこ
とになる。従つて上記他のテープガイドの配置や
傾斜角をローデイング後のテープに最も適したも
のに設定し、上記一つのテープガイドの角度を選
択して、テープのローデイング中に上記他のテー
プガイドに生じる不都合を補正してやるようにす
ることができる。そしてこれにより、ローデイン
グ中にテープに無理な力がかからないようにする
ことができるから、薄くて腰の弱いテープを傷め
ることなくローデイングすることができる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明をVTRのテープローデイング装置
に適用した一実施例を示したもので、第１図はテ
ープのローデイング完了後の状態を示すVTRの
概略平面図、第２図はテープのローデイング前の
状態を示す第１図と同様の図、第３図はテープ引
出し前、第４図は引出し終了時の状態を夫々示す
テープ引出し装置の平面図、第５図は第４図の
−線矢視断面図、第６図は第４図の−線矢
視断面図、第７図は移動台が終端部で首を振る前
の状態を示す第３図と同様の図、第８図はテープ
引出し装置による第１のローデイングを終了した
ローデイング途中における状態を示す第１図と同
様の図である。 なお図面に用いられた符号において、２……ロ
ーデイングリング、４……案内板（シヤーシ）、
５……カム溝、７……扇形歯車、８……ローデイ
ングモータ、９……駆動ギヤ、１０……回動レバ
ー、１５……移動台、１６〜１７……テープガイ
ド、２１，２２……案内ピン，２４……リンクプ
レートである。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 駆動装置から駆動されてシヤーシに設けられ
   たカム溝に沿つて移動する移動台と、この移動台
   に植設された複数個のテープガイドとを備え、こ
   のテープガイドの一つは、上記移動台の移動によ
   つてテープの引出しを行い、テープのローテイン
   グ完了後は上記テープと非接触となるように構成
   したテープローデイング装置。