JPH0629808Y2 - ローディング機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ビデオテープレコーダやビデオカメラの如き
磁気記録再生装置に組み込まれるローディング機構に関
する。

〔従来の技術〕

第７図には磁気テープが回転ヘッドドラムに巻き付けら
れている状態が示されている。この第７図において、１
は回転ヘッドドラムを示し、この回転ヘッドドラム１は
磁気ヘッドを有する回転側の上部ドラム２と、固定側の
下部ドラム３とから成る。回転ヘッドドラム１の周面に
は磁気テープ４が巻き付けられている。即ち、ローディ
ング時にはサプライ側ローディング部材５及びテイクア
ップ側ローディング部材６が図示しないローディングモ
ータにてローディング完了位置まで移動されるので、こ
れらローディング部材５，６にてテープカセット側より
引き出された磁気テープ４は回転ヘッドドラム１の周面
に所定角度範囲に亘って巻き付けられる。

これに対し、アンローディング時にはローディングモー
タの逆転で両ローディング部材５，６がアンローディン
グ位置まで移動（戻り）し、又同時に図示しないリール
モータの駆動でサプライリール（図示せず）がテープ巻
取方向に回転され、引き出された磁気テープ４が同サプ
ライリールにて巻き取られる。

さて、回転ヘッドドラム１の下部ドラム３周面には、第
７図及び第８図（Ａ）に示すように、段部から成るリー
ド部７が形成されている。このリード部７は略サイン(s
ine)状に湾曲して形成されており、ローディングされた
磁気テープ４はその下端がリード部７にガイドされた状
態で回転ヘッドドラム１に巻き付けられる。一方、ロー
ディング部材５（又は６）は、第８図（Ｂ）に示すよう
に、ポールベース８上に回転自在に支持されている垂直
ガイドローラ９と傾斜ガイド１０とを有し、垂直ガイド
ローラ９の上下端にはテープ高さ規制フランジ部９ａ，
９ｂが取り付けられている。そして、記録時や再生時等
において、磁気テープ４はリード部７にて支持され、か
つ垂直ガイドローラ９のテープ高さ規制フランジ部９
ａ，９ｂ間に位置して該ローラ９にガイドされ、走行す
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところで、上記したように、略サイン状に湾曲して形成
されたリード部７に下端がガイドされた磁気テープ４
は、テイクアップポールベース６側のＡ点（ドラム表面
上）近傍において磁気テープ４の上端が垂直ガイドロー
ラ９のテープ高さ規制フランジ部９ａよりも高い位置と
なる。

従って、アンローディング時にローディング部材５，６
のアンローディング方向への移動と同時に、リールモー
タを駆動してサプライリールをテープ巻取方向に回転さ
せ、磁気テープ４を巻き取ると、第８図（Ｂ）で示すよ
うに、磁気テープ４は特にＡ点より離れた側であるサプ
ライ側ローディング部材６の垂直ガイドローラ９の上部
テープ高さ規制フランジ部９ａに押し付けられつつサプ
ライリールに巻き取られてしまう。このため、磁気テー
プ４の上端部がアンローディング時にサプライ側ローデ
ィング部材６の垂直ガイドローラ９のテープ高さ規制フ
ランジ部９ａにて損傷してしまうことが多かった。

磁気テープ４のアンローディング時の損傷を防止するた
めに、サプライリールの巻取トルクを小さくすることが
行なわれているが、この場合にはリールモータの回転速
度及びトルク設定制御が非常に困難になるので、制御系
が複雑な回路構成になってしまう。また、アンローディ
ング時には磁気テープ４が弛まないよう若干バックテン
ションを加えて巻き取っているため、サプライリールの
巻取トルクを小さくしても磁気テープ４の損傷を確実に
防止することは不可能である。

本考案はこのような欠点を解決するためになされたもの
で、アンローディング時にサプライリールの巻取トルク
を小さくせずに磁気テープの上端部が損傷することなく
巻き取ることができるローディング機構を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、アンローディング時にリールモータをローデ
ィングモータより若干遅らせて駆動制御するモータ制御
部を有することを特徴とする。

〔作用〕

リールモータの駆動前にローディングモータを駆動す
る。これにより、磁気テープが巻き取られる前にポール
ベースがアンローディング位置に向かって移動するの
で、磁気テープが僅かな弛みが付与されて回転ヘッドド
ラムのリード部より外れる。従って、磁気テープは両ロ
ーディング部材の垂直ガイドローラの上下テープ高さ規
制フランジ部にて規制される所定高さ位置に位置決めさ
れる。

その後リールモータを駆動して磁気テープを両垂直ガイ
ドローラのテープ高さ規制フランジ部にて高さ位置を規
制しながらサプライリールに巻取る。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面を参照して詳細に説明す
る。

第１図は本考案に係るローディング機構の平面図、第５
図は同機構の駆動部の平面図である。

先ず、第１図において、１１，１２はそれぞれ外レール
を示し、これら外レール１１，１２の内側には内レール
１３，１４が配されている。外レール１１と内レール１
３とは一定間隔を保持して案内溝１５を形成し、他の外
レール１２と内レール１４とは同様に一定間隔を保持し
て案内溝１６を形成している。案内溝１５及び１６のア
ンローディング位置にはテイクアップ側ローディング部
材１７及びサプライ側ローディング部材１８がそれぞれ
配され、ローディング完了位置にはストッパ１９がそれ
ぞれ配されている。両ローディング部材１７，１８は、
第４図及び第３図（Ｂ）に示すように、ポールベース２
０上に回転自在に支持されている垂直ガイドローラ２１
と、傾斜ガイド２２と、案内溝１５，１６より抜け出す
のを防止するための拡径部材２３とから成り、垂直ガイ
ドローラ２１の上下端にはテープ高さ規制フランジ部２
１ａ，２１ｂが取り付けられている。ストッパ１９は垂
直ガイドローラ２１の上下端の小径部を係入するための
凹部１９ａを有している。

両ローディング部材１７，１８の各ポールベース２０の
下面には連結アーム２４の一端がピンを介して枢支され
ている。各連結アーム２４の他端は、第５図に示すよう
に、テイクアップ側のローディングリング２５とサプラ
イ側のローディング２６の各連結部２５ａ，２６ａに枢
支されている。これらのローディングリング２５，２６
は同心的に配され、ローディングリング２５が側が上方
に位置している。ローディングリング２５，２６には円
弧状の長孔２５ｂ，２６ｂが形成され、これら長孔には
コイルスプリング２７が配されている。これらコイルス
プリング２７の一端は長孔２５ｂ，２６ｂの各縁部に取
り付けられ、その他端はスライド部材２８の一端に取り
付けられている。各スライド部材２８は両端に拡径部２
８ａが設けられ、他端側の拡径部２８ａが短尺の長孔２
５ｃ，２６ｃにそれぞれ係合されている。

上方のローディングリング２５の外周面には歯２５ｄが
設けられている。これらの歯２５ｄにはアイドラギヤ２
９が噛み合っている。下方のローディングリング２６の
外周面には歯２６ｄが設けられ、これらの歯２６ｄには
他のアイドラギヤ３０が噛み合っている。そして、アイ
ドラギヤ２９の軸２９ａに取り付けられている下方のド
ライブギヤ３１は他のアイドラギヤ３０に噛み合ってい
る。従って、アイドラギヤ３０が回転すると、ドライブ
ギヤ３１を介してアイドラギヤ２９が回転するので、ロ
ーディングリング２５，２６が逆方向に回転する。アイ
ドラギヤ３０には更に大径のドライブギヤ３２が噛み合
っている。このドライブギヤ３２の軸３２ａには該ギヤ
３２の上方に位置してローディングギヤ３３が取り付け
られている。このローディングギヤ３３はコントロール
カム３４の下面に設けたギヤ部３５に噛み合っている。
コントロールカム３４の周面には歯３４ａが設けられ、
これら歯３４ａにはドライブギヤ３６が噛み合ってい
る。このドライブギヤ３６の軸３６ａには伝達用のギヤ
３７が取り付けられ、このギヤ３７には他のギヤ３８が
噛み合っている。ギヤ３８の軸３８ａにはプーリ３９が
取り付けられ、このプーリ３９と小径のプーリ４０との
間にはベルト４１が巻き掛けられている。このプーリ４
０はローディングモータ４２のシャフトに取り付けられ
ている。

ところで、第１図において、テープカセットが装着され
ると、磁気テープ４のテープパス部分の内側に両ローデ
ィング部材１７，１８の垂直ガイドローラ２１及び傾斜
ガイド２２が位置する。そして、アンローディング状態
ではキャプスタン４３にピンチローラ４４が押し付けら
れず、又テンションレギュレータアーム４５のテンショ
ンポール４５ａも磁気テープ４のテープパス内側に位置
している。尚、図中、４７はテイクアップリールであ
り、４８はＡ／Ｃ（オーディオ・コントロール）ヘッド
である。

以上の構成を有する本考案のローディング機構におい
て、ローディング動作を説明する。

第５図において、ローディングモータ４２を正転駆動す
ると、プーリ４０及びベルト４１を介してプーリ３９が
回転するので、ギヤ３８及び３７を介してドライブギヤ
３６が回転し、コントロールカム３４を反時計方向に回
転させる。コントロールカム３４が回転すると、そのギ
ヤ部３５を介してローディングギヤ３３が時計方向に回
転するので、ドライブギヤ３２を介してアイドラギヤ３
０が反時計方向に回転する。従ってこのアイドラギヤ３
０にて下方のローディングリング２６が時計方向に回転
する。一方、アイドラギフ３０が回転すると、ドライブ
ギヤ３１を介して他のアイドラギヤ２９が時計方向に回
転するので、上方のローディングリング２５が反時計方
向に回転する。

両ローディングリング２５が逆方向に回転すると、連結
アーム２４，２４が牽引されるので、第１図の一点鎖線
で示すように、ローディング部材１７，１８が案内溝１
５，１６によりストッパ１９，１９側にそれぞれ案内さ
れて移動する。従って、磁気テープ４は両ローディング
部材１７，１８にてテープカセット内より引き出され
る。

第６図はローディング動作の完了した状態を示す概略平
面図である。即ち、上記したように移動したローディン
グ部材１７，１８はストッパ１９，１９に当接し、第６
図のローディング完了位置で停止，位置決めされる。従
って、引き出された磁気テープ４は回転ヘッドドラム１
に巻き付けられる。この巻き付けられた状態において磁
気テープ４はその下端が第３図（Ａ）に示すように、下
部ドラム３に設けられているリード部７に支持される。
また、キャプスタン４３にはピンチローラ４４が押し付
けられ、Ａ／Ｃヘッド４８は移動して磁気テープ４に押
し付けられる。更に、テンションレギュレータアーム４
５が回動してテンションポール４５ａにて磁気テープ４
に所定の張力が付与される。よって、その後は磁気テー
プ４の記録，再生等を行なうことができる。

さて、第６図において、サプライリール４６の下方には
該リール４６を回転させるためのドライブギヤ４９が配
されている。このドライブギヤ４９にはアイドラギヤ５
０、その他の駆動用ギヤ（図示せず）を介してリールモ
ータ５１にり回転力が付与されるようになっている。一
方、第２図に示すように、リールモータ５１とローディ
ングモータ４２とは、駆動回路５２，５３を介してモー
タ制御部５４に接続されている。このモータ制御部５４
は、例えば、マイクロコンピュータより成り、リールモ
ータ５１の巻き戻し制御やローディングモータ４２のロ
ーディング及びアンローディング時の駆動制御等を行な
う。そして、このモータ制御部５４は、本考案において
は特にアンローディング時にローディングモータ４２よ
りもリールモータ５１を若干遅らせて駆動制御する。

即ち、アンローディング時において、このモータ制御部
５４は、先ず、駆動回路５３に逆転開始信号を供給す
る。従って、ローディングモータ４２のみが第２図に示
すように、逆転駆動を開始する。

このように、サプライリール４６を回転させる前にロー
ディングモータ４２を逆転駆動すると、両ローディング
部材１７，１８がローディング完了位置からアンローデ
ィング位置（第１図の実線で示す位置参照）に向かって
移動を開始した初期時点では磁気テープ４が巻き取られ
ることがない。従って、磁気テープ４に若干の弛みが付
与されるので、第３図（Ａ）で実線にて示すように、磁
気テープ４が回転ヘッドドラム１のリード部７より外
れ、下方に変位して左右の垂直ガイドローラ２１の上下
テープ高さ規制フランジ部２１ａ，２１ｂで規制される
高さ位置となる。

次に、モータ制御部３４は、第４図に示すように、ｔ時
間経過した時点で駆動回路５２に逆転開始信号を供給す
る。従って、リールモータ５１が逆転駆動を開始するの
で、アイドラギヤ５０及びドライブギヤ４９等を介して
サプライリール４６が磁気テープ４の巻き取り方向に回
転する。よって、リード部７から外れて左右の垂直ガイ
ドローラ２１の上下テープ高さ規制フランジ部２１ａ，
２１ｂで規制される高さ位置となった磁気テープ４は、
第３図（Ｂ）に示すように、サプライ側のローディング
部材１８において上下テープ高さ規制フランジ部２１
ａ，２１ｂ間に位置決めされた正規の状態で垂直ガイド
ローラ２１にて案内され、サプライリール４６に巻き取
られることになる。この結果、アンローディング時に磁
気テープ４をこのサプライ側ローディング部材１８の垂
直ガイドローラ２１の上部テープ高さ規制フランジ部２
１ａにて損傷させることなく巻取ることができる。

尚、上記時間ｔはポールベース１７，１８の移動速度と
の関係で設定され、不用な弛みが磁気テープ４に付与さ
れることがない範囲で決められている。

〔考案の効果〕 以上説明したように、本考案によれば、モータ制御部に
てアンローディング時にリールモータをローディングモ
ータよりも若干遅らせて駆動制御し、磁気テープを巻き
取り前に弛みの付与で回転ヘッドドラムのリード部より
外すようにしたので、磁気テープをサプライ側のローデ
ィング部材における垂直ガイドローラのテープ高さ規制
フランジ部にて損傷させずにサプライリールに巻取るこ
とができる。従って、アンローディング時にサプライリ
ールの巻取トルク等を複雑に制御せずに簡単な構成で磁
気テープを損傷させることなくサプライリールにて巻取
ることができるローディング機構を提供することが可能
である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第５図は本考案に係るローディング機構の平
面図とその駆動部の平面図、第２図は本考案に係るロー
ディング機構のモータ制御系を示すブロック図、第３図
（Ａ），（Ｂ）は磁気テープの回転ヘッドドラム上での
変位とローディング部材での変位をそれぞれ示す断面
図、第４図は本考案の制御タイミングチャートを示す
図、第６図はローディング完了時の状態を示す概略平面
図、第７図は磁気テープの回転ヘッドドラムへの巻き付
け状態を示す正面図、第８図（Ａ），（Ｂ）は磁気テー
プの回転ヘッドドラム上での従来の位置とローディング
部材での従来の位置とをそれぞれ示す断面図である。 ４……磁気テープ、１５，１６……案内溝、１７，１８
……ローディング部材、２１……垂直ガイドローラ、２
１ａ，２１ｂ……テープ高さ規制フランジ部、４２……
ローディングモータ、４６……サプライリール、５１…
…リールモータ、５４……モータ制御部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】テープ高さ規制フランジ部を有する垂直ガ
   イドローラと傾斜ガイドを含み、ローディング完了位置
   まで移動して磁気テープを引き出して回転ヘッドドラム
   に巻き付ける一対のローディング部材と、該回転ヘッド
   ドラムの周面に形成された前記巻き付けられた磁気テー
   プの下端をガイドするリード部と、前記ローディング部
   材をローディング完了位置とアンローディング位置との
   間で移動させるためのローディングモータと、アンロー
   ディング時に前記引き出された磁気テープを巻き取るべ
   くリールを回転させるリールモータとを備えたローディ
   ング機構であって、アンローディング時に前記リールモ
   ータを前記ローディングモータよりも若干遅らせて駆動
   制御するモータ制御部を有することを特徴とするローデ
   ィング機構。