JPH0579925U - 扁平コイル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 扁平コアを挟んで一対の扁平な井桁形ボビン
素片を合着し、その外面にコイルを巻装することで、各
コイル間のアイソレーションを良好に維持できる扁平ト
ランスを安価に提供すること。 【構成】 プラスチックをほぼ井桁状に成形した対をな
すボビン素片1,1 の対向リブ2,2 間に側板3,3 を形成し
てこれら各側板3,3 の内面から前記対向リブ2,2の終端
2ａ,2ａを突出させ、これら各終端 2ａ,2ａの外縁と前
記対向リブ2,2 の内縁とに接して肉厚方向の下半分を嵌
合納置した一文字状の扁平コア4 の肉厚方向の上半分に
他のボビン素片1 を上記と同様に嵌合して被せ、前記対
向リブ2,2の外面にコイルＬを巻装した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は扁平コアに２枚の井桁状の扁平ボビンを被せてその上にコイルを巻 装したインバータ電源等における高周波トランスやチョークコイルに用いて好適 な扁平コイルに関する。

【０００２】

【従来の技術】

枠形窓孔付ボビンにコイルを巻装した例としては従来例えば実開昭５７−１３ ８３０４号公報記載のものがある。

【０００３】 この従来の技術はボビンのコイル巻装部に窓孔を設け、このボビンに内装する コアの一部を上記窓孔に嵌合させたコイルである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

前記した従来の技術は横断面が正方形に近いコアを鍔付のカゴ枠形のボビンに 挿入したコイルであるので、縦、横、高さがそれぞれ均等割合いのいわゆるズン グリした立体コイルしか得られず、回路基板の扁平化を大きく阻害する原因とな っていた。

【０００５】 なお単なる扁平コイルとしては古くからナツカシの鉱石ラジオに用いていたス パイダーコイルやループアンテナコイルが有ったが、これらの扁平コイルは空心 であって効率低く、しかも巻線が面倒で自動巻きが不可能であるという問題点が あった。

【０００６】 この考案は前記した各問題点を除去するために、扁平コアを挟んで一対の扁平 な井桁形ボビン素片を合着し、その外面にコイルを巻装することで、各コイル間 のアイソレーションを良好に維持できる扁平トランスを安価に提供することを目 的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記したこの考案の目的は、プラスチックをほぼ井桁状に成形した対をなすボ ビン素片の対向リブの左右に側板を形成して前記対向リブの内縁間に肉厚方向の 下半分を嵌合納置した一文字状の扁平コアの肉厚方向の上半分に他のボビン素片 を上記と同様に嵌合して被せ、前記対向リブの外面にコイルを巻装することで達 成できる。

【０００８】 なお扁平コアの幅広側縁間に外磁路コアを定着してもよく、さらに対をなすボ ビン素片の左右の側板の対向ギャップ内に端子板を挟着してもよい。

【０００９】

【作用】

プラスチックをほぼ井桁状に成形した対をなすボビン素片の対向リブ間に肉厚 方向の下半分を嵌合納置した一文字状の扁平コアの肉厚方向の上半分に他のボビ ン素片を上記と同様に嵌合して被せたので、前記対向リブの外面にコイルを巻装 するに当り、扁平コアに対しボビン素片が妄りに揺れ動いたり外れたりすること がなく、コイルを美しく整然と素早く巻装できる。

【００１０】 さらに扁平コアの長さ方向の両端外側縁間に外磁路コアを定着すれば閉磁路タ イプのコア付コイルとなり、そのインダクタンスを増大させ得る。

【００１１】 さらにまた対をなすボビン素片の左右の側板の対向ギャップ内に端子板を挟着 すれば、コイルのリード線処理が確実に行えると共に、プリント基板等外部回路 部材への実装が容易かつ確実に実現できる。

【００１２】

【実施例】

実施例について図面を参照して説明する。 先ずこの考案の基本構成は図１、図２に示すように、フェノール樹脂などの耐 熱性プラスチックをほぼ井桁状に成形した対をなすボビン素片1,1 の対向リブ2, 2 の左右に側板3,3 を形成してこれら各側板3,3 の内面から前記対向リブ2,2 の 終端 2ａ,2ａを突出させる。

【００１３】 そして前記対向リブ2,2 の内縁間に肉厚方向の下半分を図２のように嵌合納置 した一文字状の扁平コア4 の肉厚方向の上半分に他のボビン素片1 を上記と同様 に図１、図４および図５に示す各図のように嵌合して被せ、前記対向リブ2,2 の 外面に図５および図６のようにコイルＬを巻装してこの考案による扁平コイルを 構成する。

【００１４】 なお前記扁平コア4 には絶縁被膜を形成したものを用いれば高電圧用のコイル となし得る。

【００１５】 また扁平コア4 の長さ方向の両端外側縁 4ａ,4ａ間に図７に示すように外磁路 コア5 を定着すれば、閉磁路タイプとなりコイルＬのインダクタンスを大きくで きる。

【００１６】 さらに対をなすボビン素片1,1 の左右の側板3,3 の対向ギャップｇ内に端子ピ ン 6ａを有する端子板6 を図６のように挟着すれば、コイルＬ，Ｌのリード線処 理を容易かつ確実に実行でき、図６のように回路基板Ｐに対するハンダ付け実装 が容易に実現する。

【００１７】 この考案の扁平コイルは以上のような構成のもので、以下その作用を具体的に 説明する。 プラスチックをほぼ井桁状に成形した対をなすボビン素片1,1 の対向リブ2,2 の左右に図２のように肉厚方向の下半分を嵌合納置した一文字状の扁平コア4 の 肉厚方向の上半分に他のボビン素片1 を上記と同様に嵌合して被せたので、前記 対向リブ2,2 の外面にコイルＬを巻装するに当り、扁平コア4 に対しボビン素片 1,1 が妄りに揺れ動いたり外れたりしないので、コイルＬを美しく整然と素早く 巻装できる。

【００１８】 さらに扁平コア4 の長さ方向両端の外側縁 4ａ,4ａ間に図７のように外磁路コ ア5 を定着すれば、閉磁路タイプのコア付コイルとなり、そのインダクタンスを 増大させ得る。

【００１９】 さらにまた対をなすボビン素片1,1 の左右の側板3,3 の対向ギャップｇ内に端 子ピン 6ａを有する端子板6 を図６のように挟着すれば、コイルＬ，Ｌのリード 線処理が確実に行えると共に、プリント基板等外部回路部材Ｐへの実装が容易か つ確実に実現できる。

【００２０】

【考案の効果】

この考案は以上説明したように構成したので、以下に記載の効果を奏する。 請求項１の扁平コイルは全体として扁平なコイルが実現できるという第１の効 果が有ると共に、井桁状ボビン素片の２枚は一文字状の扁平コアに嵌合している のでボビンにコイルを整然と素早く巻装でき、ボビン素片1,1 を２枚合せにした ので扁平コア4 の厚みのバラツキを良く吸収でき、量産性に富むという第２、第 ３の効果も有る。

【００２１】 請求項２によれば、扁平コア4 の長さ方向両端の外側縁 4ａ,4ａ間に強固に定 着した平面コ字形の外磁路コア5 により一文字状の扁平コア4 と共に閉磁路を形 成でき、扁平コイルのインダクタンスを大きくできるし、コ字形外磁路コア5 を 対向リブ2,2 の終端 2ａ,2ａで支持できるから各コアの位置ずれを防げる効果を 付加できる。

【００２２】 請求項３では対をなすボビン素片1,1 の左右の側板3,3 の対向ギャップｇ内に 端子ピン 6ａなどを有する端子板6 を挟着したので、コイルＬ，Ｌのリード線処 理が確実に行えると共に、プリント基板等外部回路部材への実装が容易かつ確実 に実現できるという効果も付加できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】コイル巻装前のボビン素片と扁平コアとの組合
せ例を示す斜視図

【図２】同上を組合せる直前の状態を示す斜視図

【図３】図１に示すものの側面図

【図４】図３のＡ−Ａ線に沿ったコイル巻装済の断面図

【図５】図３のＢ−Ｂ線に沿ったコイル巻装済の断面図

【図６】図５の断線に沿ったコイル巻装済の断面図

【図７】この考案の他の実施例を示す横断平面図

【符号の説明】

1 ボビン素片 2 対向リブ 2a 終端 3 側板 4 扁平コア 4a 幅広側縁 5 外磁路コア 6 端子板 ｇ 対向ギャップ Ｌ コイル

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プラスチックをほぼ井桁状に成形した対
   をなすボビン素片1,1 の対向リブ2,2 の左右に側板3,3
   を形成して前記対向リブ2,2 の内縁間に肉厚方向の下半
   分を嵌合納置した一文字状の扁平コア4 の肉厚方向の上
   半分に他のボビン素片1 を上記と同様に嵌合して被せ、
   前記対向リブ2,2 の外面にコイルＬを巻装してなる扁平
   コイル。
2. 【請求項２】 扁平コア4 の長さ方向の両端外側縁 4
   ａ,4ａ間にコ字形の外磁路コア5 を定着してなる請求項
   １記載の扁平コイル。
3. 【請求項３】 対をなすボビン素片1,1 の左右の側板3,
   3 の対向ギャップｇ内に端子板6 を挟着してなる請求項
   １または２記載の扁平コイル。