JPH057982U - 可変容量型ベーンポンプ装置 - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ装置

Info

Publication number
JPH057982U
JPH057982U JP6160291U JP6160291U JPH057982U JP H057982 U JPH057982 U JP H057982U JP 6160291 U JP6160291 U JP 6160291U JP 6160291 U JP6160291 U JP 6160291U JP H057982 U JPH057982 U JP H057982U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
discharge
suction
chamber
vane
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6160291U
Other languages
English (en)
Inventor
義治 稲熊
豪哉 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Koki KK filed Critical Toyoda Koki KK
Priority to JP6160291U priority Critical patent/JPH057982U/ja
Priority to EP19920111499 priority patent/EP0522505A3/en
Priority to US07/910,234 priority patent/US5226802A/en
Publication of JPH057982U publication Critical patent/JPH057982U/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Rotary Pumps (AREA)
  • Details And Applications Of Rotary Liquid Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定のポンプ室がポンプ機能を停止している
際、その部分におけるベーンのカムリング側への押付力
を小さくする。 【構成】 両サイドプレート3、4及びカムリング5の
円周端付近に吸入ポート41、41’を設け、これら吸
入ポート41、41’に連続するように吸入室28を設
ける。一方のサイドプレート4に、低負荷圧時にはポン
プ機能を停止し、単に、作動油を循環させるだけの特定
の吐出ポート45を設ける。この特定の吐出ポート45
が開口する位置に吐出室27’を設け、ここから特定の
ポンプ室に対応する位置のスリット底部61に、ベーン
7突出用の油圧を第2背圧導入路42を介して、更には
分割した第2背圧溝43を介して導入する。 【効果】 特定のポンプ室がポンプ機能を停止している
とき、スリット底部61に供給される流体は吸入圧の作
動油となるのでベーン押付力が緩やかになり、ポンプ作
動によるエネルギーロスが低減化される。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は可変容量型ベーンポンプに関するものであり、特に、自動車用動力舵 取装置に作動流体を供給するのに適した油圧ポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用動力舵取装置に用いられる油圧ポンプ装置においては、低速走行時( 一般にエンジン回転速度が低い時)においても十分な操舵力補助が行えるように ポンプの吐出量が設定されている。従って、このような油圧ポンプ装置において は、エンジン回転速度(エンジン回転数)の上昇に応じて、エンジン回転数に比 例した流量の作動油が吐出されることとなる。このことは、本来、操舵力補助を ほとんど必要としない高速走行時(一般にエンジン回転数が高い)において、作 動油の流量が過剰となる。このような現象に対処するため、ポンプから吐出され る作動油(吐出油)のうちの一部を、動力舵取装置のパワーアシスト部には送ら ず、油圧ポンプ側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコントロールバルブ )方式が広く用いられている。
【0003】 しかしながら、この流量制御弁方式においては、油圧ポンプから吐出された高 圧の吐出油が流量制御弁に導かれ、そこからバイパス路へ放出されて、その後、 ポンプ吸入ポート側に還流されてくるものであるため、エンジンの高速回転時に おいては、エンジン回転速度(回転数)に応じたエネルギー消費をしていること となる。すなわち流量制御弁によるバイパス還流方式では、高速走行時等、操舵 力補助のほとんど必要とされない時にエネルギーロス(損失)を行っていること となり、これに伴う車両燃費の悪化をまねくという問題点がある。そこで、この ような操舵力補助を必要としない時におけるエネルギー損失を低減化するための 手段として、例えば特開昭60−256579号公報記載のような切換弁を用い た方式のものが従来から採用されている。
【0004】 このものは、図5に示す如く、ロータ6、ベーン、カムリング5、サイドプレ ート3、4、ハウジング2等からなるベーンポンプ装置において、スプール11 、スプリング15等からなる切換弁1が付け加えられた構成からなるものである 。また、この切換弁1には吸入口18、吐出口19が設けられており、この吸入 口18からポンプ作動油が吸入され、切換弁吸入室16を経てポンプ吸入ポート 41、41’に作動油が吸入されるようになっている。また、上記吐出口19は 動力舵取装置のパワーアシスト部に連なっているとともに、切換弁圧力室14を 経由してポンプ圧力室27にも連なっており、ベーンポンプからの吐出油を上記 パワーアシスト部に送る役目を担っている。
【0005】 このような構成においては、パワーアシスト部が操舵力補助を行っていない状 態にあっては、上記パワーアシスト部の負荷圧も低いため、切換弁1内における 切換弁圧力室14と切換弁吸入室16との圧力差は小さく、スプール11は、ス プリング15の作用により図示のような左方に置かれた状態となる。その結果、 ベーンポンプの第2吸入ポート41’は、上記吸入口18とはスプール11によ って遮断されて、ベーンポンプの圧力室27とは切換弁1を介して連通状態とな る。その結果、第2吸入ポート41’と、第2吐出ポート31’との間では吐出 油がそのまま循環することとなり(図5破線矢印図示)、ポンプ作用を行わない 状態となる。従って、ポンプからの吐出量が増大せず、かつポンプ作用によるエ ネルギー消費も低減化されることとなる。
【0006】 しかしながら、このタイプのものは、第2吸入ポート41’と第2吐出ポート 31’との間を循環する流体は、図5の破線矢印図示の如く吐出油であり、比較 的高圧の流体である。従って、単に循環作用を行うだけではあっても、それによ って消費されるエネルギーは無視できないものである。このような問題に対処す るために、特開昭61−119472号公報に示されるように、上記循環させる 作動油を低圧の吸入作動油とする方式のものが考案されている。このものは、例 えば図4に示す如く、カムリング5の外周部に、吸入路(図示せず)に連なる輪 状の吸入室28を有し、この吸入路28に連なるように、かつ、カムリング5、 サイドプレート3、4の円周端部に吸入ポート41、41’が設けられ、またサ イドプレート3、4には吐出ポート31、45が設けられている構成からなるも のである。このような構成において、更に、上記吸入室28には吸入側通路22 が一端を開口するように設けられており、当該吸入側通路22の他端は切換弁1 のシリンダ室13に開口するように設けられている。また、サイドプレート4に は、特定の吐出ポートである第2吐出ポート45が設けられており、この第2吐 出ポート45の開口部には、吐出室27’が設けられている。また、この吐出室 27’には、連通路23が上記切換弁1のシリンダ室13に連通するように設け られており、更に、この連通路23の中間点からは、吐出側通路24が分岐し、 その先端はもう一方の吐出ポート31が開口する圧力室27に連通するように設 けられている。また、この吐出側通路24の中間部には、チェックバルブ241 が設けられており、上記圧力室27から吐出油が上記第2吐出ポート45側に逆 流しないようになっている。
【0007】 このような構成において、パワーアシスト部が操舵力補助を行っておらず、従 って負荷圧が低い状態にあるときには、圧力室27の圧力も低い状態にあるため 、圧力導入路25を介して導入される切換弁圧力室14の圧力も低い状態にある 。従って、切換弁1内を摺動するスプール11はスプリング15のばね力により 図4の実線図示の位置にあり、吸入側通路22と連通路23とは切換弁1のシリ ンダ室13を介して連通状態にある。その結果、第2吐出ポート45より吐出し た作動油は図4の破線矢印に示す如く、連通路23、切換弁1のシリンダ室13 、吸入側通路22を経由して吸入室28に戻り、ここで再度第2吸入ポート41 ’より吸入される。すなわち、第2吸入ポート41’及び第2吐出ポート45に よって形成されるポンプ行程においては、単に吸入作動油が循環するのみであっ て、ポンプ作用を行っていない。その結果、ポンプ機能発揮によって生ずるエネ ルギー消費が低減化されることとなる。
【0008】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記パワーアシスト部が操舵力補助を行っていないときには、特定 のポンプ室において吸入作動油を単に循環させるだけとし、ポンプの消費エネル ギーの低減化を図る方式のものは、従来公知の、吐出油を循環させる方式のもの (特開昭60−256579号公報記載)に較べて、エネルギー消費量の低減化 は図られているが、まだ十分ではない。上記吸入作動油を単に循環させる方式の ものは、例えば図3に示す如く、特定のポンプ室側にあるベーン7の、その先端 部と、下端部であるスリット底部61との圧力関係を見てみると、先端部の圧力 Psはポンプ室56の圧力である吸入作動油の圧力(大気圧)となるのに対して 、スリット底部61の圧力Pdは、サイドプレート3の背圧溝33から供給され る吐出油の圧力となる。そしてPsは低負荷圧時においてもPdより小さいので 、ベーン7はカムリング5の内周面に押付けられることとなる。このような状況 下でポンプは作動することとなるので、ポンプにおいて消費されるエネルギーは 、十分には低減化されない。本来、操舵力補助を必要としない状況下にあり、エ ネルギー損失はできるかぎり低下させたいので、このような場合、このPsとP dとの差はできるかぎり小さくすることとしたい。このように、操舵力補助を行 っていないときにはポンプの消費エネルギー(エネルギーロス)をできるかぎり 小さくしようとするのが本考案の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案においては、ハウジング内に収納されて回 転駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺動運動をするベーン、当該 ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン等とポンプ室を形成するカムリング、 上記ロータ、ベーン、カムリングの両側面にあってポンプ室形成に寄与する複数 のサイドプレート、当該各サイドプレートの円周上付近ににそれぞれ設けられた 複数の吐出ポート、上記サイドプレートの円周上に設けられた複数の吸入ポート 等からなるベーンポンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力室から送出される吐 出油(作動油)の吐出流量が所定値以上になった場合、その余剰の吐出油を上記 吸入ポートに連なるバイパス路へバイパス還流させる流量制御弁とからなる油圧 ポンプ装置であって、上記吸入ポートに連なる吸入側通路、上記吐出ポートのう ちの特定のポートに連通する連通路、当該連通路の中途から分岐し上記圧力室に 連通する吐出側通路を有するとともに、当該吐出側通路の中間部にチェックバル ブを有し、更に、上記圧力室の圧力によって上記吸入側通路を上記連通路と連通 するように切換える切換弁を備えてなる可変容量型ベーンポンプ装置において、 上記サイドプレートに設けられた背圧溝を一連の吸入吐出行程毎に分割するよう にした構成を採るとともに、更に、上記特定の吐出ポートを有する側のサイドプ レートに設けられた背圧溝と上記特定の吐出ポートに連なる吐出室との間を連結 する背圧導入路を有する構成を採ることとした。
【0010】
【作用】
上記構成を採ることにより、本考案においては、ベーンポンプが作動を開始す ると、例えば図1において、吸入路(図示せず)から吸引された作動油は、バイ パス路29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入室28に導かれた作動油の うちの一部は第1吸入ポート41より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第1吐出 ポート31より圧力室27に吐出され、その後オリフィス26aの前後に生ずる 圧力差で作動する流量制御弁26によって流量制御を受けて動力舵取装置のパワ ーアシスト部(図示せず)に送られる。
【0011】 ところで上記パワーアシスト部が操舵力補助(パワーアシスト)を行っていな い状態にあっては、上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあり、 従って圧力室27の圧力も低い状態におかれる。その結果、切換弁1内の切換弁 圧力室14の圧力は低い状態にあり、スプール11は、スプリング15のばね力 の作用によって右方に押されて、図1の実線図示の状態に置かれる。従って吸入 側通路22と連通路23とは連通状態となり、特定の吐出ポートである第2吐出 ポート45から吐出した吐出油は、上記吐出室27’、連通路23、吸入側通路 22、吸入室28に戻されて、再び第2吸入ポート41’に吸引される。すなわ ち第2吸入ポート41’と第2吐出ポート45とによって形成されるポンプ行程 においては、吸入作動油が単に循環するだけとなる。
【0012】 これに対して、負荷圧が上昇して圧力室27の圧力が高い状態になると、切換 弁圧力室14の圧力も上昇するので、スプール11はスプリング15のばね力に 抗して左方に移動して、図1の二点鎖線図示の位置に来る。その結果、第2吐出 ポート45より吐出された作動油(吐出油)は、実線矢印図示のように吐出側通 路24側に流動し、ここでチェックバルブ241を開いて圧力室27に流出する 。すなわち第2吸入ポート41’と第2吐出ポート45の間によって形成される 特定のポンプ室側もポンプ機能を発揮することとなり、パワーアシスト部に送ら れる作動油(吐出油)が増量されることとなる。
【0013】 これらに加えて、本考案においては、図1に示す如く、特定のポンプ室側にベ ーン7が存在するときの当該ベーン7の下端部であるスリット底部61に作動油 を導くための背圧導入路42は、吐出室27’に連通するように設けられている ので、第2吸入ポート41’と第2吐出ポート45との間のポンプ室において吸 入作動油が循環している場合、上記スリット底部61に導入される作動油は低圧 の吸入作動油となる。従って、図3に示すようなポンプ室56及びスリット底部 61の圧力関係は、いずれも低圧の吸入作動油の圧力となる。従って、ベーン7 の先端部のカムリング5の内周面への接触は緩やかな状態となる。このような緩 やかな接触状態を保ちつつ、ベーン7はカムリング5内を回転運動することとな るので、この回転運動によって生ずるエネルギーの消費量はより低減化された値 となる。
【0014】
【実施例】
本考案にかかる実施例の構成について図1、図2を基に説明する。本実施例の 構成は、図1に示す如く、ロータ、ベーン、カムリング等からなるベーンポンプ と、スプール、スプリング等からなる切換弁とで構成される可変容量型ベーンポ ンプ装置であることを基本とするものである。このような基本構成において、ベ ーンポンプは、従来から公知のものであり、ハウジング2内に収納されて回転駆 動されるロータ6、当該ロータ6のスリット内にて摺動運動をするベーン7、当 該ベーン7の外側にあって上記ロータ6、ベーン7等とポンプ室を形成するカム リング5、上記ロータ6、ベーン7、カムリング5の側面にあってポンプ室形成 に寄与するサイドプレート3、4、当該サイドプレート3、4の各々に設けられ た複数の吐出ポート31、45、上記サイドプレート3、4及びカムリング5の 円周上に設けられた複数の吸入ポート41、41’等からなる油圧ポンプ装置で あることを基本構成とし、これらに加えて上記吐出ポート31等に連なる圧力室 27を有し、当該圧力室27に連なり、かつオリフィス26aの前後に生じる圧 力差によって作動する流量制御弁26を有し、更には、上記流量制御弁26から 余剰の作動油を吸入側にバイパス還流させるためのバイパス路29を有し、当該 バイパス路29の下流側には、図2に示す如く、上記吸入ポート41、41’に 連なる輪状の吸入室28を有する構成となっている。
【0015】 また、サイドプレート3、4に設けた背圧溝を一連の吸入吐出行程の範囲に対 応させて、第1背圧溝33と第2背圧溝43に分割し、上記特定の吸入ポートで ある第2吸入ポート41’及び特定の吐出ポートである第2吐出ポート45によ って形成される特定のポンプ室が在る側に存在するベーン7のその下端部、すな わちスリット底部61に作動油を供給する第2背圧溝43と連通する第2背圧導 入路42を、第2吐出ポート45が存在する側のサイドプレート4内に設けると ともに、上記第2背圧導入路42の一端を上記サイドプレート4に設けられた第 2背圧溝43に開口させ、他端を、上記第2吐出ポート45に接続する吐出室2 7’に開口させる構成を採ることとした。そして、第1吸入ポート41及び第1 吐出ポート31によって形成される常時吐出状態となる側のポンプ行程のベーン 7下端部には、サイドプレート3内の第1背圧導入路32を介して圧力室27と 連通する第1背圧溝33から作動油が導かれるようになっている。
【0016】 また、切換弁1は、切換弁ハウジング12内にはシリンダ室13を有し、この シリンダ室13内にスプール11、スプリング15を内蔵することを基本構成と し、これらに加えて上記スプール11の一方の頭部側には、上記圧力室27に圧 力導入路25を介して連通する切換弁圧力室14が設けられており、他方の頭部 側には上記スプール11にばね反力を与えるスプリング15が設けられている構 成となっている。
【0017】 更に、上記ベーンポンプと切換弁1との間には各種通路が設けられている構成 となっている。すなわち、図1に示す如く、ベーンポンプのサイドプレート4に は第2吐出ポート45が設けられており、この第2吐出ポート45から吐出され た作動油(吐出油)を滞留させるための吐出室27’が上記第2吐出ポート45 の開口部に設けられており、この吐出室27’に連なるように連通路23が設け られている構成となっている。この連通路23の途中からは吐出側通路24が分 岐しており、これを圧力室27に連結させるとともに、その中間部にチエックバ ルブ241を有する構成となっている。また、図2に示す如く、カムリング5の 外周部には輪状の吸入室28が設けられており、更に、サイドプレート3、4、 及びカムリング5の円周端付近には吸入ポート41、41’が設けられており、 上記吸入室28に、一端が連なるように吸入側通路22が設けられており、この 吸入側通路22の他端は切換弁1のシリンダ室13に連結される構成となってい る。
【0018】 上記構成を採る本実施例の作動状態について説明する。ベーンポンプが作動を 開始すると、例えば図1において、吸入路(図示せず)から吸引された作動油は 、バイパス路29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入室28に導かれた作 動油のうちの一部は第1吸入ポート41より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第 1吐出ポート31より圧力室27に吐出され、その後流量制御弁26によって流 量制御を受けて動力舵取装置のパワーアシスト部(図示せず)に送られる。
【0019】 ところで上記パワーアシスト部が操舵力補助(パワーアシスト)を行っていな い状態にあっては、上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあり、 従って上記パワーアシスト部の負荷圧が伝播される圧力室27の圧力も低い状態 におかれる。その結果、圧力導入路25からの導入圧力も低いため、切換弁1内 の切換弁圧力室14の圧力は低い状態にある。従って、スプール11は、スプリ ング15のばね力の作用によって右方に押され、図1の実線図示の状態に置かれ る。その結果、上記吸入室28に連なる吸入側通路22と吐出室27’に連なる 連通路23とは連通状態となる。従って、特定の吐出ポートである第2吐出ポー ト45から吐出した吐出油は、上記吐出室27’、連通路23、シリンダ室13 、吸入側通路22、吸入室28を経由して第2吸入ポート41’に吸引される。 すなわち第2吸入ポート41’と第2吐出ポート45とによって形成されるポン プ室においては、吸入作動油が単に循環するだけとなり、ポンプ作用を行ってい ない。その結果、ポンプ機能発揮によって生ずるエネルギー消費量が低減化され ることとなる。
【0020】 これに対して、負荷圧が上昇して圧力室27の圧力が高い状態になった場合に は、切換弁圧力室14の圧力も上昇するので、スプール11はスプリング15の ばね力に抗して左方に移動して、図1の二点鎖線図示の位置に来る。その結果、 連通路23と吸入側通路22とは上記スプール11のランド部111によって遮 断され、第2吐出ポート45より吐出された作動油(吐出油)は、実線矢印図示 のように吐出側通路24側に流動し、ここでチェックバルブ241を開いて圧力 室27に流出する。すなわち第2吸入ポート41’、第2吐出ポート45によっ て形成される特定のポンプ室もポンプ機能を発揮することとなり、パワーアシス ト部に送られる作動油(吐出油)が増量されることとなる。このように、吸入側 を連通状態にすることによってベーンポンプの機能の一部を停止させてエネルギ ー損失の低減化を図る方式は、循環される流体が吸入作動油という比較的低圧の 流体であるため、循環作用によって消費されるエネルギーが、吐出油を循環させ る場合に比べて小さくなり、省エネルギー化が図られることとなる。
【0021】 これらに加えて、本実施例においては、図1に示す如く、特定のポンプ室側に ベーン7が存在するときの当該ベーン7の下端部であるスリット底部61に作動 油を導くための第2背圧導入路42は、負荷圧が低い場合には、循環する吸入作 動油が導入されることとなる吐出室27’に連通するように設けられているので 、当該吐出室27’、第2背圧導入路42、サイドプレート4の第2背圧溝43 を経て、上記スリット底部61に導入される作動油は低圧の作動油となる。従っ て、図3に示すようなポンプ室56及びスリット底部61の圧力関係は、いずれ も低圧の吸入作動油の圧力となる。この結果、ベーン7の先端部のカムリング5 の内周面への接触は緩やかな状態となる。このような緩やかな接触状態を保ちつ つ、ベーン7はカムリング5内を回転運動することとなるので、この回転運動に よって生ずるエネルギーの消費量はより低減化された値となる。すなわち、操舵 力補助を行っていない状態においては、ポンプ室の一部(特定のポンプ室)を、 吸入作動油を循環させるだけでポンプ機能を発揮させないようにするとともに、 上記ベーン7の先端部のカムリング5内周面への押付力を小さくすることによっ て、ロータ6及びベーン7の回転運動によって生ずる摩擦損失をも小さくし、よ り一層の省エネルギー化を図ることが可能となる。
【0022】
【考案の効果】
本考案によれば、複数組の吸入ポート及び吐出ポートを有するベーンポンプで あって、動力舵取装置パワーアシスト部の負荷圧が低い状態にあるときは、特定 の吸入ポート及び吐出ポートを、単に作動油が循環するだけとしてポンプ機能を 停止させ、上記負荷圧が上昇した時には、上記停止していた部分のポンプ機能を 復活させるようにする切換弁を有する可変容量型ベーンポンプ装置において、ベ ーンのスリット底部に作動油を導く背圧溝を一連の吸入吐出行程毎に分割して、 上記特定の吸入ポート及び吐出ポートによって形成される特定のポンプ室側に存 在する背圧溝を、背圧導入路を介して、上記特定の吐出ポートが開口する吐出室 側に連通するようにしたので、上記特定のポンプ室がポンプ機能を停止している 場合には、当該特定のポンプ室側にあるベーンの上記カムリング側への押付力が 小さくなる。これにより、この押付力によって消費されるエネルギーロスが少な くなることとなり、特定のポンプ室がポンプ機能を停止している場合におけるエ ネルギー消費量の、より低減化が図られることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかるベーンポンプ及び切換弁等の構
造を示す縦断面図である。
【図2】本考案にかかるベーンポンプ及び切換弁等の構
造を示す横断面図である。
【図3】ベーンポンプにおけるロータ、ベーン、カムリ
ングの関係を示す部分横断面図である。
【図4】従来例における、吸入側連通方式による切換機
能を有するベーンポンプ及び切換弁等の構造を示す縦断
面図である。
【図5】従来例における、吐出側連通方式による可変容
量型ベーンポンプの構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 切換弁 11 スプール 12 切換弁ハウジング 13 シリンダ室 14 切換弁圧力室 15 スプリング 2 ハウジング 22 吸入側通路 23 連通路 24 吐出側通路 241 チェックバルブ 25 圧力導入路 26 流量制御弁 27 圧力室 27’ 吐出室 28 吸入室 29 バイパス路 3 サイドプレート 31 第1吐出ポート 32 第1背圧導入路 33 第1背圧溝 4 サイドプレート 41 第1吸入ポート 41’ 第2吸入ポート 42 第2背圧導入路 43 第2背圧溝 45 第2吐出ポート 5 カムリング 56 ポンプ室 6 ロータ 61 スリット底部 7 ベーン

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項1】 ハウジング内に収納されて回転駆動され
    るロータ、当該ロータのスリット内で摺動運動をするベ
    ーン、当該ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン等
    とポンプ室を形成するカムリング、上記ロータ、ベー
    ン、カムリングの両側面にあってポンプ室形成に寄与す
    る複数のサイドプレート、当該各サイドプレートの円周
    上付近にそれぞれ設けられた複数の吐出ポート、上記サ
    イドプレートの円周上に設けられた複数の吸入ポート等
    からなるベーンポンプと、上記各吐出ポートに連なる圧
    力室から送出される吐出油の吐出流量が所定値を超えた
    場合に、その余剰の吐出油を上記吸入ポートに連なるバ
    イパス路にバイパス還流させる流量制御弁とからなる油
    圧ポンプ装置であって、上記吸入ポートに連なる吸入側
    通路、上記吐出ポートのうちの特定のポートに連通する
    連通路、当該連通路の中途から分岐し上記圧力室に連通
    する吐出側通路を有するとともに、当該吐出側通路の中
    間部にチェックバルブを有し、更に、上記圧力室の圧力
    によって上記吸入側通路が上記連通路と連通するように
    切換わる切換弁を備えてなる可変容量型ベーンポンプ装
    置において、一連の吸入吐出行程毎に分割してなる背圧
    溝を上記サイドプレートに設けるとともに、上記特定の
    吐出ポートを有する側のサイドプレートに設けられた背
    圧溝と上記特定の吐出ポートに連なる吐出室との間を連
    結する背圧導入路を有することを特徴とする可変容量型
    ベーンポンプ装置。
JP6160291U 1991-07-09 1991-07-09 可変容量型ベーンポンプ装置 Pending JPH057982U (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6160291U JPH057982U (ja) 1991-07-09 1991-07-09 可変容量型ベーンポンプ装置
EP19920111499 EP0522505A3 (en) 1991-07-09 1992-07-07 Variable-displacement vane pump
US07/910,234 US5226802A (en) 1991-07-09 1992-07-09 Variable-displacement vane pump

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6160291U JPH057982U (ja) 1991-07-09 1991-07-09 可変容量型ベーンポンプ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH057982U true JPH057982U (ja) 1993-02-02

Family

ID=13175882

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6160291U Pending JPH057982U (ja) 1991-07-09 1991-07-09 可変容量型ベーンポンプ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH057982U (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016156368A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 株式会社山田製作所 ベーンポンプ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016156368A (ja) * 2015-02-24 2016-09-01 株式会社山田製作所 ベーンポンプ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5226802A (en) Variable-displacement vane pump
JP3547900B2 (ja) アキシャルピストン型油圧ポンプ
GB2032528A (en) Rotary positive-displacement fluidmachines
JP3813783B2 (ja) ベーンポンプ
JPH057982U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH0530487U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JP3635671B2 (ja) ダブルカートリッジタイプのオイルポンプ
JPH04237675A (ja) パワーステアリングシステム
JPH07189887A (ja) アキシャルピストン型ポンプ
JPH08144941A (ja) 斜板形アキシャルピストンポンプ用脈動低減装置
JPH0530486U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH0714186U (ja) ベーンポンプ
JPH0514577U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH09280159A (ja) アキシャルピストン型油圧ポンプ
JPH0613869B2 (ja) 2連型ベ−ンポンプ
JPH0539784A (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH09256969A (ja) オイルポンプ装置
JPH0924822A (ja) ブレーキ装置用液圧ポンプ
JPH0526956B2 (ja)
JPH057983U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH0532784U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH0517188U (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPH0599160A (ja) 可変容量型ベーンポンプ装置
JPS58187667A (ja) 油圧駆動車の制御回路
JP3230355B2 (ja) 内燃機関のオイル供給装置