JPH0514577U - 可変容量型ベーンポンプ装置 - Google Patents

可変容量型ベーンポンプ装置

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JPH0514577U
JPH0514577U JP6828691U JP6828691U JPH0514577U JP H0514577 U JPH0514577 U JP H0514577U JP 6828691 U JP6828691 U JP 6828691U JP 6828691 U JP6828691 U JP 6828691U JP H0514577 U JPH0514577 U JP H0514577U
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Japan
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discharge
pump
pressure
suction
chamber
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義治 稲熊
豪哉 加藤
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Toyoda Koki KK
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Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポンプ吐出容量を低出力状態から高出力状態
に切換える際に起こるおそれのある作動油(吐出油)の
逆流現象を防止するために設けられた逆止弁の作動によ
る圧力損失を減少させる。 【構成】 切換弁1に連なる側の特定の吐出ポート3
1’からの吐出油の圧力室27への出口を、サイドプレ
ート3に設けられた吐出路33及びサブプレート8に設
けられた吐出口81により、ポンプ回転軸の中心線付近
に配置するとともに、この吐出口81のところにバルブ
9及びスプリング99からなる逆止弁を設けることとし
た。 【効果】 逆止弁により逆流防止ができる。また、逆止
弁はポンプ回転軸中心線付近に設けられているのでアン
バランス力による振動等の発生を防止できる。更には、
吐出口81は複数の開口にて構成され、開口面積を大き
く採ることができるので流動抵抗を減少させ得る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は可変容量型ベーンポンプに関するものであり、特に、自動車用動力舵 取装置に作動流体を供給するのに適した油圧ポンプ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用動力舵取装置に用いられる油圧ポンプ装置においては、低速走行時( 一般にエンジン回転速度が低い時)においても十分な操舵力補助が行えるように ポンプの吐出容量が設定されている。従ってこのような油圧ポンプにおいてはエ ンジン回転速度(エンジン回転数)の上昇に応じて、エンジン回転数に比例した 流量の作動油が吐出されることとなる。このことは本来、操舵力補助をほとんど 必要としない高速走行時(一般にエンジン回転速度が高い時)において、作動油 の流量が過剰となる。このような現象に対処するため、ポンプから吐出される作 動油(吐出油)のうちの一部を、動力舵取装置のパワーアシスト部には送らず、 油圧ポンプ側へバイパス還流させる流量制御弁(フローコントロールバルブ)方 式が広く用いられている。
【0003】 しかしながら、この流量制御弁方式においては、油圧ポンプから吐出された高 圧の吐出油が、流量制御弁に導かれ、そこからバイパス路へ放出されて、その後 ポンプ吸入ポート側に還流されてくるものであるため、エンジンの高速回転時に おいては、エンジン回転数に応じたエネルギー消費をしていることとなる。すな わち流量制御弁によるバイパス還流方式では、高速走行時等の操舵力補助のほと んど必要とされない時に、バイパス還流によるエネルギーロス(損失)を行って いることとなり、これに伴い車両燃費の悪化をまねくという問題点がある。そこ で、このような操舵力補助を必要としない時におけるエネルギー損失を低減化す るための手段として、例えば特開昭60−256579号公報記載のような切換 弁を用いた方式のものが従来から採用されている。
【0004】 このものは、切換弁の作用によりパワーアシスト部が操舵力補助用の作動油を 少量しか必要としない場合には、ベーンポンプの一部に作動油を循環させること によって、その部分のポンプ機能を停止させ、これによってエネルギーロスを少 なくする一方、大量に作動油を必要とするときには、上記停止させていたポンプ 室の機能を復活させることによって十分なパワーアシストを行なわせようとする ものである。しかしながらこのような切換弁方式によるポンプ吐出容量の増減を 行うベーンポンプ装置においては、ポンプが低出力状態(低負荷圧時)から高出 力状態(高負荷圧時)に切換わる際に、高負荷圧の作動油(吐出油)が圧力室か ら特定の吐出ポートを経由してポンプ室に逆流し、リザーブタンクまで逆流して しまうという現象が起きる場合がある。
【0005】 すなわち、図10に示すように、ベーンポンプ装置においては、ロータ6には ベーン7が収納されるスリットが設けられており、このスリットの底部には、サ イドプレート3に設けられた背圧溝より供給される作動油(吐出油)が滞留する スリット底部61が設けられている。このスリット底部61に滞留する作動油の 圧力によって、ベーン7はカムリング5側に押し付けられ、上記ロータ6、ベー ン7、カムリング5等によってポンプ室56が形成されることとなる。ところが 、上記低負荷圧時にあっては、特定のポンプ室には吐出油が循環するようになっ ているため、上記スリット底部61と上記ポンプ室56とに導入される作動油の 圧力はいずれも吐出圧であり、上記両者間には圧力差がほとんど生じないことと なる。更に、ポンプの回転速度が低い状態にあっては、遠心力による上記ベーン 7の上記カムリング5側への突出力が小さく、ベーン7とスリット間の油の粘性 抵抗に影響されて、上記ベーン7の先端部とカムリング5の内周面との間のシー ル性が低下する場合がある。その場合は、上記シール部分には隙間が生じ、特定 のポンプ室56においては、図10に示す如く、特定の吐出ポート(第2吐出ポ ート)31’と特定の吸入ポート(第2吸入ポート)41’とが連通状態となる 。
【0006】 このような状況下において、低負荷圧状態から高負荷圧状態に切換わると、圧 力室27の負荷圧が高くなっているので特定の吐出ポート(第2吐出ポート)3 1’からは、作動油が逆流することとなる。その結果、圧力室27に滞留する高 圧の作動油は、特定の吐出ポート(第2吐出ポート)31’より特定のポンプ室 56内に逆流し、特定の吸入ポート(第2吸入ポート)41’等を経て、リザー ブタンク側へと逆流することとなる。このような問題を解消するために、上記特 定の吐出ポート31’の上記圧力室27への出口の部分に図11に示すような逆 止弁32を設けるようにした可変容量型ベーンポンプが存在する。
【0007】
【考案が解決しようとする課題】
ところで、上記特定の吐出ポート31’の出口の部分に逆止弁32を有する従 来のものは、図11に示す如く、上記逆止弁32がポンプ回転軸の中心線に対し て偏った位置に設けられている構成を採っている。従って、当該逆止弁32が作 動を開始するとその周辺に作用する力はポンプ回転軸に対して偏った力となって 現れる。その結果、ポンプ装置全体としてみた場合にはアンバランスな力が作用 することとなり、ポンプの回転運動に伴う振動発生等の問題が生ずる。また、上 記逆止弁32の構造がボール又はポペットをスプリングで押さえるタイプを採用 している関係から、吐出油は上記ボールと吐出ポートの開口部との間の小さい隙 間を通って流動して行かざるを得ない。従って、吐出流量が増加すればする程、 流動抵抗が増大化し、これによるエネルギー損失をまねくという問題点がある。 このような、アンバランス力の発生による回転振動の問題点、及び流動抵抗によ るエネルギー損失の問題点を解消するようにした可変容量型ベーンポンプ装置の 提供をしようとするのが本考案の目的(課題)である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本考案においては、ハウジング内に収納されて回 転駆動されるロータ、当該ロータのスリット内にて摺動運動をするベーン、当該 ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン等と共にポンプ室を形成するカムリン グ、上記ロータ、ベーン、カムリングの側面にあってポンプ室形成に寄与するサ イドプレート、当該サイドプレートに設けられた複数組の吸入ポート及び吐出ポ ート等からなるベーンポンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力室から送出され る吐出油(作動油)の吐出流量が所定値以上になった場合、その余剰の吐出油を 上記吸入ポートに連なるバイパス路にバイパス還流させる流量制御弁とからなる 油圧ポンプ装置であって、上記吸入ポート側に設けられた吸入室に連なる吸入側 通路、上記圧力室に連なる吐出側通路、上記吸入ポートの一部に連なる連通路を 有し、更に、これら通路に連通するシリンダ室を有する切換弁ハウジング、当該 切換弁ハウジング内に収納されたスプール、スプリング等からなる切換弁を備え てなる可変容量型のベーンポンプ装置において、上記複数組の吸入ポート及び吐 出ポートからなるもののうちの特定の吸入ポートと対をなす側の特定の吐出ポー トに連結し、かつ、回転軸の中心線方向に向かって設けられた吐出路を有し、当 該吐出路の上記回転軸中心位置付近に設けられた大きな開口部面積を有する複数 の吐出口と当該吐出口を開閉するバルブ機構とからなる逆止弁を設ける構成を採 ることとした。
【0009】
【作用】
上記構成を採ることにより、本考案においては、ベーンポンプが作動を開始す ると、例えば図1において、吸入路から吸引された作動油は、吸入室28へと導 かれ、この吸入室28に導かれた作動油のうちの一部は第1吸入ポート41より 吸引され、ポンプ室で昇圧されて第1吐出ポート31より圧力室27に吐出され る。その後、流量制御弁26によって流量制御を受けて動力舵取装置のパワーア シスト部(図示せず)に送られる。
【0010】 ところで上記パワーアシスト部が操舵力補助(パワーアシスト)を行っていな い状態にあっては、上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあり、 従って圧力室27の圧力も低い状態におかれる。その結果、圧力導入路25から の導入圧力も低いため、スプール11はスプリング15のばね力の作用によって 右方に押され、図1の実線図示の状態に置かれる。その結果、圧力室27に連な る吐出側通路24と上記連通路23とは連通状態となり、圧力室27に滞留する 吐出油の一部が第2吸入ポート41’に導入され、第2吸入ポート41’と第2 吐出ポート31’とは吐出油が循環することとなる。
【0011】 これに対して、上記パワーアシスト部が操舵力補助を開始すると、負荷圧が上 昇し、上記圧力室27の圧力が上昇する。その結果、切換弁圧力室14には、上 記負荷圧に相当する圧力が付加される。これによって、上記スプール11は、ス プリング15のばね力に抗して左方に移動し、二点鎖線図示の位置に来る。その 結果、上記吸入室28に連なる吸入側通路22と上記連通路23とが連通状態と なり、第2吸入ポート41’にも作動油が導入されることとなり、上記停止して いたポンプ室もポンプ作用を開始し、第2吐出ポート31’からも吐出油が吐出 されることとなる。
【0012】 これら一連の作動において、上記パワーアシスト部の負荷圧が低圧から高圧に 切換わる際、図1における圧力室27の圧力も低圧から高圧に切換る。このとき 、特定のポンプ室においては、図10に示す如く、特に低速回転時では、ベーン 7とカムリング5の内周面とのシール性能が低下するため、リーク気味となる。 その結果、従来のものでは、図10に示すように、第2吐出ポート31’側から は、圧力室27に滞留する高圧の作動油(吐出油)が上記特定のポンプ室内に逆 流することとなるが、本考案においては、上記第2吐出ポート31’に連なる吐 出路33に設けられた大きな開口部面積からなる複数の吐出口81のところにバ ルブ9及びスプリング99からなる逆止弁が設けられているので、これらの作用 により逆流現象は防止される。
【0013】
【実施例】
本考案にかかる第一の実施例について図1、図2、図3を基に説明する。本実 施例の構成は、図1に示す如く、ロータ6、ベーン7、カムリング5等からなる ベーンポンプと、スプール11、スプリング15等からなる切換弁1とで構成さ れる可変容量型ベーンポンプ装置であることを基本とするものである。このよう な基本構成において、ベーンポンプは、従来から公知のものであり、ハウジング 2内に収納されて回転駆動されるロータ6、当該ロータ6のスリット内にて摺動 運動をするベーン7、当該ベーン7の外側にあって上記ロータ6、ベーン7等と ポンプ室を形成するカムリング5、上記ロータ6、ベーン7、カムリング5の側 面にあってポンプ室形成に寄与するサイドプレート3、4、当該サイドプレート 3、4に設けられた複数組の吸入ポート41、41’及び吐出ポート31、31 ’等からなる油圧ポンプであることを基本構成とし、これらに加えて、上記第2 吸入ポート41’を上記サイドプレート3、4、及びカムリング5の円周端付近 に設けることとし、更に、上記各吐出ポート31、31’に連なる圧力室27を 有し、当該圧力室27に連なるように流量制御弁26を有し、更には、当該流量 制御弁26から余剰の作動油を吸入側にバイパス還流させるためのバイパス路2 9を有し、当該バイパス路29の下流側には上記吸入ポート41、41’に連な る吸入室28を有する構成となっている。
【0014】 また、切換弁1は、切換弁ハウジング12内にシリンダ室13を有し、このシ リンダ室13内にスプール11、スプリング15を内蔵することを基本構成とし 、これらに加えて上記スプール11の一方の頭部側には、上記圧力室27に圧力 導入路25を介して連通する切換弁圧力室14が設けられており、他方の頭部側 には上記吸入室28に圧力導入路21を介して連通する切換弁吸入室16が設け られており、更には、上記吸入室28に連なる吸入側通路22、上記圧力室27 に連なる吐出側通路24、及び上記吸入ポートのうちの一方である第2吸入ポー ト41’に連なる連通路23が設けられている構成となっている。
【0015】 更に、これら構成に加えて、上記吐出ポート31、31’を有する側のサイド プレート3には、図2に示す如く、上記第2吐出ポート31’に連続して吐出路 33が設けられている。また当該吐出路33は図2に示すように回転軸の中心線 方向に向かって延びるように設けられており、その最終端は上記中心線のまわり に円形に開口するように設けられている。更には、上記サイドプレート3に接触 して円板状のサブプレート8が設けられており、このサブプレート8には、図1 及び図3に示すように吐出路33の開口部に連続して、4個のまゆ型形状の開口 からなる吐出口81が設けられている構成となっている。また上記サブプレート 8の中心位置付近にはガイド82が設けられており、このガイド82には上記サ ブプレート8に設けられた吐出口81の開閉を行う円板状のバルブ9が設けられ ている。なお、当該バルブ9には、上記吐出口81を閉じるように常時作用する スプリング99が設けられており、当該スプリング99と上記バルブ9とをもっ て逆止弁を形成する構成となっている。
【0016】 上記構成を採る本実施例の作動状態について説明する。ベーンポンプが作動を 開始すると、例えば図1において、吸入路から吸引された作動油は、バイパス路 29を経て吸入室28へと導かれる。この吸入室28に導かれた作動油のうちの 一部は第1吸入ポート41より吸引され、ポンプ室で昇圧されて第1吐出ポート 31より圧力室27に吐出される。その後、流量制御弁26によって流量制御を 受けて動力舵取装置のパワーアシスト部(図示せず)に送られる。
【0017】 ところで上記パワーアシスト部が操舵力補助(パワーアシスト)を行っていな い状態にあっては、上記パワーアシスト部の油圧(負荷圧)は低い状態にあり、 従って上記パワーアシスト部の負荷圧が伝播される圧力室27の圧力も低い状態 におかれる。その結果、圧力導入路25からの導入圧力も低いため切換弁1内の 切換弁圧力室14内の圧力も低く、上記切換弁圧力室14と切換弁吸入室16と の間の圧力差は小さい。従って、スプール11はスプリング15のばね力の作用 によって右方に押され、実線図示の状態に置かれる。その結果、圧力室27に連 なる吐出側通路24と上記連通路23とは連通状態となり、圧力室27に滞留す る吐出油の一部が第2吸入ポート41’に導入され、第2吸入ポート41’と第 2吐出ポート31’とは吐出油が循環することとなる(図1破線矢印図示)。従 って、パワーアシスト部が操舵力補助を行なって居らず、負荷圧が低い状態にあ るときは、一組の吸入ポート41’と吐出ポート31’とからなるポンプ室のポ ンプ機能は停止し、これによってポンプ作用によって生ずるエネルギー損失の低 減化が図られることとなる。
【0018】 これに対して、上記パワーアシスト部が操舵力補助を開始すると、負荷圧が上 昇し、上記圧力室27の圧力が上昇する。その結果、切換弁圧力室14には、上 記負荷圧に相当する圧力が付加される。これによって、上記スプール11は、ス プリング15のばね力に抗して左方に移動し、二点鎖線図示の位置に来る。その 結果、上記第2吸入ポート41’に連なる連通路23と圧力室に連なる吐出側通 路24との間は遮断されると同時に、上記吸入室28に連なる吸入側通路22と 上記連通路23とが連通状態となり、第2吸入ポート41’にも作動油が導入さ れることとなり、上記停止していたポンプ室もポンプ作用を開始し、第2吐出ポ ート31’からも吐出油が吐出されることとなる(図1実線矢印図示)。これに よってベーンポンプの吐出容量は増加することとなり、パワーアシスト部の操舵 力補助に寄与することとなる。
【0019】 上記作動において、上記パワーアシスト部の負荷圧が低圧から高圧に切換わる 際、図1における圧力室27の圧力も低圧から高圧に切換る。このとき、特定の ポンプ室の状態は図10に示す如く、ベーン7とカムリング5の内周面とのシー ル性能が低下するため、ベーン7とスリット間の油の粘性抵抗により、リーク気 味となる場合がある。その場合に、第2吸入ポート41’と吸入室28が連通す ると、従来のものにおいては、第2吐出ポート31’側からは、圧力室27に滞 留する作動油(吐出油)が上記特定のポンプ室内に逆流することとなり、そこか ら、更に、オイルは吸入路等を経て図略のリザーブタンクまで遡ることとなる。 しかしながら、本考案においては、上記第2吐出ポート31’に連続する吐出路 33、更には吐出口81の先端部であって上記圧力室27に開口する位置に、図 1及び図3に示すような円板状のバルブ9及びスプリング99からなる逆止弁が 設けられているので、この逆止弁の作用により、上記従来のもののような圧力室 27側から第2吐出ポート31’への逆流現象は起こらない。
【0020】 すなわち本実施例のものにおいては、図10に示すスリット底部61に高圧の 吐出油が導入され、一方、ポンプ室56には低圧の吸入作動油が導入されて、上 記ベーン7がカムリング5の内周面側へ十分に押付けられることによって、上記 特定のポンプ室からも十分に昇圧された吐出油が吐出されるようになった時点に おいて、上記逆止弁のバルブ9が開くこととなる。従って、上記特定のポンプ室 からの吐出油の圧力が不十分の状態においては、上記逆止弁は閉じられたままの 状態にあるので、上記従来のものにおいて生じたような逆流現象は生じないこと となり、結果的に、ポンプ装置における低出力状態から高出力状態への切換動作 は迅速に行われることとなる。
【0021】 次に、第二の実施例について図4、図5を基に説明する。この第二の実施例の 構成も基本的には図4に示す如く、第一の実施例のものと同じである。異なると ころは、サイドプレート3に接触するように設けられているサブプレート8aの 一部形状及び当該サブプレート8aのガイド82に収納されているバルブ9aの 形状に関する部分である。すなわち、図4に示す如く、上記サブプレート8aの 中心付近に設けられているガイド82は円形の孔状のものであり、また、このガ イド82内で摺動運動をするバルブ9aは、円板状の部分と当該円板の中心部に 設けられた軸部とからなる傘状の形状を有するものである。この傘状の形状を有 するバルブ9aが図4、図5に示すように上記サブプレート8aのガイド82内 に摺動可能に収納されて、更にはスプリング99にて押し付けられることによっ て逆止弁を形成するように構成されている。従って、このような構成を採ること によって、第2吐出ポート31’からの吐出油は、その圧力が圧力室27の圧力 及びスプリング99のばね力に抗し得る状態にならない限り、上記逆止弁のとこ ろからは吐出して行かない。すなわち、特定のポンプ室側の圧力が圧力室27側 の圧力よりも低い状態にあるときには、上記逆止弁は開かず、従って、吐出油の 逆流現象も起こらない。
【0022】 第三の実施例について図6、図7を基に説明する。この第三の実施例も基本的 には第一の実施例及び第二の実施例のものと同じ構成を有するものである。わず かに、図6及び図7に示す如くサブプレート8bに設けられたガイド82、更に は当該ガイド82内でバルブ機能を発揮するバルブ9bの形状が異なるのみであ る。すなわち、バルブ9bの摺動運動をガイドするガイド82はサブプレート8 bの中心部付近に設けられており、当該ガイド82は円板状のバルブ9bを収納 するように円筒形の堤状の形状からなるものである。このガイド82の内側には 円板状のバルブ9bが収納されており、当該バルブ9bは中心部に作動油が流通 するための流通口91を有するデイスク状の部材からなるものである。更に、上 記デイスク状バルブ9bには、常時それをサブプレート8bの吐出口81側に押 し付けるように働くスプリング99が設けられており、このスプリング99とバ ルブ9bとによって逆止弁が形成されるように構成されている。従って、本実施 例においても上記逆止弁の効果により逆流現象は防止される。
【0023】 第四の実施例について図8、図9を基に説明する。この第四の実施例の構成も 、上記3実施例のものと基本的には同じである。わずかに逆止弁のところの構成 が異なるのみである。すなわち本実施例の逆止弁は、図9に示す如く、花弁状の 形状を有する弾性体からなるリードバルブ状のバルブ9cと当該バルブ9cを押 え付けておくスプリング99とからなるものである。そして、この花弁状の形状 を有する部分がサイドプレート8cに設けられた4個の円形の吐出口81aを常 時塞ぐように構成されているものである。従って、通常は、上記花弁状の部分が 吐出口81aを塞いでおり、特定のポンプ室から吐出される吐出油(作動油)に よる圧力が圧力室27の圧力よりも高い状態になったとき、上記リードバルブの 部分が開いて吐出油が圧力室27に吐出されることとなる。このようなバルブ9 cの作用により、逆流現象は防止されることとなる。
【0024】
【考案の効果】
本考案によれば、複数個の吸入ポート及び吐出ポートを有するベーンポンプで あって、動力舵取装置パワーアシスト部の負荷圧が低い状態にあるときは、上記 一部の吸入ポート及び吐出ポートを作動油が循環するようにしてポンプ機能を停 止させ、上記負荷圧が上昇したときには、上記停止していた部分のポンプ機能を 復活させるようにする切換弁を有する可変容量型のベーンポンプ装置において、 上記複数組の吸入ポート及び吐出ポートからなるもののうちの、上記切換弁に連 通する特定の吸入ポートと対をなす特定の吐出ポート側の上記圧力室への開口部 をポンプ回転軸の中心位置付近に設け、しかもその開口部は大きな開口部面積を 有する複数の吐出口によって構成されることとし、更に、その部分に逆止弁を設 ける構成を採ることとしたので、パワーアシスト部の負荷圧が低圧から高圧に切 換わり、上記停止していた特定のポンプ室のポンプ機能を復活させようとする場 合に、従来、起こりがちであった上記特定の吐出ポートからの高圧の作動油(吐 出油)の逆流現象を、上記逆止弁の働きによって防止することが可能となった。 また、上記逆止弁はポンプ回転軸の中心線付近に設けられているので上記逆止弁 を吐出油が通過して行く際の流動抵抗によるアンバランス力の発生等がなくなっ たため、ポンプ回転運動に伴う振動の発生等が防止されるようになった。更には 、上記吐出口は複数の開口部からなるものであるため、開口部面積を実質上大き く採ることが可能となり、流動抵抗の減少を図ることができ、圧力損失の減少を 図ることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一の実施例にかかるベーンポンプ、
切換弁及び逆止弁の構造を示す縦断面図である。
【図2】本考案にかかるサイドプレート及び当該サイド
プレートに設けられた吐出路の構造を示す図である
【図3】本考案の第一の実施例にかかるサブプレート及
びバルブの構成を示す図である。
【図4】本考案の第二の実施例にかかるベーンポンプ、
切換弁及び逆止弁の構造を示す縦断面図である。
【図5】本考案の第二の実施例にかかるサブプレート及
びバルブの構成を示す図である。
【図6】本考案の第三の実施例にかかるベーンポンプ、
切換弁及び逆止弁の構造を示す縦断面図である。
【図7】本考案の第三の実施例にかかるサブプレート及
びバルブの構成を示す図である。
【図8】本考案の第四の実施例にかかるベーンポンプ、
切換弁及び逆止弁の構造を示す縦断面図である。
【図9】本考案の第四の実施例にかかるサブプレート及
びバルブの構成を示す図である。
【図10】一般のベーンポンプ装置におけるロータ、ベ
ーン、カムリングの関係を示す横断面図である。
【図11】従来例におけるベーンポンプ、切換弁及び逆
止弁の構造を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 切換弁 11 スプール 12 切換弁ハウジング 13 シリンダ室 14 切換弁圧力室 15 スプリング 16 切換弁吸入室 2 ハウジング 21 圧力導入路 22 吸入側通路 23 連通路 24 吐出側通路 25 圧力導入路 26 流量制御弁 27 圧力室 28 吸入室 29 バイパス路 3 サイドプレート 31 第1吐出ポート 31’ 第2吐出ポート 33 吐出路 4 サイドプレート 41 第1吸入ポート 41’ 第2吸入ポート 5 カムリング 56 ポンプ室 6 ロータ 61 スリット底部 7 ベーン 8 サブプレート 81 吐出口 82 ガイド 9 バルブ 91 流通口 99 スプリング

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に収納されて回転駆動され
    るロータ、当該ロータのスリット内にて摺動運動をする
    ベーン、当該ベーンの外側にあって上記ロータ、ベーン
    等と共にポンプ室を形成するカムリング、上記ロータ、
    ベーン、カムリングの側面にあってポンプ室形成に寄与
    するサイドプレート、当該サイドプレートに設けられた
    複数組の吸入ポート及び吐出ポート等からなるベーンポ
    ンプと、上記各吐出ポートに連なる圧力室より送出され
    る吐出油(作動油)の吐出流量が所定値以上になった場
    合、その余剰の吐出油を上記吸入ポートに連なるバイパ
    ス路にバイパス還流させる流量制御弁とからなる油圧ポ
    ンプ装置であって、上記吸入ポート側に設けられた吸入
    室に連なる吸入側通路、上記圧力室に連なる吐出側通
    路、上記吸入ポートのうちの特定のポートに連なる連通
    路を有し、更に、これら通路に連通するシリンダ室を有
    する切換弁ハウジング、当該切換弁ハウジング内に収納
    されたスプール、スプリング等からなる切換弁を備えて
    なる可変容量型ベーンポンプ装置において、上記複数組
    の吸入ポート及び吐出ポートからなるもののうちの上記
    特定の吸入ポートと対をなす特定の吐出ポートに連結
    し、かつ、ポンプ回転軸の中心線方向に向かって設けら
    れた吐出路を有し、当該吐出路の上記回転軸中心位置付
    近に設けられた大きな開口部面積を有する複数の吐出口
    及び当該吐出口を開閉するバルブ機構からなる逆止弁を
    有することを特徴とする可変容量型ベーンポンプ装置。
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