JP2002202072A - アンダーベーンのポート構成が改善された回転式液圧ベーンポンプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベーンポンプの製造を容易にし、効率を改善
する。 【解決手段】 ポンプ（１０）は、スラスト及び圧力プ
レート（１８、２２）の間にロータ（２６）を有する。
ロータは、整列した吸引ポート（５０、６０）を通って
オイル供給され、そのスロット内で往復する複数のベー
ン（４０）間の流体チャンバーは、整列した吐出ポート
（５２、６２）にオイル吐出する。両プレート（１８、
２２）の吐出ポート（５２、６２）は、接続される。吐
出ポート（６２）のオイルは、圧力プレート（２２）の
外側チャンバーに供給され、圧力プレート（２２）の通
路を通ってロータ（２６）の第１の側部チャンバー（７
２）に戻される。第１の側部チャンバー（７２）は、ロ
ータ（２６）の内側及び外側ランドの間に形成される。
第２の側部チャンバー（７８）は、その反対側に形成さ
れ、アンダーベーン通路（３６）により第１の側部チャ
ンバー（７２）に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液圧パワー変換装
置に係り、より詳しくは、ポンプ作動を改善するため、
ベーンを外側カムリングのカム表面との作動的係合に推
しやる際にアンダーベーン（undervane）加圧を最適化
するように該アンダーベーンの液圧流体圧力ポート構成
を改善することを特徴とする、産業上パワーステアリン
グを利用する際の新規で改善された多重ベーンのロータ
ポンプに関する。

【０００２】

【従来技術】本発明がなされる以前には、様々な回転式
液圧ベーンポンプが、工夫されてきた。これらのベーン
ポンプでは、アンダーベーンの通路をポンプ吐出チャン
バーと連結するための離散的な流れ通路を提供するた
め、スラストプレート及び圧力プレートを含むポンプ構
成部品において、内部接続されたポケット、通路及びオ
リフィスといった精密で複雑な液圧システムを備える。
アンダーベーンの通路内の液圧流体は、ポンプ作動によ
り加圧され、その結果、加圧されたアンダーベーンが、
ポンプ充填及びポンプ作動の目的のため液圧スプリング
として機能する。より詳しくは、加圧されたアンダーベ
ーンの流体が、連係されたベーンスロットで往復運動す
るため取り付けられたベーン上に降伏可能な径方向の力
を作用するため、並びに、ポンプ作動の間に、連係され
たカム表面を備えたベーンの先端の流体シーリング接触
を維持するため、スプリングとして機能する。

【０００３】上記のようなアンダーベーンの構成の例
が、「ポンプ」に対して、P.B.ジーグラーらに１９６５
年９月２１日に付与された米国特許番号３，２０７，０
７７号、及び、「ポンプ充填のためのアンダーベーン通
路を備えた回転式液圧ベーンポンプ」に対して、R.P.リ
ーフェルらに１９８３年６月７日に付与された米国特許
番号４，３８６，８９１号に示され、説明されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来技術
の液圧ポンプは、パワーステアリング及び他の用途のた
めの改善されたポンプ駆動を提供するときそれらの目的
と一般に合致するが、より高いポンプ駆動効率の標準規
格と合致させるためには、より効率的且つ効果的なポン
プが必要とされる。その上、特定の複雑に内部接続され
た流体ポケットを備える、従来技術の圧力プレート及び
スラストプレートの製造は、困難でコスト高である。詳
細で用心深い特別の注意を払ってさえ、そのような構成
は、例えば鋳造及び打ち抜き工程などの経済的な製造プ
ロセスによっては容易には達成することができない。一
般に、そのような設計は、複雑な粉末金属成形（powder
metal forming）ツール及び高精度の機械加工の使用を
必要とする。そのようなツール及び加工処理は、スラス
トプレート及び圧力プレートを、特に限定された数量が
必要とされるところで、その製造を高価にさせる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】従来技術の構成とは対照
的に、本発明は、改善されたポンプ効率を有する、新規
で改善されたポンプを提供する。本発明は、経済的な打
ち抜き成型及び鋳造工程を備えた、幅広い範囲のプロセ
ス及び設備により容易に製造することのできる、直線的
に前進し且つ簡単化されたベーン加圧ポート構成を、圧
力プレート内に組み込む。好ましくは、本発明では、圧
力プレート及びスラストプレートの間に挟まれたカムリ
ングは、圧力プレート内の特別の開口を介したアンダー
ベーンへの液圧力流体の回送処理を改善するため、圧力
プレートをスラストプレートから液圧的に分離し、ベー
ン密封作動を増強させる。更には、アンダーベーンの加
圧のためその改善された圧力プレートのポート構成を備
えた本発明は、自動車への用途で現在具体化されたベー
ンポンプ、並びに、例えば、「ベーンポンプ」に対して
２０００年４月１８日にウォングらに付与された米国特
許番号６，０５０，７９６号に開示されたような、交差
コンパクトポンプ（transverse compact pump）及び液
圧バランス式ポンプロータを含む幅広い範囲の液圧ベー
ンポンプに容易に用いることができる。この米国特許
は、これを参照することにより、本明細書中に組み込ま
れる。

【０００６】本発明では、好ましくは、圧力プレート及
びスラストプレートの間に挟まれたカムリングは、圧力
プレートの吐出ポートからスラストプレートの吐出ポー
トへの（及びこれによってポンプ吐出への）流れを遮蔽
し、圧力プレートにおける特別の内側開口を介したアン
ダーベーンへの圧力回送を改善する。より詳しくは、圧
力プレートからの液圧吐出は、主要には、径方向外側ポ
ートを通って、ロータアセンブリの外側寄り側部に設け
られた、密封されたアンダーベーン圧力チャンバーに至
る。圧力流体は、この側部チャンバーから、アンダーベ
ーン通路により液圧接続されたロータの両側の一対の内
側ロータバランスチャンバーに供給される。バランスチ
ャンバー及びアンダーベーンが加圧された状態では、径
方向に延在するベーンは、アンダーベーン圧力流体によ
って、周囲のカムリングのカム表面との流体密封的な係
合状態へと偏倚させられる。

【０００７】本発明の特徴である目的及び利点は、新規
で改善された回転式ベーンポンプに、ポンプハウジング
の側部チャンバーのみを供給するための少なくとも１つ
の吐出ポートと、該側部チャンバーからロータの対向す
る圧力バランスチャンバーまでr連通する少なくとも１
つのアンダーベーン供給ポートと、が形成された平坦な
圧力プレートを設け、それにより全てのアンダーベーン
通路が、連係された外側カムリングとのベーンの改善さ
れた係合のためベーンに外側方向の力を作用させるよう
に加圧されるようにしたことである。

【０００８】本発明によれば、従来までのところベーン
ポンプにより生成された機械的ノイズは、弓形（arcuat
e）の消去、区分化されたアンダーベーン溝、又は、他
の仕方で構成されたアンダーベーン凹部即ち像限区分
（quadrant）により急激に減少される。これらのアンダ
ーベーン凹部即ち像限区分は、ポンプロータ内に形成さ
れたベーンスロットの内側端部に隣接して、圧力プレー
ト及びスラストプレートの面に様々な幾何学的パターン
で配置され得る。しかし、これらの溝は、夫々のベーン
溝内に付き、ロータの側部外部に突出する任意のベーン
に対して、意図せざる接触ポイントが時折形成される。
ベーンのコーナー又は他の部品によるそのような溝との
接触は、不快な歯止め作用又はカチカチ音のノイズを生
じさせる結果となる。

【０００９】急激に減少した製造コスト及び減少したノ
イズ生成に加えて、本発明は、スラストプレート及び圧
力プレートと、それらの間に挟まれたロータとの間のよ
り良好な密封を通して改善された体積効率を提供する。

【００１０】本発明の上記及び他の目的並びに利点は、
次の詳細な説明及び添付図面からより明らかとなろう。

【００１１】

【発明の実施の形態】ここで、図面を詳細に参照する
と、図１には、端部キャップ１６により閉じられた略円
柱内部空間１４を画成するハウジング１２を有する、自
動車用パワーステアリングポンプ１０が示されている。
内部空間１４は、略円柱ベーン形成ポンプアセンブリ即
ち回転グループ１７を収容するようにサイズが定められ
ており、入口１９を介して液圧流体が供給される。ポン
プアセンブリ１７は、スラストプレート１８、カムリン
グ２０、圧力プレート２２、及び、カムリング２０内に
取り付けられ且つディスク状のスラストプレート及び圧
力プレートの間に挟まれた多重ベーン形成ポンプロータ
２６を含む。

【００１２】端部キャップ１６は、ハウジング内に形成
された円柱空間の外側端部において、内部環状溝内には
まり込んだ保持リング２８によりハウジング内に固定さ
れている。スラストプレート１８、カムリング２０及び
圧力プレート２２は、一対の細長いピン又はねじ３０に
より、固定された軸回り及び角度に整列された状態に維
持される。該一対の細長いピン又はねじ３０は、ハウジ
ング１２及び端部キャップ１６内の固定手段用開口から
これらの構成部品の各々の開口２９、３１、３３を通っ
て延在する。

【００１３】ロータ２６は、カムリング内に回転可能に
支持され、且つ、複数のベーンスロット３４が形成され
ている略円柱ユニットである。これらのベーンスロット
は、ロータを通して、該ロータと交差するように延在
し、ロータの円柱ボディの円形パターンに配置されたア
ンダーベーン通路３６の円形構成通路から放射状に延在
する。アンダーベーン通路３６も、ロータを通して該ロ
ータと交差するように延在し、液圧流体を受け入れるよ
うに構成されている。該液圧流体は、外側に方向付けら
れた、スプリング態様の径方向の力を発揮する。この径
方向の力は、当該技術分野で知られているように、ベー
ンスロット内の往復運動のため取り付けられたブレード
状ベーン４０の底部表面３８に印加される。図３に最も
良く示されているように、これらのブレードの外側先端
部は、ポンプ作動の間にカムリングの内側カム表面４４
と密着係合する。このベーンの係合は、ロータ回転の間
に生じる遠心力により、及び、ポンプが駆動されている
ときにアンダーベーンの液圧力に起因してベーン上に印
加される径方向の力により、実行される。ベーン先端部
がカムリングの内側表面と作動的に係合する場合、エン
ドレスに続くシリーズの流体ポンプ作用チャンバー４６
が隣接するベーン部材の間に形成される。

【００１４】スラストプレート１８及び圧力プレート２
２は、ロータ、ベーン及びカムリングと共同して、隣接
するベーン４０の間に形成された流体チャンバー４６の
軸方向範囲を画成する。図２及び７に最も良く示されて
いるように、スラストプレート１８は、スラストプレー
トのボディの周辺部から切り込まれた一対の径方向に対
向する入口ポートと、一対の径方向に対面する吐出ポー
ト５２と、を有する。スラストプレートのこれらの吐出
ポートは、該スラストプレートの厚さに亘って延在し、
図１に線図として示されているように、ハウジング１２
内のポンプ吐出チャンバー５３と流体連通されている。
スラストプレートは、細長い入力シャフト５８の、直径
が減じられ且つキー溝が形成された端部５６を収容する
ため、更に、中央配置された環状開口５４が更に形成さ
れる。細長い入力シャフト５８は、ロータを支持し且つ
回転可能に駆動させるように該環状開口を通って延在す
る。

【００１５】圧力プレート２２（図２及び図６）は、そ
の周辺部に切り込まれた一対の直径方向に対向する入口
ポート６０を有し、該入口ポートは、スラストプレート
の入口ポート５０と軸方向に整列されている。圧力プレ
ートは、直径方向に対向する一対のアンダーベーン吐出
ポート６２を更に有し、該アンダーベーン吐出ポート６
２は、図１に線図として示されているように、入口ポー
ト６０から弧に沿って間隔を隔てられ、スラストプレー
トの吐出ポート５２と整列する。しかし、カムリング
は、多数の従来構成と同様に、圧力プレートのポート６
２からスラストプレートの吐出ポートまでの圧力の流れ
が存在しないように、この領域で中実である。更に説明
されるように、この中実の構成は、アンダーベーンの加
圧を増大させる。より詳しくは、圧力プレートの吐出ポ
ート６２は、圧力プレートと端部キャップ１６との間に
ポンプアセンブリの外側に形成されたアンダーベーンの
流体圧力チャンバー６６と流体連通している。そのよう
な連通は、吐出ポートから圧力プレートのボディを通っ
て軸方向に延在する吐出圧力連通孔６７を介している。
その上、ロータアセンブリの外側寄りに形成された圧力
チャンバー６６は、圧力プレートの幅を通して軸方向に
延在し且つ吐出孔６７の径方向内側に配置された、軸方
向延在流体供給通路７０を介して、アンダーベーン通路
３６に流体接続する。

【００１６】これらの供給通路７０は、図１及び図６に
最も良く示されたように、圧力プレート内にドリル穿孔
又は他の方法により形成された、簡単で直線的に貫通す
る一定直径のボアであるのが好ましく、ロータの外側チ
ャンバー即ちポケット７２内へと直接流体を吐出するよ
うに機能する。図３乃至図５に最も良く示されるよう
に、この側部チャンバー７２は、圧力プレートと、ロー
タの外側に形成された、同心の内側及び外側環状ランド
７４、７６との間に形成された圧力バランスチャンバー
である。ロータの反対側即ち内側寄り側は、外側寄り側
と同じ構成を有し、スラストプレート１８と共同して、
環状内側圧力バランスチャンバー７８を画成する。従っ
て、ロータの両側は、構成上、略同じであり、バランス
チャンバーは、ロータの圧力バランスを達成することが
できるようにアンダーベーン通路３６により内部接続さ
れている。

【００１７】圧力プレートの供給ポート即ち通路７０
は、外側寄り側部バランスチャンバー７２、アンダーベ
ーン通路３６、及び、例えば同心ランド７４及び７６な
どにより画成されるような内側寄り側部バランスチャン
バーをチャージするため、外側寄りシステム圧力チャン
バー６６から圧力流体を供給するように設計される。ア
ンダーベーン通路３６内の圧力は、カムリングの内部カ
ム表面に対して径方向外側にベーン４０を押しやる径方
向スプリング力を提供する。

【００１８】ロータ２６は、ハウジング１２内に延在し
てスラストプレートを通過する細長い入力シャフト５８
によりその回転軸８０の回りに回転可能に駆動され、ロ
ータ２６の内部キー溝付きハブ８２と駆動可能に適合す
るようにキー形成された、その内側端部を有する。ロー
タは、シャフト５８のターミナル端部において端部溝内
に適合されたスナップ式リング８４により、入力シャフ
ト上に軸方向に保持される。

【００１９】システム圧力により（ポンプが作動してい
るとき）援助される端部キャップ１６は、図１に示され
た作動的に当接された関係で、圧力プレート２２、カム
リング２０及びスラストプレート１８を保持する。ロー
タの両側にある内側ランド７４及び外側ランド７６は、
反対側側面及び圧力バランスチャンバー７２、７８を形
成するため、圧力プレート及びスラストプレートの平坦
な内側面と共同する摺動面シールとして機能し、これら
のポンプ構成部品間の内部にある流体の密封を改善す
る。

【００２０】入力シャフト５８は、ベルト又は他の駆動
手段により車両エンジンにより駆動されるとき、隣接す
るベーン４０の間のチャンバー４６は、それらがチャン
バー１４から圧力プレート及びスラストプレートの軸方
向に整列された入口ポート６０、５０を通して流体を吸
引するとき、膨張する。ベーンチャンバー４６は、圧力
プレート及びスラストプレートの軸方向に整列されたと
出ポート５２及び６２内に流体を吐出するとき、縮小す
る。アンダーベーンが、本発明の構成に従って、効果的
に分離され、チャージされる一方で、ポンプは、液圧流
体を吐出チャンバー５３内に効果的にポンプ出力し、チ
ャンバー８５内に作動的に取り付けられた圧力調整バル
ブ８１を通して、パワーステアリングギア８３又は他の
付属物にポンプ出力する。往復するベーン下部の変動す
る流体体積は、アンダーベーン通路がポンプ作動の間に
圧力オイルが一杯の状態を維持するように、ポンプ作動
の間にベーン位置に従って変換される。

【００２１】図８は、ロータ２６の代わりに使用するこ
とができる別の好ましい液圧バランスされたロータ１１
０を示している。ロータ１００は、内側環状ランド１０
２と、平面図において略蛇行形成された外側ランド１０
４と、を有する。これらのランドは、各々のベーンスロ
ット１１０の端部でアンダーベーン１０８に接続された
側部圧力バランスポケット１０６を画成する。ロータの
反対側は、図示された側と同じ構成であり、等しいバラ
ンスポケットがアンダーベーンに接続されたロータの両
側に形成されるようになっている。

【００２２】以上により、本発明は、アンダーベーンス
ロット、通路及びそれらの内部接続といった従来技術の
構成の複雑さ無しに、並びに、粉末金属成形ツール及び
連係された成形ツールから圧力プレート及びスラストプ
レートのポンプ構成部品を作る必要性無しに、アンダー
ベーンの回送制御及び加圧を改善する。その上、例えば
スラストプレート及び圧力プレートなどの本発明のポン
プ構成部品は、より経済的な鋳造及び打ち抜き成型設備
から作ることができる。

【００２３】本発明の好ましい幾つかの実施形態が説明
され、図示されたが、請求の範囲で画成される、他の実
施形態も当業者には明らかであろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、パワーステアリングポンプの断面図で
ある。

【図２】図２は、図１の内部にベーンが構成されたポン
プアセンブリの斜視図である。

【図３】図３は、図１のサイトライン３−３に概略沿っ
て取られた側面図である。

【図４】図４は、図１及び２のロータの斜視図である。

【図５】図５は、図１乃至４における、圧力プレート、
ロータ、連係するベーンの内部側面図である。

【図６】図６は、図１のサイトライン６−６に沿って概
略取られた、圧力プレート及びスラストプレートの内部
側面図である。

【図７】図７は、図１のサイトライン７−７に沿って概
略取られた、圧力プレート及びスラストプレートの内部
側面図である。

【図８】図８は、本発明の別の液圧バランスロータの側
面図である。

【符号の説明】

１０ 摺動式ベーン液圧ポンプ １２ ハウジング １８ スラストプレート １９ 入口 ２０ カムリング ２２ 圧力プレート ２６ ロータ ３４ ベーンスロット ３６ アンダーベーン流体通路 ３８ 内側端部表面 ４０ ベーン ４４ 内側カム表面 ５０ スラストプレートの入口ポート ５２ スラストプレートの吐出ポート（ポケット） ５３ 出口 ５８ 駆動シャフト ６０ 圧力プレートの入口ポート ６２ 圧力プレートのポート（ポケット） ６６ アンダーベーン圧力チャンバー ６７ 吐出圧力連通孔（第１の通路） ７０ 軸方向延在流体供給通路（第２の通路） ７２ ロータの外側チャンバー（ポケット） ７４ 内側環状ランド ７６ 外側環状ランド

フロントページの続き Ｆターム(参考） 3H040 AA01 AA03 BB11 BB14 DD07 DD08 DD18 DD19 DD20

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 摺動式ベーン液圧ポンプ（１０）であっ
   て、 アンダーベーン圧力チャンバー（６６）を有するハウジ
   ング（１２）と、 前記ハウジング内へと導く入口（１９）に供給された液
   圧流体を、その中に形成された出力部（５３）にポンプ
   出力するため前記ハウジング内に作動的に取り付けられ
   た流体ポンプ作用ロータ（２６）と、 前記ロータに対面する内側カム表面（４４）を有して前
   記ハウジング内に固定されたカムリング（２０）と、 を含み、 前記ロータは、弧に沿って間隔を隔てられ且つ径方向に
   延在する複数のベーンスロット（３４）を該ロータ内に
   有し、各々の該スロット内に作動的に取り付けられ且つ
   前記内側カム表面と摺動しながら接触するための外側先
   端部を有する摺動ベーン（４０）を備え、該ベーンは、
   該ベーンの先端部の該カム表面との作動的係合を実行す
   るため該ベーン上に径方向外側の力を発揮する液圧流体
   で加圧されるようになったアンダーベーン流体通路（３
   ６）を画成するため前記スロットと共同する内側端部表
   面（３８）を有し、 側面方向に間隔を隔てられた、圧力プレート（２２）及
   びスラストプレート（１８）を更に含み、該圧力プレー
   ト（２２）及びスラストプレート（１８）は、前記ロー
   タの両側部に隣接して前記ハウジング内の径方向に固定
   された位置に作動的に各々取り付けられ、前記ハウジン
   グと共同して、前記アンダーベーンの流体通路により内
   部接続された前記ロータのための圧力バランス側部ポケ
   ット（６２、５２）を画成し、前記プレートの各々は、
   前記ロータのベーンに流体を供給するための少なくとも
   １つの吸引スロットと、該吸引スロットに関して下流側
   に回転可能に形成された少なくとも１つの吐出スロット
   と、を有し、前記圧力プレートは、該圧力プレート内の
   前記吐出スロットから前記アンダーベーン圧力チャンバ
   ー（６６）へと連通する、該圧力プレートの外側寄りに
   設けられた第１の通路（６７）と、前記アンダーベーン
   通路の全ての同時的加圧のため、前記アンダーベーン圧
   力チャンバーから前記ロータの前記側部ポケット（７
   ２、７８）内に流体を供給するように前記第１の通路の
   径方向内側に設けられた第２の通路（７０）と、を有す
   る、摺動式ベーン液圧ポンプ（１０）。
2. 【請求項２】 液圧ポンプであって、 アンダーベーン圧力チャンバーをその内部に有するハウ
   ジング（１２）と、 前記ハウジング内で回転するため作動的に取り付けられ
   たロータ（２６）と、 前記ロータを取り囲んで前記ハウジング内に固定された
   カムリング（２０）と、 を含み、 前記カムリングは、前記ロータに対面する内側カム表面
   （４４）を有し、 前記ロータは、略円柱ボディを有し、該略円柱ボディ
   は、 側部ポケット（７２）と、 弧に沿って間隔を隔てられ且つ径方向に延在するベーン
   スロット（３４）と、前記カム表面と接触するため各々
   の前記スロット内に作動的に取り付けられたベーンと、
   が形成され、 前記ベーンは、更に前記スロットと共同して前記ポケッ
   トに接続されたアンダーベーン流体通路（３６）を画成
   し、該アンダーベーン流体通路は、液圧流体で加圧され
   るとき、前記ポンプの液圧充填を実行するように前記ベ
   ーン上に径方向外側の力を作用し、 側面方向に間隔を隔てられた、圧力プレート（２２）及
   びスラストプレート（１８）が、前記ロータの両側に隣
   接して前記ハウジング内の径方向に固定された位置に作
   動的に取り付けられ、 前記プレートの各々は、前記ロータの前記ベーン内に流
   体を供給するための少なくとも１つの流体吸引スロット
   （６０、５０）と、前記ロータの前記ベーンから流体を
   受け入れるため該吸引スロットに関して下流側に形成さ
   れた少なくとも１つの流体吐出スロット（６２、５２）
   と、を有し、 前記圧力プレートの前記吐出スロットから前記アンダー
   ベーン圧力チャンバー（６６）に連通する通路（６７）
   と、 前記ベーンと前記内側カム表面との作動的係合を実行す
   るように前記アンダーベーン通路（３６）の全てに実質
   的に同時に流体を供給するため、前記アンダーベーン圧
   力チャンバーから前記ロータの前記側部ポケット（７
   ２）に流体を供給するべく前記第１の通路の径方向内側
   に前記圧力プレート内に設けられた第２の通路（７０）
   と、 を更に含む、液圧ポンプ。
3. 【請求項３】 前記ロータの前記側部ポケットは、前記
   アンダーベーン通路（３６）の径方向内側及び外側に各
   々配置された径方向に間隔を隔てられたランド（７４、
   ７２）により画成される、請求項２に記載のポンプ。
4. 【請求項４】 自己充填式に圧力バランスされる摺動式
   ベーン液圧ポンプであって、 ハウジングと、 前記ハウジング内で回転するように作動的に取り付けら
   れたロータ（２６）であって、該ロータは、円形外側周
   辺部を備えた略円柱ボディと、該ロータの周辺部を通っ
   てスポーク状に延在する複数のベーンスロット（３４）
   と、を有する、前記ロータと、 前記ロータを回転可能に駆動するため前記ハウジング内
   に延在する駆動シャフト（５８）と、 前記ハウジング内に固定され且つ前記ロータの回りに配
   置されたカムリング（２０）であって、該カムリング
   （２０）は、該ロータの周辺部に対面するエンドレスの
   環状内側カム表面（４４）を有する、前記カムリング
   と、 前記カム表面により作動的に係合されるようになった、
   前記スロットの各々に作動的に取り付けられたベーン
   （４０）と、 液圧圧力オイルの流れを通して収容するため前記ベーン
   のスロットの各々の下側範囲により画成されたアンダー
   ベーン圧力通路（３６）と、 前記ロータの一方の側部に隣接して前記ハウジング内に
   固定されたスラストプレート（１８）と、 前記ロータの他方の側部に隣接した圧力プレート（２
   ２）と、 前記ハウジング内に形成され且つ前記圧力プレートの外
   側側部に隣接したアンダーベーンチャージチャンバー
   （６６）と、 を含み、 前記圧力チャンバー及びスラストプレートは、流体を前
   記ロータのポンプ作用チャンバーに吸引するための液圧
   流体吸引ポート（５０、６０）と、前記ロータの前記ポ
   ンプ作用チャンバーからポンプ出力された流体を受け入
   れるための吐出ポート（５２、６２）と、を有し、 前記圧力プレートは、該圧力プレートを通って前記アン
   ダーベーンチャージチャンバー（６６）に連通する第１
   の直線貫通路（６７）と、該アンダーベーンチャージチ
   ャンバーから前記アンダーベーン圧力通路に連通する第
   ２の貫通路（７０）と、を有し、それにより、アンダー
   ベーン圧力通路の全てが圧力流体でチャージされ、前記
   ベーンを外側方向に押しやって前記カム表面との係合を
   もたらす、摺動式ベーン液圧ポンプ。
5. 【請求項５】 前記第２の通路（７０）は、前記アンダ
   ーベーンチャージチャンバーから前記アンダーベーン圧
   力通路に亘って、ほぼ一定の直径を有する、請求項４に
   記載のポンプ。