JPH0579644A - 脱臭触媒加熱装置 - Google Patents

脱臭触媒加熱装置

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JPH0579644A
JPH0579644A JP3236280A JP23628091A JPH0579644A JP H0579644 A JPH0579644 A JP H0579644A JP 3236280 A JP3236280 A JP 3236280A JP 23628091 A JP23628091 A JP 23628091A JP H0579644 A JPH0579644 A JP H0579644A
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JP
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catalyst
temperature
deodorizing
carrier
amount
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JP3236280A
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English (en)
Inventor
Toru Kubota
亨 久保田
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、脱臭触媒に被処理ガスが通風され
たときに生じるその温度低下を抑えて脱臭性能の低下を
極めて小さくすることを目的とする。 【構成】 被処理ガスが通風可能な多孔体からなる担体
に脱臭触媒15を担持し、この担体への電力供給量を脱
臭触媒15への通風量に応じて制御する制御手段を有す
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば家庭用オーブン
グリルレンジの調理のときに発生する臭気等を分解脱臭
する脱臭触媒を加熱する脱臭触媒加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、オーブングリルレンジ等では、
調理時に脱臭や煙が発生する。最近の住宅は、密閉性が
良く、このような調理中に発生する臭気や煙は、使用者
に不快感を与えるだけでなく、部屋の壁や家具に臭気が
こびりついてしまうということがあった。この臭気を除
去する方法として、オーブングリルレンジの送気ファン
で臭気を強制的に排気ダクトから送り出して、庫内に新
鮮な空気を取り込み、庫内の臭気を除去するようにした
方法がある。臭気は、排気ダクト中におかれた加熱され
た脱臭触媒により酸化分解され、無臭化された臭気が外
部に放出されるようになっている。
【0003】図19及び図20は、このような従来のオ
ーブングリルレンジにおける排気ダクト中への触媒及び
ヒータの取付け構造を示している。即ち断面コの字型に
曲げられた金属板からなる排気ダクト43がオーブン内
箱41の外壁部に、図19の左側から押し当てるように
して固定されている。排気ダクト43の中には、厚さ1
0mmのコージライトハニカム上に活性アルミナ粉末を
ウォッシュコートし、この上にPt(白金)を添着した
触媒45が、排気ダクト43の一部を切欠いて作った固
定爪46で位置ぎめして固定されている。また、触媒4
5の上流側には、ヒータ44が排気ダクト43の上部か
ら下部へ貫いて固定され、触媒45を加熱するようにな
っている。このようにして、触媒45及びヒータ44
は、オーブン内箱41の丁度背面部分に当る位置に設置
されている。排風口42から出た臭気を含む空気は排気
ダクト43を通りヒータ44で加熱された触媒45に導
かれて酸化分解されるようになっている。臭気源は庫内
に置かれた調理加熱中の調理物や内壁に付着した油や肉
汁から発生するガスやミスト成分であるが、新鮮な空気
を送り込むことにより、指数的にその臭気濃度は減少し
てゆく。
【0004】上述のように、脱臭触媒は、白金やパラシ
ウムなどの貴金属触媒などを、セラミックスハニカムや
シリカペーパーコルゲートに担持させたものや、金属の
フォームに担持させたものが用いられている。
【0005】工業的に用いられる触媒では、その加熱は
被処理空気がその反応温度まで加熱されているため、と
くに触媒を反応温度まで加熱する必要はないが、家庭用
電化製品では、通常、使用前には触媒は室温に保持され
ており、このままでは反応しない。このため、使用開始
直後から別ヒータによって加熱することが必要となって
いる。しかし、通常、家電製品の使用時間は、長くても
数時間であり、使用時間の短いオーブングリルレンジで
は数10分という場合が多い。そのためオーブングリル
レンジのように使用時間の短い家電商品に付けた脱臭触
媒では、使用直後から加熱を開始しても一般には、反応
に必要な温度に達する迄に10数分を必要とし、使用直
後は脱臭機能が劣るという欠点があった。
【0006】通常このような触媒の加熱には、電気ヒー
タ、例えば、シーズヒータやセラミックス管ヒータが用
いられるが、触媒の加熱は、このヒータからの伝導と輻
射によって行われる。伝導の場合には、ヒータと触媒を
接触させ、その間で熱が伝わるため、熱効率は比較的良
いが、触媒がヒータの接触部分で高温度になり、温度ム
ラができ易い。この高温度になったところでは、触媒の
熱による劣化が起り易い。またヒータからの距離の大き
い温度の低いところでは、臭気ガスが十分に分解できな
くなり、全体として脱臭効率が悪くなり、しかも比較的
高分子の物質が付着するとタール状の物質が触媒表面を
覆ってしまい触媒反応を阻害するが、温度が低いために
このタール状物質を焼き切ることができず、触媒の寿命
を短くする原因となっていた。また輻射で加熱を行う場
合には、ヒータと触媒は、ある一定距離をおいて加熱す
るようになるが、温度の均一性は向上するものの、輻射
エネルギーが分散して加熱効率は極めて悪くなる。
【0007】ところで、上述のように使用直後は、触媒
の温度が低いため、通風量を抑える必要があるが、触媒
が活性化温度に達しても、通風が開始されたり、通風量
が増加すると、一般に、触媒より温度の低い臭気を含む
ガスが通風されるため、直ぐに触媒の温度が低下し、こ
のため脱臭性能が低下してしまう。しかし従来のような
別ヒータによる加熱方法では、温度が低下しても、以上
のように伝熱性が悪いため、直ぐには触媒の温度を立ち
上げることはできなかった。
【0008】これを防ぐ方法としては、加熱用ヒータの
ワット数を上げることが考えられるが、余りワット数を
上げると、家電製品本体全体の消費電力が決まっている
以上、加熱調理に必要な、電力を削って触媒を加熱する
ことになり、本来の調理機能にも悪影響を与える結果と
なる。またヒータのワット密度を上げるにも限界があ
り、容量以上に上げると、ヒータの寿命にも影響を与え
る結果となる。
【0009】また別の方法としては、触媒を活性化温度
より十分に高く加熱し、多少温度の低い被処理空気が通
風されることによって温度低下があっても活性化温度以
下にならないようにする方法がある。しかし、この方法
では触媒の加熱に時間がかかり、脱臭機能が発揮するの
に時間がかかるという欠点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】オーブングリルレンジ
のように、排気ダクト中に脱臭触媒を設置し、調理中の
臭気を除去するシステムが付いている機種では、一般に
触媒を調理開始直後から加熱して、反応可能温度に維持
する必要がある。このため、使用開始と同時にこの触媒
に付随したヒータによって加熱する必要がある。このた
め使用開始後暫くは脱臭性能が劣るため、通風量を落と
すか、もしくは停止させる必要があったが、触媒が活性
化温度に達したあとでも、通風を開始すると、触媒を通
過する空気の温度が触媒の活性化温度より低い場合に
は、一時的に活性化温度以上に達した触媒も通風開始直
後は触媒の温度が低くなり、脱臭性能が低下する欠点が
あった。
【0011】これを避けるために、加熱用ヒータのワッ
ト数を上げるとヒータの寿命に影響し、また触媒に通風
を開始するときの触媒の温度を触媒の活性化温度より十
分すぎるほど上げておく方法は、脱臭機能の働く時間を
極めて短くするという欠点があり、使用者に不利な点を
与えていた。
【0012】そこで本発明は、使用開始後、脱臭触媒に
温度の低い被処理ガスが通風されたときに生じる脱臭触
媒の温度低下による脱臭性能の低下を極めて小さくする
ことができる脱臭触媒加熱装置を提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、導電性を有するセラミックを含む材料で作
製され被処理ガスが通風可能な多孔体からなる担体に脱
臭触媒を担持し、該担体に電力を供給することにより前
記脱臭触媒を加熱する脱臭触媒加熱装置であって、前記
担体への電力供給量を前記脱臭触媒への通風量に応じて
制御する制御手段を有してなることを要旨とする。
【0014】
【作用】上記構成において、触媒担体に直接電力を投入
することにより、触媒担体自体が発熱して脱臭触媒が反
応温度に高められる。投入したエネルギーの全てが脱臭
触媒の加熱に使用されるため、脱臭触媒の加熱効率が上
り、小電力で、均一且つ迅速に脱臭触媒を加熱すること
が可能となる。脱臭触媒への被処理ガスの通風が始まっ
て、脱臭触媒の温度に一時的に低下傾向が生じたとき、
触媒担体への電力供給量がその通風量に応じて増加さ
れ、脱臭触媒の温度低下が防止されて脱臭性能の低下が
極めて小さく抑えられる。触媒担体に直接通電して加熱
するため、脱臭触媒の温度低下の時間は極めて短くな
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】この実施例は、オーブングリルレンジに適
用されている。
【0017】図1ないし図16は、本発明の第1実施例
を示す図である。
【0018】まず、図1及び図2を用いて、オーブング
リルレンジから説明する。これらの図において、1は本
体キャビネット、2は調理室を構成するオーブン内箱、
3は調理室の扉、4はガラスバリア、5は取手である。
調理室の背面側の部分には、オーブン機能のときに調理
室内(庫内)の空気を熱風循環させるシロッコファン
6、シロッコファン駆動用のモータ7及びグリルヒータ
8が配設されている。9は排気路となる排気ダクトであ
り、この中に脱臭装置10が組込まれている。庫内の空
気は、排風口11から排気ダクト9に取込まれ、脱臭装
置10に導かれるようになっている。12は被調理物、
13は送気ファンであり、吸気ダクト14から庫内に空
気を送風するようになっている。また、送気ファン13
は吸気ダクト14の入口にある図示省略のマグネトロン
を冷却する機能ももっている。排風口11はマイクロ波
を外部に漏らさない程度のメッシュの金網、もしくはパ
ンチングメタルからできている。24は庫内空気の温度
を測定するためのサーミスタである。
【0019】図3は、排気ダクト9内に組込まれた脱臭
装置10を拡大して示している。脱臭触媒(以下、単に
触媒という)15は、炭化珪素を80wt%、酸化珪素
10%、酸化アルミニウム10%からなる導電性セラミ
ックの押出し成型で作製されたハニカムの上に、活性ア
ルミナのウォッシュコートを施して担体を形成し、この
上に白金を1g/lで添着させることにより構成されて
いる。排気ダクト9には、1対の電力導入端子16を取
るための切欠き孔17がそれぞれ穿設されている。各電
力導入端子16は、触媒15の左右の縁にある1対の電
力導入板18にそれぞれ固定されている。各1対の電力
導入端子16及び電力導入板18により、担体を自己発
熱させるための電力導入手段が構成されている。19は
触媒15と排気ダクト9との電気絶縁性を保ち、且つ被
処理ガスが担体に接触するのを防止する被覆体としての
電気絶縁性のあるセラミック製の碍子である。20は固
定爪である。
【0020】図4と図5は、この触媒部分の縦と横の要
部部分断面を示している。電力導入板18はL型になっ
ていて触媒15の左右の縁に沿うように担体と電気的接
触をもって支持されている。
【0021】図6は、脱臭装置の組立て図を示してい
る。碍子19は2分割され、触媒15を挟むような構造
になっている。碍子19で覆われた担体部分には触媒は
添着されていない。21は電線及び2分割の碍子19を
固定するための座金であり、22は固定ナットである。
23は電力導入端子16を通すための半円形の溝であ
る。25は触媒15の温度を測定するための熱電対であ
り、その周囲は電気絶縁性の鞘で覆われている。
【0022】図7には、触媒15の特性として、アセト
アルデヒドの温度による分解効率を示す。横軸は温度、
縦軸は分解効率である。アセトアルデヒドは10ppm
でSV(空間速度、処理風量/触媒体積)=60000
-1である。これを見るとこの触媒は、150℃位から
反応が活発になり、十分反応させるためには、230℃
以上の温度に維持する必要があることが分る。
【0023】図8には、オーブングリル機能の場合につ
いての触媒加熱方法の各ヒータへの通電量や、通風量そ
して触媒の温度、触媒を通過する空気の温度制御方法を
示す。
【0024】まず庫内空気温度は、オーブン庫内につけ
られたサーミスタ24によって測温され、マイコンのグ
リルヒータ通電量制御部26によって、庫内温度が25
0℃になったらグリルヒータ8がON/OFF制御され
るようになっている。これは従来のオーブングリルレン
ジでも同じである。本実施例では、この他に触媒15に
取付けられた熱電対25によって、触媒温度が測定さ
れ、この温度が250℃以上になると送気ファン13が
駆動される。そして送気ファン13が動き出したことが
検知されると、そのときの庫内空気温度と、その空気送
風量、即ちファン回転数に応じて、制御手段としてのマ
イコンの触媒加熱通電量制御部27によって触媒担体へ
の通電率が制御され、触媒担体への電力供給量が制御さ
れるようになっている。
【0025】次に、本実施例の作用を、前記図19,2
0に示した比較例としての従来例の作用と対比して説明
する。
【0026】図9には、触媒15への通風量を一定(2
0l/min)にし触媒担体への通電量を150Wにしたと
きの、触媒中央の温度の時間変化を示す。これによる
と、比較例では、前述のように200℃に達するのに1
0分間要しているのに対し、本実施例では3分程で達し
ていることが分る。これは投入電力が触媒の加熱のみに
消費され、このため効率よく加熱できるためである。こ
のことによって十分な脱臭機能を出すのに必要な時間は
従来の1/3になった。
【0027】次いで、図10ないし図15に、実際のオ
ーブングリルレンジでの通風状態での触媒の温度変化を
示す。
【0028】まず、図10の(a),(b),(c)及
び図11の(a),(b)は、比較例における触媒加熱
方法の各ヒータへの通電量、通風量そして触媒の温度、
触媒を通過する空気の温度を示している。
【0029】まず使用開始と同時に触媒加熱ヒータに1
70Wの電力と、グリル調理用のオーブン庫内の天井部
分につけられた平面状のマイカヒータに1200Wの電
力が通電される。これにより庫内の空気の温度と、触媒
の温度が上がる。庫内の空気の温度は、庫内にとりつけ
られたサーミスタによって測定される。サーミスタで庫
内の空気の温度が200℃であると検知すると、触媒ヒ
ータへの通電量をON/OFF制御するようになってい
る(図10(a))。これは、触媒の加熱を防止するた
めである。しかし、これと同時に送気ファンによる触媒
への通風が開始される(図10(b))。このときの庫
内の空気の温度は、まだ触媒の活性化温度より低い17
0℃であり、このため実際の触媒の温度は、通風と共に
180℃近くまで下り、脱臭性能は低下してしまう(図
11(a))。その後庫内の空気が暖まるにしたがっ
て、この空気からの熱量と、定時的にマイコンによって
ON/OFF制御されている触媒加熱用ヒータ44によ
って触媒温度は上ってゆくが、活性化温度である230
℃に達するには、15分程度かかってしまう。
【0030】図12の(a),(b),(c)及び図1
3の(a),(b)には、他の比較例(これを比較例2
とし、上記図10、図11の場合を比較例1とする)に
おける触媒加熱方法の各ヒータへの通電量、通風量そし
て触媒の温度、触媒を通過する空気の温度を示す。比較
例2は、オーブンレンジの構造は、比較例1と同じであ
るが、送気ファンの起動と同時に触媒加熱用ヒータ44
への通電の比率を上げて、触媒の温度低下を少なくしよ
うとしたものである。この場合の触媒の温度の変化を見
ると(図13(a))、比較例1よりも送気ファンの起
動による温度低下が少ないが、触媒加熱用ヒータ44か
らの伝導と輻射によって触媒を加熱するため、触媒加熱
用ヒータ44への通電電力を大きくしても、触媒温度の
立上りがまだ不足しており、脱臭性能の低下が起ってい
ることが分る。
【0031】図14の(a),(b),(c)及び図1
5の(a),(b)には、本実施例における触媒加熱方
法の各ヒータへの通電量、通風量そして触媒の温度、触
媒を通過する空気の温度変化を示す。
【0032】使用開始と同時に触媒担体に170Wの電
力と、グリルヒータ8に1200Wの電力が通電され
る。これによって、庫内の空気の温度と、触媒15の温
度が上る。庫内の空気の温度は、庫内にとりつけられた
サーミスタ24によって測定される。触媒15の温度
は、電力投入量が同じ170Wではあるが、図9に示し
た通り触媒加熱用に投入された電力が全て触媒加熱に使
われるため、極めて短時間に昇温していることが分る
(図15(a))。そこで触媒15に取付けられた熱電
対25による感熱体で測定した触媒15の温度が200
℃になったところで触媒15の過熱を防ぐため触媒15
への通電量を50Wに落す(図14(a))。さらに2
30℃になったところで触媒15への通風を開始する
(図14(b))。このときの庫内の空気の温度は、ま
だ120℃にしか達していないため、従来の触媒加熱方
法では、著しい触媒の温度低下が見込まれるはずであ
る。しかしこのときの送気ファン13による通風が開始
されると同時に、再び触媒担体への通電量を170Wに
上げることで、触媒15の温度低下は、ほとんど無いこ
とが分る。そのあと12分後に庫内の空気が250℃に
達すると、庫内のグリルヒータ8もON/OFF通電さ
れるが、触媒15を通過する空気も十分に暖まっている
ため、触媒15に取付けられた熱電対25の測定温度に
よって、通電量を50Wに下げれば触媒15は活性化温
度に十分に維持することができる。
【0033】この結果、この触媒加熱方法では触媒15
の脱臭効果は、触媒15に通風が開始された4分後から
発揮され、途中の触媒15の温度低下がないため、十分
な脱臭効果を引出すことができる。
【0034】これを実際に、一定濃度のアセトアルデヒ
ドガスが触媒15に通風されたときの分解効率の変化を
示したものが図16である。
【0035】これによると、同図(a)に示す比較例1
では、触媒の温度の上昇とともに脱臭効率は良くなって
いるが、7.5分後に送気ファンが稼働すると、庫内空
気がまだ十分に暖まっていないため、温度の低い空気が
通風されて触媒の温度が下がるため、脱臭効率は非常に
悪くなる。また通風量の増加による触媒へのSV値が上
がるため、これによる脱臭効果の低減も起っているもの
と考えられる。
【0036】これに対して、同図(b)に示す本実施例
では、急速に脱臭効率が上昇し、4分後に送気ファンが
稼働したときにも、通風量の増加による触媒15へのS
V値が上ることによる脱臭効果の低減が若干見られるも
のの、非常に良い脱臭性能を維持していることが分る。
【0037】次に図17には、本発明の第2実施例を示
す。上記第1実施例では、担体として、炭化珪素をwt
%、酸化珪素10%、酸化アルミニウム10%からなる
導電性セラミックの押出し成型で作製されたハニカムを
用いたが、触媒全体に均一に電流が流れればよく、図1
7に示すように、電気絶縁性のある通常の触媒担体28
の表面に、ウォッシュコートと同様にスラリー状の電気
伝導性のあるセラミックスリップにデッピングやスプレ
ーや流し込みによってコーティング層29を設けた担体
を用いても構わない。この場合、触媒成分は、この電気
伝導性の良いコーティングに担持させてもよく、図17
のようにさらにこの上に活性アルミナのウォッシュコー
トを施し、ここに白金のような触媒層30を担持させて
も構わない。この場合には、低コストの通常のハニカム
を使用することができ、ハニカム成型時の型摩耗を抑制
することができる。これは一般に炭化珪素のようなセラ
ミックは通常のコーディライトやムライトと異なり型摩
耗が激しいという理由による。
【0038】また前記第1実施例では、セラミックの押
出し成型ハニカムを用いたが、ペーパー状のセラミック
体をコルゲーターに掛けてできるコルゲートハニカムを
用いても構わない。即ち電気的に連続して電流の流れる
構造体で、通風性を有するものなら構わない。
【0039】その他の実施例として、触媒担体は、有機
性のフォームを導電性のセラミックスのスラリー中に入
れ加熱によって有機性のフォームを熱分解した後に残る
セラミック性のフォームから作っても構わない。この場
合にはハニカムと異なり、ランダムなフォーム上である
ため、ガスとの接触効率が高くなることから薄型化がで
き、また小ロット生産の場合には、コスト的に有利であ
るというメリットがある。しかし、このフォーム状のま
までは、周辺部分と電力導入板との接触が点接触にな
り、電気接点としての信頼性が悪いので、図18の第3
実施例に示すように、このフォーム状の触媒の担体31
の周辺部分には、電気伝導性を有する一様なスキン層3
2を付けることが必要である。
【0040】また本実施例では、被調理物12による温
度が違っても、触媒15の温度を熱電対25もしくはサ
ーミスタで測定して温度制御すればよいが、被調理物1
2がほぼ一定し、温度変化が庫内に取付けられたサーミ
スタ24によってのみ、判断できるのであれば、とくに
触媒15に熱電対をつけなくても送気ファン13の回転
ともに触媒通電量を経験的に増加させてもよい。
【0041】また上述の実施例では、感熱体としてサー
ミスタと熱電対を用いたが、これは、電気的に温度情報
を得ることができる手段であれば何でもよい。
【0042】またグリルヒータ8への通電量は、通電電
圧を変えることで変化させたが、トライアックやリレー
によって通電のON/OFF切換えの時間分割により、
時間を制御することで実質的に通電電力量を制御しても
よい。例えば、グリルヒータ8は1200W使用のもの
を取り付け、100%の加熱をするときには、1sON
/7sOFFとして、実質の電力値を150Wとし、出
力を低減するときには、1sON/20sOFFにして
も構わない。
【0043】また上述の実施例では、送気ファンの風量
は、OFFかもしくは、30l/min であるが、この風
量を、送気ファンを起動したときの触媒温度の低下の程
度をみて、逆に制御してもよい。このようにすれば、非
常に低温度で大量の被調理物が入ったときに、送気ファ
ンの起動とともに触媒温度が非常に大きく変化して、ヒ
ータの通電電力を大きく上げても、触媒の温度が低下す
るような場合には、一時的に送気ファンの風量を低下さ
せればよい。
【0044】また上述の実施例では、送気ファンの起動
と同時に触媒担体への通電量を上げたが、触媒の温度が
低下しないようにすれば、全く同時に変化させる必要は
なく、むしろ送気ファンが起動する数分前に触媒担体へ
の通電電力を上げたほうが触媒の温度低下がなく良好な
脱臭性能が期待できる。これはとくに触媒の体積、即ち
重量が大きく、このため熱容量が大きい場合には、通電
を開始しても温度の立ち上りが悪くなるのでより有効な
方法である。また逆に触媒の熱容量が小さい場合には、
送気ファンが起動する前に通電量を上げることは、触媒
が加熱されることになるため、好ましくないので、送気
ファンが起動してから数分後に触媒担体への通電電力を
上げればよい。
【0045】またオーブングリルレンジでは、調理終了
後、庫内の壁面を冷却するため、調理終了後送気ファン
の回転数を上げて、庫内を冷却することがある。この時
には、庫内に残留している臭気が、庫外に高い風量で排
気されるので従来のオーブングリルレンジでは、大きな
臭気の発散源になっていた。しかし、調理終了後、送気
ファンの回転数が上がると同時に、触媒担体への通電量
を上げればこの心配はなくなり、調理終了後の臭気のリ
ークは、非常に少なくなる。また調理終了後に触媒の温
度を上げることは、触媒に付着した油やタール分を焼き
切ることになり、触媒の寿命を維持するのにも好都合で
ある。上述の実施例では、触媒は直接通電可能な触媒担
体を使って、自己発熱する触媒を用いているため、この
ような送気ファンの回転と同時に触媒の温度を素早く上
げることができるのでこの加熱制御方法は有効である。
【0046】なお、上述の各実施例では、オーブングリ
ルレンジに適用した脱臭触媒加熱装置について述べた
が、臭気を含む被処理ガスが流通する空間における全て
の脱臭触媒についての加熱装置に適用することができ
る。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
被処理ガスが通風可能な多孔体からなる担体に脱臭触媒
を担持し、この担体への電力供給量を脱臭触媒への被処
理ガスの通風量に応じて制御するようにしたため、使用
開始後、脱臭触媒に温度の低い被処理ガスが通風された
ときに生じる脱臭触媒の温度低下による脱臭性能の低下
を極めて小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る脱臭触媒加熱装置の実施例が適用
されるオーブングリルレンジを示す斜視図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】本発明の第1実施例における脱臭触媒取付け構
造を示す斜視図である。
【図4】図3のX−X線部分断面図である。
【図5】図3のY−Y線部分断面図である。
【図6】図3の分解斜視図である。
【図7】第1実施例で用いた白金系の触媒のアセトアル
デヒドの分解性能を示す図である。
【図8】第1実施例において触媒担体等への通電量、通
風量、温度の制御方法を示すブロックダイヤグラムであ
る。
【図9】第1実施例における触媒中央での温度の時間変
化を比較例とともに示す図である。
【図10】比較例1における触媒ヒータへの通電量、触
媒に対する通風量、触媒を通過する空気の温度変化を示
す図である。
【図11】比較例1における触媒の温度、グリルヒータ
への通電量の変化を示す図である。
【図12】比較例2における触媒ヒータへの通電量、触
媒に対する通風量、触媒を通過する空気の温度変化を示
す図である。
【図13】比較例2における触媒の温度、グリルヒータ
への通電量の変化を示す図である。
【図14】第1実施例における触媒担体への通電量、触
媒に対する通風量、触媒を通過する空気の温度変化を示
す図である。
【図15】第1実施例における触媒の温度、グリルヒー
タへの通電量の変化を示す図である。
【図16】第1実施例の脱臭性能を比較例とともに示す
図である。
【図17】本発明の第2実施例における触媒部分の断面
構造を示す図である。
【図18】本発明の第3実施例における触媒部分の構造
を示す図である。
【図19】従来の脱臭装置の排気ダクトへの取付け構造
を示す図である。
【図20】図19の従来例の拡大斜視図である。
【符号の説明】
15 脱臭触媒 24 庫内空気温度測定用のサーミスタ 25 触媒温度測定用の熱電対 27 触媒加熱通電量制御部(制御手段)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性を有するセラミックを含む材料で
    作製され被処理ガスが通風可能な多孔体からなる担体に
    脱臭触媒を担持し、該担体に電力を供給することにより
    前記脱臭触媒を加熱する脱臭触媒加熱装置であって、前
    記担体への電力供給量を前記脱臭触媒への通風量に応じ
    て制御する制御手段を有してなることを特徴とする脱臭
    触媒加熱装置。
JP3236280A 1991-09-17 1991-09-17 脱臭触媒加熱装置 Pending JPH0579644A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006317018A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加熱調理器
JP2011212577A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Ngk Insulators Ltd ハニカム構造体

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JP2006317018A (ja) * 2005-05-10 2006-11-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 加熱調理器
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