JP3024477B2 - 温風脱臭装置 - Google Patents

温風脱臭装置

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JP3024477B2
JP3024477B2 JP6031290A JP3129094A JP3024477B2 JP 3024477 B2 JP3024477 B2 JP 3024477B2 JP 6031290 A JP6031290 A JP 6031290A JP 3129094 A JP3129094 A JP 3129094A JP 3024477 B2 JP3024477 B2 JP 3024477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、温風発生機能と悪臭の
除去機能とを備えた温風脱臭装置に関するものであり、
特に、夏期等において、温風発生機能を停止せしめた状
態においても悪臭除去装置として使用できる構成に特徴
を有するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より暖房を兼ねた温風脱臭装置とし
て、外壁部に吸気口と排気口を有する筐体内に前記吸気
口より吸気した空気流を前記排気口より排気するように
モータにより回転駆動されるファンを設け、前記吸気口
側に活性炭等の脱臭材料を配置し、かつ、排気口側にハ
ニカム形状の正特性発熱素子(以下PTCヒータと呼
ぶ)を設けたものがある。すなわち、吸気口より吸気さ
れた空気流内に含まれている臭気成分は脱臭材料にて吸
着除去されて無臭化し、その無臭化された空気流をPT
Cヒータにより加熱せしめた後、排気口から温風として
排出するものである。
【0003】しかしながら、活性炭等の脱臭材料のみに
より脱臭をおこなうという物理的吸着方法を採用してい
るので、脱臭材料は一定期間脱臭に使用すると吸着飽和
状態となって吸着能力がなくなり、使用者は脱臭材料の
定期的な取り替えが不可欠であった。又、暖房時間の経
過に伴う空気流の温度上昇や装置内部の熱伝導等により
脱臭材料が加熱されると、それまで吸着していた臭気成
分の脱離が発生し、暖房時には臭気の発生源となってし
まう場合があった。
【0004】その問題点を解決するために、予め定めら
れた温度に加熱されると周囲の空気流の臭気成分を酸化
分解して無臭化することができる触媒被覆材料を発熱体
の周囲に配置し、その触媒被覆材料を発熱体により予め
定められた温度に加熱する構成からなる温風脱臭装置が
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような触媒被覆材料使用の温風脱臭装置には、触媒被覆
材料を予め定められた温度以上に加熱し、かつ、その温
度状態を維持しないと脱臭効果がなくなるものであるの
で、暖房器具を使用する冬期以外の季節には脱臭装置と
して常時使用できないと言う問題があった。
【0006】本発明は、上記従来の問題に鑑み、簡単な
構成で、脱臭材料の取り替えが不要であるとともに、冬
期における暖房時に臭気脱離の発生を生じず、かつ、夏
期においても脱臭装置として使用可能な温風脱臭装置を
提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の温風脱臭装置
は、外壁部に吸気口と排気口とがそれぞれ形成された筐
体の内部空間に、前記吸気口より前記排気口へ空気流を
移動せしめるように前記吸気口側に設けられたモータに
より回転駆動されるファンと、前記空気流の流れに略平
行に配置され、かつ、所定の空間を有して互いに対向す
るように前記ファンと前記排気口との間に設けられた複
数の放熱板と、その放熱板間の前記空間内に設けられた
発熱体とをそれぞれ配置した温風装置において、前記発
熱体の表面に、予め定められた第1の温度に達した際に
は前記発熱体周囲の空気流の臭気成分を酸化分解して無
臭化する触媒被覆層を形成し、かつ、前記放熱板の表面
に、予め定められた第2の温度に達するまでは前記空気
流の臭気成分を吸収し、予め定められた第3の温度に達
した際には前記吸着した臭気と前記放熱板周囲の空気流
の臭気を酸化分解して無臭化する吸着触媒被覆層を形成
するとともに、前記発熱体への通電を停止してファンの
みを回転せしめる第1の期間と、前記発熱体への通電を
開始して前記ファンの回転を停止する第2の期間とが予
め定められた周期により交互に繰り替えされる第1のモ
ードと、前記発熱体への通電をおこないながら前記ファ
ンを回転せしめる第2のモードとを選択的に切り替え可
能としたものである。
【0008】
【作用】本発明の温風脱臭装置は上記のような構成によ
り、温風装置として使用する第2のモード時には、主と
して発熱体の表面に形成された触媒被覆層により空気流
の臭気成分を酸化分解して無臭化し、発熱体の発熱を停
止して脱臭装置として使用する第1モード時には、放熱
板の表面に形成された吸着触媒被覆層により空気流の臭
気成分を吸着して脱臭するとともに、定期的に吸着触媒
被覆層を予め定められた第3の温度に加熱し、吸着触媒
被覆層に吸着された臭気成分を酸化分解して無臭化する
ことができるので、臭気成分を効率よく脱臭することが
でき、かつ、脱臭材料の取り替えを不要にすることがで
きる。
【0009】又、複数の放熱板は空気流の流れに略平行
に配せられ、かつ、所定の空間を有して互いに対向する
ように前記ファンと前記排気口との間に設けられている
ので、放熱板の面に空気流が直交して強く当たる場合に
比べて騒音が生じなくなり、送風の静音化が可能となる
ものである。
【0010】又、ファンと排気口との間に発熱体が設け
られているので、その発熱体の熱放射エネルギーを採暖
空間に効率良く導くことができることとなり、快適な暖
房感を採暖者に与えることができるものである。
【0011】
【実施例】以下、本発明の温風脱臭装置における一実施
例について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1
及び図2において、1は内部空間1aを有した筐体であ
り、その筐体1の後方外壁1b(図1)及び側方外壁1
c(図2)には吸気口1dがそれぞれ形成され、筐体1
の前方外壁1eには排気口1fが形成されている。2は
排気口1fに取り付けられた前面ガードであり、その前
面ガード2には複数の横方向に長い排気孔2aが形成さ
れている。
【0012】3は半径方向より吸気し軸方向へ排気する
ファン4を回転駆動するモータであり、そのモータ3の
回転軸に固定されたファン4が排気口1fに向くよう
に、モータ3は筐体1の後方外壁の裏面に取り付けられ
ている。
【0013】5は断面形状が四辺形の筒状の風路枠であ
り、その風路枠5はファン4の回転によって吸気口1d
から吸気されて排気孔2aに導かれる空気流Aの送風路
をより確実に形成するために、ファン4と排気孔1fと
の間に設けられている。6は複数の放熱板であり、その
放熱板6は、前記送風路を移動する空気流Aの流れを妨
げない及び騒音を発生しないように前記空気流Aの流れ
に略平行に所定の空間を有して互いに対向するように風
路枠5内に設けられている。尚、放熱板6の材料として
は種々の金属板を用いることが可能であるが、熱伝導
性、加工性を考慮してアルミメッキ鋼板、アルミニウム
板等の高伝導材料が望ましい。
【0014】7は発熱体、例えば、発熱源であるニクロ
ム線等の抵抗発熱線9を石英管,ガラス管、セラミック
管等の管状絶縁体10に内蔵している2本の棒状発熱体
であり、各棒状発熱体7はその軸方向を前記空気流Aの
方向に対して略直交し、かつ、2枚の放熱板6間にそれ
ぞれ設けている。8はトライアック、マイクロコンピュ
ータ等の電子部品で構成された制御部であり、その制御
部8は後述する選択された運転モードに従ってモータ3
及び棒状発熱体7への通電制御をおこなうとともに、モ
ータ3あるいは棒状発熱体7の異常加熱等の異常事態を
温度センサー等(図示せず)が検知した際には、モータ
3及び棒状発熱体7への通電を停止する。
【0015】次に、図3及び図4図を用いて、前記放射
板6と棒状発熱体7、並びに、それらの表面にそれぞれ
形成される吸着触媒被覆層11aと触媒被覆層11bの
詳細を説明する。図3において、管状絶縁体10の表面
には触媒被覆層11bが設けられている。そして、棒状
発熱体7を挟んで互いに対向する放熱板6の両面には吸
着触媒被覆層11aがそれぞれ設けられている。
【0016】さらに、放熱板6の棒状発熱体7に隣接す
る部分は、棒状発熱体7の半径方向において、棒状発熱
体7によって不均一に加熱された放熱板6に生じる熱歪
による不均一な変形を防止するために、前記発熱体の半
径方向の距離が略均一になるように形成した溝状の凹部
12が形成されている。
【0017】吸着触媒被覆層11aは、例えば、常温あ
るいは予め定められた第2の温度以下の状態の場合には
空気中の臭気成分を吸着する吸着材料11c、例えば、
ゼオライトと、予め定められた第3の温度以上に加熱さ
れた場合には、臭気成分を酸化分解して無臭化する効果
を得ることができる触媒材料11d、例えば、酸化アル
ミニウム、珪酸、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、二
酸化チタン等の酸化物のうち少なくとも1つの酸化物か
らなる担体に白金族系金属を担持させたものとを混合し
たものである。
【0018】又、棒状発熱体7の触媒被覆層11bは、
放熱板6に設けた吸着触媒被覆層11aの成分の中から
空気中の臭気成分を吸着するゼオライトなどの吸着材料
11cを除去したものであり、予め定められた第1の温
度以上に加熱された場合のみ、空気中の臭気成分を酸化
分解して無臭化するものとなっている。
【0019】尚、その棒状発熱体7の触媒被覆層11b
代わりとして吸着触媒被覆層11aを設けることも考え
たが、冬期等において暖房用として発熱させている棒状
発熱体7は、放熱板6の吸着触媒被覆層11aが位置す
る場所に比べて非常に高温状態となるものであり、吸着
触媒被覆層11aをその高温状態にせしめると、吸着触
媒被覆層11aの吸着材料11cは前記高温状態の期間
中だけ臭気成分の吸着効果を失なってしまう。又、その
吸着材料11cとして使用するゼオライト等は、棒状発
熱体7の加熱により何度も繰り返して前記高温状態に達
し、かつ、その高温状態の温度を高くする程、予め定め
られた第2の温度以下の状態になっても臭気の吸着をお
こなう効果が減少していく傾向を持っているので、最も
高温状態となる棒状発熱体7の表面に吸着触媒被覆層1
1aを設けることは脱臭効率やコストの面から考えると
好ましくないものと言える。
【0020】又、放熱板6の吸着触媒被覆層11a、及
び、棒状発熱体7の触媒被覆層11bを形成する方法と
しては、塗装法、ディップ法、印刷法、転写法が考えら
れるが、スラリーの粘度を調整することによっていずれ
の方法でも可能である。
【0021】図4は棒状発熱体7の軸方向を示す断正面
図であり、抵抗発熱線9の巻きピッチの状態を示してい
る。Lは抵抗発熱線における熱放射部分の全巻き線長を
示すものであり、その全巻き線長Lで示す前記熱放射部
分の外方にある棒状発熱体7の封止端部等は図において
は省略している。
【0022】棒状発熱体7の抵抗発熱線9の巻きピッチ
が一定であった場合、前記発熱体7の軸方向の温度分布
は自然対流及び放熱の関係から、前記熱放射部分の中央
部は高温となり、前記熱放射部分の端部は低温となるた
め、前記中央部と前記端部との間には温度差が大きく生
じることになる。一般に、放射エネルギーは絶対温度の
4乗に比例することから、棒状発熱体7からの熱放射等
により加熱された放熱板6の温度分布はさらに大きな温
度差が生じることになる。すなわち、棒状発熱体7の軸
方向においても、棒状発熱体7の中央部に隣接する放射
板6の中央対向部分と棒状発熱体7の端部に隣接する放
射板6の端部対向部分との間に大きな温度差が発生し、
その温度差による熱歪により放熱板6が不均一に変形す
ることになる。
【0023】その対策として、本実施例においては、図
4に示すように、全巻き線長Lで示す前記熱放射部分の
センターから両側にそれぞれ長さ約1/4L離れた部分
を中心にして巻きピッチを小さくして発熱密度を分散さ
せている。その構成により棒状発熱体7の軸方向の温度
分布が均一化できて放射板6の前記中央対向部分と前記
端部対向部分における温度差が小さくなるので、棒状発
熱体7の軸方向における熱歪による放熱板6の不均一な
変形を防止することができる。その結果、放熱板6の吸
着触媒被覆層11aは、放熱板6の変形による損傷を受
け難くなっている。
【0024】又、前記の棒状発熱体7の発熱密度を変化
させること以外の他の異なる対策としては、上述した棒
状発熱体7の大きさの変化に応じて凹部12の形状を変
化せしめることができる、すなわち、棒状発熱体7の軸
方向の温度差に応じて凹部12の形状を順次変化せしめ
ることにより、棒状発熱体7の軸方向における放熱板6
(吸着触媒被覆層11a)の加熱温度も均一にできる。
【0025】以上のように構成された温風脱臭装置につ
いて、以下、図1〜図5を用いてその動作を説明する。
図1〜図4において、本発明の温風脱臭装置の動作モー
ドとしては、夏期において使用される第1のモードと冬
期において使用される第2のモードがある。第1のモー
ドにおける動作においては、基本的には棒状発熱体7へ
の通電は停止され、モータ3への通電によってファン4
のみを回転して常温送風がおこなわれる。第2のモード
における動作においては、モータ3への通電によりファ
ン4を回転して空気流Aが発生させられるとともに、棒
状発熱体7への通電により風路枠5内の前記空気流Aや
放熱板6が加熱される。
【0026】この第1のモードと第2のモードの切り替
えは、使用者による選択、あるいは、室温センサー等か
らの検知出力により制御部8もしくはコントローラ等に
内蔵されたマイクロコンピュータにより自動的に切り替
えられる。
【0027】まず、前記第1のモードにおける動作の詳
細を説明する。棒状発熱体7への通電の停止した状態で
通電されているモータ3によりファン4が回転される
と、筐体1の外方の空気は、吸気口1d、ファン4、風
路枠5内、排気口1fを通って筐体1の外方に順次移動
する空気流Aとなる。その空気流Aが風路枠5内を通過
する際、吸着触媒被覆層11aの吸着材料11cにより
その臭気成分が吸着され、空気流Aは脱臭されることと
なる。
【0028】しかしながら、吸着触媒被覆層11aによ
る臭気成分の吸着においては、時間が経過していくと、
吸着触媒被覆層11aは吸着された臭気成分で充満して
飽和状態となって脱臭効果の低下が生じてくる。このた
め、吸着触媒被覆層11aに吸着された臭気成分を酸化
分解により無臭化して再生する必要が生じてくる。そこ
で、棒状発熱体7へ通電し、抵抗発熱線9を所定の時間
の間のみ発熱させて、放熱板6の吸着触媒被覆層11a
を予め定められた第3の温度以上になるように加熱す
る。この加熱によりそれまで吸着触媒被覆層11aに吸
着されていた臭気成分は、吸着触媒被覆層11a内の触
媒材料11dの触媒作用によって前記脱離する臭気成分
を飛散させることなく、酸化分解され、吸着触媒被覆層
11aの加熱再生が完了することとなる。
【0029】したがって、第1のモードにおいては、棒
状発熱体7への通電を停止してファン4のみを回転せし
めることにより、吸着触媒被覆層11aによって臭気成
分を吸着する第1の期間と、棒状発熱体7への通電をお
こなって吸着触媒被覆層11aの加熱再生がおこなわれ
る第2の期間とが予め定められた周期により交互に繰り
返されるように制御する。
【0030】尚、吸着触媒被覆層11aに前記加熱再生
をおこなわせるための前記予め定められた第3の温度、
及び、触媒被覆層11bにより空気中の臭気成分を酸化
分解して無臭化するための前記予め定められた第1の温
度とは、前記触媒作用を生じさせる温度となる吸着触媒
被覆層11aと触媒被覆層11bにそれぞれ含有された
触媒材料11d、すなわち、白金族系金属の活性化温度
以上に加熱された温度である。この活性化温度は臭気成
分の種類によって異なるが、通常の生活臭気成分では2
50℃程度である。
【0031】又、前記第1のモードにおいて、前記加熱
再生がおこなわれる第2の期間には、棒状発熱体7への
通電の開始と同時に、モータ3への通電を停止してファ
ン4の回転を停止させることにより、温風脱臭装置外へ
の熱放散を極力抑えて吸着触媒被覆層11aを短時間で
活性化温度まで上昇させ、吸着触媒被覆層11aの吸着
力の再生を短時間で完了させることが望ましい。
【0032】次に、前記第2のモードにおける動作の詳
細を説明する。棒状発熱体7に通電した状態でモータ3
に通電してファン4を回転せしめると、筐体1の外方の
空気は、第1のモードと同様に吸気口1d、ファン4、
風路枠5内、排気口1fを通って筐体1の外方に排気さ
れる空気流Aとなる。その空気流Aが風路枠5内を通過
するとき、前記活性化温度に達している放熱板6の吸着
触媒被覆層11aと棒状発熱体7の触媒被覆層11bと
により空気流Aの臭気成分が酸化分解され脱臭されるこ
ととなる。
【0033】その脱臭され、かつ、棒状発熱体7と放熱
板6とにより加熱されて温風となった空気流Aは、排気
孔2aより筐体1外に排気されて室内等の採暖空間を暖
房する。さらに、棒状発熱体7、及び、棒状発熱体7の
熱放射により加熱された吸着触媒被覆層11aと触媒被
覆層11bとからのそれぞれの熱放射は、排気孔2aを
直接通過して前記採暖空間に照射されるので、その採暖
空間への暖房効果が高くなる。
【0034】尚、吸着触媒被覆層11aと触媒被覆層1
1bに含まれている成分の中で、酸化アルミニウム、珪
酸、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン等
の酸化物は遠赤外線放射材料であるため、吸着触媒被覆
層11aあるいは触媒被覆層11bを介した棒状発熱体
7の熱放射は、人体及び衣服の熱吸収帯域である分光波
長領域3〜25μmにおいて熱放射エネルギーをより多
く発生させることとなり、前記採暖空間は温風だけでな
く遠赤外線領域の熱放射による良好な暖房を得ることが
できることとなる。
【0035】又、棒状発熱体7の熱放射によるモータ3
の加熱を、吸気口1dより吸気された冷たい空気による
冷却と、そのモータ3と棒状発熱体7との間に設けられ
たファン4による遮蔽とにより、低減させることができ
るとともに、ファン4の面による反射を利用して排気孔
2aへの熱放射エネルギーを増大させることができる。
【0036】又、図3に示すように前記発熱体7を棒状
にして送風方向に対し直交するように配置することによ
って、前方の排気孔2aへの放射伝熱面積を最大限に取
ることができるので、前記棒状発熱体7を送風方向に対
し平行に配置した場合と比べると、はるかに多くの熱放
射エネルギーを前方の排気孔2aに出すことができ、効
率の良い暖房が得られることとなる。
【0037】次に、前記第2モードにおける棒状発熱体
7への通電制御と脱臭特性について、図5を参照しなが
ら説明する。図は棒状発熱体7への通電をスイッチング
制御する際に出力される制御部8の制御波形イ,ロと、
それ制御波形イ,ロにそれぞれ同期して表わされた前記
発熱体7に形成した触媒被覆層11bの表面温度変化を
示す波形ハとからなる動作状態を示すタイミングチャー
トであり、かつ、そのタイミングチャートは熱的平衡状
態の場合について表わされている。
【0038】スイッチング制御にておこなわれる温度調
節は、制御波形イで示される「強」と制御波形ロで示さ
れる「弱」の2段階の設定が可能であり、t1 は前記通
電のON期間、t2 は前記通電のOFF期間、t0 は前
記ON期間とOFF期間とからなる1サイクルの期間で
ある。又、Tcは吸着触媒被覆層11a及び触媒被覆層
11bの触媒材料11dの活性化温度、T1 とT2
「強」と「弱」にそれぞれ設定された際における棒状発
熱体7の触媒被覆層11bの表面温度である。ttは
「弱」における表面温度T2 が活性化温度Tc以上とな
る期間を示す。
【0039】「強」は連続に通電するものであり、常に
1 >Tcなる設定条件となっている。「弱」はスイッ
チング制御がおこなわれるので、1サイクルの期間t0
の間に表面温度T2 に温度差が生じるが、その表面温度
2 を活性化温度Tcより高い温度から低い温度まで変
化するようにスイッチング制御することにより、T2
Tcとなる期間ttを得るように設定している。その結
果、触媒被覆層11bの周囲に位置する空気流Aの臭気
成分は、期間ttだけ触媒被覆層11bにより酸化分解
され無臭化することとなる。そして、放熱板6の吸着触
媒被覆層11aは、期間tt内において活性化温度Tc
以上に加熱され、その温度上昇にともなって昇温脱離を
している吸着されていた臭気成分は吸着触媒被覆層11
aの触媒材料11dの触媒作用によって酸化分解し無臭
化するとともに、その吸着触媒被覆層11aは、その周
囲の空気流Aの臭気成分を触媒被覆層11bと同様に酸
化分解し無臭化することとなる。
【0040】次に、1サイクルの期間t0 の設定条件に
ついて述べる。本実施例の暖房機能を有する温風脱臭装
置を約500W以上の定格電力を有する比較的電力量の
大きな装置とした場合、棒状発熱体7がONした際には
電源の電圧降下を引き起こすので、温風脱臭装置と同一
電力線に結線されている室内照明の輝度は瞬間的に低下
するとともに、その輝度の低下の時間当たりの発生頻度
が多いと使用者に不快感を与えると言う問題点が生じる
ことがある。
【0041】そこで、実際に使用モニターにより前記発
生頻度を調査してみると、期間t0は短くても40秒は
必要であるという結果がでた。又、暖房感覚の面からみ
ると「弱」での運転の場合、期間t0 が大きすぎると、
棒状発熱体7のON時及びOFF時の送風の温度差が大
きくなり、使用上不快感を得るものである。この場合も
モニター結果によれば、期間t0 は100秒までであれ
ば良好であった。したがって期間t0 は40秒〜100
秒の間で設定することが好ましい。
【0042】本実施例においては「強」と「弱」の2段
階の制御であるが、これ以上の段階制御の場合において
も、通電制御をする際の温度設定条件を本実施例の技術
思想に基づいておこなえば、同様の効果が得られること
は言うまでもない。
【0043】尚、本実施例では、棒状発熱体7の通電制
御を時間比例式のスイッチング制御でおこなったが、ス
イッチング制御に代えて温度差を発生させない位相制御
にした場合には、「弱」における触媒被覆層11bの表
面温度Te2 は一定温度となり、通常、表面温度Te2
は触媒被覆層11bの活性化温度Tc以下になり、必然
的に脱臭能力が失われる状態に設定されることが多い。
その場合、吸着触媒被覆層11aに吸着された臭気成分
は吸着触媒被覆層11aにより酸化分解して無臭化され
ることができないとともに、触媒被覆層11bの周囲の
空気流Aの臭気成分は触媒被覆層11bにより酸化分解
して無臭化されることができないこととなる。
【0044】したがって、位相制御において、表面温度
Te2 が触媒被覆層11bの活性化温度Tc以下となる
状態で通電制御されるように条件設定されている場合に
は、前記第1のモードにおける吸着触媒被覆層11aの
加熱再生が同様におこなわれることが好ましい。
【0045】又、本実施例では吸着触媒被覆層11aと
触媒被覆層11bが放熱板6の両面と棒状発熱体7の表
面にそれぞれ形成されたが、空気流Aの風量や風速、吸
着触媒被覆層11aと触媒被覆層11bの面積、棒状発
熱体7の発熱量、放熱板6の形状・位置、風路枠5の形
状等の構成条件が、臭気の吸着条件及び加熱再生必要温
度条件を満たすのであれば、放熱板6の表面に吸着触媒
被覆層11aと触媒被覆層11bとを形成することがで
きることは言うまでもない。さらに、風路枠5が前記加
熱再生必要温度条件を満たすような伝熱距離及び形状を
確保できるのであれば、前記風路枠5の表面にも吸着触
媒被覆層11a、あるいは、触媒被覆層11bを形成す
ることにより、臭気成分を吸着する、あるいは、臭気成
分を酸化分解して無臭化する脱臭能力を向上させてもよ
い。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の温風脱臭装置に
よれば、暖房器として使用する第2のモード時には、主
として吸着発熱体の表面に形成された触媒被覆層により
空気流の臭気成分を酸化分解して無臭化し、発熱体の発
熱を停止して脱臭装置として使用する第1モード時に
は、放熱板の表面に形成された吸着触媒被覆層により空
気流の臭気成分を吸着して脱臭するとともに、定期的に
吸着触媒被覆層を予め定められた温度に加熱し、吸着触
媒被覆層に吸着された臭気成分を酸化分解して無臭化す
ることができるので、臭気成分を効率よく脱臭すること
ができ、かつ、脱臭材料の取り替えを不要にすることが
できる。
【0047】又、非常に高い温度状態となる発熱体の表
面に比べて低い温度となる放熱板の表面に吸着触媒被覆
層を形成しているので、その吸着触媒被覆層による臭気
成分の吸着力は長時間の使用に対しても支障が生じない
ものとなる。
【0048】又、複数の放熱板は空気流の流れに略平行
に配せられ、かつ、所定の空間を有して互いに対向する
ように前記ファンと前記排気口との間に設けられている
ので、放熱板の面に空気流が直交して強く当たる場合に
比べて騒音が生じなくなり、送風の静音化が可能となる
ものである。
【0049】さらに、又、ファンと排気口との間に発熱
体が設けられているので、その発熱体の熱放射エネルギ
ーを採暖空間に効率良く導くことができることとなり、
快適な暖房感を採暖者に与えることができるものであ
る。
【0050】又、前記触媒被覆層と吸着触媒被覆層を、
酸化アルミニウム、珪酸、酸化セリウム、酸化ジルコニ
ウム、二酸化チタン等の酸化物のうち少なくとも1つの
酸化物からなる担体に白金族系金属を担持させた触媒材
料と、吸着材料とを混合して形成することにより、吸着
した臭気を酸化分解して無臭化することが効率よくおこ
なうことができる。
【0051】又、発熱体に隣接する放熱板の部分に前記
発熱体との距離を略均一にせしめる凹部を形成し、その
凹部内の表面に吸着触媒被覆層を形成することにより、
温度歪による放熱板の変形が生じ難くなり、吸着触媒被
覆層の損傷が極めて少なくなるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における温風脱臭装置の断側
面図
【図2】本発明の一実施例における温風脱臭装置の一部
切欠正面図
【図3】本発明の一実施例における温風脱臭装置の要部
を示す断側面図
【図4】本発明の一実施例における温風脱臭装置の要部
を示す断正面図
【図5】本発明の一実施例における温風脱臭装置の動作
状態を示すタイミングチャート
【符号の説明】
1 筐体 1a 内部空間 1d 吸気口 1f 排気口 2 前面ガード 2a 排気孔 3 モータ 4 ファン 5 風路枠 6 放熱板 7 棒状発熱体 8 制御部 9 抵抗発熱線 10 管状絶縁体 11a 吸着触媒被覆層 11b 触媒被覆層 11c 吸着材料 11d 触媒材料 12 凹部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡原 嗣典 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿 電子工業株式会社内 (72)発明者 戸川 一玲 香川県高松市古新町8番地の1 松下寿 電子工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−82098(JP,A) 実開 平3−129858(JP,U) 実開 平5−55990(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 3/04 302 - 305

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外壁部に吸気口と排気口とがそれぞれ形成
    された筐体の内部空間に、前記吸気口より前記排気口へ
    空気流を移動せしめるように前記吸気口側に設けられた
    モータにより回転駆動されるファンと、前記空気流の流
    れに略平行に配され、かつ、所定の空間を有して互いに
    対向するように前記ファンと前記排気口との間に設けら
    れた複数の放熱板と、その放熱板間の前記空間内に設け
    られた発熱体とをそれぞれ配置し、前記発熱体の表面
    に、予め定められた第1の温度に達した際には前記発熱
    体周囲の空気流の臭気成分を酸化分解して無臭化する触
    媒被覆層を形成し、かつ、前記放熱板の表面に、予め定
    められた第2の温度に達するまでは前記空気流の臭気成
    分を吸収し、予め定められた第3の温度に達した際には
    前記吸着した臭気と前記放熱板周囲の空気流の臭気を酸
    化分解して無臭化する吸着触媒被覆層を形成するととも
    に、前記発熱体への通電を停止してファンのみを回転せ
    しめる第1の期間と、前記発熱体への通電を開始して前
    記ファンの回転を停止する第2の期間とが予め定められ
    た周期により交互に繰り返される第1のモードと、前記
    発熱体への通電をおこないながら前記ファンを回転せし
    める第2のモードとを選択的に切り替え可能としたこと
    を特徴とした温風脱臭装置。
  2. 【請求項2】吸着触媒被覆層は、酸化アルミニウム、珪
    酸、酸化セリウム、酸化ジルコニウム、二酸化チタン等
    の酸化物のうち少なくとも1つの酸化物からなる担体に
    白金族系金属を担持させた触媒材料と、ゼオライトを主
    成分とする吸着材料との混合物よりなることを特徴とす
    る請求項1記載の温風脱臭装置。
  3. 【請求項3】発熱体に隣接する放熱板の部分に前記発熱
    体との距離を略均一にせしめる凹部を形成するととも
    に、その凹部内の表面に吸着触媒被覆層を形成したこと
    を特徴とする請求項1記載の温風脱臭装置。
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