JPH0578683A - 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物

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JPH0578683A
JPH0578683A JP27017591A JP27017591A JPH0578683A JP H0578683 A JPH0578683 A JP H0578683A JP 27017591 A JP27017591 A JP 27017591A JP 27017591 A JP27017591 A JP 27017591A JP H0578683 A JPH0578683 A JP H0578683A
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JP
Japan
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acid
lubricating oil
metal salt
carbon atoms
oil
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JP27017591A
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English (en)
Inventor
Katsuhiko Asamori
勝彦 朝守
Shiyuuichi Inaya
修一 稲家
Koji Taira
幸治 平
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(I)の分岐脂肪酸を少なくとも1種以
上含む脂肪酸混合物と少なくとも1つ以上の炭素数8〜
30のアルキル基を有するアルキルサリシル酸よりなる
有機酸部に、炭素数2〜4の多価アルコールの存在下、
該有機酸部に対して1当量以上の2価金属塩および二酸
化炭素を反応させることによって得られる油溶性の過塩
基性2価金属塩を有する潤滑油添加剤。 (Rは炭素数6〜20、Rは炭素数6〜60の直鎖
または分岐のアルキル基を示す。) 【効果】高い塩基性度であっても反応系中の不溶分を少
なく保つことができ、また安定性に優れた潤滑油添加剤
を提供できる。さらに、該添加剤を含有する潤滑油組成
物は、優れた耐熱性を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油用の清浄分散剤
として有用な過塩基性2価金属塩を有する潤滑油添加剤
およびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】エンジン
油には、通常、スラッジやスス等を分散し、エンジン内
部を清浄に保つとともに、燃料の燃焼によって生ずる硫
酸や硝酸等の酸性物質を中和させる目的で、過塩基性2
価金属塩を代表とする種々の潤滑油添加剤が用いられて
いる。アルキル基を有する芳香族カルボン酸、特にアル
キルサリシル酸の過塩基性2価金属塩(以下、サリシレ
ートという)の製造は、従来より広く知られている。例
えば、英国特許第786167号明細書には、アルコー
ルの存在下で有機酸と過剰のアルカリ土類金属塩の水酸
化物または酸化物を反応させ、二酸化炭素を導入するこ
とにより過塩基性塩を得る製法が記載されている。これ
らの塩基性塩はできるだけ高い塩基性度を有することが
望ましい。ここでいう塩基性度とは、過塩基性塩の単位
グラム当たりの全2価金属のモル数Mと有機酸のモル数
Sを用いて次式に示されるものである。 塩基性度=2M/S−1
【0003】塩基性度が高いものほど同じ塩基性を得る
のに、高価な有機酸部の量が少なくてすみ、経済性の面
から有利である。しかし、従来の過塩基性2価金属塩に
は、塩基性度を高くすると第1の問題として塩基性塩自
身の安定性が悪くなるという欠点がある。即ち、表面に
皮膜を形成し、それが潤滑油基油に溶解しなくなった
り、貯蔵中に粘度が徐々に上昇し、遂には固化するとい
う問題が生じる。また、第2の問題として2価金属塩に
由来する無機物が有機酸塩により十分に分散されず、不
溶分として反応系中に残存し、この不溶分が非常に多い
場合には除去することが非常に困難となるという問題が
生じる。
【0004】前者の問題を解決するために脂肪酸を用い
たいくつかの試みがなされている。例えば、特開昭63
−203645号公報には、炭素数8〜30のアルキル
サリシル酸と炭素数4〜40の分岐脂肪酸の配合物に1
当量以上のアルカリ土類金属水酸化物または酸化物を混
合し、炭素数1〜6のアルコール存在下で二酸化炭素を
導入し、高塩基性のサリシレートが得られることが開示
されている。また、特開平2−38494号公報には、
ヒドロカルビル置換サリシル酸、またはそのアルカリ土
類金属塩に石灰、塩化カルシウム、脂肪酸を混合させ、
アルコールを促進剤として、二酸化炭素を導入し、30
0TBN(総塩基数)以上の塩基価を有するサリシレー
トの製法が開示されている。しかし、これらの製法によ
り得られるサリシレートには、反応系中に不溶分が多く
残存するという第2の問題は解決されていない。この傾
向は、塩基性度を高めるほど顕著であり、製造上好まし
くない問題である。
【0005】また、自動車用エンジンなどの高出力化へ
の要求は近年ますます高くなり、また燃費改善のためエ
ンジンの熱効率の向上を図ることが課題とされている
が、これらによりピストン周辺部はますます高温化され
ている。そのため、これらのサリシレートを含有する潤
滑油組成物については、更なる耐熱性が要求されてい
る。従来より耐熱性に優れた潤滑油組成物としては、ネ
オペンチル型ポリオールエステル等のエステル系合成潤
滑油基油を用いた例はあるが(特公昭46−6528号
公報など)、エステル系合成潤滑油は非常に高価であ
る。従って、高い塩基性度であっても安定性が高く、反
応系中に残存する不溶分は少なく、かつ耐熱性に優れた
潤滑油組成物の開発が当業界では期待されているが、未
だ満足できるものは得られていないのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明に到った。即
ち、本発明の要旨は、式(I)
【化2】 (式中、R1 は炭素数6〜20、R2 は炭素数6〜60
の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される分
岐脂肪酸を少なくとも1種以上含む脂肪酸混合物と少な
くとも1つ以上の炭素数8〜30のアルキル基を有する
アルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭素数2〜4
の多価アルコールの存在下、該有機酸部に対して1当量
以上の2価金属塩および二酸化炭素を反応させることに
よって得られる油溶性の過塩基性2価金属塩を有する潤
滑油添加剤、およびそれを含有する潤滑油組成物に関す
る。
【0007】本発明における式(I)で表される分岐脂
肪酸において、R1は炭素数6〜20の直鎖または分岐
のアルキル基を示し、好ましくは炭素数8〜16のもの
が挙げられる。R2 は炭素数6〜60の直鎖または分岐
のアルキル基を示すが、好ましくは炭素数8〜32のも
のが挙げられる。このような分岐脂肪酸としては、例え
ば2−エチルヘキサン酸、2−ヘプチルウンデカン酸、
イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン
酸、ゲルベ法によって合成されるα−分岐脂肪酸、脂肪
酸にα−オレフィンをラジカル付加させることによって
得られるα−分岐脂肪酸および/またはテロマー酸等が
挙げられる。なかでも、次式で表される分岐脂肪酸が特
に好ましい。
【0008】
【化3】 (式中、R1 は前記と同じ。R3 は炭素数4〜12のア
ルキル基を、nは1〜4の整数を表わす。)
【0009】このように本発明における分岐脂肪酸は、
通常炭素数8〜80の好ましくは炭素数12〜42のも
のが用いられる。このような分岐脂肪酸を少なくとも1
種以上含む脂肪酸混合物の使用量は、通常アルキルサリ
シル酸1当量に対して0.01〜10当量、好ましくは
0.1〜4当量である。0.01当量より少ないと耐熱
性が不充分であり、10当量を越えると酸化安定性が悪
くなるので好ましくない。
【0010】本発明においては、このような分岐脂肪酸
を少なくとも1種以上含む脂肪酸混合物が用いられ、こ
のような分岐脂肪酸を含むものであれば、脂肪酸混合物
中に炭素数8〜20の直鎖の脂肪酸を含んでいてもよ
い。このような直鎖の脂肪酸としてはオクタン酸、ノナ
ン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、テトラデ
カン酸、ヘキサデカン酸、ドコサン酸、テトラコサン
酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、トリアコンタン
酸、オクタデカン酸、エイコサン酸等が挙げられる。本
発明においてこのような脂肪酸混合物中に占める分岐脂
肪酸の量は、通常40〜100%、好ましくは60〜1
00%である。40%より少ないと製品の安定性が悪く
なるので好ましくない。
【0011】また、さらに本発明における脂肪酸混合物
には、前記の分岐脂肪酸に炭素数1〜3のモノカルボン
酸を加えて用いるのが、不溶分の低下効果を高める上で
好ましい。このような炭素数1〜3のモノカルボン酸と
しては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸であり好ましくは酢
酸が用いられる。炭素数1〜3のモノカルボン酸の使用
量は、アルキルサリシル酸に対して通常0.01〜1当
量、好ましくは0.1〜0.5当量である。0.01当
量より少ないと不溶分の低減効果が不充分であり、1当
量を越えて添加しても向上効果が得られない。
【0012】本発明におけるアルキルサリシル酸は、炭
素数8〜30のアルキル基を少なくとも1つ有するもの
が使用される。このようなアルキルサリシル酸は、例え
ば炭素数8〜30のアルキル基を少なくとも1つ有する
アルキルフェノールのアルカリ金属塩またはアルカリ土
類金属塩を二酸化炭素と接触させ調製されるものを使用
することができる。
【0013】本発明における炭素数2〜4の多価アルコ
ールとしては、反応促進剤として用いられエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール等が挙げられるが、好まし
くはエチレングリコールである。このような多価アルコ
ールの使用量は、2価金属塩に対して通常0.5〜2当
量、好ましくは1〜1.5当量である。0.5当量より
少ないと不溶分が多くなり、2当量を越えると製品の粘
度が増加するので好ましくない。
【0014】本発明における2価金属塩としては、アル
カリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物が挙げ
られ、通常カルシウム、マグネシウム、ストロンチウ
ム、またはバリウムの水酸化物、酸化物が用いられ、特
にカルシウムまたはマグネシウムの水酸化物、酸化物が
好ましく用いられる。このような2価金属塩は、脂肪酸
混合物とアルキルサリシル酸よりなる有機酸部に対して
1当量以上の過剰量を用いる。
【0015】本発明における過塩基性2価金属塩を製造
するには、通常、前記の脂肪酸混合物及びアルキルサリ
シル酸よりなる有機酸の混合物に、2価金属塩を加えて
混合し、次いで炭素数2〜4の多価アルコールを添加
し、二酸化炭素を導入することによって行うことができ
る。ここで用いられる溶媒としては、炭化水素溶媒、高
級アルコールが挙げられる。炭化水素溶媒としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及び石油
精製由来の低粘度潤滑油が例示され、例えば100℃の
動粘度が3〜30cSt のパラフィン系鉱物油などが用い
られる。また高級アルコールとしては、オクタノール、
ノナノール、イソノナノール、デカノール、イソデカノ
ール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソト
リデカノール、2−エチルヘキサノール、イソヘキサデ
カノール、イソオクタデカノール等の炭素数8〜18の
高級アルコールが例示される。好ましくは炭素数8〜1
3の分岐の高級アルコールが用いられる。溶媒としては
これらを単独で用いてもよいが、パラフィン系炭化水素
と高級アルコールとの組み合わせが好ましい。二酸化炭
素の導入に際しては公知な任意の方法でよく、特に前記
のような反応促進剤の存在下に行われるのが好ましい。
二酸化炭素の使用量は、2価金属塩に対して通常0.7
〜0.9当量であり、0.7当量より少なくても、0.
9当量より多くても不溶分が増加して好ましくない。ま
た、本発明における脂肪酸混合物は、その一部を又は全
部を二酸化炭素の導入後に添加する方法であってもよ
い。
【0016】また有機酸部の一部に油溶性のスルホン酸
またはその2価金属塩を含めてもよく、特に高い塩基性
度を有する過塩基性2価金属塩を得る場合は、製品の安
定性を良くする事からスルホン酸を添加することが好ま
しい。このような2価金属塩としては、亜鉛、バリウ
ム、カルシウム、マグネシウム等が挙げられる。この場
合の使用量は通常、製品に対して1〜30重量%であ
り、好ましくは5〜15重量%である。添加量が1重量
%未満では添加の効果が認められず、30重量%を越え
て添加しても向上効果は得られない。
【0017】次に、得られる混合液から常法により溶媒
を留去し、次いで不溶分を除去するが、不溶分の除去は
通常、濾過、遠心分離等の公知の手段により容易に行な
うことができる。このようにして得られる本発明におけ
る過塩基性2価金属塩は、高い塩基性度であっても反応
系中に残存する不溶分は少ない。
【0018】このような製造方法で得られる過塩基性2
価金属塩を有する潤滑油添加剤を、天然油および/また
は合成油等の潤滑油基油に、通常0.1〜60重量%、
好ましくは0.5〜30重量%添加することによって本
発明の潤滑油組成物を得ることができる。ここでいう天
然油としては、動物油、植物油または鉱物油であり、好
適には石油由来のパラフィン系、ナフテン系およびパラ
フィン−ナフテン系混合の潤滑油である。また合成油と
しては、炭素数4〜18のモノカルボン酸または多価カ
ルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、クエン
酸、酒石酸、フタル酸、トリメリット酸、コハク酸、フ
マル酸、マレイン酸等)のポリオールまたはポリオール
エーテル(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール等)とからなる合成エステル潤滑油、ポリイ
ソブテン、ポリアルキレングリコールまたはポリ−α−
オレフィン等の高分子炭化水素潤滑油を包含する。
【0019】このようにして得られる本発明の潤滑油組
成物は、後述の実施例において示されるように耐熱性に
優れたものである。また、本発明の潤滑油組成物には、
必要に応じてフェネート、ナフテネート等の金属系清浄
剤やジアルキルジチオリン酸亜鉛および/またはジアル
キルアリールジチオリン酸亜鉛、さらにコハク酸イミド
型またはベンジルアミン型等の無灰性分散剤、防錆剤、
酸化防止剤、油性向上剤、粘度指数向上剤、流動点降下
剤などの添加剤を配合することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例、比較例および比較実験例によ
り本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの
実施例等によりなんら限定されるものではない。 実施例1 攪拌器、温度計、水分離器を装着した2Lのフラスコに
炭素数12〜28のアルキル基をもつアルキルフェノー
ル514g(1.4モル)と150ニュートラル油(1
00℃の動粘度が4.2cStのパラフィン系潤滑油)
220gを入れて攪拌しながら昇温した。100℃で4
8%苛性ソーダ水溶液118gを30分かけて添加し
た。さらに徐々に減圧にして脱水した。170℃まで昇
温して30mmHgの真空度で30分間保持した。その
後冷却して大気圧にもどし、炭酸ガスを45L吹き込ん
だ。吹き込みは3時間かけた。810gの茶褐色液状物
(アルキルサリシル酸Na塩混合物)を得た。この反応
混合物870gに対して濃硫酸70gを添加して80℃
で4時間分解し、遊離のアルキルサリシル酸とした。酸
価(JIS K2501)78.5であった。
【0021】実施例2 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)286gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した3Lフラスコに移した。ここ
に、消石灰176g、イソデカノール704g、150
ニュートラル油100g、酢酸4.7g、α−分岐脂肪
酸(酸価161.2mgKOH/g)35gを加えて1
52℃まで昇温した。途中、エチレングリコール158
gを50分かけて添加した。1時間の熟成後、この反応
混合物中に、炭酸ガス45Lを2時間40分かけて吹き
込んだ。その後、210℃に昇温しながら減圧下、溶媒
を留去した。残渣物から不溶分を濾過により除去、塩基
性サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価(J
IS K2501)は392mgKOH/gであった。
【0022】実施例3 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)250g、ステアリン
酸(酸価210.0mgKOH/g)13g、α−分岐
脂肪酸(酸価161.2mgKOH/g)35g、消石
灰176g、イソデカノール704g、150ニュート
ラル油120g、エチレングリコール158gおよび炭
酸ガス45Lを用いて実施例2と同様の操作を行ない、
塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価
(JIS K2501)は398mgKOH/gであっ
た。
【0023】実施例4 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)286g、酢酸4.7
g、ダイヤドール18GA*1(酸価195.6mgKO
H/g)29g、消石灰176g、イソデカノール70
4g、150ニュートラル油110g、エチレングリコ
ール158gおよび炭酸ガス45Lを用いて実施例2と
同様の操作を行ない、塩基性サリシレートを得た。この
サリシレートの塩基価(JIS K2501)は395
mgKOH/gであった。 *1 : 2−ヘプチルウンデカン酸(三菱化成)
【0024】実施例5 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)286g、酢酸4.7
g、イソステアリン酸*2(酸価195.0mgKOH/
g)29g、消石灰176g、イソデカノール704
g、150ニュートラル油110g、エチレングリコー
ル158gおよび炭酸ガス45Lを用いて実施例2と同
様の操作を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサ
リシレートの塩基価(JIS K2501)は398m
gKOH/gであった。 *2 : 2−ノニルノナン酸(日産化学工業)
【0025】実施例6 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)250g、α−分岐脂
肪酸(酸価161.2mgKOH/g)52g、消石灰
176g、イソデカノール704g、150ニュートラ
ル油110g、エチレングリコール158gおよび炭酸
ガス45Lを用いて実施例2と同様の操作を行ない、塩
基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価
(JIS K2501)は394mgKOH/gであっ
た。
【0026】実施例7 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)250g、酢酸4.7
g、α−分岐脂肪酸(酸価161.2mgKOH/g)
52g、ペトロネート25H*322g、消石灰176
g、イソデカノール704g、150ニュートラル油1
00g、エチレングリコール158gおよび炭酸ガス4
5Lを用いて実施例2と同様の操作を行ない、塩基性サ
リシレートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS
K2501)は400mgKOH/gであった。 *3 : Caスルホネート(ウイトコケミカル)
【0027】比較例1 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)286g、酢酸3.8
g、消石灰141g、イソデカノール562g、150
ニュートラル油60g、エチレングリコール128gお
よび炭酸ガス36Lを用いて実施例2と同様の操作を行
ない、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの
塩基価(JIS K2501)は383mgKOH/g
であった。
【0028】比較例2 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)286g、酢酸4.7
g、ステアリン酸(酸価210.0mgKOH/g)2
7g、消石灰176g、イソデカノール704g、15
0ニュートラル油110g、エチレングリコール158
gおよび炭酸ガス45Lを用いて実施例2と同様の操作
を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリシレー
トの塩基価(JIS K2501)は392mgKOH
/gであった。
【0029】比較例3 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)286g、酢酸4.7
g、2−エチルヘキサン酸(酸価389.0mgKOH
/g)15g、消石灰176g、イソデカノール704
g、150ニュートラル油80g、エチレングリコール
158gおよび炭酸ガス45Lを用いて実施例2と同様
の操作を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリ
シレートの塩基価(JIS K2501)は387mg
KOH/gであった。
【0030】比較例4 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した3Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸4.7g、ダイヤドール18GA*1(酸価19
5.6mgKOH/g)29g、消石灰176g、メタ
ノール204g、キシレン880g、150ニュートラ
ル油100gを加えて30℃で1時間攪拌した。この反
応混合物中に、炭酸ガス45Lを2時間40分かけて吹
き込んだ。その後、180℃に昇温しながら減圧下、溶
媒を留去した。残渣物から不溶分を濾過により除去、塩
基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価
(JIS K2501)は337mgKOH/gであっ
た。 *1 : 2−ヘプチルウンデカン酸(三菱化成)
【0031】比較実験1 実施例2〜7、比較例4の反応系中に残存する不溶分を
比較するために、溶媒留去後の反応物(25ml)を石
油エーテル(75ml)の入った100ml遠心管に入
れ、1500rpmで20分間遠心分離、沈降物量を測
定した。その結果およびアルキルサリシル酸を基準にし
た塩基性度を表1に示す。促進剤にエチレングリコール
を用い、本発明における分岐脂肪酸を用いたものは、高
い塩基性度であっても不溶分を少なくできる。
【0032】
【表1】
【0033】比較実験例2 実施例2〜7、比較例1〜3で得た塩基性サリシレート
を100mlのビーカーに5gとり、室温開放系で放置
して各試料の表面の皮膜形成を観察した。結果を表2に
示すように、本発明における分岐脂肪酸を用いたものは
皮膜を形成せず安定である。
【0034】
【表2】
【0035】比較実験例3 実施例2〜7、比較例1の塩基性サリシレートを用いて
エンジン油組成物を調製し、耐熱性試験としてパネルコ
ーキングテストを行なった。試験条件および結果を表3
に示す。本発明における分岐脂肪酸を用いたものは、い
ずれも優れた耐熱性を有する。 配合1 : サリシレート 70TBN 潤滑油基油 粘度SAE50♯ 配合2 : サリシレート 35TBN スルフォネート*4 35TBN 潤滑油基油 粘度SAE50♯ 配合3 : サリシレート 35TBN コハク酸イミド*5 2.0wt% ZDTP*6 0.5wt% 潤滑油基油 粘度SAE30♯ *4;市販Caスルフォネート(Witco C−300) *5;市販コハク酸イミド(BPケミカル ADX211) *6;市販ZDTP(Amoco 198)
【0036】
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、高い塩基性度であって
も反応系中の不溶分を少なく保つことができ、また安定
性に優れた潤滑油添加剤を提供することができる。さら
に、該添加剤を含有する潤滑油組成物は、優れた耐熱性
を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:54 129:93 7419−4H 125:10 125:00) (C10M 159/24 129:40 129:08 129:54 135:10 129:93 125:10 125:00) C10N 10:04 30:04 40:25

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I) 【化1】 (式中、R1 は炭素数6〜20、R2 は炭素数6〜60
    の直鎖または分岐のアルキル基を示す。)で表される分
    岐脂肪酸を少なくとも1種以上含む脂肪酸混合物と少な
    くとも1つ以上の炭素数8〜30のアルキル基を有する
    アルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭素数2〜4
    の多価アルコールの存在下、該有機酸部に対して1当量
    以上の2価金属塩および二酸化炭素を反応させることに
    よって得られる油溶性の過塩基性2価金属塩を有する潤
    滑油添加剤。
  2. 【請求項2】 有機酸部の一部に油溶性のスルホン酸ま
    たはその2価金属塩を含む請求項1記載の潤滑油添加
    剤。
  3. 【請求項3】 炭素数2〜4の多価アルコールが、エチ
    レングリコールである請求項1記載の潤滑油添加剤。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3記載の潤滑油添加剤を天然
    油および/または合成油に0.1〜60重量%含有する
    潤滑油組成物。
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