JPH05140575A - 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物

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JPH05140575A
JPH05140575A JP33405191A JP33405191A JPH05140575A JP H05140575 A JPH05140575 A JP H05140575A JP 33405191 A JP33405191 A JP 33405191A JP 33405191 A JP33405191 A JP 33405191A JP H05140575 A JPH05140575 A JP H05140575A
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oil
acid
lubricating oil
metal salt
salicylate
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Shiyuuichi Inaie
修一 稲家
Katsuhiko Asamori
勝彦 朝守
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Kao Corp
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭化水素溶媒および高級アルコール中で、少な
くとも1つ以上の炭素数20〜30のアルキル基を全ア
ルキル基中10〜80重量%有するアルキルサリシル
酸、2価金属塩、炭素数2〜4の2価アルコール、およ
び二酸化炭素を反応させることによって得られる油溶性
の塩基性塩を有する潤滑油添加剤、該潤滑油添加剤の製
造方法、並びに該潤滑油添加剤を含有させてなる潤滑油
組成物。 【効果】本発明の潤滑油添加剤は、耐熱性に優れると同
時に潤滑油基油への溶解性も良好であるので、潤滑油用
の清浄分散剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油用の清浄分散剤
として有用な油溶性の塩基性塩を有する潤滑油添加剤お
よびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】クランク
ケース、オイルパン等では燃焼ガス中の水分が凝縮し、
エンジン油中に混入する。この水分は、NOxやSOx
の酸性ガスを吸収し、強い酸性を示す。エンジン油に
は、通常、エンジン内部を清浄に保つとともに、前記の
ような燃料の燃焼によって生ずる硫酸や硝酸等の酸性物
質を中和させる目的で、過塩基性の2価金属塩を代表と
する種々の潤滑油添加剤が用いられている。
【0003】また、自動車用エンジンなどの高出力化へ
の要求は近年ますます高くなり、また燃費改善のためエ
ンジンの熱効率の向上を図ることが課題とされている
が、これらによりピストン周辺部はますます高温化され
ている。そのため、潤滑油添加剤については、更なる耐
熱性が要求されている。
【0004】従来より耐熱性に優れた潤滑油添加剤とし
ては、アルキル基を有する芳香族カルボン酸、特にアル
キルサリシル酸の過塩基性2価金属塩(以下、サリシレ
ートという)が従来より広く知られている。このような
サリシレートのアルキル基に関する報告としては、炭
素数12以上のアルキル基を有するサリシレート(特公
昭32−4112号公報)、70%モル以上がOH基
に対してパラ位であるサリシレート(特公昭48−35
325号公報)、60%モル以上がOH基に対してパ
ラ位であり、かつその一部が4級炭素で結合しているサ
リシレート(特公昭50−3082号公報)等が知られ
ている。しかし、これらの潤滑油添加剤には、いずれも
耐熱性を図るための最適なアルキル組成についての開示
はなされていない。従って、本発明の目的はアルキルサ
リシル酸のアルキル組成の最適化により、耐熱性に優れ
た潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために、鋭意検討した結果、アルキルサリシ
ル酸中のアルキル基の組成が性能に大きく影響すること
を見い出した。すなわち、サリシレートのアルキル基を
炭素数20〜30の長鎖にすれば耐熱性はよくなるが、
炭素数20〜30のみからなるサリシレートでは潤滑油
基油への溶解性が悪く、そのままでは製品化できない。
そこで、炭素数20〜30のアルキル基を有するサリシ
レートを適当な比率で混合すれば、高い耐熱性を有した
まま、潤滑油基油への溶解性が良好なサリシレートを得
ることができることを見い出し本発明を完成するに至っ
た。
【0006】即ち、本発明の要旨は、 (1)炭化水素溶媒および高級アルコール中で、少なく
とも1つ以上の炭素数20〜30のアルキル基を全アル
キル基中10〜80重量%有するアルキルサリシル酸、
2価金属塩、炭素数2〜4の2価アルコール、および二
酸化炭素を反応させることによって得られる油溶性の塩
基性塩を有する潤滑油添加剤、 (2)脂肪酸および/または油溶性のスルホン酸、また
はそれらの2価金属塩の共存下に反応させて得られる前
記(1)記載の潤滑油添加剤、 (3)下記の工程を有する潤滑油添加剤の製造方法、
(a):炭化水素溶媒および高級アルコール中で、少な
くとも1つ以上の炭素数20〜30のアルキル基を有す
るアルキルサリシル酸に、その1当量以上の2価金属塩
を加える工程、(b):工程(a)の混合液に、炭素数
2〜4の2価アルコールを添加した後、二酸化炭素を導
入して油溶性の塩基性塩溶液を得る工程、および
(c):工程(b)の塩基性塩溶液の溶媒を留去し、次
いで不溶分を除去することによって油溶性の塩基性塩を
得る工程、 (4)天然油および/または合成油に請求項1または2
に記載の潤滑油添加剤を0.1〜60重量%含有させて
なる潤滑油組成物に関する。
【0007】本発明で用いるアルキルサリシル酸は、少
なくとも1つ以上の炭素数20〜30のアルキル基を有
する化合物であり、通常種々の炭素数のアルキル基を有
する化合物の混合物である。即ち、本発明においては炭
素数20〜30のアルキル基を全アルキル基中に通常1
0〜80重量%、好ましくは30〜60重量%有するこ
とが望ましく、10重量%より少ないと耐熱性の向上が
充分でない。また、全アルキル基中80重量%を越えて
存在すると、特に塩基性度が高い場合には、潤滑油基油
への溶解性が悪くなる。
【0008】このような本発明で使用される炭素数20
〜30のアルキル基を有するアルキルサリシル酸は、例
えば以下のような方法で容易に製造することができる。
即ち、まず、アルキルフェノールを合成する。フェノー
ル類のアルキレーションの触媒としては、一般に酸性活
性白土、酸性イオン交換樹脂、三弗化ホウ素、塩化アル
ミニウム等の酸性触媒が用いられ、その中でも、酸性活
性白土、酸性イオン交換樹脂は好適に用いられる。ま
た、アルキル化剤としては、アルコール類、オレフィン
類が挙げられるが、高い反応性を有するオレフィン類が
好ましい。オレフィン類の中でも、直鎖のα−オレフィ
ンがより好ましい。アルコール類をアルキル化剤として
用いる例としては、アルコールの水酸基をクロル化した
後、フリーデルクラフト反応を行う方法、および、直
接、上記の触媒を用いてフェノールと反応させる方法が
あるが、炭素数12以上の高級アルコールを用いた場
合、いずれも、反応率が低く実用的ではない。最も実用
的な具体例としては、酸性活性白土を触媒にして、α−
オレフィンとフェノール(α−オレフィンに対して1〜
3当量)を50〜200℃で反応させ、次いで触媒およ
び過剰のフェノールを除去し、アルキルフェノールを得
る方法である。この時の触媒量は、α−オレフィンとフ
ェノールの総重量の1〜10重量%、好ましくは2〜5
重量%用いるのがよい。
【0009】アルキルサリシル酸の合成はコルベシュミ
ット反応を用いて、前記のようにして得られたアルキル
フェノールから合成する方法が一般的である。すなわ
ち、苛性ソーダ水溶液、または苛性カリ水溶液を用い
て、アルキルフェノールを相応するアルキルフェノラー
トへ変換し、100〜200℃、1〜40気圧の下、炭
酸ガスで処理した後、鉱酸によってアルキルサリシル酸
を遊離させることにより調製することができる。この方
法で合成されるアルキルサリシル酸は、未反応アルキル
フェノールを通常5〜30重量%含むものである。
【0010】本発明における2価金属塩としては、通常
マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバ
リウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物等の態
様のものが使用される。特にマグネシウムまたはカルシ
ウムの水酸化物、酸化物は工業的に入手し易いことから
好ましく用いられる。
【0011】本発明における炭素数2〜4の2価アルコ
ールとしては、反応促進剤として働き、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール
などが例示され、なかでもエチレングリコールが好まし
い。
【0012】本発明において用いられる溶媒としては、
炭化水素溶媒および高級アルコールが挙げられる。ここ
で炭化水素溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族化合物やナフサ、ガソリン、軽質アルキレ
ート等の芳香族化合物を含む石油精製由来の炭化水素フ
ラクション、100℃における動粘度が3〜30cSt
の低粘度潤滑油等が例示される。また、高級アルコール
としては、反応促進剤に用いる2価アルコールの還流温
度より十分に高い沸点を有し、かつ反応後の蒸留で除去
されやすいことを考慮しなければならない。すなわち、
イソノニルアルコール、イソデカノール、イソトリデカ
ノール、イソペンタデカノール、イソオクタデカノール
等の炭素数9〜18の分岐アルコールが望ましい。好ま
しくは、イソノニルアルコール、イソデカノール、イソ
トリデカノールである。
【0013】本発明における脂肪酸は、直鎖または分
岐、飽和または不飽和を問わず広く選択される。好まし
くは、酢酸、ラウリル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、イソステアリン酸、オレイン酸、直鎖脂肪酸にα−
オレフィンをラジカル付加させることによって得られる
α−分岐脂肪酸および/またはテロマー酸等である。こ
れらの脂肪酸の添加は、耐熱性を更に向上させるので好
ましい。また、添加量は、アルキルサリシル酸に対して
通常0.01〜10当量、好ましくは0.1〜2当量で
ある。0.01当量より少ないと添加効果が不充分であ
り、10当量を越えて添加すると潤滑油基油への溶解性
が悪化するので好ましくない。
【0014】本発明における油溶性のスルホン酸は合成
系、天然系のいずれでもよい。油溶性のスルホン酸の2
価金属塩は、例えばアルキルナフタレンスルホン酸、ジ
アルキルベンゼンスルホン酸、モノアルキルベンゼンス
ルホン酸、またこれらの2価金属塩が挙げられる。2価
金属としては、亜鉛、バリウム、カルシウム、マグネシ
ウム等が挙げられ、例えば、潤滑油添加剤として市販さ
れているCaスルホネートを用いることができる。この
ようなスルホン酸またはその2価金属塩の添加は、特に
高い塩基性度を有する塩基性塩を得る場合、製品の安定
性を良くするので好ましい。この場合の使用量は通常、
製品に対して1〜30重量%であり、好ましくは5〜1
5重量%である。添加量が1重量%未満では添加の効果
が認められず、30重量%を越えて添加しても向上効果
は得られない。
【0015】本発明の潤滑油添加剤を製造するには、次
のような工程(a)〜(c)を経て行うことができる。
まず工程(a)は、炭化水素溶媒および高級アルコール
中で、少なくとも1つ以上の炭素数20〜30のアルキ
ル基を全アルキル基中10〜80重量%有するアルキル
サリシル酸に、その1当量以上の2価金属塩を加える工
程であり、2価金属塩の使用量は前記のアルキルサリシ
ル酸に対して通常1当量以上の過剰量を用いる。
【0016】次に工程(b)では、工程(a)により得
られる混合液に、炭素数2〜4の2価アルコールを添加
した後、二酸化炭素を導入して油溶性の塩基性塩溶液を
得る工程であり、ここでの2価アルコールの添加量は2
価金属塩に対して通常0.5〜2当量、好ましくは1〜
1.5当量である。0.5当量より少ないと二酸化炭素
の吸収量が少なく不溶分が多くなり、2当量を越えると
製品の粘度が増加するので好ましくない。
【0017】二酸化炭素の導入に際しては公知な任意の
方法でよく、特に前記のような反応促進剤の存在下に行
われるのが好ましい。二酸化炭素の使用量は、2価金属
塩に対して通常0.7〜0.9当量であり、0.7当量
より少なくても、0.9当量より多くても不溶分が増加
して好ましくない。
【0018】そして工程(c)においては、工程(b)
で得られる混合液から常法により溶媒を留去し、次いで
不溶分を除去することによって油溶性の塩基性塩を得る
工程であり、不溶分の除去は通常、濾過、遠心分離等の
公知の手段により容易に行なうことができる。また、本
発明の潤滑油添加剤の製造工程中、前記のような脂肪酸
および/または油溶性のスルホン酸、またはそれらの2
価金属塩を共存させてもよいが、その場合には、通常工
程(a)または工程(b)の二酸化炭素導入後において
添加される。このようにして得られる本発明の潤滑油添
加剤は、耐熱性に優れたものである。
【0019】このようにして得られる本発明の潤滑油添
加剤を、天然油および/または合成油の潤滑油基油に、
通常0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜30重量
%添加することによって本発明の潤滑油組成物を得るこ
とができる。潤滑油添加剤の添加量が0.1重量%より
少ないと添加効果が得られない。また、60重量%を超
えて添加してもさらなる向上効果がなく不経済であり好
ましくない。ここでいう天然油としては、動物油、植物
油または鉱物油であり、好適には石油由来のパラフィン
系、ナフテン系およびパラフィン−ナフテン系混合の潤
滑油である。また合成油としては、炭素数4〜18のモ
ノカルボン酸または多価カルボン酸(例えば、アジピン
酸、セバシン酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、トリメ
リット酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等)のポリ
オールまたはポリオールエーテル(例えば、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール等)とからなる合成
エステル潤滑油、ポリイソブテン、ポリアルキレングリ
コールまたはポリ−α−オレフィン等の高分子炭化水素
潤滑油を包含する。
【0020】このようにして得られる本発明の潤滑油組
成物は、耐熱性に優れたものである。また、本発明の潤
滑油組成物には、必要に応じてフェネート、ナフテネー
ト等の金属系清浄剤やジアルキルジチオリン酸亜鉛およ
び/またはジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛、さら
にコハク酸イミド型またはベンジルアミン型等の無灰性
分散剤、防錆剤、酸化防止剤、油性向上剤、粘度指数向
上剤、流動点降下剤などの添加剤を配合することができ
る。
【0021】
【実施例】以下、実施例、比較例および比較実験例によ
り本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの
実施例等によりなんら限定されるものではない。 アルキルサリシル酸の合成 撹拌器、温度計を装着した3リットルのフラスコに炭素
数20〜30(C20−30、以下同様に略す。)のα
−オレフィン1561gとフェノール940gおよび酸
性活性白土100gを入れ、160℃で反応させた。こ
の反応物から酸性活性白土を濾過で除去し、過剰のフェ
ノールを留去することでC20−30のアルキルフェノ
ール(水酸基価:115.0)を得た。このC20−3
0のアルキルフェノール673gと150ニュートラル
油(100℃の動粘度が4.2cStのパラフィン系潤
滑油)288gを撹拌器、温度計、水分離器を装着した
2リットルのフラスコに入れて撹拌しながら昇温した。
次いで、100℃で48%苛性ソーダ水溶液118gを
30分かけて添加した。さらに徐々に減圧にして脱水し
た。170℃まで昇温して30mmHgの真空度で30
分間保持した。その後冷却して大気圧にもどし、3時間
にわたり炭酸ガスを45リットル吹き込み、茶褐色液状
物(アルキルサリシル酸Na塩混合物)を得た。この反
応混合物に濃硫酸70gを添加して80℃で4時間分解
し、遊離のアルキルサリシル酸とした。この際、副生す
るぼう硝を水洗除去した。こうして得たC20−30の
アルキルサリシル酸混合物の酸価(JIS K250
1)は58.8であった。以下、実施例および比較例で
用いるアルキルサリシル酸混合物は、各アルキル鎖長に
対応するα−オレフィンを原料にして、上記の方法に従
い合成したものである。アルキル基の炭素数の割合は表
1に示すとおりである。
【0022】
【表1】
【0023】実施例1 C16−18/C20−30アルキルサリシル酸混合物
(酸価66.7mgKOH/g)420.6gを攪拌
器、温度計、水分離器を装着した2リットルフラスコに
移した。ここに消石灰64.8g、イソデカノール13
8g、150ニュートラル油10gを加えて152℃ま
で昇温した。途中、50分かけてエチレングリコール4
6.5gを添加した。152℃で1時間の熟成後、炭酸
ガス12リットルを2時間30分かけて吹き込んだ。そ
の後、220℃に昇温しながら減圧にして溶媒を留去し
た。残渣物から不溶分を濾過により除去して塩基性サリ
シレートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS
K2501過塩素酸法:以下塩基価の測定は同法)は1
90mgKOH/gであった。
【0024】実施例2 C12−14/C20−30アルキルサリシル酸混合物
(酸価79.5mgKOH/g)352.9g、消石灰
64.8g、イソデカノール138g、150ニュート
ラル油20g、エチレングリコール46.5gおよび炭
酸ガス12リットルを実施例1と同様に操作することに
よって、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価は215mgKOH/gであった。
【0025】実施例3 C12−14/C16−18/C20−30アルキルサ
リシル酸混合物(酸価73.8mgKOH/g)38
0.1g、消石灰64.8g、イソデカノール138
g、150ニュートラル油20g、エチレングリコール
46.5gおよび炭酸ガス12リットルを実施例1と同
様に操作することによって、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価は203mgKOH/g
であった。
【0026】実施例4 C12−14/C16−18/C20−30アルキルサ
リシル酸混合物(酸価73.8mgKOH/g)22
8.1g、ステアリン酸(酸価210.0mgKOH/
g)53.4g、消石灰64.8g、イソデカノール1
38g、150ニュートラル油50g、エチレングリコ
ール46.5gおよび炭酸ガス12リットルを実施例1
と同様に操作することによって、塩基性サリシレートを
得た。このサリシレートの塩基価は237mgKOH/
gであった。
【0027】実施例5 C12−14/C16−18/C20−30アルキルサ
リシル酸混合物(酸価79.2mgKOH/g)35
4.2g、消石灰64.8g、イソデカノール138
g、150ニュートラル油20g、エチレングリコール
46.5gおよび炭酸ガス12リットルを実施例1と同
様に操作することによって、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価は214mgKOH/g
であった。
【0028】実施例6 C16−18/C20−30アルキルサリシル酸混合物
(酸価66.7mgKOH/g)168.2g、消石灰
62.9g、イソデカノール178g、150ニュート
ラル油50g、エチレングリコール55.8gおよび炭
酸ガス15リットルを実施例1と同様に操作することに
よって、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価は310mgKOH/gであった。
【0029】実施例7 C12−14/C16−18/C20−30アルキルサ
リシル酸混合物(酸価73.8mgKOH/g)15
2.1g、消石灰62.9g、イソデカノール178
g、150ニュートラル油50g、エチレングリコール
55.8gおよび炭酸ガス15リットルを実施例1と同
様に操作することによって、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価は328mgKOH/g
であった。
【0030】実施例8 C12−14/C16−18/C20−30アルキルサ
リシル酸混合物(酸価73.8mgKOH/g)15
2.1g、Caスルホネート(C−25H)12.6
g、消石灰62.9g、イソデカノール178g、15
0ニュートラル油50g、エチレングリコール55.8
gおよび炭酸ガス15リットルを実施例1と同様に操作
することによって、塩基性サリシレートを得た。このサ
リシレートの塩基価は314mgKOH/gであった。
【0031】比較例1 C12−14アルキルサリシル酸混合物(酸価95.9
mgKOH/g)292.5g、消石灰64.8g、イ
ソデカノール138g、150ニュートラル油40g、
エチレングリコール46.5gおよび炭酸ガス12リッ
トルを実施例1と同様に操作することによって、塩基性
サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価は23
6mgKOH/gであった。
【0032】比較例2 C16−18アルキルサリシル酸混合物(酸価80.9
mgKOH/g)346.8g、消石灰64.8g、イ
ソデカノール138g、150ニュートラル油30g、
エチレングリコール46.5gおよび炭酸ガス12リッ
トルを実施例1と同様に操作することによって、塩基性
サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価は21
3mgKOH/gであった。
【0033】比較例3 C12−14/C16−18アルキルサリシル酸混合物
(酸価81.2mgKOH/g)345.5g、消石灰
64.8g、イソデカノール138g、150ニュート
ラル油30g、エチレングリコール46.5gおよび炭
酸ガス12リットルを実施例1と同様に操作することに
よって、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価は214mgKOH/gであった。
【0034】比較例4 C12−14/C16−18アルキルサリシル酸混合物
(酸価85.9mgKOH/g)326.6g、消石灰
64.8g、イソデカノール138g、150ニュート
ラル油30g、エチレングリコール46.5gおよび炭
酸ガス12リットルを実施例1と同様に操作することに
よって、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価は223mgKOH/gであった。
【0035】比較例5 C16−18/C20−30アルキルサリシル酸混合物
(酸価63.7mgKOH/g)176.2g、消石灰
62.9g、イソデカノール178g、150ニュート
ラル油40g、エチレングリコール55.8gおよび炭
酸ガス15リットルを実施例1と同様に操作することに
よって、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価は312mgKOH/gであった。
【0036】比較例6 C20−30アルキルサリシル酸混合物(酸価58.8
mgKOH/g)190.8g、消石灰62.9g、イ
ソデカノール178g、150ニュートラル油30g、
エチレングリコール55.8gおよび炭酸ガス15リッ
トルを実施例1と同様に操作することによって、塩基性
サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価は30
7mgKOH/gであった。
【0037】比較実験例1 実施例1〜5、比較例1〜4の塩基性サリシレートを用
いてエンジン油組成物を調製し、耐熱性試験としてパネ
ルコーキングテストを行なった。試験条件および結果を
表2に示す。その結果、適量のC20−30アルキル基
を有する実施例1〜5の塩基性サリシレートは、いずれ
も優れた耐熱性を有することを示している。なお、評価
油の配合組成は次の通りである。 評価油の配合組成: サリシレート 35TBN コハク酸イミド *1 2.0wt% ZDTP*2 0.5wt% 潤滑油基油 粘度SAE30# *1:市販コハク酸イミド(BPケミカル,ADX21
1) *2:市販ジアルキルジチオリン酸亜鉛(Amoco,
198)
【0038】
【表2】
【0039】比較実験例2 実施例1、4、比較例3の塩基性サリシレートを用いて
エンジン油組成物を調製し、自動車技術会による規格M
336(日産ディーゼルSD22使用)に則り、自動車
用機関潤滑油の清浄性試験を実施した。ただし、使用燃
料油のイオウ濃度は1.0重量%に調整した。得られた
エンジン試験結果を表3に示す。その結果、実施例4、
5はピストンの清浄性に優れ、耐熱性の良いことが示さ
れた。また、リング摩耗量も少なくエンジン油として良
好な結果を示した。なお、評価油の配合組成は次の通り
である。 評価油の配合組成: サリシレート 11TBN コハク酸イミド *1 1.5wt% ZDTP *3 0.7wt% 潤滑油基油 粘度SAE30# *1:市販コハク酸イミド(BPケミカル,ADX21
1) *3:市販ジアルキルジチオリン酸亜鉛(BPケミカ
ル,ADX304)
【0040】
【表3】
【0041】比較実験例3 実施例1〜8、比較例5、6の基油(粘度SAE50
#)への溶解性を比較した。評価油はすべて70TBN
に調整した。得られた試験結果を表4に示す。その結
果、適量のC20−30アルキル基を有する実施例1〜
8の塩基性サリシレートはいずれも良好な結果である。
【0042】
【表4】
【0043】
【発明の効果】本発明の潤滑油添加剤は、耐熱性に優れ
ると同時に潤滑油基油への溶解性も良好であるので、潤
滑油用の清浄分散剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 129:08 125:00 125:10) (C10M 159/24 135:10 129:08 125:00 129:54 129:40 125:10) C10N 10:04 30:04 30:08 40:25 70:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素溶媒および高級アルコール中
    で、少なくとも1つ以上の炭素数20〜30のアルキル
    基を全アルキル基中10〜80重量%有するアルキルサ
    リシル酸、2価金属塩、炭素数2〜4の2価アルコー
    ル、および二酸化炭素を反応させることによって得られ
    る油溶性の塩基性塩を有する潤滑油添加剤。
  2. 【請求項2】 脂肪酸および/または油溶性のスルホン
    酸、またはそれらの2価金属塩の共存下に反応させて得
    られる請求項1記載の潤滑油添加剤。
  3. 【請求項3】 下記の工程を有する潤滑油添加剤の製造
    方法。 (a):炭化水素溶媒および高級アルコール中で、少な
    くとも1つ以上の炭素数20〜30のアルキル基を有す
    るアルキルサリシル酸に、その1当量以上の2価金属塩
    を加える工程、 (b):工程(a)の混合液に、炭素数2〜4の2価ア
    ルコールを添加した後、二酸化炭素を導入して油溶性の
    塩基性塩溶液を得る工程、および (c):工程(b)の塩基性塩溶液の溶媒を留去し、次
    いで不溶分を除去することによって油溶性の塩基性塩を
    得る工程。
  4. 【請求項4】 天然油および/または合成油に請求項1
    または2に記載の潤滑油添加剤を0.1〜60重量%含
    有させてなる潤滑油組成物。
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