JPH05105894A - 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents
潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物Info
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- JPH05105894A JPH05105894A JP25970091A JP25970091A JPH05105894A JP H05105894 A JPH05105894 A JP H05105894A JP 25970091 A JP25970091 A JP 25970091A JP 25970091 A JP25970091 A JP 25970091A JP H05105894 A JPH05105894 A JP H05105894A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】炭素数1〜3のモノカルボン酸および炭素数8
〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混合物と少なく
とも一つ以上の炭素数8〜30のアルキル基を有するア
ルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭素数2〜4の
多価アルコールの存在下、該有機酸部に対して1当量以
上の2価金属塩および二酸化炭素を反応させることによ
って得られる油溶性の過塩基性2価金属塩を有する潤滑
油添加剤、およびそれを含有する潤滑油組成物に関す
る。 【効果】本発明の潤滑油添加剤は、高い塩基性度であっ
ても反応系中に残存する不溶分は少なく、かつ耐熱性に
優れる過塩基性2価金属塩を有するものであるので、潤
滑油用の清浄分散剤として有用である。
〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混合物と少なく
とも一つ以上の炭素数8〜30のアルキル基を有するア
ルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭素数2〜4の
多価アルコールの存在下、該有機酸部に対して1当量以
上の2価金属塩および二酸化炭素を反応させることによ
って得られる油溶性の過塩基性2価金属塩を有する潤滑
油添加剤、およびそれを含有する潤滑油組成物に関す
る。 【効果】本発明の潤滑油添加剤は、高い塩基性度であっ
ても反応系中に残存する不溶分は少なく、かつ耐熱性に
優れる過塩基性2価金属塩を有するものであるので、潤
滑油用の清浄分散剤として有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油用の清浄分散剤
として有用な過塩基性2価金属塩を有する潤滑油添加剤
およびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
として有用な過塩基性2価金属塩を有する潤滑油添加剤
およびそれを含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】エンジン
油には、通常、スラッジやスス等を分散し、エンジン内
部を清浄に保つとともに、燃料の燃焼によって生ずる硫
酸や硝酸等の酸性物質を中和させる目的で、過塩基性2
価金属塩を代表とする種々の潤滑油添加剤が用いられて
いる。アルキル基を有する芳香族カルボン酸、特にアル
キルサリシル酸の過塩基性2価金属塩(以下、サリシレ
ートという)の製造は、従来より広く知られている。例
えば、英国特許第786167号明細書には、アルコー
ルの存在下で有機酸と過剰のアルカリ土類金属塩の水酸
化物または酸化物を反応させ、二酸化炭素を導入するこ
とにより過塩基性塩を得る製法が記載されている。これ
らの塩基性塩はできるだけ高い塩基性度を有することが
望ましい。ここでいう塩基性度とは、過塩基性塩の単位
グラム当たりの全2価金属のモル数Mと有機酸のモル数
Sを用いて次式に示されるものである。 塩基性度=2M/S−1
油には、通常、スラッジやスス等を分散し、エンジン内
部を清浄に保つとともに、燃料の燃焼によって生ずる硫
酸や硝酸等の酸性物質を中和させる目的で、過塩基性2
価金属塩を代表とする種々の潤滑油添加剤が用いられて
いる。アルキル基を有する芳香族カルボン酸、特にアル
キルサリシル酸の過塩基性2価金属塩(以下、サリシレ
ートという)の製造は、従来より広く知られている。例
えば、英国特許第786167号明細書には、アルコー
ルの存在下で有機酸と過剰のアルカリ土類金属塩の水酸
化物または酸化物を反応させ、二酸化炭素を導入するこ
とにより過塩基性塩を得る製法が記載されている。これ
らの塩基性塩はできるだけ高い塩基性度を有することが
望ましい。ここでいう塩基性度とは、過塩基性塩の単位
グラム当たりの全2価金属のモル数Mと有機酸のモル数
Sを用いて次式に示されるものである。 塩基性度=2M/S−1
【0003】塩基性度が高いものほど同じ塩基性を得る
のに、高価な有機酸部の量が少なくてすみ、経済性の面
から有利である。しかし、従来の過塩基性2価金属塩に
は、塩基性度を高くすると2価金属塩に由来する無機物
が有機酸塩により十分に分散されず、不溶分として反応
系中に残存し、この不溶分が非常に多い場合には除去す
ることが非常に困難となるという問題が生じる。
のに、高価な有機酸部の量が少なくてすみ、経済性の面
から有利である。しかし、従来の過塩基性2価金属塩に
は、塩基性度を高くすると2価金属塩に由来する無機物
が有機酸塩により十分に分散されず、不溶分として反応
系中に残存し、この不溶分が非常に多い場合には除去す
ることが非常に困難となるという問題が生じる。
【0004】例えば、特開昭63−203645号公報
には、炭素数8〜30のアルキルサリシル酸と炭素数4
〜40の分岐脂肪酸の配合物に1当量以上のアルカリ土
類金属水酸化物または酸化物を混合し、炭素数1〜6の
アルコール存在下で二酸化炭素を導入し、高塩基性のサ
リシレートが得られることが開示されている。また、特
開平2−38494号公報には、ヒドロカルビル置換サ
リシル酸、またはそのアルカリ土類金属塩に石灰、塩化
カルシウム、脂肪酸を混合させ、アルコールを促進剤と
して、二酸化炭素を導入し、300TBN(総塩基数)
以上の塩基価を有するサリシレートの製法が開示されて
いる。しかし、これらの製法により得られるサリシレー
トには、反応系中に不溶分が多く残存するという問題が
あり、この傾向は、塩基性度を高めるほど顕著であり、
製造上好ましくない問題である。
には、炭素数8〜30のアルキルサリシル酸と炭素数4
〜40の分岐脂肪酸の配合物に1当量以上のアルカリ土
類金属水酸化物または酸化物を混合し、炭素数1〜6の
アルコール存在下で二酸化炭素を導入し、高塩基性のサ
リシレートが得られることが開示されている。また、特
開平2−38494号公報には、ヒドロカルビル置換サ
リシル酸、またはそのアルカリ土類金属塩に石灰、塩化
カルシウム、脂肪酸を混合させ、アルコールを促進剤と
して、二酸化炭素を導入し、300TBN(総塩基数)
以上の塩基価を有するサリシレートの製法が開示されて
いる。しかし、これらの製法により得られるサリシレー
トには、反応系中に不溶分が多く残存するという問題が
あり、この傾向は、塩基性度を高めるほど顕著であり、
製造上好ましくない問題である。
【0005】また、自動車用エンジンなどの高出力化へ
の要求は近年ますます高くなり、また燃費改善のためエ
ンジンの熱効率の向上を図ることが課題とされている
が、これらによりピストン周辺部はますます高温化され
ている。そのため、これらのサリシレートを含有する潤
滑油組成物については、更なる耐熱性が要求されてい
る。従来より耐熱性に優れた潤滑油組成物としては、ネ
オペンチル型ポリオールエステルを用いた添加剤が知ら
れているが(特公昭46−6528号公報など)、ネオ
ペンチル型ポリオールエステルは非常に高価である。従
って、高い塩基性度であっても反応系中に残存する不溶
分は少なく、かつ耐熱性に優れた潤滑油組成物の開発が
当業界では期待されているが、未だ満足できるものは得
られていないのが実情である。
の要求は近年ますます高くなり、また燃費改善のためエ
ンジンの熱効率の向上を図ることが課題とされている
が、これらによりピストン周辺部はますます高温化され
ている。そのため、これらのサリシレートを含有する潤
滑油組成物については、更なる耐熱性が要求されてい
る。従来より耐熱性に優れた潤滑油組成物としては、ネ
オペンチル型ポリオールエステルを用いた添加剤が知ら
れているが(特公昭46−6528号公報など)、ネオ
ペンチル型ポリオールエステルは非常に高価である。従
って、高い塩基性度であっても反応系中に残存する不溶
分は少なく、かつ耐熱性に優れた潤滑油組成物の開発が
当業界では期待されているが、未だ満足できるものは得
られていないのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために鋭意検討した結果、本発明に到った。即
ち、本発明の要旨は、炭素数1〜3のモノカルボン酸お
よび炭素数8〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混
合物と少なくとも一つ以上の炭素数8〜30のアルキル
基を有するアルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭
素数2〜4の多価アルコールの存在下、該有機酸部に対
して1当量以上の2価金属塩および二酸化炭素を反応さ
せることによって得られる油溶性の過塩基性2価金属塩
を有する潤滑油添加剤、およびそれを含有する潤滑油組
成物に関する。
解決するために鋭意検討した結果、本発明に到った。即
ち、本発明の要旨は、炭素数1〜3のモノカルボン酸お
よび炭素数8〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混
合物と少なくとも一つ以上の炭素数8〜30のアルキル
基を有するアルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭
素数2〜4の多価アルコールの存在下、該有機酸部に対
して1当量以上の2価金属塩および二酸化炭素を反応さ
せることによって得られる油溶性の過塩基性2価金属塩
を有する潤滑油添加剤、およびそれを含有する潤滑油組
成物に関する。
【0007】本発明における炭素数1〜3のモノカルボ
ン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸であり好まし
くは酢酸が用いられる。炭素数1〜3のモノカルボン酸
の使用量は、アルキルサリシル酸に対して通常0.01
〜1当量、好ましくは0.1〜0.5当量である。0.
01当量より少ないと不溶分の低減効果が不充分であ
り、1当量を越えて添加しても向上効果が得られない。
ン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸であり好まし
くは酢酸が用いられる。炭素数1〜3のモノカルボン酸
の使用量は、アルキルサリシル酸に対して通常0.01
〜1当量、好ましくは0.1〜0.5当量である。0.
01当量より少ないと不溶分の低減効果が不充分であ
り、1当量を越えて添加しても向上効果が得られない。
【0008】本発明における炭素数8〜80のモノカル
ボン酸としては、直鎖状のみならず分岐状のいずれでも
よい。例えば直鎖のモノカルボン酸としてはオクタン
酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、
テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ドコサン酸、テトラ
コサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、トリアコ
ンタン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸等が挙げら
れ、分岐のモノカルボン酸としては、2−エチルヘキサ
ン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステ
アリン酸、ゲルベ法によって合成されるα−分岐脂肪
酸、直鎖脂肪酸にα−オレフィンをラジカル付加させる
ことによって得られるα−分岐脂肪酸および/またはテ
ロマー酸等であり、好ましくは炭素数12〜42のもの
が用いられる。このような炭素数8〜80のモノカルボ
ン酸の使用量は、通常0.01〜10当量、好ましくは
0.1〜4当量である。0.01当量より少ないと耐熱
性が不充分であり、10当量を越えると潤滑油基油への
溶解性が悪くなるので好ましくない。
ボン酸としては、直鎖状のみならず分岐状のいずれでも
よい。例えば直鎖のモノカルボン酸としてはオクタン
酸、ノナン酸、デカン酸、ウンデカン酸、ドデカン酸、
テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、ドコサン酸、テトラ
コサン酸、ヘキサコサン酸、オクタコサン酸、トリアコ
ンタン酸、オクタデカン酸、エイコサン酸等が挙げら
れ、分岐のモノカルボン酸としては、2−エチルヘキサ
ン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステ
アリン酸、ゲルベ法によって合成されるα−分岐脂肪
酸、直鎖脂肪酸にα−オレフィンをラジカル付加させる
ことによって得られるα−分岐脂肪酸および/またはテ
ロマー酸等であり、好ましくは炭素数12〜42のもの
が用いられる。このような炭素数8〜80のモノカルボ
ン酸の使用量は、通常0.01〜10当量、好ましくは
0.1〜4当量である。0.01当量より少ないと耐熱
性が不充分であり、10当量を越えると潤滑油基油への
溶解性が悪くなるので好ましくない。
【0009】本発明におけるアルキルサリシル酸は、炭
素数8〜30のアルキル基を少なくとも1つ有するもの
が使用される。このようなアルキルサリシル酸は、例え
ば炭素数8〜30のアルキル基を少なくとも1つ有する
アルキルフェノールのアルカリ金属塩またはアルカリ土
類金属塩を二酸化炭素と接触させ調製されるものを使用
することができる。
素数8〜30のアルキル基を少なくとも1つ有するもの
が使用される。このようなアルキルサリシル酸は、例え
ば炭素数8〜30のアルキル基を少なくとも1つ有する
アルキルフェノールのアルカリ金属塩またはアルカリ土
類金属塩を二酸化炭素と接触させ調製されるものを使用
することができる。
【0010】本発明における炭素数2〜4の多価アルコ
ールとしては、反応促進剤として用いられエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール等が挙げられるが、好まし
くはエチレングリコールである。このような多価アルコ
ールの使用量は、2価金属塩に対して通常0.5〜2当
量、好ましくは1〜1.5当量である。0.5当量より
少ないと不溶分が多くなり、2当量を越えると製品の粘
度が増加するので好ましくない。
ールとしては、反応促進剤として用いられエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール等が挙げられるが、好まし
くはエチレングリコールである。このような多価アルコ
ールの使用量は、2価金属塩に対して通常0.5〜2当
量、好ましくは1〜1.5当量である。0.5当量より
少ないと不溶分が多くなり、2当量を越えると製品の粘
度が増加するので好ましくない。
【0011】本発明における2価金属塩としては、アル
カリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物が挙げ
られ、通常カルシウム、マグネシウム、ストロンチウ
ム、またはバリウムの水酸化物、酸化物が用いられ、特
にカルシウムまたはマグネシウムの水酸化物、酸化物が
好ましく用いられる。このような2価金属塩は、炭素数
1〜3のモノカルボン酸及び炭素数8〜80のモノカル
ボン酸からなる脂肪酸混合物とアルキルサリシル酸より
なる有機酸部に対して1当量以上の過剰量を用いる。
カリ土類金属水酸化物、アルカリ土類金属酸化物が挙げ
られ、通常カルシウム、マグネシウム、ストロンチウ
ム、またはバリウムの水酸化物、酸化物が用いられ、特
にカルシウムまたはマグネシウムの水酸化物、酸化物が
好ましく用いられる。このような2価金属塩は、炭素数
1〜3のモノカルボン酸及び炭素数8〜80のモノカル
ボン酸からなる脂肪酸混合物とアルキルサリシル酸より
なる有機酸部に対して1当量以上の過剰量を用いる。
【0012】本発明における過塩基性2価金属塩を製造
するには、通常、前記の炭素数1〜3のモノカルボン
酸、炭素数8〜80のモノカルボン酸及びアルキルサリ
シル酸よりなる有機酸の混合物に、2価金属塩を加えて
混合し、次いで炭素数2〜4の多価アルコールを添加
し、二酸化炭素を導入することによって行うことができ
る。ここで用いられる溶媒としては、炭化水素溶媒、高
級アルコールが挙げられる。炭化水素溶媒としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及び石油
精製由来の低粘度潤滑油が例示され、例えば100℃の
動粘度が3〜30cSt のパラフィン系鉱物油などが用い
られる。また高級アルコールとしては、オクタノール、
ノナノール、イソノナノール、デカノール、イソデカノ
ール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソト
リデカノール、2−エチルヘキサノール、イソヘキサデ
カノール、イソオクタデカノール等の炭素数8〜18の
高級アルコールが例示される。好ましくはC8 〜C13の
分岐の高級アルコールが用いられる。溶媒としてはこれ
らを単独で用いてもよいが、パラフィン系炭化水素と高
級アルコールとの組み合わせが好ましい。二酸化炭素の
導入に際しては公知な任意の方法でよく、特に前記のよ
うな反応促進剤の存在下に行われるのが好ましい。二酸
化炭素の使用量は、2価金属塩に対して通常0.7〜
0.9当量であり、0.7当量より少なくても、0.9
当量より多くても不溶分が増加して好ましくない。
するには、通常、前記の炭素数1〜3のモノカルボン
酸、炭素数8〜80のモノカルボン酸及びアルキルサリ
シル酸よりなる有機酸の混合物に、2価金属塩を加えて
混合し、次いで炭素数2〜4の多価アルコールを添加
し、二酸化炭素を導入することによって行うことができ
る。ここで用いられる溶媒としては、炭化水素溶媒、高
級アルコールが挙げられる。炭化水素溶媒としてはベン
ゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素及び石油
精製由来の低粘度潤滑油が例示され、例えば100℃の
動粘度が3〜30cSt のパラフィン系鉱物油などが用い
られる。また高級アルコールとしては、オクタノール、
ノナノール、イソノナノール、デカノール、イソデカノ
ール、イソウンデカノール、イソドデカノール、イソト
リデカノール、2−エチルヘキサノール、イソヘキサデ
カノール、イソオクタデカノール等の炭素数8〜18の
高級アルコールが例示される。好ましくはC8 〜C13の
分岐の高級アルコールが用いられる。溶媒としてはこれ
らを単独で用いてもよいが、パラフィン系炭化水素と高
級アルコールとの組み合わせが好ましい。二酸化炭素の
導入に際しては公知な任意の方法でよく、特に前記のよ
うな反応促進剤の存在下に行われるのが好ましい。二酸
化炭素の使用量は、2価金属塩に対して通常0.7〜
0.9当量であり、0.7当量より少なくても、0.9
当量より多くても不溶分が増加して好ましくない。
【0013】また、炭素数1〜3のモノカルボン酸及び
炭素数8〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混合物
は、その一部を又は全部を二酸化炭素の導入後に添加す
る方法であってもよい。また有機酸混合物の一部に油溶
性のスルホン酸を含めてもよく、特に高い塩基性度を有
する過塩基性2価金属塩を得る場合は、製品の安定性を
良くする事からスルホン酸を添加することが好ましい。
この場合の使用量は通常、製品に対して1〜30重量%
であり、好ましくは5〜15重量%である。
炭素数8〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混合物
は、その一部を又は全部を二酸化炭素の導入後に添加す
る方法であってもよい。また有機酸混合物の一部に油溶
性のスルホン酸を含めてもよく、特に高い塩基性度を有
する過塩基性2価金属塩を得る場合は、製品の安定性を
良くする事からスルホン酸を添加することが好ましい。
この場合の使用量は通常、製品に対して1〜30重量%
であり、好ましくは5〜15重量%である。
【0014】次に、得られる混合液から常法により溶媒
を留去し、次いで不溶分を除去するが、不溶分の除去は
通常、濾過、遠心分離等の公知の手段により容易に行な
うことができる。このようにして得られる本発明におけ
る過塩基性2価金属塩は、高い塩基性度であっても反応
系中に残存する不溶分は少ない。
を留去し、次いで不溶分を除去するが、不溶分の除去は
通常、濾過、遠心分離等の公知の手段により容易に行な
うことができる。このようにして得られる本発明におけ
る過塩基性2価金属塩は、高い塩基性度であっても反応
系中に残存する不溶分は少ない。
【0015】このような製造方法で得られる過塩基性2
価金属塩を有する潤滑油添加剤を、天然油および/また
は合成油等の潤滑油基油に、通常0.1〜60重量%、
好ましくは0.5〜30重量%添加することによって本
発明の潤滑油組成物を得ることができる。ここでいう天
然油としては、動物油、植物油または鉱物油であり、好
適には石油由来のパラフィン系、ナフテン系およびパラ
フィン−ナフテン系混合の潤滑油である。また合成油と
しては、炭素数4〜18のモノカルボン酸または多価カ
ルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、クエン
酸、酒石酸、フタル酸、トリメリット酸、コハク酸、フ
マル酸、マレイン酸等)のポリオールまたはポリオール
エーテル(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール等)とからなる合成エステル潤滑油、ポリイ
ソブテン、ポリアルキレングリコールまたはポリ−α−
オレフィン等の高分子炭化水素潤滑油を包含する。
価金属塩を有する潤滑油添加剤を、天然油および/また
は合成油等の潤滑油基油に、通常0.1〜60重量%、
好ましくは0.5〜30重量%添加することによって本
発明の潤滑油組成物を得ることができる。ここでいう天
然油としては、動物油、植物油または鉱物油であり、好
適には石油由来のパラフィン系、ナフテン系およびパラ
フィン−ナフテン系混合の潤滑油である。また合成油と
しては、炭素数4〜18のモノカルボン酸または多価カ
ルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、クエン
酸、酒石酸、フタル酸、トリメリット酸、コハク酸、フ
マル酸、マレイン酸等)のポリオールまたはポリオール
エーテル(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール等)とからなる合成エステル潤滑油、ポリイ
ソブテン、ポリアルキレングリコールまたはポリ−α−
オレフィン等の高分子炭化水素潤滑油を包含する。
【0016】このようにして得られる本発明の潤滑油組
成物は、後述の実施例において示されるように耐熱性に
優れたものである。また、本発明の潤滑油組成物には、
必要に応じてスルフォネート、フェネート、ナフテネー
ト等の金属系清浄剤やジアルキルジチオリン酸亜鉛およ
び/またはジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛、さら
にコハク酸イミド型またはベンジルアミン型等の無灰性
分散剤、防錆剤、酸化防止剤、油性向上剤、粘度指数向
上剤、流動点降下剤などの添加剤を配合することができ
る。
成物は、後述の実施例において示されるように耐熱性に
優れたものである。また、本発明の潤滑油組成物には、
必要に応じてスルフォネート、フェネート、ナフテネー
ト等の金属系清浄剤やジアルキルジチオリン酸亜鉛およ
び/またはジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛、さら
にコハク酸イミド型またはベンジルアミン型等の無灰性
分散剤、防錆剤、酸化防止剤、油性向上剤、粘度指数向
上剤、流動点降下剤などの添加剤を配合することができ
る。
【0017】
【実施例】以下、実施例、比較例および比較実験例によ
り本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの
実施例等によりなんら限定されるものではない。 実施例1 攪拌器、温度計、水分離器を装着した2Lのフラスコに
炭素数12〜28のアルキル基をもつアルキルフェノー
ル514g(1.4モル)と150ニュートラル油(1
00℃の動粘度が4.2cStのパラフィン系潤滑油)
220gを入れて攪拌しながら昇温した。100℃で4
8%苛性ソーダ水溶液118gを30分かけて添加し
た。さらに徐々に減圧にして脱水した。170℃まで昇
温して30mmHgの真空度で30分間保持した。その
後冷却して大気圧にもどし、炭酸ガスを45L吹き込ん
だ。吹き込みは3時間かけた。810gの茶褐色液状物
(アルキルサリシル酸Na塩混合物)を得た。この反応
混合物870gに対して濃硫酸70gを添加して80℃
で4時間分解し、遊離のアルキルサリシル酸とした。酸
価(JIS K2501)78.5であり、アルキルフ
ェノールの80%がサリシル化された。
り本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの
実施例等によりなんら限定されるものではない。 実施例1 攪拌器、温度計、水分離器を装着した2Lのフラスコに
炭素数12〜28のアルキル基をもつアルキルフェノー
ル514g(1.4モル)と150ニュートラル油(1
00℃の動粘度が4.2cStのパラフィン系潤滑油)
220gを入れて攪拌しながら昇温した。100℃で4
8%苛性ソーダ水溶液118gを30分かけて添加し
た。さらに徐々に減圧にして脱水した。170℃まで昇
温して30mmHgの真空度で30分間保持した。その
後冷却して大気圧にもどし、炭酸ガスを45L吹き込ん
だ。吹き込みは3時間かけた。810gの茶褐色液状物
(アルキルサリシル酸Na塩混合物)を得た。この反応
混合物870gに対して濃硫酸70gを添加して80℃
で4時間分解し、遊離のアルキルサリシル酸とした。酸
価(JIS K2501)78.5であり、アルキルフ
ェノールの80%がサリシル化された。
【0018】実施例2 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸2.5g、ステアリン酸(酸価210.0mg
KOH/g)26g、消石灰78g、イソデカノール2
72g、150ニュートラル油20gを加えて155℃
まで昇温した。途中138℃でエチレングリコール60
gを加えた。この反応混合物中に、150℃で炭酸ガス
18Lを2時間30分かけて吹き込んだ。その後、20
0℃に昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物
から不溶分を濾過により除去、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価(JIS K2501)
は232mgKOH/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸2.5g、ステアリン酸(酸価210.0mg
KOH/g)26g、消石灰78g、イソデカノール2
72g、150ニュートラル油20gを加えて155℃
まで昇温した。途中138℃でエチレングリコール60
gを加えた。この反応混合物中に、150℃で炭酸ガス
18Lを2時間30分かけて吹き込んだ。その後、20
0℃に昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物
から不溶分を濾過により除去、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価(JIS K2501)
は232mgKOH/gであった。
【0019】実施例3 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸2.5
g、イソステアリン酸(酸価195.6mgKOH/
g)29g、消石灰78g、イソデカノール272g、
150ニュートラル油20g、エチレングリコール60
gおよび炭酸ガス18Lを用いて実施例2と同様の操作
を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリシレー
トの塩基価(JIS K2501)は226mgKOH
/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸2.5
g、イソステアリン酸(酸価195.6mgKOH/
g)29g、消石灰78g、イソデカノール272g、
150ニュートラル油20g、エチレングリコール60
gおよび炭酸ガス18Lを用いて実施例2と同様の操作
を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリシレー
トの塩基価(JIS K2501)は226mgKOH
/gであった。
【0020】実施例4 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した3Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸3.6g、α−分岐脂肪酸(酸価161.2m
gKOH/g)35g、消石灰139g、イソデカノー
ル555g、150ニュートラル油60gを加えて15
5℃まで昇温した。途中142℃でエチレングリコール
121gを加えた。この反応混合物中に、145℃で炭
酸ガス38Lを3時間かけて吹き込んだ。その後、21
0℃で昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物
から不溶分を濾過により除去、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価(JIS K2501)
は324mgKOH/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した3Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸3.6g、α−分岐脂肪酸(酸価161.2m
gKOH/g)35g、消石灰139g、イソデカノー
ル555g、150ニュートラル油60gを加えて15
5℃まで昇温した。途中142℃でエチレングリコール
121gを加えた。この反応混合物中に、145℃で炭
酸ガス38Lを3時間かけて吹き込んだ。その後、21
0℃で昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物
から不溶分を濾過により除去、塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価(JIS K2501)
は324mgKOH/gであった。
【0021】比較例1 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸2.5
g、消石灰78g、イソデカノール272g、150ニ
ュートラル油50g、エチレングリコール60gおよび
炭酸ガス18Lを用いて実施例2と同様の操作を行な
い、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩
基価(JIS K2501)は230mgKOH/gで
あった。
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸2.5
g、消石灰78g、イソデカノール272g、150ニ
ュートラル油50g、エチレングリコール60gおよび
炭酸ガス18Lを用いて実施例2と同様の操作を行な
い、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩
基価(JIS K2501)は230mgKOH/gで
あった。
【0022】比較例2 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357g、消石灰78
g、イソデカノール272g、150ニュートラル油2
0g、エチレングリコール60gおよび炭酸ガス18L
を用いて実施例2と同様の操作を行ない、塩基性サリシ
レートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS K
2501)は224mgKOH/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357g、消石灰78
g、イソデカノール272g、150ニュートラル油2
0g、エチレングリコール60gおよび炭酸ガス18L
を用いて実施例2と同様の操作を行ない、塩基性サリシ
レートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS K
2501)は224mgKOH/gであった。
【0023】比較例3 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸2.5g、消石灰78g、メタノール77g、
キシレン390g、150ニュートラル油50gを加え
て30℃で1時間攪拌した。この反応混合物中に、炭酸
ガス18Lを2時間30分かけて吹き込んだ。その後、
150℃に昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残
渣物から不溶分を濾過により除去、塩基性サリシレート
を得た。このサリシレートの塩基価(JIS K250
1)は218mgKOH/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2Lフラスコに移した。ここ
に、酢酸2.5g、消石灰78g、メタノール77g、
キシレン390g、150ニュートラル油50gを加え
て30℃で1時間攪拌した。この反応混合物中に、炭酸
ガス18Lを2時間30分かけて吹き込んだ。その後、
150℃に昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残
渣物から不溶分を濾過により除去、塩基性サリシレート
を得た。このサリシレートの塩基価(JIS K250
1)は218mgKOH/gであった。
【0024】比較例4 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸3.6
g、消石灰139g、イソデカノール555g、150
ニュートラル油100g、エチレングリコール121g
および炭酸ガス38Lを用いて実施例4と同様の操作を
行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価(JIS K2501)は322mgKOH/
gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸3.6
g、消石灰139g、イソデカノール555g、150
ニュートラル油100g、エチレングリコール121g
および炭酸ガス38Lを用いて実施例4と同様の操作を
行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリシレート
の塩基価(JIS K2501)は322mgKOH/
gであった。
【0025】比較例5 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357g、消石灰13
9g、イソデカノール555g、150ニュートラル油
50g、エチレングリコール100gおよび炭酸ガス3
8Lを用いて実施例4と同様の操作を行ない塩基性サリ
シレートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS
K2501)は316mgKOH/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357g、消石灰13
9g、イソデカノール555g、150ニュートラル油
50g、エチレングリコール100gおよび炭酸ガス3
8Lを用いて実施例4と同様の操作を行ない塩基性サリ
シレートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS
K2501)は316mgKOH/gであった。
【0026】比較例6 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸3.6
g、消石灰139g、メタノール77g、キシレン39
0g、イソデカノール555g、150ニュートラル油
100gおよび炭酸ガス38Lを用いて比較例3と同様
の操作を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリ
シレートの塩基価(JIS K2501)は288mg
KOH/gであった。
(酸価78.5mgKOH/g)357g、酢酸3.6
g、消石灰139g、メタノール77g、キシレン39
0g、イソデカノール555g、150ニュートラル油
100gおよび炭酸ガス38Lを用いて比較例3と同様
の操作を行ない、塩基性サリシレートを得た。このサリ
シレートの塩基価(JIS K2501)は288mg
KOH/gであった。
【0027】比較実験例1 実施例2〜4、比較例1〜6の反応系中に残存する不溶
分を比較するために、溶媒留去後の反応物(25ml)
を石油エーテル(75ml)の入った100ml遠心管
に入れ、1500rpmで20分間遠心分離、沈降物量
を測定した。その結果とアルキルサリシル酸を基準にし
た塩基性度を表1に示す。反応促進剤にエチレングリコ
ールを用いて酢酸を併用したものは、いずれも反応系中
の不溶分が少ないことを示している。
分を比較するために、溶媒留去後の反応物(25ml)
を石油エーテル(75ml)の入った100ml遠心管
に入れ、1500rpmで20分間遠心分離、沈降物量
を測定した。その結果とアルキルサリシル酸を基準にし
た塩基性度を表1に示す。反応促進剤にエチレングリコ
ールを用いて酢酸を併用したものは、いずれも反応系中
の不溶分が少ないことを示している。
【0028】
【表1】
【0029】比較実験例2 実施例2〜4、比較例1、4の塩基性サリシレートを用
いてエンジン油組成物を調製し、耐熱性試験としてパネ
ルコーキングテストを行なった。試験条件および結果を
表2に示す。本発明における脂肪酸を用いたものは、デ
ポジット付着量が少なくいずれも優れた耐熱性を有する
ことを示している。 *1;市販コハク酸イミド(BPケミカル ADX21
1) *2;市販ZDTP(Amoco 198)
いてエンジン油組成物を調製し、耐熱性試験としてパネ
ルコーキングテストを行なった。試験条件および結果を
表2に示す。本発明における脂肪酸を用いたものは、デ
ポジット付着量が少なくいずれも優れた耐熱性を有する
ことを示している。 *1;市販コハク酸イミド(BPケミカル ADX21
1) *2;市販ZDTP(Amoco 198)
【0030】
【表2】
【0031】比較実験例3 実施例2、比較例1の塩基性サリシレートを用いてエン
ジン油組成物を調製し、自動車技術会による規格M33
6(日産ディーゼルSD22使用)に則り、自動車用機
関潤滑油の清浄性試験を実施した。ただし、使用燃料油
のイオウ濃度は1.0%に調整した。エンジン試験結果
を表3に示す。 *1;市販コハク酸イミド(BPケミカル ADX21
1) *3;市販ZDTP(BPケミカル ADX304) その結果、ステアリン酸を添加した実施例2の方がピス
トンの清浄性に優れ、耐熱性の良いことが示された。ま
た、リング摩耗量も少なくエンジン油として良好な結果
を示した。
ジン油組成物を調製し、自動車技術会による規格M33
6(日産ディーゼルSD22使用)に則り、自動車用機
関潤滑油の清浄性試験を実施した。ただし、使用燃料油
のイオウ濃度は1.0%に調整した。エンジン試験結果
を表3に示す。 *1;市販コハク酸イミド(BPケミカル ADX21
1) *3;市販ZDTP(BPケミカル ADX304) その結果、ステアリン酸を添加した実施例2の方がピス
トンの清浄性に優れ、耐熱性の良いことが示された。ま
た、リング摩耗量も少なくエンジン油として良好な結果
を示した。
【0032】
【表3】
【0033】
【発明の効果】本発明の潤滑油添加剤は、高い塩基性度
であっても反応系中に残存する不溶分は少なく、かつ耐
熱性に優れる過塩基性2価金属塩を有するものであるの
で、潤滑油用の清浄分散剤として有用である。
であっても反応系中に残存する不溶分は少なく、かつ耐
熱性に優れる過塩基性2価金属塩を有するものであるの
で、潤滑油用の清浄分散剤として有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 炭素数1〜3のモノカルボン酸および炭
素数8〜80のモノカルボン酸からなる脂肪酸混合物と
少なくとも一つ以上の炭素数8〜30のアルキル基を有
するアルキルサリシル酸よりなる有機酸部に、炭素数2
〜4の多価アルコールの存在下、該有機酸部に対して1
当量以上の2価金属塩および二酸化炭素を反応させるこ
とによって得られる油溶性の過塩基性2価金属塩を有す
る潤滑油添加剤。 - 【請求項2】 炭素数1〜3のモノカルボン酸が、酢酸
である請求項1記載の潤滑油添加剤。 - 【請求項3】 炭素数2〜4の多価アルコールが、エチ
レングリコールである請求項1記載の潤滑油添加剤。 - 【請求項4】 炭素数1〜3のモノカルボン酸および炭
素数8〜80のモノカルボン酸の使用量が、アルキルサ
リシル酸に対してそれぞれ0.01〜1当量、0.01
〜10当量である請求項1記載の潤滑油添加剤。 - 【請求項5】 請求項1〜8記載の潤滑油添加剤を天然
油および/または合成油に0.1〜60重量%含有する
潤滑油組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25970091A JPH05105894A (ja) | 1991-09-10 | 1991-09-10 | 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25970091A JPH05105894A (ja) | 1991-09-10 | 1991-09-10 | 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05105894A true JPH05105894A (ja) | 1993-04-27 |
Family
ID=17337717
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25970091A Pending JPH05105894A (ja) | 1991-09-10 | 1991-09-10 | 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH05105894A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012522878A (ja) * | 2009-04-07 | 2012-09-27 | インフィニューム インターナショナル リミテッド | 船舶用機関の潤滑 |
-
1991
- 1991-09-10 JP JP25970091A patent/JPH05105894A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012522878A (ja) * | 2009-04-07 | 2012-09-27 | インフィニューム インターナショナル リミテッド | 船舶用機関の潤滑 |
JP2012522879A (ja) * | 2009-04-07 | 2012-09-27 | インフィニューム インターナショナル リミテッド | 船舶用エンジン潤滑 |
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