JPH0532991A - 潤滑油添加剤の製造方法およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤の製造方法およびそれを含有する潤滑油組成物

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JPH0532991A
JPH0532991A JP21446691A JP21446691A JPH0532991A JP H0532991 A JPH0532991 A JP H0532991A JP 21446691 A JP21446691 A JP 21446691A JP 21446691 A JP21446691 A JP 21446691A JP H0532991 A JPH0532991 A JP H0532991A
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acid
lubricating oil
carboxylic acid
alkaline earth
earth metal
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JP21446691A
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Shiyuuichi Inaie
修一 稲家
Katsuhiko Asamori
勝彦 朝守
Toshinori Tanaka
俊伯 田中
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は(a)炭化水素および/または脂肪族
アルコール溶媒中で、少なくとも1つのアルキル基を有
する芳香族カルボン酸とアルカリ土類金属水酸化物およ
び/または酸化物を混合し、二酸化炭素ガスを導入する
ことによって得られた過塩基性アルカリ土類金属溶液塩
に、(b)脂肪族カルボン酸を混合し、(c)塩基性化
合物を得る潤滑油添加剤の製造法であり、また得られた
潤滑油添加剤を含む潤滑油組成物を提供する。 【効果】本発明によれば、反応系中の不溶分を少なく保
ちながら、かつ、塩基性度が高く、表面皮膜の生成や経
時的な増粘のない安定化された過塩基性塩を提供する。
さらに、耐熱性に優れた、当該添加物を含有する潤滑油
組成物をも提供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油用の清浄分散剤
として有用な潤滑油添加剤の製造方法およびそれを含有
する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジン油には、通常、スラッジやスス
等を分散し、エンジン内部を清浄に保つとともに、燃料
の燃焼によって生ずる硫酸や硝酸等の酸性物質を中和さ
せる目的で、過塩基性のアルカリ土類金属塩を代表とす
る種々の潤滑油添加剤が用いられている。アルキル基を
有する芳香族カルボン酸、特にアルキルサリシル酸の過
塩基性アルカリ土類金属塩(以下サリシレートという)
の製造は、従来より広く知られている。例えば、英国特
許第786167号明細書には、アルコールの存在下で
有機酸と過剰のアルカリ土類金属塩の水酸化物または酸
化物を反応させ、二酸化炭素を導入することにより過塩
基性塩を得る製法が記載されている。これらの塩基性塩
はできるだけ高い塩基性度を有することが望ましい。こ
こでいう塩基性度とは、過塩基性塩の単位グラム当たり
の全アルカリ土類金属のモル数Mと有機酸のモル数Sを
用いて次式に示されるものである。 塩基性度=2M/S−1
【0003】塩基性度が高いものほど同じ塩基性を得る
のに、高価な有機酸部の量が少なくてすみ、経済性の面
から有利である。しかし、従来の方法では、塩基性度を
高くすると幾つかの問題が生ずることが指摘されてい
る。第1の問題は、塩基性塩自身の安定性が悪くなると
いう欠点である。即ち、表面に皮膜を形成し、それが潤
滑油基油に溶解しなくなったり、貯蔵中に粘度が徐々に
上昇し、遂には固化するという問題を生じる。第2の問
題は、アルカリ土類金属塩に由来する無機物が有機酸塩
により十分に分散されず、不溶分として反応系中に残存
することである。この不溶分が非常に多い場合には、除
去することは非常に困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の問題を解決する
ために脂肪酸を用いた幾つかの試みがなされている。特
開昭63−203645号公報には、炭素数8〜30の
アルキルサリシル酸と炭素数4〜40の分岐脂肪酸の配
合物に1当量以上のアルカリ土類金属水酸化物または酸
化物を混合し、炭素数1〜6のアルコール存在下で二酸
化炭素を導入し、ゲル化の問題のない高塩基性のサリシ
レートが得られることが開示されている。また、特開平
2−38494号公報には、ヒドロカルビル置換サリシ
ル酸、またはそのアルカリ土類金属塩に石灰、塩化カル
シウム、脂肪酸を混合させ、アルコールを促進剤とし
て、二酸化炭素を導入し、300TBN(総塩基数)以
上の塩基価を有するサリシレートの製法が開示されてい
る。
【0005】しかし、いずれの方法においても、反応系
中に不溶分が多く残存するという第2の問題は解決され
ていない。この傾向は、塩基性度を高めるほど顕著であ
り、製造上、好ましくない問題である。これらの不溶分
は、有機酸塩によって分散されないアルカリ土類金属塩
である。また、近年におけるエンジンの高出力化に伴う
ピストン周辺部の高温化により、これらのサリシレート
を含有する潤滑油組成物については、更なる耐熱性が要
求されている。従って、反応系中に残存する不溶分を少
なくしたまま、高い塩基性度を有する安定化された潤滑
油添加剤の製造方法および耐熱性に優れた潤滑油組成物
の開発が当業界では期待されているが、未だ満足できる
ものは得られていないのが実情である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、過塩基化工程後に
少なくとも1種以上の分岐脂肪酸を含む脂肪族カルボン
酸を加えることにより、不溶なアルカリ土類金属塩を脂
肪酸塩として分散し不溶分を少なくできること、さらに
その製造方法により得られる潤滑油添加剤を含有する潤
滑油組成物が耐熱性を向上させることを見い出し、本発
明を完成するに到った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、 (1)下記の工程を有する潤滑油添加剤の製造方法、 工程(a):炭化水素および/または高級アルコール溶
媒中で、少なくとも1つのアルキル基を有する芳香族カ
ルボン酸と該芳香族カルボン酸に対し1当量以上のアル
カリ土類金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属
酸化物を混合し、次いで二酸化炭素ガスを導入すること
により過塩基性アルカリ土類金属塩溶液を得る工程、 工程(b):工程(a)で得られる過塩基性アルカリ土
類金属塩溶液に少なくとも1種以上の分岐脂肪酸を含む
脂肪族カルボン酸を、該芳香族カルボン酸に対して0.
01〜10当量加え、80〜250℃で混合する工程。 工程(c):工程(b)で得られる混合液から溶媒を留
去し、次いで不溶分を除去することにより、塩基性化合
物を得る工程。 (2)天然油および/または合成油を潤滑油基油とし、
前記(1)記載の方法により製造される潤滑油添加剤
を、0.1〜60重量%含む潤滑油組成物に関するもの
である。
【0008】本発明における工程(a)で用いられる芳
香族カルボン酸は、通常炭素数8〜30のアルキル基を
少なくとも1つ有するカルボン酸が好ましく、なかでも
炭素数8〜30のアルキル基で置換されたサリシル酸が
特に好ましい。アルカリ土類金属水酸化物、アルカリ土
類金属酸化物としては、通常マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム、またはバリウムの水酸化物、酸化
物が用いられ、特にマグネシウムまたはカルシウムの水
酸化物、酸化物が好ましく用いられる。炭化水素溶媒と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化
水素及び石油精製由来の低粘度潤滑油が例示され、例え
ば100℃の動粘度が3〜30cSt のパラフィン系鉱物
油などが用いられる。また高級アルコールとしてはオク
タノール、ノナノール、イソノナノール、デカノール、
イソデカノール、イソウンデカノール、イソドデカノー
ル、イソトリデカノール、2−エチルヘキサノール、イ
ソヘキサデカノール、イソオクタデカノール等の炭素数
8〜18の高級アルコールが例示される。好ましくはC
8 〜C13の分岐の高級アルコールが用いられる。溶媒と
してはこれらを単独で用いてもよいが、パラフィン系炭
化水素と高級アルコールとの組み合わせが好ましい。二
酸化炭素の導入に際しては公知な任意の方法でよく、特
に促進剤の存在下に行われるのが好ましい。促進剤とし
て、水または炭素数1〜4のアルコールまたは炭素数2
〜4のジ−もしくはトリグリコールまたは炭素数2〜1
0のエーテルアルコールおよびそれらの混合物を用い
る。特に、メタノールおよびエチレングリコールが望ま
しい。このようにして工程(a)では、過塩基性アルカ
リ土類金属塩溶液を得ることができる。
【0009】工程(b)で用いられる脂肪族カルボン酸
は、少なくとも1種以上の分岐脂肪酸を含むものであ
る。分岐脂肪酸としては、2−エチルヘキサン酸、イソ
ミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、
ゲルベ法によって合成されるα−分岐脂肪酸、直鎖脂肪
酸にα−オレフィンをラジカル付加させることによって
得られるα−分岐脂肪酸および/またはテロマー酸等で
あり、炭素数は通常8〜80であり、好ましくは12〜
42のものが用いられる。本発明で用いられる脂肪族カ
ルボン酸は、これらの分岐脂肪酸のみからなるものであ
ってもよく、また直鎖の脂肪酸との混合酸であってもよ
い。このような分岐脂肪酸に混合しうる脂肪族カルボン
酸として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ミリスチン酸、
パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン
酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、アクリル
酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の飽和また
は不飽和の脂肪酸等が挙げられ、特に限定されるもので
はない。
【0010】また、脂肪族カルボン酸混合物の使用量は
芳香族カルボン酸に対して、通常0.01〜10当量で
あり、特に0.1〜2当量が望ましい。使用量が0.0
1当量未満であると本発明の効果が不十分であり、10
当量より多いと潤滑油基油への溶解性が悪くなり好まし
くない。工程(a)で得られた過塩基性アルカリ土類金
属塩溶液と脂肪族カルボン酸を混合するには通常80〜
250℃、好ましくは105〜180℃の温度条件下で
混合する。80℃未満の温度では、不溶分の低減が不十
分であり、250℃を超えると過塩基性アルカリ土類金
属塩が熱劣化を受けるので好ましくない。脂肪族カルボ
ン酸を混合する時期は、工程(a)の二酸化炭素導入後
で溶媒の留去前が望ましい。
【0011】工程(c)においては、工程(b)で得ら
れる混合液から常法により溶媒を留去し、次いで不溶分
を除去するが、不溶分の除去は通常、濾過、遠心分離等
の公知の手段により容易に行なうことができる。このよ
うにして得られる本発明における潤滑油添加剤は、高い
塩基性度であっても不溶分の少ない、また皮膜を形成し
ない安定性の高い過塩基性塩からなるものである。
【0012】このような製造方法で得られる潤滑油添加
剤を、天然油および/または合成油の潤滑油基油に、通
常0.1〜60重量%、好ましくは0.5〜30重量%
添加することによって潤滑油組成物を得ることができ
る。本発明における潤滑油添加剤の添加量が0.1重量
%より少ないと添加効果が得られない。60重量%を超
えて添加してもさらなる向上効果がなく不経済であり好
ましくない。ここでいう天然油としては、動物油、植物
油または鉱物油であり、好適には石油由来のパラフィン
系、ナフテン系およびパラフィン−ナフテン系混合の潤
滑油である。また合成油としては、炭素数4〜18のモ
ノカルボン酸または多価カルボン酸(例えば、アジピン
酸、セバシン酸、クエン酸、酒石酸、フタル酸、トリメ
リット酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸等)のポリ
オールまたはポリオールエーテル(例えば、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール等)とからなる合成
エステル潤滑油、ポリイソブテン、ポリアルキレングリ
コールまたはポリ−α−オレフィン等の高分子炭化水素
潤滑油を包含する。
【0013】このようにして得られる本発明の潤滑油組
成物は、後述の実施例において示されるように耐熱性に
優れたものである。また、本発明の潤滑油組成物には、
必要に応じてスルフォネート、フェネート、ナフテネー
ト等の金属系清浄剤やジアルキルジチオリン酸亜鉛およ
び/またはジアルキルアリールジチオリン酸亜鉛、さら
にコハク酸イミド型またはベンジルアミン型等の無灰性
分散剤、防錆剤、酸化防止剤、油性向上剤、粘度指数向
上剤、流動点降下剤などの添加剤を配合することができ
る。
【0014】
【実施例】以下、実施例、比較例および比較実験例によ
り本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの
実施例等によりなんら限定されるものではない。 実施例1(原料の調製) 撹拌器、温度計、水分離器を装着した2リットルのフラ
スコに炭素数12〜28のアルキル基をもつアルキルフ
ェノール514g(1.4モル)と150ニュートラル
油(100℃の動粘度が4.2cStのパラフィン系潤
滑油)220gを入れて撹拌しながら昇温した。100
℃で48%苛性ソーダ水溶液118gを30分かけて添
加した。さらに徐々に減圧にして脱水した。170℃ま
で昇温して30mmHgの真空度で30分間保持した。
その後冷却して大気圧にもどし、炭酸ガスを45リット
ル吹き込んだ。吹き込みは3時間かけた。これにより8
10gの茶褐色液状物(アルキルサリシル酸ナトリウム
塩混合物)を得た。この反応混合物870gに対して濃
硫酸70gを添加して80℃で4時間分解し、遊離のア
ルキルサリシル酸とした。酸価(JIS K2501)78.5m
gKOH/gであり、アルキルフェノールの80%がサ
リシル化された。
【0015】実施例2 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)230gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰140g、イソデカノール450
g、150ニュートラル油90gを加えて152℃まで
昇温した。途中128℃でエチレングリコール125g
を加えた。この反応混合物中に、炭酸ガス36リットル
を2時間30分かけて吹き込んだ後、酢酸4gとα−分
岐脂肪酸(酸価161.2mgKOH/g)28gを加
え30分間、152℃を保持した。その後、200℃に
昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物から不
溶分を濾過により除去、塩基性サリシレートを得た。こ
のサリシレートの塩基価(JIS K2501)は382mgKO
H/gであった。
【0016】実施例3 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)230gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した1リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰148g、イソデカノール480
g、150ニュートラル油110gを加えて145℃ま
で昇温した。途中120℃でエチレングリコール144
gを加えた。この反応混合物中に、炭酸ガス42リット
ルを3時間かけて吹き込んだ後、ステアリン酸(酸価2
10.0mgKOH/g)11gとα−分岐脂肪酸(酸
価161.2mgKOH/g)28gを加え30分間、
145℃を保持した。その後、210℃に昇温しながら
減圧にして溶媒を留去した。残渣物から不溶分を濾過に
より除去、塩基性サリシレートを得た。このサリシレー
トの塩基価(JIS K2501)は378mgKOH/gであっ
た。
【0017】実施例4 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)230gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰162g、イソデカノール500
g、150ニュートラル油140gを加えて145℃ま
で昇温した。途中135℃でエチレングリコール156
gを加えた。この反応混合物中に、炭酸ガス48リット
ルを2時間30分かけて吹き込んだ後、イソステアリン
酸(酸価195.6mgKOH/g)12gを加え30
分間、145℃を保持した。その後、190℃に昇温し
ながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物から不溶分を
濾過により除去、塩基性サリシレートを得た。このサリ
シレートの塩基価(JIS K2501)は410mgKOH/g
であった。
【0018】実施例5 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)172gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した1リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰56g、イソデカノール200g、
150ニュートラル油45gを加えて150℃まで昇温
した。途中138℃でエチレングリコール50gを加え
た。この反応混合物中に、炭酸ガス22リットルを3時
間かけて吹き込んだ後、α−分岐脂肪酸(酸価161.
2mgKOH/g)21gを加え30分間、150℃を
保持した。その後、195℃に昇温しながら減圧にして
溶媒を留去した。残渣物から不溶分を濾過により除去、
塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価
(JIS K2501)は265mgKOH/gであった。
【0019】比較例1 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)290gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰140g、イソデカノール440
g、150ニュートラル油90gを加えて148℃まで
昇温した。途中125℃でエチレングリコール116g
を加えた。この反応混合物中に、炭酸ガス36リットル
を3時間かけて吹き込んだ後、210℃に昇温しながら
減圧にして溶媒を留去した。残渣物から不溶分を濾過に
より除去、塩基性サリシレートを得た。このサリシレー
トの塩基価(JIS K2501)は370mgKOH/gであっ
た。
【0020】比較例2 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)215gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した1リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰56g、イソデカノール120g、
150ニュートラル油20gを加えて148℃まで昇温
した。途中135℃でエチレングリコール46gを加え
た。この反応混合物中に、炭酸ガス20リットルを3時
間かけて吹き込んだ後、210℃に昇温しながら減圧に
して溶媒を留去した。残渣物から不溶分を濾過により除
去、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩
基価(JIS K2501)は268mgKOH/gであった。
【0021】比較例3 実施例1の手順により得たアルキルサリシル酸混合物
(酸価78.5mgKOH/g)230gを攪拌器、温
度計、水分離器を装着した2リットルフラスコに移し
た。ここに、消石灰162g、イソデカノール500
g、150ニュートラル油140gを加えて145℃ま
で昇温した。途中135℃でエチレングリコール156
gを加えた。この反応混合物中に、炭酸ガス50リット
ルを3時間かけて吹き込んだ後、ステアリン酸(酸価2
10.0mgKOH/g)11gを加え30分間、14
5℃を保持した。その後、200℃に昇温しながら減圧
にして溶媒を留去した。残渣物から不溶分を濾過により
除去、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの
塩基価(JIS K2501)は402mgKOH/gであった。
【0022】比較実験例1 実施例2〜5、比較例1〜2の反応系中に残存する不溶
分を比較するために、溶媒留去後の反応物(25ml)
を石油エーテル(75ml)の入った100ml遠心管
に入れ、1500rpmで20分間遠心分離、沈降物量
を測定した。その結果およびアルキルサリシル酸を基準
にした塩基性度を表1に示す。分岐脂肪酸を用いたもの
は高い塩基性度であっても不溶分を少なくできる。
【0023】
【表1】
【0024】比較実験例2 実施例2〜4、比較例1および3で得た塩基性サリシレ
ートを100mlのビーカーに5gとり、室温開放系で
放置して、各試料の表面の皮膜形成を観察した。結果を
表2に示す。分岐脂肪酸を用いたものは皮膜を形成せず
安定であった。
【0025】
【表2】
【0026】比較実験例3 実施例2〜4、比較例1の塩基性サリシレートを用いて
エンジン油組成物を調製し、耐熱性試験としてパネルコ
ーキングテストを行なった。試験条件および結果を表3
に示す。分岐脂肪酸を用いたものは、いずれも優れた耐
熱性を有する。
【0027】
【表3】
【0028】以上の比較実験の結果、本発明の製造方法
により得られる過塩基性塩については、塩基性度が高
く、かつ不溶分が少ないのに対し、脂肪酸を添加しない
比較例1、2では塩基性度が低く、かつ不溶分の多いこ
とが判明した。また、皮膜形成についても、本発明の製
造方法により得られる過塩基性塩には認めなかったのに
対し、脂肪酸を添加しない比較例1、脂肪酸を添加して
も分岐脂肪酸ではない比較例3では被膜形成が認められ
安定性に劣ることが判明した。さらに、これらの過塩基
性塩を含有する潤滑油組成物については、本発明の潤滑
油組成物は耐熱性に優れる結果であるのに対し、比較例
1ではデポジット付着量が多く耐熱性に劣ることが判明
した。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、反応系中の不溶分を少
なく保ちながら、かつ塩基性度が高く、表面皮膜の生成
や経時的な増粘のない安定化された過塩基性塩を提供す
る。さらに、耐熱性に優れた当該添加物を含有する潤滑
油組成物をも提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 70:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の工程を有する潤滑油添加剤の製造
    方法。 工程(a):炭化水素および/または高級アルコール溶
    媒中で、少なくとも1つのアルキル基を有する芳香族カ
    ルボン酸と該芳香族カルボン酸に対し1当量以上のアル
    カリ土類金属水酸化物および/またはアルカリ土類金属
    酸化物を混合し、次いで二酸化炭素ガスを導入すること
    により過塩基性アルカリ土類金属塩溶液を得る工程、 工程(b):工程(a)で得られる過塩基性アルカリ土
    類金属塩溶液に少なくとも1種以上の分岐脂肪酸を含む
    脂肪族カルボン酸を、該芳香族カルボン酸に対して0.
    01〜10当量加え、80〜250℃で混合する工程。 工程(c):工程(b)で得られる混合液から溶媒を留
    去し、次いで不溶分を除去することにより、塩基性化合
    物を得る工程。
  2. 【請求項2】 芳香族カルボン酸が炭素数8〜30のア
    ルキル基を有するものである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 分岐脂肪酸の炭素数が8〜80である請
    求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 天然油および/または合成油を潤滑油基
    油とし、請求項1〜3いずれかに記載の方法で製造され
    た潤滑油添加剤を、0.1〜60重量%含む潤滑油組成
    物。
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JP (1) JPH0532991A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6022479A (ja) * 1983-07-18 1985-02-04 Shinsei Kogyo:Kk 超音波モータ
JPH07278795A (ja) * 1994-04-13 1995-10-24 Showa Techno Kooto Kk 紫外線及び赤外線の遮蔽機能を有する透明な合成樹脂製スクリーン用材料の製造方法
US7354984B2 (en) 2004-02-19 2008-04-08 Dai-Ichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. Method for drying nonionic alkylene oxide-type water-soluble resin, method for packaging it, and method for transporting it

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