JPH07278795A - 紫外線及び赤外線の遮蔽機能を有する透明な合成樹脂製スクリーン用材料の製造方法 - Google Patents

紫外線及び赤外線の遮蔽機能を有する透明な合成樹脂製スクリーン用材料の製造方法

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JPH07278795A
JPH07278795A JP7510694A JP7510694A JPH07278795A JP H07278795 A JPH07278795 A JP H07278795A JP 7510694 A JP7510694 A JP 7510694A JP 7510694 A JP7510694 A JP 7510694A JP H07278795 A JPH07278795 A JP H07278795A
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synthetic resin
screen
ultraviolet rays
screen material
shielding
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Shigeki Iida
繁樹 飯田
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SHOWA TECHNO KOOTO KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 紫外線を吸収し遮蔽する物質を合成樹脂に混
練り、塗布、蒸着又はスパッタリングにより含有させ、
且つ金属酸化物半導体又は金属を合成樹脂にスパッタリ
ングにより成膜させることを特徴とする、紫外線及び赤
外線の遮蔽機能を有する実質的に透明な合成樹脂製スク
リーン用材料の製造方法である。金属酸化物半導体は錫
ドープ酸化インジウムであるのが好ましい。 【効果】 優れた紫外線の遮蔽性能、赤外線の反射遮蔽
性能、及び可視光線の透過性能を有し、かつ可視光線の
反射が非常に小さい。ガラスに貼付けて使用した場合
に、ガラスの熱割れを抑制できる。熱エネルギーである
赤外線の反射遮蔽効果が大きく、冷暖房効率を改善でき
るので、省エネルギー効果が大きい。更に、鏡のように
光ることがなく、光公害を抑えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、天然光又は人工光から
紫外線及び赤外線を選択的かつ効果的に遮蔽する実質的
に透明な合成樹脂製材料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然光及び人工光に含まれる紫外線はシ
ョーケース内の商品や室内の物品を劣化させ、その価値
を低下させる。また人体にとって過度の紫外線は有害で
ある。一方、天然光及び人工光に含まれる赤外線は室内
温度を上昇させ、夏期における冷房機器の消費エネルギ
ーを増大させる。したがって、窓等から入射する天然光
及び人工光から可視光線を遮蔽せずに(すなわち透明で
あり)、有害な紫外線と輻射熱を発する赤外線の両方を
選択的に遮蔽することには大きな意義があり、各種の製
品が存在している。
【0003】例えば、従来より実質的に透明で、紫外線
及び赤外線を遮蔽する合成樹脂製のガラス窓貼付け用フ
ィルムが存在する。しかし、このフィルムは(1)主と
して赤外線を吸収して遮蔽するため(一例では熱線の吸
収率38%に対して反射率7%)、貼付けたガラスの温
度が上昇し熱割れする危険があり、また暖房熱を外部に
放出し、暖房エネルギーの損失が大きいこと(2)近赤
外線の長波長領域(1500〜2500nm)の遮蔽効
果がほとんどないこと等の問題点がある。
【0004】又、紫外線を遮蔽し、かつ赤外線を反射し
遮蔽するガラス窓貼付け用フィルムも従来から存在す
る。しかしながら、このフィルムは(1)可視光線の透
過率が低く(50%以下)、視界を妨げること(2)可
視光線を反射するため表面が光る。特に赤外線の遮蔽効
果を増強すればするほど表面が鏡のように光り、極めて
まぶしい等の問題点がある。
【0005】したがって、本発明の目的は、上記した問
題点を解決した合成樹脂製スクリーン用材料、即ち、優
れた紫外線の遮蔽機能及び反射による赤外線遮蔽機能及
び可視光線の透過機能を有し、しかも可視光線の反射を
低下させた、実質的に透明な合成樹脂製スクリーン用材
料の製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために鋭意検討をおこなった結果、本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、紫外線を吸収し遮蔽
する物質を合成樹脂に混練り、塗布、蒸着又はスパッタ
リングにより含有させ、且つ金属酸化物半導体又は金属
を合成樹脂にスパッタリングにより成膜させることを特
徴とする、紫外線及び赤外線の遮蔽機能を有する実質的
に透明な合成樹脂製スクリーン用材料の製造方法であ
る。
【0008】本明細書における「紫外線を吸収し遮蔽す
る物質」としては、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾー
ル等の有機物質、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化セリ
ウム等の無機物質が挙げられる。有機系物質は、紫外線
遮蔽効果の持続性に劣るが、吸収波長が240〜360
nmと広い。無機系物質は、紫外線遮蔽効果の持続性が
半永久的であるが、吸収波長が〜340nmと狭い。有
機系と無機系の紫外線を吸収し遮蔽する物質を併用する
ことにより、優れた紫外線遮蔽効果の持続性と広い吸収
波長の両方が得られる。従って、有機系と無機系の紫外
線を吸収し遮蔽する物質を併用することが望ましい。
【0009】本明細書における「金属酸化物半導体」と
しては錫ドープ酸化インジウム(ITO)、アンチモン
ドープ酸化錫又は錫酸カドミウム等が挙げられ、錫ドー
プ酸化インジウムが透明性に関して特に好ましい。
【0010】本明細書における「金属」としては銅、ア
ルミニウム、金、銀、パラジウム等が挙げられ、用途に
応じ選択し得る。
【0011】本明細書において「実質的に透明」という
語句は、無色透明はもちろんのこと、「カラークリア
ー」なる状態、即ち、着色しているが透明感がある状態
をも包含するものである。例えば、ある特定の波長以外
の可視光を透過する状態をも含むものである。好ましく
は可視光線(波長400〜700nm)の平均透過率が
60%以上、更に好ましくは75%以上、最も好ましく
は80%以上の場合である。 本明細書における「合成
樹脂」は、実質的に透明であれば限定されないが、好ま
しくはポリエステル、ポリウレタン、ポリプロピレン、
ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリカーボネー
ト、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、塩化ビニ
ル、フッ素樹脂、ゴム等が挙げられる。
【0012】本明細書における「スクリーン」とは、天
然光源又は人工光源と生物(人を含む)又は物品との間
に、可視光線を透過させ、紫外線及び赤外線を遮蔽する
目的で設置するあらゆるものを含む概念である。例え
ば、いわゆるスクリーンの他に、カーテン、ショーケー
スの覆、パーティション、電灯のカバー、サングラス、
テント等の機・器具、装飾物、装飾品及びその他構造物
等をも含み得る。
【0013】本明細書における「スクリーン用材料」
は、それを加工して又は加工せずにスクリーンが製造で
きるものをいう。
【0014】スクリーン用材料の大きさは製造装置、用
途等に応じて様々で有り得、特に限定されない。
【0015】また、スクリーン用材料の厚さ、形状等は
それぞれの用途において異なり特に限定されないが、好
ましくはシートフィルム又は板で有り得る。ここで、シ
ートフィルムとは破損せずに、例えば人間の力により自
由に巻取可能な程度の撓み性を有する厚さのシート又は
フィルム状の形状をいい、平面であっても曲面であって
も良い。また、板とは、例えば人間の力により破損せず
に変形することができない程度の剛性を有する厚さのも
のをいい、平面であっても曲面であっても良い。
【0016】本発明によって得られるシートフィルム状
のスクリーン用材料は、その表面に形成した接着層を介
してガラス、合成樹脂、布、繊維等の支持体上に貼付け
て、又は枠等の支持体と組み合わせて使用し得る。ま
た、ブラインド、カーテン、スクリーン等に使用し得
る。本発明によって得られる板状のスクリーン用材料
は、特にパーティション、ショーケースの覆、電灯のカ
バー、サングラス等に使用し得る。なお、スクリーンの
構造は後で例示するように様々であり得る。
【0017】本明細書における「混練り」、「塗布」、
「蒸着」及び「スパッタリング」は任意の公知の方法に
準じて行うことができ、優れた紫外線及び赤外線の遮蔽
性能、及び可視光線の透過性を有し、かつ可視光線の反
射を低下させた、実質的に透明なスクリーン用材料が得
られるような処理条件、例えば、具体的には以下の条件
の下で行う。
【0018】混練りにおいては、合成樹脂原料100重
量部に対して紫外線を吸収し遮蔽する物質を0.01〜
20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、より好ま
しくは0.5〜5重量部使用する。
【0019】塗布における合成樹脂上の紫外線を吸収し
遮蔽する物質の塗膜の厚さは、0.2〜80μm、好ま
しくは0.5〜20μmである。
【0020】蒸着における合成樹脂上の紫外線を吸収し
遮蔽する物質の蒸着薄膜の厚さは、10〜1000オン
グストローム、好ましくは100〜600オングストロ
ームである。
【0021】スパッタリングにおける合成樹脂上の紫外
線を吸収し遮蔽する物質及び金属酸化物半導体又は金属
のスパッタリング薄膜の厚さは、10〜1000オング
ストローム、好ましくは100〜600オングストロー
ムである。
【0022】本発明のスクリーン用材料の製造方法は、
以下に示す具体的な製造方法をも包含するものである。
【0023】(A) 紫外線を吸収し遮蔽する物質を合
成樹脂に混練り成形し、その後、それに金属酸化物半導
体又は金属をスパッタリングし薄膜を形成することによ
り紫外線及び赤外線の遮蔽機能を有する実質的に透明な
合成樹脂製スクリーン用材料を得る方法。
【0024】(B) 紫外線を吸収し遮蔽する物質を合
成樹脂に塗布し塗膜を形成し、得られた塗膜を有する合
成樹脂に金属酸化物半導体又は金属をスパッタリングし
薄膜を形成することにより紫外線及び赤外線の遮蔽機能
を有する実質的に透明な合成樹脂製スクリーン用材料を
得る方法。
【0025】(C) 金属酸化物半導体又は金属を合成
樹脂にスパッタリングし薄膜を形成し、得られた薄膜を
有する合成樹脂に紫外線を吸収し遮蔽する物質を塗布し
塗膜を形成することにより紫外線及び赤外線の遮蔽機能
を有する実質的に透明な合成樹脂製スクリーン用材料を
得る方法。
【0026】なお、(B)及び(C)の方法において、
窓等に貼付けるスクリーン用材料を得るには紫外線を吸
収し遮蔽する物質を接着剤に混ぜて塗布しても良く、こ
の場合には表面をフィルムで保護するのが望ましい。
【0027】(D) 紫外線を吸収し遮蔽する物質を合
成樹脂に蒸着し薄膜を形成し、得られた薄膜を有する合
成樹脂に金属酸化物半導体又は金属をスパッタリングし
薄膜を形成することにより紫外線及び赤外線の遮蔽機能
を有する実質的に透明な合成樹脂製スクリーン用材料を
得る方法。
【0028】(E) 金属酸化物半導体又は金属を合成
樹脂にスパッタリングし薄膜を形成し、得られた薄膜を
有する合成樹脂に紫外線を吸収し遮蔽する物質を蒸着し
薄膜を形成することにより紫外線及び赤外線の遮蔽機能
を有する実質的に透明な合成樹脂製スクリーン用材料を
得る方法。
【0029】(F) 紫外線を吸収し遮蔽する物質を合
成樹脂にスパッタリングし薄膜を形成し、得られた薄膜
を有する合成樹脂に金属酸化物半導体又は金属をスパッ
タリングし薄膜を形成することにより紫外線及び赤外線
の遮蔽機能を有する実質的に透明な合成樹脂製スクリー
ン用材料を得る方法。
【0030】(G) 金属酸化物半導体又は金属を合成
樹脂にスパッタリングし薄膜を形成し、得られた薄膜を
有する合成樹脂に紫外線を吸収し遮蔽する物質をスパッ
タリングし薄膜を形成することにより紫外線及び赤外線
の遮蔽機能を有する実質的に透明な合成樹脂製スクリー
ン用材料を得る方法。
【0031】なお、上記の方法における塗布塗膜は合成
樹脂の片面のみに形成しても良いし、必要であればその
両面に形成しても良い。また、上記の方法における蒸
着、スパッタリング薄膜も同様に、合成樹脂の片面のみ
に形成しても良いし、必要であればその両面に形成して
も良い。更に、金属酸化物半導体又は金属のスパッタリ
ング薄膜と紫外線を吸収し遮蔽する物質の塗布塗膜、蒸
着又はスパッタリング薄膜とを合成樹脂の同一面に形成
しても良いし、又は各々を合成樹脂のそれぞれ別々の面
(表面及び裏面)に形成しても良い。
【0032】本発明によって得られるスクリーン用材料
は、必要であれば、支持体及び/又は合成樹脂に溶けな
い粉体等と組み合わせて複合材としても良い。支持体と
しては布材、繊維材(例えば、植物、合成及びガラス繊
維材等)、ガラス、合成樹脂等の支持体又は支持体に粉
体等を混入、接着したもの等を使用し得、その材質、形
状等は限定されない。また、粉体としては、金属粉体、
粘土等の鉱物粉体、ガラス粉体等が挙げられる。粉体の
粒度は様々で有り得、特に限定されない。
【0033】かかる複合材は本発明の製造方法における
製造工程中のいずれかの段階で支持体及び/又は粉体と
組み合わせることにより、あるいは、本発明でスクリー
ン用材料を製造した後にそのスクリーン用材料と支持体
及び/又は粉体と組み合わせることにより製造し得る。
具体的には下記の(イ)、(ロ)及び(ハ)のようにし
て製造し得る。
【0034】(イ)スクリーン用材料の製造工程中のい
ずれかの段階で支持体と必要により粉体と組み合わせる
ことにより複合材を製造する方法として、例えば(i) 必
要により粉体を含む合成樹脂の液状又は半固形状の溶融
物を支持体の上に公知の方法により塗布、ライニング等
して支持体上に溶融物の膜を形成し、その膜に(a-1)紫
外線を吸収し遮蔽する物質を塗布、蒸着又はスパッタリ
ングし、かつその後(a-2) 金属酸化物半導体又は金属を
スパッタリングすることによりスクリーン用材料と支持
体と必要により粉体との複合材を製造する方法を挙げ得
る[(a-1) と(a-2) の処理順序は逆でも良い]。あるい
は、(ii)合成樹脂と紫外線を吸収し遮蔽する物質と必
要により粉体とからなる液状又は半固形状の混練物を支
持体の上に公知の方法により塗布、ライニング等して支
持体上に混練物の膜を形成し、その膜に金属酸化物半導
体又は金属をスパッタリングすることによりスクリーン
用材料と支持体と必要により粉体との複合材を製造する
方法を挙げ得る。
【0035】(ロ)スクリーン用材料の製造工程中のい
ずれかの段階で合成樹脂と粉体と組み合わせることによ
り複合材を製造する方法として、例えば(i) 粉体を含む
合成樹脂の液状又は半固形状の溶融物を公知の方法によ
り成形し又は合成樹脂に粉体を塗布し、それに(a-1) 紫
外線を吸収し遮蔽する物質を塗布、蒸着又はスパッタリ
ングし、かつその後(a-2) 金属酸化物半導体又は金属を
スパッタリングすることによりスクリーン用材料と粉体
との複合材を製造する方法を挙げ得る[(a-1)と(a-2)
の処理順序は逆でも良い]。あるいは、(ii)合成樹脂
と紫外線を吸収し遮蔽する物質と粉体とからなる液状又
は半固形状の混練物を公知の方法により成形し又は合成
樹脂と紫外線を吸収し遮蔽する物質を成形し粉体を塗布
し、それに金属酸化物半導体又は金属をスパッタリング
することによりスクリーン用材料と粉体との複合材を製
造する方法を挙げ得る。
【0036】上記した(イ)で得られる複合材におい
て、支持体を除いた部分のなかで実質的に透明な部分、
及び(ロ)で得られる複合材において、実質的に透明な
部分は本発明におけるスクリーン用材料に相当し、その
スクリーン用材料相当部分の製造方法は本発明の製造方
法の一つの実施態様である。
【0037】(ハ)本発明によりスクリーン用材料を製
造した後に支持体及び/又は粉体と組み合わせることに
より支持体及び/又は粉体との複合材を製造する方法と
して、例えば、本発明で得られるスクリーン用材料に支
持体及び/又は粉体とを接着又は密着し製造する方法を
挙げ得る。
【0038】本発明で得られるスクリーン用材料及びそ
の複合材のスクリーン用材料相当部分は用途に応じ加工
して、更に別の機能を付与してもよい。例えば、本発明
で得られるスクリーン用材料及びその複合体のスクリー
ン用材料相当部分にプリント印刷を施して減光性及び/
又は装飾性等を付与する加工、偏光、フォトクロミズム
性を付与する加工等が挙げられる。
【0039】なお、本発明で得られるスクリーン用材料
に、本発明の効果を妨げない範囲で、染料、顔料、可塑
剤、安定剤、酸化防止剤、充填剤(ガラス繊維等)、難
燃剤、補強材等の種々の添加剤を、必要に応じ含有させ
ることができる。
【0040】本発明で得られる紫外線及び赤外線の遮蔽
機能を有する実質的に透明な合成樹脂製のスクリーン用
材料から、ガラスや合成樹脂製の窓等に貼付けるシート
フィルム状のスクリーン及び種々の構造を有するスクリ
ーンを製造し得る。スクリーンの構造として、例えば下
記の(1)及び(2)のものを挙げ得る。スクリーンは
シートフィルム及び板状であるスクリーン用材料のうち
の一つからあるいは二つ以上を組合わせて製造すること
ができる。
【0041】(1) ロール状又はカーテン状に開閉又
は伸縮できるスクリーン。例えば、図1のようなロール
状に巻き上げ可能な採光入射口用スクリーン、図2のよ
うなカーテン状に開閉可能な採光入射口用スクリーン、
図3のようなロール状に巻き上げ可能なショーケース用
スクリーン、図4のようなブラインド状の採光入射口用
スクリーン、図5のようなアコーデオン状の採光入射口
用スクリーン等が挙げられる。
【0042】(2) 採光入射口ガラス板、採光入射口
枠、ショーケース又は人工光源等に装着又は脱着可能で
あるカバーを含むスクリーン。例えば、図6のようなガ
ラス、枠に装脱着可能なスクリーン(スクリーン用材料
13とそれを固定する器具14は蝶番により結合しても
良い)、図7のような電球、蛍光灯等の人工光源用ある
いはグラスファイバー等で導かれた天然光源用のスクリ
ーン(人工光源の発する熱を逃がすためスクリーンの上
部が開放されている場合も含む)、図8のような電球、
蛍光灯等の人工光源用のスクリーン(スクリーンは完全
密閉の場合も含む)が挙げられる。
【0043】また、この他にヘルメット取付可動サング
ラス、登山、スキー、海浜用等のサングラス及びパラソ
ル、テント等の目及び皮膚を有害な紫外線及び輻射熱を
発する赤外線から保護するレジャー用、耐熱作業用、業
務用並びに医療用等の器具等の物品も本発明で得られる
スクリーン用材料を用い製造できる。
【0044】更に、本発明で得られるスクリーン用材料
は、夜間に趨光性の昆虫が飛来するのを防止する目的の
スクリーンにも使用することができる。
【0045】以上のスクリーンの構造としては、例えば
図1〜8のスクリーンを挙げることができるが、これに
限定されるものではない。
【0046】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明を限定するものではない。
【0047】実施例1 ポリエステル100重量部に紫外線を吸収し遮蔽する物
質として2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン1重量部
を溶融混合し、常法により厚さ0.3mmのシートフィ
ルムを製造した。このシートフィルムに金属酸化物半導
体として錫ドープ酸化インジウムをスパッタリング法に
より成膜させスクリーン用材料を製造した。スパッター
膜厚は400オングストロームであった。
【0048】得られたスクリーン用材料は以下の優れた
紫外線及び赤外線の遮蔽性能、赤外線の反射性能及び可
視光線の透過性能を有していた。
【0049】 紫外線(波長240〜400nm)の平均遮蔽率 96% 可視光線(波長400〜700nm)の平均透過率 87% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均遮蔽率 67% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均反射率 64% また、このスクリーン用材料は可視光線の反射率が3%
と低く、波長1500〜2500nmの赤外線の遮蔽効
果にも優れていた。
【0050】実施例2 ポリウレタン100重量部に紫外線を吸収し遮蔽する物
質として2−(2´−ヒドロキシ−5´−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール0.5重量部、二酸化チタン
0.5重量部を溶融混合し、常法により厚さ0.3mm
のシートフィルムを製造した。このシートフィルムに錫
ドープ酸化インジウムをスパッタリング法により成膜さ
せスクリーン用材料を製造した。スパッター膜厚は40
0オングストロームであった。
【0051】得られたスクリーン用材料は以下の優れた
紫外線及び赤外線の遮蔽性能、赤外線の反射性能及び可
視光線の透過性能を有していた。
【0052】 紫外線(波長240〜400nm)の平均遮蔽率 96% 可視光線(波長400〜700nm)の平均透過率 85% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均遮蔽率 67% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均反射率 65% また、このスクリーン用材料は可視光線の反射率が2%
と低く、波長1500〜2500nmの赤外線の遮蔽効
果にも優れていた。
【0053】更に、このスクリーン用材料の紫外線遮蔽
機能は長期間安定しており、また幅広い紫外線吸収波長
を有していた。
【0054】実施例3 ポリカーボネート製の板(厚さ1mm)の片面に錫ドー
プ酸化インジウムをスパッタリング法により成膜させ
た。スパッター膜厚は400オングストロームであっ
た。次いで、得られたスパッター膜上に紫外線を吸収し
遮蔽する物質として2−(2´−ヒドロキシ−5´−メ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール1重量部を透明ポリ
シロキサン塗料100重量部に溶解して塗布し、スクリ
ーン用材料を製造した。塗膜の厚さは5μmであった。
【0055】得られたスクリーン用材料は以下の優れた
紫外線及び赤外線の遮蔽性能、赤外線の反射性能及び可
視光線の透過性能を有していた。
【0056】 紫外線(波長240〜400nm)の平均遮蔽率 96% 可視光線(波長400〜700nm)の平均透過率 86% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均遮蔽率 66% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均反射率 63% また、このスクリーン用材料は可視光線の反射率が4%
と低く、波長1500〜2500nmの赤外線の遮蔽効
果にも優れていた。
【0057】実施例4 ポリカーボネート製の板(厚さ1mm)の片面に紫外線
を吸収し遮蔽する物質として酸化亜鉛をスパッタリング
により成膜した。スパッター膜厚は400オングストロ
ームであった。次いで、酸化錫ドープ酸化インジウムを
スパッタリング法により成膜(スパッター膜厚は400
オングストローム)し、スクリーン用材料を製造した。
【0058】得られたスクリーン用材料は以下の優れた
紫外線及び赤外線の遮蔽性能、赤外線の反射機能及び可
視光線の透過性能を有していた。
【0059】 紫外線(波長240〜400nm)の平均遮蔽率 92% 可視光線(波長400〜700nm)の平均透過率 86% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均遮蔽率 68% 近赤外線(波長700〜1500nm)の平均反射率 65% また、このスクリーン用材料は可視光線の反射率が8%
と低く、波長1500〜2500nmの赤外線の遮蔽効
果にも優れていた。
【0060】
【発明の効果】本発明により得られるスクリーン用材料
は、優れた紫外線の遮蔽性能、赤外線の反射遮蔽性能及
び可視光線の透過性能を有し、かつ可視光線の反射が非
常に小さい。したがって、本発明によって得られるスク
リーン用材料は、ガラスに貼付けて使用した場合に、ガ
ラスの熱割れを抑制できる。また本発明によって得られ
るスクリーン用材料は、熱エネルギーである近赤外線領
域の反射遮蔽効果が大きく、冷暖房効率を改善できる。
更に、本発明によって得られるスクリーン用材料は、鏡
のように光ることがなく、光公害を抑えることができ
る。
【0061】また、本発明で得られるスクリーン用材料
は以下の特徴を有するものである。
【0062】(1) 天然光又は人工光に含まれる波長
240〜400nmの有害な紫外線を効果的に遮蔽する
ため、室内の家具、畳、絵画、生鮮食料品や衣料等の商
品、各種内装材を紫外線による黄変、変質、退色、チョ
ーキング、ひび割れ等の劣化から守り、長期間それらの
美観を保護したり、展示商品の価値を維持することがで
きると同時に、天然光又は人工光に含まれる波長700
〜2500nmの赤外線を遮蔽するため、光源による室
内の温度上昇を少なくする。従って、室温の上昇を抑制
し、使用する空調機器の消費電力を少なくする等の省エ
ネルギー効果が大きい。
【0063】(2) 窓ガラスとの間に間隔を設けて設
置した場合、その間の空気層が屋外と屋内の熱伝導に対
して断熱効果をもたらし、夏期は屋内の温度上昇を抑制
し、冬季は屋内の温度降下を抑制し冷房及び暖房それぞ
れの空調エネルギーの節約ができ、省エネルギー効果が
大きい。
【0064】(3)天然光のみならず、電球、蛍光灯等
の人工光の紫外線や赤外線をも遮蔽できるので、人体等
をその悪影響から守ることができる。特に紫外線から
人、動物の皮膚及び目を守るのに効果がある。
【0065】(4)光源からの紫外線や赤外線を遮蔽で
きるので、夜間に趨光性の昆虫が飛来するのを防止する
のに効果がある。
【0066】(5)実質的に透明で、かつ可視光線の反
射が極めて少ないことから、光公害が発生せず、しかも
視界に違和感がない為、着色をきらう又は禁止された場
所に於いて、紫外線及び赤外線を遮蔽することが要求さ
れる場合には、このスクリーン用材料の使用が最適であ
る(例として自動車の窓ガラス等)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
ロール状に巻き上げ可能なスクリーンの概略図である。
【図2】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
カーテン状に開閉可能なスクリーンの概略図である。
【図3】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
ロール状に巻き上げ可能なショーケース用スクリーンの
概略図である。
【図4】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
ブラインド状のスクリーンの概略図である。
【図5】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
アコーデオン状のスクリーンの概略図である。
【図6】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
ガラス及び枠等に装脱着可能なスクリーンの概略図であ
る。
【図7】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
人工光源用のスクリーンの概略図である。
【図8】本発明で得られるスクリーン用材料よりなる、
人工光源用のスクリーンの概略図である。
【符号の説明】
1 本発明で得られるシ−トフィルム状スクリーン用材
料 2 1を収納及び巻き上げるための装置 3 本発明で得られるシートフィルム状スクリーン用材
料 4 3を保持するための留め器具 5 本発明で得られる板状材料 6 5を収納するための装置 7 5を開閉するための取手 8 ショーケース 9 本発明で得られる板状スクリーン用材料 10 9を開閉及び保持するための留め器具 11 本発明で得られる板状スクリーン用材料 12 11を保持するための可動式留め器具 13 本発明で得られるシートフィルム又は板状スクリ
ーン用材料 14 13を固定するための器具 15 13を固定するための吸着用小板 16 本発明で得られるシートフィルム状スクリーン用
材料 17 人工光源 18 本発明で得られるシートフィルム状スクリーン用
材料 19 人工光源

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線を吸収し遮蔽する物質を合成樹脂
    に混練り、塗布、蒸着又はスパッタリングにより含有さ
    せ、且つ金属酸化物半導体又は金属を合成樹脂にスパッ
    タリングにより成膜させることを特徴とする、紫外線及
    び赤外線の遮蔽機能を有する実質的に透明な合成樹脂製
    スクリーン用材料の製造方法。
  2. 【請求項2】金属酸化物半導体が錫ドープ酸化インジウ
    ム、アンチモンドープ酸化錫又は錫酸カドミウムである
    ことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
JP7510694A 1994-04-13 1994-04-13 紫外線及び赤外線の遮蔽機能を有する透明な合成樹脂製スクリーン用材料の製造方法 Pending JPH07278795A (ja)

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