JPH0680979A - 潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物 - Google Patents

潤滑油添加剤およびそれを含有する潤滑油組成物

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JPH0680979A
JPH0680979A JP25740792A JP25740792A JPH0680979A JP H0680979 A JPH0680979 A JP H0680979A JP 25740792 A JP25740792 A JP 25740792A JP 25740792 A JP25740792 A JP 25740792A JP H0680979 A JPH0680979 A JP H0680979A
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acid
lubricating oil
oil
alkyl
basic
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JP25740792A
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English (en)
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Shiyuuichi Inaya
修一 稲家
Katsuhiko Asamori
勝彦 朝守
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】炭化水素溶媒中で、少なくとも1つ以上の炭素
数8〜30のアルキル基を有するアルキル芳香族カルボ
ン酸および炭素数8〜18のモノアルキル基置換体を全
アルキル芳香族スルホン酸中60重量%以上含有するア
ルキル芳香族スルホン酸からなる有機酸部に、炭素数1
〜4のアルコール、該有機酸部に対して3当量以上の2
価金属化合物および二酸化炭素を反応させることによっ
て得られる油溶性の塩基性2価金属塩を有する潤滑油添
加剤、および該潤滑油添加剤を含有してなる潤滑油組成
物。 【効果】本発明の潤滑油添加剤は、潤滑油基油への溶解
性に優れるとともに、塩基性スルフォネートとの相溶性
も良好であり、また該潤滑油添加剤を含有する本発明の
潤滑油組成物は、潤滑油用の清浄分散剤として有用であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潤滑油用の清浄分散剤
として有用な塩基性2価金属塩およびこれらの添加剤を
含有する潤滑油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】エン
ジン油には、通常、スラッジやスス等を分散し、エンジ
ン内部を清浄に保つとともに、燃料の燃焼によって生ず
る硫酸や硝酸等の酸性物質を中和させる目的で過塩基性
のアルカリ土類金属塩を代表とする種々の添加剤が用い
られている。
【0003】これらの塩基性塩はできるだけ高い塩基性
度を有することが望ましい。なぜなら、塩基性度が高い
ものほど同じ塩基性を得るのに、高価な有機酸部の量が
少なくてすみ、経済性の面から有利だからである。ここ
でいう塩基性度とは、塩基性塩の単位グラム当たりの2
価金属のモル数Mと有機酸のモル数Sを用いて下の式に
示されるものである。 塩基性度=2M/S−1
【0004】しかしながら、塩基性度を高くしていくと
それらの製品安定性が悪くなるという問題が生じる。例
えば、添加剤の潤滑油基油への溶解性が悪化し、沈降物
または濁りを生成する。また、基油への溶解性をたとえ
満足しても、濃縮物または最終潤滑油において、他の添
加剤との相互作用により沈降物または濁りを生成する。
このような相互作用による添加剤間の相溶性の不良は、
塩基性フェネートと塩基性スルフォネートおよび塩基性
サリシレートと塩基性スルフォネートとの間で生じ易
い。
【0005】従って、塩基性フェネートと塩基性スルフ
ォネートの相溶性を改良するためのいくつかの試みがな
されている。特開昭58−225197号公報には、潤
滑油と10〜90重量%の過剰塩基性アルカリ土類金属
ヒドロカルビル硫化フェネートおよび炭素数10〜24
の直鎖アルキルセグメントを有するある種の酸(例え
ば、ステアリン酸、ベヘン酸)またはその無水物または
その塩の0.1〜10重量%からなる添加剤濃縮物が安
定性を向上させることが記載されている。
【0006】特開平2−84493号公報には、1〜3
個のアルキル基のうちの1つが少なくとも40の平均炭
素数を有し、残りのいずれのアルキル基も10未満の炭
素数を含有する金属アルキルアリールスルホン酸塩と、
1〜3個のアルキル基のうちの1つが少なくとも10〜
33の平均炭素数を有し、残りのいずれのアルキル基も
10未満の炭素数を含有する金属アルキルアリールスル
ホン酸塩とを含む過塩基化金属スルホン酸塩組成物がフ
ェノキシドと組み合わせても相互作用による沈澱を起こ
さないと記載されている。
【0007】しかしながら、塩基性サリシレートと塩基
性スルフォネートの相溶性の改良については、いまだ満
足すべきものではないのが実情である。例えば、特公昭
32−4112号公報には、水および/または水と混和
し得る酸素含有の有機液体の存在下において、液状炭化
水素または炭化水素の液状混合物に溶解した有機酸の油
溶性多価金属塩を、反応混合物で形成された多価金属炭
酸塩と、反応させることからなる有機酸(例えば、石油
スルホン酸、ナフテン酸、アルキルサリシル酸)の油溶
性塩基性多価金属塩の製法が記載されている。
【0008】また、特公昭47−35894号公報に
は、油溶性ヒドロキシ置換芳香族カルボン酸、油溶性ス
ルホン酸、マグネシウム化合物、水および二酸化炭素と
の反応による塩基性マグネシウム塩の製法が記載されて
いる。また、特開昭54−36224号公報には、少な
くとも1種の炭化水素置換ヒドロキシ含有芳香族カルボ
ン酸を、少なくとも約0.1モルの水および場合に応じ
て少なくとも1種のイオウ含有有機酸(例えば、芳香族
スルホン酸)の存在下で化学量論的に過剰の酸化マグネ
シウムを反応させることによって得られる非炭酸化塩基
性マグネシウム塩の製法が記載されている。
【0009】しかし、これらの潤滑油添加剤には、いず
れも塩基性スルフォネートとの相溶性を改良するための
最適なアルキル芳香族スルホン酸については開示されて
いない。
【0010】また、特開平2−34690号公報には、
硫化または非硫化のヒドロカルビル置換フェノールまた
はそのカルシウム塩、硫化または非硫化のヒドロカルビ
ル置換サリシル酸またはそのカルシウム塩、硫化または
非硫化のヒドロカルビル置換ナフテン酸またはそのカル
シウム塩およびヒドロカルビル置換スルホン酸またはそ
のカルシウム塩の少なくとも2つとアルカリ土類金属塩
基、ある種の脂肪酸(例えば、ステアリン酸)を適当な
反応促進剤を用いて300TBN以上の潤滑油添加濃縮
物を得る製法が記載されている。しかしながら、アルキ
ルサリシル酸にアルキル芳香族スルホン酸を添加するこ
とによって、塩基性スルフォネートとの相溶性を改良す
るという本発明の効果については触れられていない。
【0011】したがって、本発明の目的は、塩基性度の
高い塩基性サリシレートを含有し、かつ潤滑油基油への
溶解性に優れる潤滑油添加剤を提供するとともに、塩基
性スルフォネートとの相溶性の良好な、該潤滑油添加剤
を含有する潤滑油組成物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、塩基性サ
リシレートの調製に際し、ある種のアルキル芳香族スル
ホン酸を添加すると、塩基性スルフォネートとの相溶性
を著しく改良し得ることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明の要旨は、炭化水素溶媒中で、少
なくとも1つ以上の炭素数8〜30のアルキル基を有す
るアルキル芳香族カルボン酸および炭素数8〜18のモ
ノアルキル基置換体を全アルキル芳香族スルホン酸中6
0重量%以上含有するアルキル芳香族スルホン酸からな
る有機酸部に、炭素数1〜4のアルコール、該有機酸部
に対して3当量以上の2価金属化合物および二酸化炭素
を反応させることによって得られる油溶性の塩基性2価
金属塩を有する潤滑油添加剤、および該潤滑油添加剤を
天然油および/または合成油に0.1〜60重量%含有
してなる潤滑油組成物に関する。
【0013】本発明の潤滑油添加剤は、下記の製造方法
により得られる油溶性の塩基性2価金属塩を有するもの
である。即ち、炭化水素溶媒中で、アルキル芳香族カル
ボン酸、アルキル芳香族スルホン酸からなる有機酸部
に、該有機酸部に対して3当量以上の2価金属化合物を
加え、30〜200℃に昇温する。次いで、炭素数1〜
4のアルコールを添加し、二酸化炭素を1〜4時間にわ
たり導入したのち不溶分を除去することによって得られ
る。また、有機酸部の成分として、不溶分の低減や耐熱
性の向上を目的として、必要に応じて、脂肪酸を添加す
ることができる。これらのアルキル芳香族カルボン酸、
アルキル芳香族スルホン酸、脂肪酸からなる有機酸部の
かわりに、該有機酸部の一部もしくは全部をあらかじめ
当量の2価金属塩を用いて中性塩にしたものを使用して
もかまわない。さらに、各々の有機酸のかわりに相応す
る有機酸塩を使用してもかまわない。
【0014】用いられる炭化水素溶媒としては、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素やナフサ、
ガソリン、軽質アルキレート等の芳香族化合物を含む石
油精製由来の炭化水素フラクション、100℃における
動粘度が3〜30cStの低粘度潤滑油等が例示され
る。
【0015】炭素数1〜4のアルコールは、反応促進剤
として用いられ、例えばメタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール等が挙げられる。好ましくはメタノール又は
エチレングリコールである。このようなアルコールの使
用量は、該有機酸部に対して過剰に存在する2価金属化
合物に対して0.5〜5当量、好ましくは1〜3当量で
ある。0.5当量より少ないと不溶分が多くなり、5当
量を越えると製品の粘度が増加するので好ましくない。
また、反応促進剤として2価アルコールを用いる時は、
高級アルコールを併用するのが望ましい。高級アルコー
ルとしては、例えばオクタノール、ノナノール、イソデ
カノール、イソトリデカノール、イソペンタデカノー
ル、イソオクタデカノールなどの炭素数8〜18の高級
アルコールが例示される。好ましくは、炭素数8〜13
の分岐アルコールが用いられる。
【0016】2価金属化合物は、アルカリ土類金属水酸
化物、アルカリ土類金属酸化物が挙げられ、通常マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウム、またはバリウム
等のアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物等が好ましく
用いられる。2価金属化合物の添加量は、前記の有機酸
部に対して通常3当量以上である。
【0017】反応中に消費される二酸化炭素量は、前記
の有機酸部に対して過剰に存在する2価金属化合物に対
して0.7〜0.95当量が望ましい。0.7当量より
少いか、あるいは0.95当量より多いと、不溶分が多
くなるので好ましくない。また、製品の潤滑油基油への
溶解性および皮膜形成等の安定性を考慮すれば、0.8
〜0.9当量がより好ましい。
【0018】本発明で使用されるアルキル芳香族カルボ
ン酸は、少なくとも1つ以上の炭素数8〜30のアルキ
ル基を有する化合物であり、通常、モノアルキル体が主
成分であるが、ジアルキル体、トリアルキル体をも含ん
でいてもよい。また、水酸基等で芳香環が置換されてい
てもよい。これらのうち好ましくは、少なくとも1つ以
上の炭素数8〜30のアルキル基を有するアルキルサリ
シル酸、4−ヒドロキシアルキル安息香酸等である。
【0019】このようなアルキル芳香族カルボン酸は、
例えば以下のような方法で容易に製造することができ
る。即ち、即ち、まず、アルキルフェノールを合成す
る。フェノール類のアルキレーションの触媒としては、
一般に酸性活性白土、酸性イオン交換樹脂、三弗化ホウ
素、塩化アルミニウム等の酸性触媒が用いられ、その中
でも、酸性活性白土、酸性イオン交換樹脂は好適に用い
られる。また、アルキル化剤としては、アルコール類、
オレフィン類が挙げられるが、高い反応性を有するオレ
フィン類が好ましい。オレフィン類の中でも、直鎖のα
−オレフィンがより好ましい。アルコール類をアルキル
化剤として用いる例としては、アルコールの水酸基をク
ロル化した後、フリーデルクラフト反応を行う方法、お
よび、直接、上記の触媒を用いてフェノールと反応させ
る方法があるが、炭素数12以上の高級アルコールを用
いた場合、いずれも、反応率が低く実用的ではない。具
体例としては、酸性活性白土を触媒にして、α−オレフ
ィンとフェノール(α−オレフィンに対して1〜3当
量)を50〜200℃で反応させ、次いで触媒および過
剰のフェノールを除去し、アルキルフェノールを得る方
法である。
【0020】アルキルサリシル酸の合成はコルベシュミ
ット反応を用いて、前記のようにして得られたアルキル
フェノールから合成する方法が一般的である。すなわ
ち、苛性ソーダ水溶液、または苛性カリ水溶液を用い
て、アルキルフェノールを相応するアルキルフェノラー
トへ変換し、100〜200℃、1〜40気圧の下、二
酸化炭素で処理した後、鉱酸によってアルキルサリシル
酸を遊離させることにより調製することができる。この
方法で合成されるアルキルサリシル酸は、未反応アルキ
ルフェノールを通常5〜30重量%含むものである。
【0021】本発明で使用されるアルキル芳香族スルホ
ン酸は、炭素数8〜18のモノアルキル基置換体を全ア
ルキル芳香族スルホン酸中60重量%以上含有する化合
物である。モノアルキル基置換体が60重量%より少な
いと本発明の効果が十分でない。また、炭素数が18よ
り長いアルキル鎖をもつモノアルキル芳香族スルホン酸
では本発明の効果が十分でなく、炭素数が8より少ない
と、潤滑油基油への溶解性が悪くなる。
【0022】このようなアルキル基としては、例えばオ
クチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、ペン
タデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、イソオクチ
ル、イソノニル、イソデシル、イソドデシル、イソトリ
デシル、イソペンタデシル、イソヘキサデシル、イソオ
クタデシル等が例示される。
【0023】また、アルキル芳香族スルホン酸は、エチ
レン、プロペン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン
などの重合による末端および内部オレフィン類またはパ
ラフィンのハロゲン化によるハロゲン化アルキル類から
誘導されるアルキルベンゼン、アルキルナフタレンなど
の芳香族炭化水素化合物のスルホン化によって得られ
る。中でも、安価にかつ容易に入手できる直鎖または分
岐のアルキルベンゼンスルホン酸が好ましい。これらの
アルキル芳香族スルホン酸の添加量は、アルキル芳香族
カルボン酸に対して、通常0.1〜2当量である。0.
1当量より少ないと相溶性が不十分であり、2当量を越
えて添加しても向上効果が上がらない。
【0024】本発明では、上記のアルキル芳香族カルボ
ン酸、アルキル芳香族スルホン酸からなる有機酸部に、
更に脂肪酸を添加することができるが、このような脂肪
酸は、直鎖または分岐、飽和または不飽和を問わず広く
選択される。反応系中の不溶分を低減することを目的と
するならば、蟻酸、酢酸、プロピオン酸などの炭素数1
〜3のモノカルボン酸が好ましく、酢酸がより好まし
い。これらの脂肪酸の添加量は、アルキル芳香族カルボ
ン酸に対して、通常0.01〜1当量である。0.01
当量より少ないと不溶分の低減効果が不十分であり、1
当量を越えて添加しても向上効果が得られない。
【0025】また、耐熱性を向上させることを目的とす
るならば、炭素数8〜80のモノカルボン酸が好まし
く、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、イソステアリン酸、ゲルベ法によって合成され
るα−分岐脂肪酸、直鎖脂肪酸にα−オレフィンをラジ
カル付加させることによって得られるα−分岐脂肪酸お
よび/またはテロマー酸などの炭素数12〜42の直鎖
または分岐のモノカルボン酸がより好ましい。これらの
脂肪酸の添加量は、アルキル芳香族カルボン酸に対し
て、通常0.01〜2当量、好ましくは0.1〜1当量
である。0.01当量より少ないと耐熱性の向上効果が
不十分であり、2当量を越えて添加すると本発明の効果
に悪影響を及ぼす。
【0026】本発明の潤滑油組成物は、以上のようにし
て得られる本発明の潤滑油添加剤を、天然油および/ま
たは合成油の潤滑油基油に、通常0.1〜60重量%、
好ましくは0.5〜30重量%添加することによって本
発明の潤滑油組成物を得ることができる。潤滑油添加剤
の添加量が0.1重量%より少ないと添加効果が得られ
ない。また、60重量%を超えて添加してもさらなる向
上効果がなく不経済であり好ましくない。ここでいう天
然油としては、動物油、植物油または鉱物油であり、好
適には石油由来のパラフィン系、ナフテン系およびパラ
フィン−ナフテン系混合の潤滑油である。また合成油と
しては、炭素数4〜18のモノカルボン酸または多価カ
ルボン酸(例えば、アジピン酸、セバシン酸、クエン
酸、酒石酸、フタル酸、トリメリット酸、コハク酸、フ
マル酸、マレイン酸等)のポリオールまたはポリオール
エーテル(例えば、ネオペンチルグリコール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトール等)とからなる合成エステル潤滑油、ポリイ
ソブテン、ポリアルキレングリコールまたはポリ−α−
オレフィン等の高分子炭化水素潤滑油を包含する。
【0027】このような本発明の潤滑油組成物には、必
要に応じてフェネート、ナフテネート等の金属系清浄剤
やジアルキルジチオリン酸亜鉛および/またはジアルキ
ルアリールジチオリン酸亜鉛、さらにコハク酸イミド型
またはベンジルアミン型等の無灰性分散剤、防錆剤、酸
化防止剤、油性向上剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤
などの添加剤を配合することができる。
【0028】
【実施例】以下、実施例、比較例等により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらによりなんら限定
されるものではない。
【0029】実施例1 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12直鎖モノアルキルベンゼンスル
ホン酸(酸価181.1mgKOH/g)12.4gを攪拌器、
温度計、水分離器を装着した1Lフラスコに移した。こ
こに消石灰70.3g、イソデカノール225g、15
0ニュートラル油50gを加えて152℃まで昇温し
た。途中、50分かけてエチレングリコール63.2g
を添加した。152℃で1時間の熟成後、二酸化炭素2
0Lを2時間30分かけて吹き込んだ。その後、190
℃に昇温しながら減圧にして溶媒を留去した。残渣物か
ら不溶分を濾過により除去し、本発明の塩基性サリシレ
ートを得た。このサリシレートの塩基価(JIS K2501 過
塩素酸法;以下同じ)は340mgKOH/g であった。
【0030】実施例2 C16、18アルキルサリシル酸(酸価84.2mgKOH/
g)146.6g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価187mgKOH/g)30g、ステアリン
酸21.4g、酢酸3g、消石灰103.6g、イソデ
カノール310g、150ニュートラル油87g、エチ
レングリコール89.3gおよび二酸化炭素29Lを用
いて実施例1と同様に操作することによって、本発明の
塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価
は355mgKOH/g であった。
【0031】実施例3 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価79.5mgKOH/g)12g、酢酸2
g、消石灰70.3g、イソデカノール225g、15
0ニュートラル油50g、エチレングリコール63.2
gおよび二酸化炭素19Lを用いて実施例1と同様に操
作することによって、本発明の塩基性サリシレートを得
た。このサリシレートの塩基価は341mgKOH/g であっ
た。
【0032】実施例4 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸Ca塩12.8g、消石灰68.8g、イ
ソデカノール225g、150ニュートラル油50g、
エチレングリコール63.2gおよび二酸化炭素20L
を用いて実施例1と同様に操作することによって、本発
明の塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩
基価は315mgKOH/g であった。
【0033】実施例5 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)155.3g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価187mgKOH/g)24g、C12直鎖
ジアルキルベンゼンスルホン酸(酸価124.7mgKOH/
g)9g、ステアリン酸21.4g、消石灰103.6
g、イソデカノール310g、150ニュートラル油1
00g、エチレングリコール89.3gおよび二酸化炭
素30Lを用いて実施例1と同様に操作することによっ
て、本発明の塩基性サリシレートを得た。このサリシレ
ートの塩基価は358mgKOH/g であった。
【0034】実施例6 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価187mgKOH/g)9.6g、C12直
鎖ジアルキルベンゼンスルホン酸(酸価124.7mgKO
H/g)3.6g、消石灰70.3g、イソデカノール22
5g、150ニュートラル油50g、エチレングリコー
ル63.2gおよび二酸化炭素20Lを用いて実施例1
と同様に操作することによって、本発明の塩基性サリシ
レートを得た。このサリシレートの塩基価は346mgKO
H/g であった。
【0035】実施例7 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価187mgKOH/g)9g、C12直鎖ジ
アルキルベンゼンスルホン酸(酸価124.7mgKOH/g)
4.5g、消石灰70.3g、イソデカノール225
g、150ニュートラル油50g、エチレングリコール
63.2gおよび二酸化炭素20Lを用いて実施例1と
同様に操作することによって、本発明の塩基性サリシレ
ートを得た。このサリシレートの塩基価は342mgKOH/
g であった。
【0036】実施例8 C16、18アルキルサリシル酸(酸価84.2mgKOH/
g)146.6g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価187mgKOH/g)30g、イソステア
リン酸21.4g、消石灰103.6g、イソデカノー
ル310g、150ニュートラル油87g、エチレング
リコール89.3gおよび二酸化炭素29Lを用いて実
施例1と同様に操作することによって、本発明の塩基性
サリシレートを得た。このサリシレートの塩基価は35
0mgKOH/g であった。
【0037】比較例1 C16、18アルキルサリシル酸(酸価84.2mgKOH/
g)141.2g、消石灰51.8g、イソデカノール1
55g、150ニュートラル油40g、エチレングリコ
ール44.6gおよび二酸化炭素14Lを用いて実施例
1と同様に操作することによって、塩基性サリシレート
を得た。このサリシレートの塩基価は307mgKOH/g で
あった。
【0038】比較例2 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)113g、C12直鎖ジアルキルベンゼンスルホン酸
(酸価124.7mgKOH/g)18g、ステアリン酸10.
7g、消石灰70.3g、イソデカノール225g、1
50ニュートラル油50g、エチレングリコール63.
2gおよび二酸化炭素19Lを用いて実施例1と同様に
操作することによって、塩基性サリシレートを得た。こ
のサリシレートの塩基価は347mgKOH/g であった。
【0039】比較例3 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12直鎖ジアルキルベンゼンスルホ
ン酸(酸価124.7mgKOH/g)18g、消石灰70.3
g、イソデカノール225g、150ニュートラル油3
0g、エチレングリコール63.2gおよび二酸化炭素
20Lを用いて実施例1と同様に操作することによっ
て、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩
基価は350mgKOH/g であった。
【0040】比較例4 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)113g、C12−15分岐モノアルキルベンゼンス
ルホン酸(酸価187mgKOH/g)7.2g、C12直鎖ジ
アルキルベンゼンスルホン酸(酸価124.7mgKOH/g)
7.2g、ステアリン酸10.7g、消石灰70.3
g、イソデカノール225g、150ニュートラル油5
0g、エチレングリコール63.2gおよび二酸化炭素
21Lを用いて実施例1と同様に操作することによっ
て、塩基性サリシレートを得た。このサリシレートの塩
基価は351mgKOH/g であった。
【0041】比較例5 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C12−15分岐モノアルキルベンゼ
ンスルホン酸(酸価187mgKOH/g)7.2g、C12直
鎖ジアルキルベンゼンスルホン酸(酸価124.7mgKO
H/g)7.2g、酢酸2g、消石灰70.3g、イソデカ
ノール225g、150ニュートラル油40g、エチレ
ングリコール63.2gおよび二酸化炭素20Lを用い
て実施例1と同様に操作することによって、塩基性サリ
シレートを得た。このサリシレートの塩基価は342mg
KOH/g であった。
【0042】比較例6 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、C20−24直鎖アルキルベンゼンス
ルホン酸(酸価108.3mgKOH/g)20.7g、消石灰
70.3g、イソデカノール225g、150ニュート
ラル油40g、エチレングリコール63.2gおよび二
酸化炭素20Lを用いて実施例1と同様に操作すること
によって、塩基性サリシレートを得た。このサリシレー
トの塩基価は345mgKOH/g であった。
【0043】比較例7 C16、18アルキルサリシル酸(酸価79.5mgKOH/
g)141.2g、硫化アルキルフェノールCa塩25.
8g、消石灰70.3g、イソデカノール225g、1
50ニュートラル油40g、エチレングリコール63.
2gおよび二酸化炭素23Lを用いて実施例1と同様に
操作することによって、塩基性サリシレートを得た。こ
のサリシレートの塩基価は355mgKOH/g であった。
【0044】以上の実施例および比較例において用いた
相溶性改良剤、アルキル芳香族スルホン酸においてはモ
ノアルキル置換体の含有率(重量%)および添加した脂
肪酸を表1にまとめた。
【0045】
【表1】
【0046】試験例 実施例1〜8および比較例1〜7で得られた添加剤をパ
ラフィン系基油(SAE50)を用いて70TBNにな
るよう調製した(本発明品1〜8、比較品1〜7)。次
いで、それらの油を、同様に70TBNに調製した市販
の塩基性スルフォネート油と1:1の重量比で配合した
後、60℃の恒温槽に貯蔵し、外観および沈澱物などの
経時変化を観察した。その結果を表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】尚、ここで用いた市販品のスルフォネート
は以下の通りである。 市販品スルフォネートA: アモコ9243(アモコケ
ミカル(株)製) 市販品スルフォネートB: オロア247E(シェブロ
ンケミカル(株)製) 市販品スルフォネートC: Witco C300(ウィット
コケミカル(株)製) 市販品スルフォネートD: Witco M400(ウィット
コケミカル(株)製)
【0049】表2より明らかなように、炭素数8〜18
のモノアルキル基置換体を60重量%以上含有するアル
キル芳香族スルホン酸を用いた本発明品1〜8では、市
販されている広範なタイプの塩基性スルフォネートに対
して相溶性が優れる。これに対して、アルキル芳香族ス
ルホン酸を用いないもの(比較品1)、モノアルキル体
を含まないか、あるいは含有量の少ないもの(比較品2
〜5)、もしくはアルキル基の炭素数の大きいもの(比
較品6)、または市販の塩基性硫化フェネートを用いた
もの(比較品7)では、相溶性が劣るものであった。
【0050】
【発明の効果】本発明の潤滑油添加剤は、潤滑油基油へ
の溶解性に優れるとともに、塩基性スルフォネートとの
相溶性も良好であり、また該潤滑油添加剤を含有する本
発明の潤滑油組成物は、潤滑油用の清浄分散剤として有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 125:00 125:10) C10N 10:04 30:00 A 8217−4H 30:04 40:25 70:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化水素溶媒中で、少なくとも1つ以上
    の炭素数8〜30のアルキル基を有するアルキル芳香族
    カルボン酸および炭素数8〜18のモノアルキル基置換
    体を全アルキル芳香族スルホン酸中60重量%以上含有
    するアルキル芳香族スルホン酸からなる有機酸部に、炭
    素数1〜4のアルコール、該有機酸部に対して3当量以
    上の2価金属化合物および二酸化炭素を反応させること
    によって得られる油溶性の塩基性2価金属塩を有する潤
    滑油添加剤。
  2. 【請求項2】 アルキル芳香族スルホン酸の添加量が、
    アルキル芳香族カルボン酸に対して0.1〜2当量であ
    る請求項1記載の潤滑油添加剤。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の潤滑油添加剤
    を天然油および/または合成油に0.1〜60重量%含
    有してなる潤滑油組成物。
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