JPH0578584A - オルガノポリシロキサンエマルジヨン組成物 - Google Patents

オルガノポリシロキサンエマルジヨン組成物

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JPH0578584A
JPH0578584A JP3271947A JP27194791A JPH0578584A JP H0578584 A JPH0578584 A JP H0578584A JP 3271947 A JP3271947 A JP 3271947A JP 27194791 A JP27194791 A JP 27194791A JP H0578584 A JPH0578584 A JP H0578584A
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敏 桑田
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のオルガノポリシロキサンエマルジョ
ン組成物は、下記一般式、 【化1】 〔式中、R1 はその50モル%以上が低級アルキル基であ
り、残りが水酸基であり、R2 は低級アルキル基であ
る〕で表されるオルガノポリシロキサン(A) と、R 3 Si
O 1/2 単位(Rは低級アルキル基である)と SiO2 単位
とから成り、SiO2 単位の含有量が20〜80モル%である
オルガノポリシロキサン(B) とが乳化分散されているこ
とを特徴とする。 【効果】 この組成物は、離型性とスリップ防止性のバ
ランスがよく、特にスチレン系樹脂用の離型剤として有
用であり、該樹脂のフィルムに塗布されることにより、
ロール状に巻かれた該フィルムの巻き戻し時におけるフ
ィルム表面の固着が有効に防止され、またフィルムの透
明性を損なわず、しかも該表面の擦れ合いによる白化も
有効に防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にスチレン系樹脂に
対する離型剤としての用途に有用なオルガノポリシロキ
サンエマルジョン組成物に関する。
【0002】
【従来技術】スチレン系樹脂のフィルム乃至シートは、
成形性、耐水性に優れており、さらに透明性、光沢性が
良好で美観に優れていることから、例えば食品包装容器
等の用途に広く使用されている。このスチレン系樹脂の
フィルム乃至シートは、例えばロール状に巻かれて保存
され、使用に際しては、このロール状に巻かれたフィル
ム乃至シートを巻き戻しながらカップや袋状等に成形さ
れる。ところで、一般に、このフィルム乃至シートの巻
き戻し時にフィルム乃至シートの表面同士が固着するた
めに、成形速度が低下するという問題がある。この問題
を解決するための手段として、上記フィルム乃至シート
表面にシリコーン離型剤のエマルジョンを塗布すること
が行なわれている。また最近になっては、さらに防曇性
を付与するために、スチレン系樹脂のフィルム乃至シー
トを予め親水化処理したり(特開昭53−115781号公
報)、上記シリコーン離型剤にショ糖脂肪酸エステルを
添加することが行なわれている(特公昭63−62538 号公
報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、スチレン
系樹脂のフィルム乃至シートにシリコーン離型剤を塗布
すると、該フィルム乃至シートの表面平滑性が大きくな
りすぎ、ロールに巻付けられたフィルム乃至シートを運
搬する際に、該フィルム乃至シートの表面同士がこすれ
あって摩擦によるすり傷のためにその表面が部分的に白
化し、商品価値が損なわれるという不都合を生じること
となった。この不都合を改善する手段として、コロイダ
ルシリカ等のスリップ防止剤をシリコーン離型剤中に配
合することが提案されているが、この場合にはスチレン
系樹脂のフィルム乃至シートの透明性が損なわれ、また
添加されたシリカにより白斑が生じたりする等の不都合
を生じる。
【0004】従って本発明の目的は、スチレン系樹脂の
フィルム乃至シート表面に施された時に、離型性とスリ
ップ防止性とのバランスがよく、且つスチレン系樹脂の
フィルム乃至シートの透明性を損なうことのないような
オルガノポリシロキサンエマルジョン組成物を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(A) 一
般式(1):
【化3】 〔式中、R1 は水素原子、水酸基または炭素原子数1〜
6の一価炭化水素基であり、2個のR1 は互いに異なる
ものであってよく、R2 は水素原子または炭素原子数1
〜6の一価炭化水素基であり、複数のR2 は互いに異な
るものであってもよく、mは平均で50〜2500の数であ
る〕で表され、25℃における粘度が 100〜100 万cPであ
るオルガノポリシロキサンと、(B) R 3 SiO 1/2 単位
(ここでRは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基であ
る)と SiO2 単位とから成り、 SiO2 単位の含有量が20
〜80モル%であるオルガノポリシロキサン、とを有効成
分として含有してなるオルガノポリシロキサンエマルジ
ョン組成物が提供される。
【0006】本発明によれば更に、水性媒体中でオルガ
ノシロキサンの重合を行なって一般式(1):
【化4】 〔式中、R1 、R2 及びmは前記の通り〕で表されるオ
ルガノポリシロキサン(A) のエマルジョンを調製する工
程、 一般式(2) :R 3 3 SiX または 一般式(3) :R 3 3 SiOSiR3 3 〔式中、R3 は水素原子または炭素原子数1〜6の一価
炭化水素基であり、Xはハロゲン原子、水酸基、アルコ
キシ基またはアシル基である〕で表される少なくとも1
種の有機ケイ素化合物(b-1) と、 一般式(4) : SiY4 〔式中、Yはアルコキシ基である〕 で表される有機ケイ素化合物及びその部分加水分解縮合
物から選択された少なくとも1種の有機ケイ素化合物(b
-2) とを、ケイ素原子換算で (b-1)/(b-2) =80/20〜
20/80となる割合で、塩型界面活性剤の存在下、水中に
乳化分散し、次いで該塩型界面活性剤の少なくとも一部
をイオン交換樹脂を用いてイオン交換させることによっ
て乳化重合を行ない、オルガノポリシロキサン(B) のエ
マルジョンを調製する工程、及び、前記オルガノポリシ
ロキサン(A) のエマルジョンとオルガノポリシロキサン
(B)のエマルジョンとを混合する工程、とから成ること
を特徴とするオルガノポリシロキサンエマルジョン組成
物の製造方法が提供される。
【0007】成分(A) 本発明において、成分(A) として使用されるオルガノポ
リシロキサンは、前記一般式(1) 、即ち、
【化5】 〔式中、R1 、R2 及びmは前記の通りである〕で表さ
れる。ここでR1 及びR2 における炭素原子数1〜6の
一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、 n−プ
ロピル基、イソプロピル基、 n−ブチル基、イソブチル
基、 sec−ブチル基、tert−ブチル基、 n−ペンチル
基、 n−ヘキシル基等のアルキル基、シクロペンチル
基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル
基等のアリール基及びこれらの基の水素原子の一部また
は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば 3,3,3−
トリフロロプロピル基等を挙げることができる。本発明
においては、特にR1 の50モル%以上がメチル基であ
り、残部が水酸基であることが望ましく、またR2 の90
モル%以上がメチル基であることが望ましい。
【0008】またこのオルガノポリシロキサンの25℃に
おける粘度は 100〜100 万センチポイズの範囲にあるこ
とも重要であり、 100センチポイズよりも低いと得られ
る組成物は満足な離型性を示さず、例えば該組成物をス
チレン系樹脂フィルム乃至シートに塗布した場合、その
フィルム乃至シート表面に良好な剥離性を付与すること
ができない。また 100万センチポイズよりも大きいと、
得られる組成物をフィルム乃至シートに塗布した場合、
該表面にベタツキが生じる。
【0009】この成分(A) として用いるオルガノポリシ
ロキサンは、強酸もしくは強アルカリを重合触媒とし
て、オルガノシロキサンを水性媒体中で重合する方法
(特公昭34−2041号公報)、アルキルベンゼンスルホン
酸、アルキルナフタレンスルホン酸、脂肪族スルホン
酸、シリルアルキルスルホン酸、脂肪族置換ジフェニル
エーテルスルホン酸、アルキルハイドロジェンサルフェ
ート等を重合触媒としてオルガノシロキサンを水性媒体
中で重合する方法(特公昭41−13995 号公報、ベルギー
特許第686812号、USP第 3360491号)あるいは塩型界
面活性剤水溶液中にジオルガノシロキサンの3〜6量体
を乳化分散させ、この分散系にイオン交換樹脂を添加し
て該塩型界面活性剤のイオン交換を行ない、ジオルガノ
シロキサンを水性媒体中で重合する方法(特公昭54−19
440 号公報)等によって製造することができる。
【0010】本発明においては、上記の方法で得られた
オルガノポリシロキサン(A) のエマルジョンを、後述す
るオルガノポリシロキサン(B) のエマルジョンと混合す
ることによりエマルジョン組成物が調製されるが、この
場合、オルガノポリシロキサン(A) のエマルジョンの分
散平均粒径は500 mμ以下の範囲にあることが、透明性
の見地から好ましい。即ち、この平均粒径が 500 mμよ
りも大であると、得られるエマルジョン組成物をスチレ
ン系樹脂のフィルム乃至シートに塗布した場合、該フィ
ルム乃至シートの透明性が損なわれる傾向がある。一般
に、この平均粒径が小さいほどフィルム乃至シートの透
明性が良好である。尚、エマルジョンの分散平均粒径の
調整は、例えば乳化重合に際して使用する界面活性剤の
種類、量及び攪拌力等を調整することによって行なうこ
とができる。
【0011】成分(B) 本発明において、成分(B) として使用されるオルガノポ
リシロキサンは、前述した通り、R 3 SiO 1/2 単位(こ
こでRは炭素原子数1〜6の一価炭化水素基である)と
SiO2 単位とから成り、 SiO2 単位の含有量が20〜80モ
ル%である。ここで炭素原子数1〜6の一価炭化水素基
Rとしては、R1 及びR2 に関して例示したものと同様
の基を挙げることができ、特にその90モル%以上がメチ
ル基であることが好適である。
【0012】このようなオルガノポリシロキサンは、例
えば、 一般式(2) :R 3 3 SiX または 一般式(3) :R 3 3 SiOSiR3 3 〔式中、R3 は水素原子または炭素原子数1〜6の一価
炭化水素基であり、Xはハロゲン原子、水酸基、アルコ
キシ基またはアシル基である〕で表される少なくとも1
種の有機ケイ素化合物(b-1) と、 一般式(4) : SiY4 〔式中、Yはアルコキシ基である〕で表される有機ケイ
素化合物及びその部分加水分解縮合物から選択された少
なくとも1種の有機ケイ素化合物(b-2) 、とを、ケイ素
原子換算で (b-1)/(b-2) =80/20〜20/80(モル比)
となる割合で、塩型界面活性剤の存在下、水中に乳化分
散し、次いで該塩型界面活性剤の少なくとも一部をイオ
ン交換樹脂を用いてイオン交換させることにより乳化重
合を行なうことにより製造することができる。
【0013】ここで原料有機ケイ素化合物(b-1) として
使用される一般式(2) の有機ケイ素化合物において、X
のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素があり、
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロ
ポキシ基、ブトキシ基等が例示され、またアシル基とし
ては、アセチル基、ベンゾイル基、マロニル基等を例示
することができる。特に好適に使用される一般式(2) の
有機ケイ素化合物は、トリメチルクロロシラン、トリメ
チルヒドロキシシランである。また一般式(3) の有機ケ
イ素化合物として、最も好適に使用されるものは、ヘキ
サメチルジシロキサンである。さらに原料有機ケイ素化
合物(b-2) として使用される一般式(4) の有機ケイ素化
合物において、Yのアルコキシ基としては、メトキシ
基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が例示さ
れる。特に好適に使用される一般式(4) の有機ケイ素化
合物は、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン
である。またこの部分加水分解縮合生成物とは、そのア
ルコキシ基Yが部分的に加水分解され、場合によっては
生成したシラノール基の少なくとも一部が縮合したもの
である。このとき、加水分解率が高くなり過ぎると、縮
合生成物の安定性が低下する傾向があるので、一般的に
は、加水分解率が60%以下であることが好適である。
【0014】上述した (b-1)及び(b-2) の有機ケイ素化
合物を前述した量比で使用し、塩型界面活性剤を用いて
これらを水中に乳化分散し、イオン交換樹脂を用いての
乳化重合により目的とするオルガノポリシロキサン(B)
が得られる。この乳化重合は、例えば特開昭63−275640
号公報に開示された方法にしたがって行なうことができ
る。
【0015】即ち、塩型界面活性剤としては、直鎖アル
コール硫酸エステル塩、側鎖アルコール硫酸エステル
塩、ポリエーテルアルキルフェノール硫酸エステル塩、
オレフィンの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルト
リメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルア
ンモニウム塩等を使用することができる。これらの塩型
界面活性剤は、上述した(b-1)及び(b-2) の有機ケイ素
化合物を十分に乳化できる量で使用されるが、通常は、
これら有機ケイ素化合物の合計量 100重量部当たり 0.1
〜20重量部、特に1〜10重量部の割合で使用される。
尚、これらの塩型界面活性剤は、通常、単独で使用され
るが、同じイオン型のものであれば2種以上を組み合わ
せで使用することもできる。
【0016】またイオン交換樹脂としては、特に制限は
なく市販のものを使用することができるが、好ましくは
三次元網目構造を有し、膨潤性骨格にイオン交換基が付
いた陽イオンまたは陰イオン交換樹脂が使用され、特に
好ましくは、骨格に強酸性のスルホン酸または強塩基性
の第4アンモニウム塩が付いたものが使用される。これ
らイオン交換樹脂の使用量は、塩型界面活性剤と当量以
上であることが望ましい。またイオン交換樹脂の型につ
いては、特に制限はないが、均一なゲル構造を有し比較
的多孔性であるMR型 (macro reticulars) が好まし
い。これらのイオン交換樹脂を前記エマルジョンと接触
させると、前記塩型界面活性剤は速やかに相当する酸ま
たは塩基に変化して重合触媒として作用し、 (b-1)の有
機ケイ素化合物と (b-2)の有機ケイ素化合物との乳化重
合が開始するのである。
【0017】この際の重合条件は特に制限されないが、
例えばイオン交換樹脂を添加後に適当な温度まで加熱す
るか、あるいはさらに強酸性物質、強アルカリ性物質等
の他の重合触媒を併用して適宜攪拌を行えばよい。この
場合、得られるエマルジョンは、酸性またはアルカリ性
であるので、実用上は常法により中和を行うことが望ま
しい。特に酸性の場合には、アルミン酸ナトリウムのよ
うなアルミニウムイオンを含む化合物で中和を行えば、
エマルジョンのゲル化抑制効果が特に大きく、安定性の
高いオルガノポリシロキサン(B) のエマルジョンが得ら
れる。上述した方法によれば、オルガノポリシロキサン
の平均分散粒径が500 mμ以下、特に 400 mμ以下の極
めて微粒分散のエマルジョンが得られ、このエマルジョ
ンを用いて本発明のエマルジョン組成物を調製すること
ができる。
【0018】エマルジョン組成物の製造:本発明のエマ
ルジョン組成物は、前述したオルガノポリシロキサン
(A) のエマルジョンとオルガノポリシロキサン(B) のエ
マルジョンとを、 (A)及び(B) のオルガノポリシロキサ
ンとが重量比で90/10〜50/50、特に80/20〜60/40の
割合で混合することにより調製される。この場合、オル
ガノポリシロキサン(A) の配合量が上記範囲よりも多い
と、スチレン系樹脂フィルム乃至シートに対するスリッ
プ防止効果が得られず、またオルガノポリシロキサン
(A) の配合量が上記範囲よりも少ないと、スチレン系樹
脂フィルム乃至シートの離型性が不満足なものとなる。
これらエマルジョンの混合に当たっては、オルガノポリ
シロキサン(A) 及び(B) の分散安定性を向上させるため
に、適宜、各種の界面活性剤を配合することができる。
このような界面活性剤としては、例えば長鎖のアルキル
サルフェート、アルキルスルホネート、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム等のアニ
オン型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソ
ルビタンモノエステル等のノニオン型界面活性剤、テト
ラアルキルアンモニウム塩等のカチオン型界面活性剤な
どが使用される。これらの界面活性剤の配合量は、通
常、オルガノポリシロキサン(A) 及び(B) の合計量 100
重量部に対して20重量部以下とすることが好ましい。こ
の界面活性剤の配合量が20重量部を超えると、このエマ
ルジョン組成物をスチレン系樹脂フィルム乃至シートに
塗布した場合、そのフィルム乃至シートの透明性を低下
させるという不都合を生じる場合がある。
【0019】また本発明のエマルジョン組成物には、防
曇剤、濡れ性向上剤及び防腐剤等のそれ自体公知の各種
添加剤を配合することができる。例えば防曇剤は、エマ
ルジョン組成物が塗布されたフィルム乃至シートを食品
包装容器に成形し、内容物の充填を行なった後、内容物
から発生する水蒸気によって容器壁が曇るのを防止する
ために配合されるものである。このような防曇剤として
は、例えばHLBの高い界面活性剤やショ糖脂肪酸エス
テルなどが知られている。
【0020】上記の如くして得られた本発明のエマルジ
ョン組成物は、既に述べた通りスチレン系樹脂フィルム
乃至シート用の離型剤として極めて有用であり、例えば
オルガノポリシロキサン(A) 及び(B) の合計の含有量が
0.1〜2.0 重量%となるように水で希釈されてスチレン
系樹脂フィルム乃至シート上に塗布されて使用に供され
る。その塗布量は、一般に乾燥基準で0.01〜1.0 g/
m2 、特に0.02〜0.2 g/m2 が好適である。0.01g/m2
り少ないと十分な剥離性が得られず、また 1.0g/m2
り多いとスチレン系樹脂フィルム乃至シートの透明性が
損なわれる場合がある。スチレン系樹脂フィルム乃至シ
ート上への塗布は、例えば希釈されたエマルジョン組成
物をローラ塗布等によりフィルム乃至シート面に施した
後、エアーナイフ等により塗膜を均一化し、次いでオー
ブン内で乾燥することによって行なわれる。尚、本発明
のエマルジョン組成物は、スチレン系樹脂フィルム乃至
シートに対する離型剤として有用であるが、勿論、それ
以外の樹脂フィルム等に対する離型剤としても有効に使
用することができる。
【0021】合成例1 オクタメチルシクロテトラシロキサン 150 g ヘキサメチルジシロキサン 0.55g ラウリル硫酸ナトリウム10%水溶液 85 g ドデシルベンゼンスルホン酸10%水溶液 4.0 g 水 160 g の混合物をホモミキサーにより高速攪拌し、次いで 300
kg/cm2 の圧力でガウリンホモジナイザーを2回通過さ
せて均質化を行なった。この均質混合物に、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸10%水溶液をさらに30g添加し、55〜
60℃で20時間、緩やかに攪拌を行ない乳化重合を実施し
た。重合終了後、25℃以下に放冷後、炭酸ナトリウム10
%水溶液70gを添加し、pHを7に調整し、次いで綿布
ろ過を行なうことにより、成分(A) のオルガノポリシロ
キサンエマルジョンを得た。このエマルジョンは、平均
粒径 280 mμの均質なもので、室温で1か月放置しても
層分離は全く認められず、安定性の高いものであった。
このオルガノポリシロキサンエマルジョンAについてア
セトン抽出を行ない、抽出油を水洗後、乾燥して得たオ
ルガノポリシロキサンの粘度は、25℃において5200cPで
あった。
【0022】合成例2 エチルポリシリケート(SiO2 含有量:40重量%) 156.2
g(Si02 : 1.04モル) トリメチルヒドロキシシラン 156.2g(1.74モル) ラウリル硫酸ナトリウム 5 g 水 682.6g の混合物を、 300kg/cm2 の圧力でガウリンホモジナイ
ザーを通過させて均質化を行なった。この均質混合物
に、常法にしたがってH型に調整されたMR型陽イオン
交換樹脂アンバーライト15(ロームアンドハース社製)
5gを添加し、25℃で30分間攪拌した後、25℃で48時間
静置した。次いでアルミン酸ナトリウム1%水溶液を添
加してpH7に調整し、オルガノポリシロキサンエマル
ジョン(B1)を得た。このエマルジョンにおけるオルガノ
ポリシロキサンは、 (CH3 ) 3 SiO 1/2 単位の含有量 63モル%、 SiO2 単位の含有量 37モル% であった。またこのオルガノポリシロキサンエマルジョ
ン(B1)の分散粒子の平均粒径は80mμであり、室温で1
か月放置しても層分離は全く認められず、安定性の高い
ものであった。さらにこのオルガノポリシロキサンエマ
ルジョン(B1)をアルミ皿に取り、 105℃で3時間加熱乾
燥したところ、乾燥残分は25%であり、粘稠透明なオル
ガノポリシロキサンであった。
【0023】合成例3 合成例2において、トリメチルヒドロキシシランの使用
量を 187.6g (2.08モル) とし、且つ水の使用量を 65
1.2gに変えた以外は合成例2と全く同様にしてオルガ
ノポリシロキサンエマルジョン(B2)を得た。このエマル
ジョンにおけるオルガノポリシロキサンは、 (CH3 ) 3 SiO 1/2 単位の含有量 67モル%、 SiO2 単位の含有量 33モル% であった。またこのオルガノポリシロキサンエマルジョ
ン(B2)の分散粒子の平均粒径は150 mμであり、室温で
1か月放置しても層分離は全く認められず、安定性の高
いものであった。さらにこのオルガノポリシロキサンエ
マルジョン(B2)をアルミ皿に取り、 105℃で3時間加熱
乾燥したところ、乾燥残分は19%であり、ペースト状の
透明なオルガノポリシロキサンであった。
【0024】実施例1〜7 各合成例で得られたオルガノポリシロキサンエマルジョ
ン、希釈水及び防曇剤(ショ糖脂肪酸エステル、以下同
じ)を、オルガノポリシロキサン濃度が表1の通りにな
るように混合して得たエマルジョン組成物を、0.21mm厚
の二軸延伸ポリスチレンシートの片面にバーコートし、
80℃でオーブン乾燥し、塗布シートを得た。得られた塗
布シートの表面静摩擦係数μS 、剥離性及び外観の評価
を行ない、結果を表1に示した。尚、評価方法は、次の
通りである。
【0025】表面静摩擦係数μS :10cm×10cmに裁断し
た塗布シートの片側無塗布面に、円筒形錘(10kg, 底面
積25cm2 )の底面を両面粘着テープにより貼り合わせ、
この錘が、塗布シートの無塗布面及び塗布面を10mm/min
の速度でこれらの面に対して平行に移動する際の起動力
を、オートグラフ( 島津製作所製) により測定すること
で、このシートの無塗布面と塗布面との間の表面静摩擦
係数μS を測定した。
【0026】剥離性:オルガノポリシロキサン塗布面と
無塗布面とが接するように、10cm×10cmの塗布シートを
20枚重ね、最上部に2kgの錘を載せる。一分後のシート
厚み(H0 )を測定する。その後、錘を取り去り、一分
後にシートの厚み(H)を測定する。式:R=〔(H−
0 )/H0 〕×100 、により剥離性回復率R(%) を算
出し、次の基準で評価した。 ◎: R≧250 ○: 80≦R<250 △: 30≦R<80 ×: R<30
【0027】外観:塗布シートを3枚重ねにしてAST
M−D−1003に準拠して測定した曇り度Hと、肉眼観察
した外観の二者で評価し、何れか一方が低評価の場合に
は低評価とした。尚、評価基準は次の通りである。 ◎: H<1.5 または塗り斑が全く見られない。 ○: 1.5≦H<2 またはごく僅かな塗り斑が見られ
る。 △: 2≦H<3 または塗り斑が少し目立つ。 ×: 3≦H または塗り斑がかなり目立つ。
【0028】
【表1】
【0029】比較例1〜6 実施例1〜6と同様にして、表2に示す配合比率にした
がって各合成例で得られたエマルジョンを均一に混合
し、エマルジョン組成物を得、実施例1〜6と同様の評
価を行った。結果を表2に示す。
【0030】
【表2】
【0031】以上の結果から明らかな通り、本発明のエ
マルジョン組成物を塗布したポリエチレンシートは、何
れもμS が0.17以上と高い。従って、このエマルジョン
組成物が塗布されたポリエチレンシートをロール巻き状
にしたものは、運搬輸送時における傷つき白化が発生し
にくく、また剥離性、外観に優れたものであることが理
解される。これに対して、用いたエマルジョン組成物に
おいて、オルガノポリシロキサンエマルジョン(B) の配
合量が少なすぎるとμs が低下し(比較例1、2)、多
すぎると剥離性が低下する(比較例3、4)。またこの
エマルジョン組成物の塗布量が多すぎると外観不良を生
じ(比較例5)、少なすぎると剥離性が不良となること
が理解される(比較例6)。
【0032】比較例7 実施例3において、オルガノポリシロキサンエマルジョ
ン(B1)の代わりに、水性コロイダルシリカ(スノーテッ
クス−SS、日産化学工業社製)を有効成分量で 0.1%
添加した他は、実施例3と同様にしてエマルジョン組成
物を調製し、且つ同様の評価を行なった。結果は表3に
示した。
【0033】比較例8 実施例5において、オルガノポリシロキサンエマルジョ
ン(B1)の代わりに、水性コロイダルシリカ(スノーテッ
クス−SS、日産化学工業社製)を有効成分量で 0.6%
添加した他は、実施例5と同様にしてエマルジョン組成
物を調製し、且つ同様の評価を行なった。結果は表3に
示した。
【0034】
【表3】
【0035】
【発明の効果】本発明のエマルジョン組成物は、離型性
及びスリップ防止特性のバランスに優れており、スチレ
ン系樹脂の離型剤として極めて有用である。例えばロー
ル状に巻かれたスチレン系樹脂フィルム乃至シート表面
にこれを塗布しておくことにより、その巻き戻し時にお
けるフィルム乃至シート表面の固着が有効に防止され、
またフィルム乃至シートの透明性を損なわず、しかも該
表面の擦れ合いによる白化も有効に防止される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A) 一般式(1): 【化1】 〔式中、R1 は水素原子、水酸基または炭素原子数1〜
    6の一価炭化水素基であり、2個のR1 は互いに異なる
    ものであってよく、R2 は水素原子または炭素原子数1
    〜6の一価炭化水素基であり、複数のR2 は互いに異な
    るものであってもよく、mは平均で50〜2500の数であ
    る〕で表され、25℃における粘度が 100〜100 万cPであ
    りオルガノポリシロキサンと、 (B) R 3 SiO 1/2 単位(ここでRは炭素原子数1〜6の
    一価炭化水素基である)と SiO2 単位とから成り、 SiO
    2 単位の含有量が20〜80モル%であるオルガノポリシロ
    キサン、 とを有効成分として含有してなるオルガノポリシロキサ
    ンエマルジョン組成物。
  2. 【請求項2】 水性媒体中でオルガノシロキサンの重合
    を行なって一般式(1): 【化2】 〔式中、R1 、R2 及びmは前記の通り〕で表されるオ
    ルガノポリシロキサン(A) のエマルジョンを調製する工
    程、 一般式(2) :R 3 3 SiX または 一般式(3) :R 3 3 SiOSiR3 3 〔式中、R3 は水素原子または炭素原子数1〜6の一価
    炭化水素基であり、Xはハロゲン原子、水酸基、アルコ
    キシ基またはアシル基である〕で表される少なくとも1
    種の有機ケイ素化合物(b-1) と、 一般式(4) : SiY 4〔式中、Yはアルコキシ基である〕 で表される有機ケイ素化合物及びその部分加水分解縮合
    物から選択された少なくとも1種の有機ケイ素化合物(b
    -2) とを、 ケイ素原子換算で (b-1)/(b-2) =80/20〜20/80とな
    る割合で、塩型界面活性剤の存在下、水中に乳化分散
    し、次いで該塩型界面活性剤の少なくとも一部をイオン
    交換樹脂を用いてイオン交換させることによって乳化重
    合を行ない、オルガノポリシロキサン(B) のエマルジョ
    ンを調製する工程、 及び、 前記オルガノポリシロキサン(A) のエマルジョンとオル
    ガノポリシロキサン(B)のエマルジョンとを混合する工
    程、 とから成ることを特徴とするオルガノポリシロキサンエ
    マルジョン組成物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5029657A (ja) * 1973-07-16 1975-03-25
JPS5419440A (en) * 1977-07-13 1979-02-14 Osaka Transformer Co Ltd Detecting device for shape of welding groove
JPS63275640A (ja) * 1987-05-07 1988-11-14 Shin Etsu Chem Co Ltd オルガノポリシロキサンエマルジョンの製造方法

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