JPH0578426A - アクリル系透明熱硬化物 - Google Patents

アクリル系透明熱硬化物

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JPH0578426A
JPH0578426A JP27055691A JP27055691A JPH0578426A JP H0578426 A JPH0578426 A JP H0578426A JP 27055691 A JP27055691 A JP 27055691A JP 27055691 A JP27055691 A JP 27055691A JP H0578426 A JPH0578426 A JP H0578426A
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JP
Japan
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film
cured product
metal
ppm
crosslinking
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JP27055691A
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English (en)
Inventor
Osamu Yoshida
統 吉田
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い表面硬度を有する透明性熱硬化物を提供
する。 【構成】 3次元的に架橋しているケイ素基を側鎖に有
する(メタ)アクリル共重合体であり、架橋部位が少な
くとも1種以上の金属−酸素結合(金属としてケイ素、
チタン、ジルコニウム、錫)を構成し、その金属種が硬
化物全量に対し15重量%以上含まれ、架橋度が70%
以上であるアクリル系透明熱硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明なアクリル系熱硬
化物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアクリル系熱硬化型材料として
は、分子鎖にアルコキシシランを有する重合体に、酸、
塩基あるいは有機金属触媒等を添加したものが公知であ
る。例えば、特開昭60−67553号公報、特開昭6
3−108049号公報、特開平1−129018号公
報にはメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の
アルコキシシランを側鎖に有する透明性熱硬化材料が開
示されている。
【0003】しかしながら、前記の従来熱硬化物は表面
硬度が低いため耐擦傷性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高い
表面硬度を有する透明性熱硬化物を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記事情に鑑
み、上記の従来技術の問題点を解決すべく検討を重ねた
結果、硬化ムラのない透明かつ高い表面硬度を有する新
規透明性熱硬化物を見出し、発明を完成するに至った。
【0006】即ち本発明は、架橋部位が少なくとも1種
以上の金属−酸素結合(金属としてケイ素、チタン、ジ
ルコニウム、錫)を構成し、その金属種が硬化物全量に
対し15重量%以上含まれ、架橋度が70%以上である
3次元的に架橋している加水分解性ケイ素基を側鎖に有
する(メタ)アクリル系透明熱硬化物に関する。
【0007】本発明で用いられる加水分解性ケイ素基を
側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系共重合体
は、好ましくはアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチルから選ばれる少なくとも1種の化合物
と、好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシ
ラン、3−メタクリロキシプロピルトリブトキシシラ
ン、3−メタクリロキシプロピルプロポキシシラン、3
−メタクリロキシプロピルイソプロポキシシラン、2−
メタクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−メタク
リロキシエチルトリエトキシシラン、2−メタクリロキ
シエチルトリブトキシシラン、メタクリロキシメチルト
リメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシ
シラン、メタクリロキシメチルトリブトキシシラン、3
−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキ
シプロピルトリブトキシシラン、2−アクリロキシエチ
ルトリメトキシシラン、2−アクリロキシエチルトリエ
トキシシラン、2−アクリロキシエチルトリプロポキシ
シラン、2−アクリロキシエチルトリブトキシシラン、
アクリロキシメチルトリメトキシシラン、アクリロキシ
メチルトリエトキシシラン、アクリロキシメチルトリブ
トキシシランから選ばれる少なくとも1種の化合物とか
らなるラジカル共重合体であり、その組成は、mol比
で99:1〜80:20の範囲が好ましい。
【0008】共重合体は、公知の重合開始剤を用いて公
知の合成方法に従って行うことができる。この場合、溶
液ラジカル重合法によるものが好ましい。
【0009】重合に際しては、ベンゼン、トルエン、キ
シレンなどの芳香族系炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、
シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、酢酸エチル、エ
チレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエ
ステル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノー
ル、イソブタノール、ジグリム、エチレングリコールモ
ノエチルエーテル等のアルコール系あるいはエーテル系
溶剤を用いることが出来る。
【0010】共重合体の数平均分子量は、ゲルパ−ミエ
−ションクロマトグラフィ−(GPC)により測定した
値が、ポリスチレン換算で50000〜300000の
ものが好ましいが、より好ましくは100000〜20
0000である。
【0011】モノマー濃度は0.5〜5mmol/ml
が好ましいが、より好ましくは0.8〜1.5mmol
/mlである。
【0012】重合温度は60〜80℃が好ましいが、よ
り好ましくは65〜75℃である。重合時間は、4〜8
時間が好ましいが、より好ましくは6〜7時間である。
【0013】このようにして得られる共重合体の有機溶
液中に、以下に示す化合物(以下架橋剤と呼ぶ)を加え
てルイス酸等の架橋促進剤存在下にて反応させると、硬
化時において少なくとも1種以上の金属−酸素結合(金
属として、ケイ素、チタン、ジルコニウム、錫)による
3次元的な編み目が形成され、得られる該熱架橋物は透
明性を維持しながら架橋してゆき、表面硬度を従来のも
のと比べ著しく向上させることが出来る。
【0014】用いられる架橋剤としては、テトラメトキ
シシラン,テトラエトキシシラン,テトラフェノキシシ
ラン,メチルトリメトキシシラン,エチルトリメトキシ
シラン,エチルトリメトキシシラン,エチルトリフェノ
キシシラン,フェニルトリメトキシシラン,フェニルト
リエトキシシラン,フェニルトリフェノキシシラン等の
アルコキシシラン類、テトラブチルチタネート,テトラ
イソプロピルチタネート等のチタン酸エステル類、錫メ
トキシド,錫エトキシド等の錫アルコキシド類、ジルコ
ニウムエトキシド,ジルコニウムイソプロポキシド,ジ
ルコニウムブトキシド等のジルコニウムアルコキシド等
が挙げられる。更に、チタニウムアルコキシビスアセチ
ルアセトナート、錫アセチルアセトナート二臭化物、ジ
ルコニウムアセチルアセトナート等のキレート化合物を
用いても良い。架橋時に用いられるこれら架橋剤は1種
類単独あるいは2種類以上を組み合わせて用いても良
い。
【0015】共重合体に対し用いられる架橋剤は、該硬
化物の総重量に対して金属の含有量が15重量%以上と
なることが好ましい。該硬化物中の金属の含有量が15
重量%未満の時は、該硬化物の硬度の向上はほとんどな
く、また60重量%より多い時は得られる硬化物の硬度
は頭打ちとなる。特に金属の含有量が20〜35重量%
の時、その表面硬度は著しく向上する現象が見られる。
更に、硬化時の該硬化物の縮み現象は見られない。加え
られる架橋剤の量は、該硬化物中の金属の含有量が15
〜60重量%の範囲になるのであれば、任意に変化させ
ることが出来、透明性を保持することが出来る。
【0016】該アクリル系熱硬化物に至るプロセスは、
既知のゾルゲル法を用いることにより容易に達成され
る。
【0017】即ち、共重合体および架橋剤から構成され
る有機混合溶液にルイス酸を加え、室温において撹拌す
ることにより20〜30分で安定なゾル溶液が得られ
る。さらに溶液をガラス基盤上に溶液のままキャスト
し、大気下で加熱することにより、ゾル−ゲル転移を経
て、透明かつ極めて表面硬度の高い当該熱硬化物が得ら
れる。架橋硬化させるのに可能な温度範囲は、50〜1
90℃であるが、より好ましくは80〜130℃であ
る。硬化に要する時間は、1〜2時間程度で良く、硬化
温度が高いほどその所要時間は短縮される。この時の該
硬化物の架橋密度は、常に70%以上となることが必須
である。
【0018】硬化時に用いられるルイス酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、燐酸、蟻酸、酢酸等のプロトン酸が好
ましい。
【0019】このように均一な状態で熱架橋反応し、3
次元編み目化して得られた当該硬化物は完全な相溶状態
であり、高い透明性を示す。更に、それぞれの重合体の
特性と組成比から予測されるより優れた特性を示す。
【0020】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限
定されるものではない。
【0021】該化合物の評価は、キャストフィルム化す
ることにより行った。フィルムの表面硬度は、JIS−
K5401記載の鉛筆硬度試験に従って評価した。フィ
ルムの厚さは、走査型電子顕微鏡を用いて破断面から計
測した。
【0022】フィルム中に含まれる架橋剤の重量は、フ
ィルムを基板から剥し1000℃で焼成後、焼成残渣の
原子吸光から算出した。また、該硬化物の架橋度は、ケ
イ素NMRの吸収より計算した。
【0023】実施例1 メタクリル酸メチル(8.56g、85.5mmo
l)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(1.12g、4.5mmol)、アゾビスイソブチロ
ニトリル(AIBN)(15mg、90μmol)、ジ
グリム(80ml)を封管に入れて脱気する。その封管
を振とうさせながら70℃で6時間、恒温槽で反応させ
た。反応終了後、封管を開け、反応溶液10mlを50
mlのフラスコに移し、大気下にて撹拌しながら、ジグ
リム(10ml)およびテトラエトキシシラン(50.
34g、0.24mol)を加えた後、0.1N塩酸
(5ml)を滴下した。30分後、0.1mlの反応溶
液を石英ガラス(縦50mm×横50mm×厚さ2m
m)の基板上にキャストした。次にキャストされたガラ
ス基板をオーブンに移し、130℃で1時間加熱したと
ころ、ガラス基板上に透明な薄いフィルムが生成した。
【0024】また、硬化前の反応溶液中に存在するメタ
クリル共重合体の数平均分子量をGPCを用いて測定し
たところ、150000であった。
【0025】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれるケイ素は2
6.4重量%であった。フィルムの固体29Si−NM
R(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)ス
ペクトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7pp
m、δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−7
5.2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比
は、0.01:9.99:72:18であった。これら
の吸収の帰属を表1に示す。
【0026】
【表1】 これらのピークの帰属及び吸収強度から、このフィルム
の架橋度は、 0.01×1/4+9.99×2/4+72×3/4+
18×4/4=77% であることがわかった。
【0027】実施例2 メタクリル酸メチル(8.56g、85.5mmo
l)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(1.12g、4.5mmol)、AIBN(15m
g、90μmol)、ジグリム(80ml)を封管に入
れて脱気する。その封管を振とうさせながら70℃で6
時間、恒温槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、
反応溶液10mlを50mlのフラスコに移し、大気下
にて撹拌しながら、ジグリム(10ml)およびテトラ
エトキシシラン(32.76g、0.16mol)およ
びテトラプロポキシチタン(0.67g、2.3mmo
l)を加えた後、0.1N塩酸(5ml)を滴下した。
30分後、0.1mlの反応溶液を石英ガラス(縦50
mm×横50mm×厚さ2mm)の基板上にキャストし
た。次にキャストされたガラス基板をオーブンに移し、
130℃で1時間加熱したところガラス基板上に透明な
薄いフィルムが生成した。
【0028】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種の含
有量は23重量%(被膜中に含まれる金属酸化物として
計算)であった。フィルムの固体29Si−NMR(9
7.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)スペクト
ルから、4本の吸収ピークがδ−48.7ppm、δ−
57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−75.2p
pmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比は、0:
8:70:22であった。用いたテトラプロポキシチタ
ンの量はテトラアルコキシシランの量の1/100程度
であり無視できる。よって架橋度は、実施例1の場合と
同様に29Si−NMRの吸収から、 8×2/4+70×3/4+22×4/4=78.5% であることがわかった。
【0029】実施例3 メタクリル酸メチル(8.56g、85.5mmo
l)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(1.12g、4.5mmol)、AIBN(15m
g、90μmol)、ジグリム(80ml)を封管に入
れて脱気する。その封管を振とうさせながら70℃で6
時間、恒温槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、
反応溶液10mlを50mlのフラスコに移し、大気下
にて撹拌しながら、ジグリム(10ml)およびテトラ
エトキシシラン(32.55g、0.15mol)、テ
トラプロポキシチタン(0.67g、2.3mmol)
およびジルコニウムアセチルアセトナート(0.39
g、0.81mmol)を加えた後、0.1N塩酸(5
ml)を滴下した。30分後、0.1mlの反応溶液を
石英ガラス(縦50mm×横50mm×厚さ2mm)の
基板上にキャストした。次にキャストされたガラス基板
をオーブンに移し、130℃で1時間加熱したところガ
ラス基板上に透明な薄いフィルムが生成した。
【0030】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種の含
有量は22.5重量%(フィルム中に含まれる金属酸化
物として計算)であった。フィルムの固体29Si−N
MR(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)
スペクトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7pp
m、δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−7
5.2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比
は、0:3:72:25であった。用いたテトラプロポ
キシチタンおよびジルコニウムアセチルアセトナートの
量はテトラアルコキシシランの量の1/100程度であ
り無視できる。よって架橋度は、実施例1の場合と同様
29Si−NMRの吸収から求めることができ、 8×1/4+70×3/4+22×4/4=78.5% であることがわかった。
【0031】実施例4 メタクリル酸メチル(8.56g、85.5mmo
l)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(1.05g、4.5mmol)、AIBN(15m
g、90μmol)、ジグリム(80ml)を封管に入
れて脱気する。その封管を振とうさせながら70℃で6
時間、恒温槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、
反応溶液10mlを50mlのフラスコに移し、大気下
にて撹拌しながら、ジグリム(10ml)およびテトラ
エトキシシラン(50.34g、0.24mol)を加
えた後、0.1N塩酸(5ml)を滴下した。30分
後、0.1mlの反応溶液を石英ガラス(縦50mm×
横50mm×厚さ2mm)の基板上にキャストした。次
にキャストされたガラス基板をオーブンに移し、130
℃で1時間加熱したところ、ガラス基板上に透明な薄い
フィルムが生成した。
【0032】また、硬化前の反応溶液中に存在するメタ
クリル共重合体の数平均分子量をGPCを用いて測定し
たところ、150000であった。
【0033】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種は2
8重量%であった。フィルムの固体29Si−NMR
(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)スペ
クトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7ppm、
δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−75.
2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比は、
0.01:9.99:73:17であった。
【0034】これらのピークの帰属及び吸収強度から、
このフィルムの架橋度は、 0.01×1/4+9.99×2/4+73×3/4+
17×4/4=75.8% であることがわかった。
【0035】実施例5 アクリル酸メチル(7.36g、85.5mmol)、
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.
12g、4.5mmol)、AIBN(15mg、90
μmol)、ジグリム(80mlを封管に入れて脱気す
る。その封管を振とうさせながら70℃で6時間、恒温
槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、反応溶液1
0mlを50mlのフラスコに移し、大気下にて撹拌し
ながら、ジグリム(10ml)およびテトラエトキシシ
ラン(50.34g、0.24mol)を加えた後、
0.1N塩酸(5ml)を滴下した。30分後、0.1
mlの反応溶液を石英ガラス(縦50mm×横50mm
×厚さ2mm)の基板上にキャストした。次にキャスト
されたガラス基板をオーブンに移し、130℃で1時間
加熱したところ、ガラス基板上に透明な薄いフィルムが
生成した。
【0036】また、硬化前の反応溶液中に存在するメタ
クリル共重合体の数平均分子量をGPCを用いて測定し
たところ、150000であった。
【0037】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種は2
8.5重量%であった。フィルムの固体29Si−NM
R(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)ス
ペクトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7pp
m、δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−7
5.2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比
は、0:10:72:18であった。これらのピークの
帰属及び吸収強度から、このフィルムの架橋度は、 0×1/4+10×2/4+72×3/4+18×4/
4=77% であることがわかった。
【0038】実施例6 メタクリル酸(7.36g、85.5mmol)、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.12
g、4.5mmol)、AIBN(15mg、90μm
ol)、ジグリム(80ml)を封管に入れて脱気す
る。その封管を振とうさせながら70℃で6時間、恒温
槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、反応溶液1
0mlを50mlのフラスコに移し、大気下にて撹拌し
ながら、ジグリム(10ml)およびテトラエトキシシ
ラン(50.34g、0.24mol)を加えた後、
0.1N塩酸(5ml)を滴下した。30分後、0.1
mlの反応溶液を石英ガラス(縦50mm×横50mm
×厚さ2mm)の基板上にキャストした。次にキャスト
されたガラス基板をオーブンに移し、130℃で1時間
加熱したところ、ガラス基板上に透明な薄いフィルムが
生成した。
【0039】また、硬化前の反応溶液中に存在するメタ
クリル共重合体の数平均分子量をGPCを用いて測定し
たところ、180000であった。
【0040】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種は2
4.8重量%であった。フィルムの固体29Si−NM
R(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)ス
ペクトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7pp
m、δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−7
5.2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比
は、0:10:72:18であった。これらのピークの
帰属及び吸収強度から、このフィルムの架橋度は、 10×2/4+72×3/4+18×4/4=77% であることがわかった。
【0041】実施例7 メタクリル酸エチル(9.74g、85.5mmo
l)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(1.05g、4.5mmol)、AIBN(15m
g、90μmol)、ジグリム(80ml)を封管に入
れて脱気する。その封管を振とうさせながら70℃で6
時間、恒温槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、
反応溶液10mlを50mlのフラスコに移し、大気下
にて撹拌しながら、ジグリム(10ml)およびテトラ
エトキシシラン(50.34g、0.24mol)を加
えた後、0.1N塩酸(5ml)を滴下した。30分
後、0.1mlの反応溶液を石英ガラス(縦50mm×
横50mm×厚さ2mm)の基板上にキャストした。次
にキャストされたガラス基板をオーブンに移し、130
℃で1時間加熱したところ、ガラス基板上に透明な薄い
フィルムが生成した。
【0042】また、硬化前の反応溶液中に存在するメタ
クリル共重合体の数平均分子量をGPCを用いて測定し
たところ、150000であった。
【0043】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種は2
1重量%であった。フィルムの固体29Si−NMR
(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)スペ
クトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7ppm、
δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−75.
2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比は、
0:10:68:22であった。
【0044】これらのピークの帰属及び吸収強度から、
このフィルムの架橋度は、 0×1/4+10×2/4+68×3/4+22×4/
4=78% であることがわかった。
【0045】実施例8 アクリル酸(6.15g、85.5mmol)、2−ア
クリロキシエチルトリブトキシシラン(1.467g、
4.5mmol)、AIBN(15mg、90μmo
l)、ジグリム(80ml)を封管に入れて脱気する。
その封管を振とうさせながら70℃で6時間、恒温槽で
反応させた。反応終了後、封管を開け、反応溶液10m
lを50mlのフラスコに移し、大気下にて撹拌しなが
ら、ジグリム(10ml)およびテトラエトキシシラン
(50.34g、0.24mol)を加えた後、0.1
N塩酸(5ml)を滴下した。30分後、0.1mlの
反応溶液を石英ガラス(縦50mm×横50mm×厚さ
2mm)の基板上にキャストした。次にキャストされた
ガラス基板をオーブンに移し、130℃で1時間加熱し
たところ、ガラス基板上に透明な薄いフィルムが生成し
た。
【0046】また、硬化前の反応溶液中に存在するメタ
クリル共重合体の数平均分子量をGPCを用いて測定し
たところ、180000であった。
【0047】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は7Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種は3
0.2重量%であった。フィルムの固体29Si−NM
R(97.3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)ス
ペクトルから、4本の吸収ピークがδ−48.7pp
m、δ−57.2ppm、δ−66.2ppm、δ−7
5.2ppmと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比
は、0.01:9.99:50:40であった。これら
のピークの帰属及び吸収強度から、このフィルムの架橋
度は、 0.01×1/4+9.99×2/4+50×3/4+
40×4/4=83% であることがわかった。
【0048】比較例1 メタクリル酸メチル(8.56g、85.5mmo
l)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(1.12g、4.5mmol)、AIBN(15m
g、90μmol)、ジグリム(80ml)を封管に入
れて脱気する。その封管を振とうさせながら70℃で6
時間、恒温槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、
反応溶液10mlを50mlのフラスコに移し、大気下
にて撹拌しながら、ジグリム(10ml)を加えた後、
0.1N塩酸(5ml)を滴下した。30分後、0.1
mlの反応溶液を石英ガラス(縦50mm×横50mm
×厚さ2mm)の基板上にキャストした。次にキャスト
されたガラス基板をオーブンに移し、130℃で1時間
加熱したところ、ガラス基板上に透明な薄いフィルムが
生成した。
【0049】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は3Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、フィ
ルムの総重量中に含まれる金属種は1.2重量%であっ
た。上記の実施例と比較することにより、(メタ)アク
リル共重合体に金属アルコキシド等の架橋剤を加える
と、該硬化物の硬度が向上することは明かである。
【0050】フィルムの固体29Si−NMR(97.
3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)スペクトルか
ら、4本の吸収ピークがδ−48.7ppm、δ−5
7.2ppm、δ−66.2ppm、δ−75.2pp
mと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比は、15:
23:42:20であった。これらのピークの帰属及び
吸収強度から、このフィルムの架橋度は、 15×1/4+23×2/4+42×3/4+20×4
/4=67% であることがわかった。
【0051】比較例2 メタクリル酸(7.36g、85.5mmol)、3−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.12
g、4.5mmol)、AIBN(15mg、90μm
ol)、ジグリム(80ml)を封管に入れて脱気す
る。その封管を振とうさせながら70℃で6時間、恒温
槽で反応させた。反応終了後、封管を開け、反応溶液1
0mlを50mlのフラスコに移し、大気下にて撹拌し
ながら、ジグリム(10ml)を加えた後、0.1N塩
酸(5ml)を滴下した。30分後、0.1mlの反応
溶液を石英ガラス(縦50mm×横50mm×厚さ2m
m)の基板上にキャストした。次にキャストされたガラ
ス基板をオーブンに移し、130℃で1時間加熱したと
ころ、ガラス基板上に透明な薄いフィルムが生成した。
【0052】走査型電子顕微鏡でフィルムの破断面を見
ると2μm程度であり、表面硬度は3Hを示した。フィ
ルムを焼成し灰分を原子吸光分析にかけたところ、仕込
み時に加えられた架橋剤は、ほぼ全量が架橋反応に消費
されていた。フィルムの総重量中に含まれる金属種は
0.95重量%であった。上記の実施例と比較すること
により、(メタ)アクリル共重合体に金属アルコキシド
等の架橋剤を加えると、該硬化物の硬度が向上すること
は明かである。
【0053】フィルムの固体29Si−NMR(97.
3MHz;ポリジメチルシロキサン基準)スペクトルか
ら、4本の吸収ピークがδ−48.7ppm、δ−5
7.2ppm、δ−66.2ppm、δ−75.2pp
mと読み取れ、それぞれの吸収ピーク強度比は、20:
21:35:24であった。これらのピークの帰属及び
吸収強度から、このフィルムの架橋度は、 20×1/4+21×2/4+35×3/4+24×4
/4=65.8% であることがわかった。
【0054】
【発明の効果】当該硬化物は、関連する無機および有機
材料の高硬度透明塗装材料の開発を可能にするものであ
り、産業上の利益は計り知れないものがある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3次元的に架橋しているケイ素基を側鎖に
    有する(メタ)アクリル共重合体であり、架橋部位が少
    なくとも1種以上の金属−酸素結合(金属としてケイ
    素、チタン、ジルコニウム、錫)を構成し、その金属種
    が硬化物全量に対し15重量%以上含まれ、架橋度が7
    0%以上であるアクリル系透明熱硬化物。
JP27055691A 1991-09-24 1991-09-24 アクリル系透明熱硬化物 Pending JPH0578426A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0899315A2 (en) * 1997-08-27 1999-03-03 Canon Kabushiki Kaisha Anti-fogging coating material, anti-fogging coating film and anti-fogging article
JP2010095674A (ja) * 2008-10-20 2010-04-30 Dic Corp 硬化性樹脂組成物、塗料および塗装物

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