JPH0578088B2 - - Google Patents
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- JPH0578088B2 JPH0578088B2 JP59197917A JP19791784A JPH0578088B2 JP H0578088 B2 JPH0578088 B2 JP H0578088B2 JP 59197917 A JP59197917 A JP 59197917A JP 19791784 A JP19791784 A JP 19791784A JP H0578088 B2 JPH0578088 B2 JP H0578088B2
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
この発明は磁気記録媒体に係り、特に記録磁性
層の上に窒化珪素薄膜を形成した磁気記録媒体に
関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 近年、情報処理技術の発達に伴つてメモリ装置
が担う情報量は飛躍的に増加し、フロツピーデイ
スクなどの磁気記録媒体に対する大容量化の要求
もますます高まつている。この要求に応えるため
高密度記録の可能な磁気記録媒体の研究・開発が
活発になされている。特に、現在一般に使用され
ている塗布型磁気記録媒体に対し、記録磁性層と
してCo−Crなどの金属磁性薄膜がスパツタや蒸
着により形成した金属薄膜磁気記録媒体が高密度
記録に適した媒体として有望視されている。 ところで、塗布型媒体では磁性粉をバインダ等
と混ぜて基体上に塗布することにより記録磁性層
が形成されるため、磁性層中に潤滑剤を混入させ
ることが容易であり、それによつて媒体と磁気ヘ
ツドとの間の潤滑性を維持し、媒体およびヘツド
の耐久性を十分に得ることができる。 これに対し、金属薄膜媒体では記録磁性層中に
潤滑剤を混入させることが困難であるため、フエ
ライト製などの硬い材質の磁気ヘツドが媒体上を
走行すると、媒体表面やヘツドの表面にスクラツ
チ等の損傷が生じ易くなる。この場合には、媒体
およびヘツドの耐久性が損われるばかりでなく、
媒体やヘツドの摩耗粉の付着により媒体・ヘツド
間の距離が増大してスペーシング・ロスが大きく
なり、記録再生周波数特性が著しく劣化する。 そこで、金属薄膜媒体の場合には記録磁性層上
に潤滑剤を塗布することが考えられるが、スパツ
タリング等により形成された膜は表面性が非常に
良好であるため、潤滑剤のなじみ、およびその保
持能力が低く、従つてこの上に潤滑剤を十分な付
着力で、しかも均一に塗布することは困難であ
り、上述した問題は依然として解決されない。 〔発明の目的〕 この発明の目的は、記録磁性層を金属薄膜で形
成した場合でも潤滑層を十分な付着力で均一に形
成することが可能であつて、媒体自身および磁気
ヘツドの耐久性を著しく高めることができ、記録
再生特性も良好な磁気記録媒体を提供することで
ある。 〔発明の概要〕 この発明に係る磁気記録媒体は、記録磁性層上
に窒化珪素薄膜が形成された磁気記録媒体であつ
て、特に窒化珪素薄膜の組成式をSi3N4-xとした
とき、Xを0<X<2の範囲内に選定したことを
特徴としている。 すなわち、記録磁性層の上に窒化珪素薄膜を形
成することは公知であり、また潤滑層を形成する
ことも公知であるが、この発明は特に窒化珪素薄
膜を窒素欠損の状態にすることによつて、潤滑層
を塗布し易くしたものである。このような窒素の
欠損が生じた、つまり窒素の原子数が珪素の原子
数の4/3未満であるような窒化珪素薄膜は、例え
ば窒素欠乏雰囲気中でのスパツタリングなどの方
法で容易に形成が可能である。 特に窒化珪素薄膜の組成におけるXの値が上述
した範囲内におさまる程度に窒化珪素薄膜を窒素
欠損状態にすると、窒化珪素薄膜自身の硬度を十
分に維持しつつ、潤滑層との結合力を非常に効果
的に高めることができる。 〔発明の効果〕 この発明によれば、記録磁性層上に窒素欠損が
生じている窒化珪素薄膜が形成されていることに
より、この上に潤滑層を良好に、かつ均一に形成
することができる。これは窒化珪素薄膜に窒素欠
損が生じると、珪素原子に孤立電子対が生じ、窒
素欠損がない窒化珪素薄膜に比べて活性化され、
窒化珪素薄膜とその上に形成される潤滑層との結
合力が強められるためである。 従つて、この発明によるとCo−Cr合金薄膜の
ような金属薄膜を記録磁性層とした磁気記録媒体
においても、媒体と磁気ヘツドとの間の潤滑作用
が十分に得られるので、媒体やヘツドの摩耗・損
傷が著しく減少し、耐久性が大幅に向上する。 また、潤滑層として例えば液体潤滑剤を塗布す
る場合、窒化珪素薄膜と潤滑剤とのぬれ性がよく
均一な厚さに潤滑剤を塗布することができるた
め、スペーシング・ロスが減少して信号再生時の
出力低下および出力変動が小さくなり、エラー率
も減少する。従つて、記録再生特性が向上する。 さらに、窒化珪素薄膜は例えば記録磁性層を形
成するCo−Cr系合金膜等の磁性金属薄膜に比べ
て材質が硬いため、媒体表面を機械的に保護しス
クラツチ等を入りにくくするのみならず、記録磁
性層を外気から遮断することにより耐腐蝕性をも
向上させる効果があることはいうまでもない。 〔発明の実施例〕 第1図はこの発明の一実施例の磁気記録媒体を
示す断面図である。図において、基体1は樹脂製
のフイルム状基体であり、この基体1上に記録磁
性層として例えば直流マグネトロンスパツタリン
グにより厚さ0.5μmのCo−Cr合金薄膜2が形成
されている。垂直磁気記録媒体の場合、このCo
−Cr合金薄膜2は膜面に垂直な方向に磁化容易
軸を持つように配向される。そして、Co−Cr合
金薄膜2上に厚さ200Å程度の窒化珪素薄膜3が
形成され、さらにこの窒化珪素薄膜3の上に液体
潤滑層4が塗布・形成されている。 窒化珪素薄膜3は例えば窒化珪素ターゲツトを
用いた高周波スパツタリングにより形成される。
この場合、スパツタ用真空室を予め10-7Torr程
度まで真空に引き、不純物ガスを十分除いた後、
窒素ガスを通常の窒化珪素(Si3N4)の形成の場
合より少なめに、すなわち10-7〜10-3Torr程度
まで導入し、その後アルゴンガスを導入して、全
圧を10-2Torr程度にして行なつた。このように
して形成された窒化珪素薄膜3は窒素欠損状態に
あり、その組成式はSi3N4-xとなる。この場合、
Xの値はスパツタ雰囲気の窒素分圧および成膜速
度によつて、0より大きい範囲で任意に制御する
ことが可能である。また、Xの値の測定は例えば
LiF結晶上に1μm程度のSi3N4-xを形成して、
XMA(X線マイクロアナライザ)により分析す
ることで行なうことができる。 こうして形成された窒化珪素薄膜3は、窒素欠
損状態により活性化しているため、その上に液体
潤滑剤を塗布して潤滑層4を形成する際、潤滑剤
のねれ性が良く均一に塗布することができる。ま
た、窒化珪素薄膜3と潤滑層4との結合力も強く
なる。従つて、磁気記録媒体および磁気ヘツドの
耐久性向上に大きく寄与することができる。 第1表はスパツタ雰囲気の窒素分圧比と成膜速
度によりXの値を変えた場合の耐久性の変化を調
べた実験結果を示すものである。但し、実験は上
述した構成の磁気記録媒体をフロツピーデイスク
の形態に作成し、このデイスクを毎分300回転で
回転走行させながら、フエライト磁気ヘツドをデ
イスク上の同一トラツクに接触させて行なつた。
ここで、耐久性は媒体(デイスク)およびヘツド
の少なくとも一方が著しい損傷を受けるまでの走
行回数(パス)である。著しい損傷とは媒体の場
合、窒化珪素薄膜3およびCo−Cr合金薄膜2の
少なくとも一部がけずれて、基体1の表面が露出
した状態をいう。
層の上に窒化珪素薄膜を形成した磁気記録媒体に
関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 近年、情報処理技術の発達に伴つてメモリ装置
が担う情報量は飛躍的に増加し、フロツピーデイ
スクなどの磁気記録媒体に対する大容量化の要求
もますます高まつている。この要求に応えるため
高密度記録の可能な磁気記録媒体の研究・開発が
活発になされている。特に、現在一般に使用され
ている塗布型磁気記録媒体に対し、記録磁性層と
してCo−Crなどの金属磁性薄膜がスパツタや蒸
着により形成した金属薄膜磁気記録媒体が高密度
記録に適した媒体として有望視されている。 ところで、塗布型媒体では磁性粉をバインダ等
と混ぜて基体上に塗布することにより記録磁性層
が形成されるため、磁性層中に潤滑剤を混入させ
ることが容易であり、それによつて媒体と磁気ヘ
ツドとの間の潤滑性を維持し、媒体およびヘツド
の耐久性を十分に得ることができる。 これに対し、金属薄膜媒体では記録磁性層中に
潤滑剤を混入させることが困難であるため、フエ
ライト製などの硬い材質の磁気ヘツドが媒体上を
走行すると、媒体表面やヘツドの表面にスクラツ
チ等の損傷が生じ易くなる。この場合には、媒体
およびヘツドの耐久性が損われるばかりでなく、
媒体やヘツドの摩耗粉の付着により媒体・ヘツド
間の距離が増大してスペーシング・ロスが大きく
なり、記録再生周波数特性が著しく劣化する。 そこで、金属薄膜媒体の場合には記録磁性層上
に潤滑剤を塗布することが考えられるが、スパツ
タリング等により形成された膜は表面性が非常に
良好であるため、潤滑剤のなじみ、およびその保
持能力が低く、従つてこの上に潤滑剤を十分な付
着力で、しかも均一に塗布することは困難であ
り、上述した問題は依然として解決されない。 〔発明の目的〕 この発明の目的は、記録磁性層を金属薄膜で形
成した場合でも潤滑層を十分な付着力で均一に形
成することが可能であつて、媒体自身および磁気
ヘツドの耐久性を著しく高めることができ、記録
再生特性も良好な磁気記録媒体を提供することで
ある。 〔発明の概要〕 この発明に係る磁気記録媒体は、記録磁性層上
に窒化珪素薄膜が形成された磁気記録媒体であつ
て、特に窒化珪素薄膜の組成式をSi3N4-xとした
とき、Xを0<X<2の範囲内に選定したことを
特徴としている。 すなわち、記録磁性層の上に窒化珪素薄膜を形
成することは公知であり、また潤滑層を形成する
ことも公知であるが、この発明は特に窒化珪素薄
膜を窒素欠損の状態にすることによつて、潤滑層
を塗布し易くしたものである。このような窒素の
欠損が生じた、つまり窒素の原子数が珪素の原子
数の4/3未満であるような窒化珪素薄膜は、例え
ば窒素欠乏雰囲気中でのスパツタリングなどの方
法で容易に形成が可能である。 特に窒化珪素薄膜の組成におけるXの値が上述
した範囲内におさまる程度に窒化珪素薄膜を窒素
欠損状態にすると、窒化珪素薄膜自身の硬度を十
分に維持しつつ、潤滑層との結合力を非常に効果
的に高めることができる。 〔発明の効果〕 この発明によれば、記録磁性層上に窒素欠損が
生じている窒化珪素薄膜が形成されていることに
より、この上に潤滑層を良好に、かつ均一に形成
することができる。これは窒化珪素薄膜に窒素欠
損が生じると、珪素原子に孤立電子対が生じ、窒
素欠損がない窒化珪素薄膜に比べて活性化され、
窒化珪素薄膜とその上に形成される潤滑層との結
合力が強められるためである。 従つて、この発明によるとCo−Cr合金薄膜の
ような金属薄膜を記録磁性層とした磁気記録媒体
においても、媒体と磁気ヘツドとの間の潤滑作用
が十分に得られるので、媒体やヘツドの摩耗・損
傷が著しく減少し、耐久性が大幅に向上する。 また、潤滑層として例えば液体潤滑剤を塗布す
る場合、窒化珪素薄膜と潤滑剤とのぬれ性がよく
均一な厚さに潤滑剤を塗布することができるた
め、スペーシング・ロスが減少して信号再生時の
出力低下および出力変動が小さくなり、エラー率
も減少する。従つて、記録再生特性が向上する。 さらに、窒化珪素薄膜は例えば記録磁性層を形
成するCo−Cr系合金膜等の磁性金属薄膜に比べ
て材質が硬いため、媒体表面を機械的に保護しス
クラツチ等を入りにくくするのみならず、記録磁
性層を外気から遮断することにより耐腐蝕性をも
向上させる効果があることはいうまでもない。 〔発明の実施例〕 第1図はこの発明の一実施例の磁気記録媒体を
示す断面図である。図において、基体1は樹脂製
のフイルム状基体であり、この基体1上に記録磁
性層として例えば直流マグネトロンスパツタリン
グにより厚さ0.5μmのCo−Cr合金薄膜2が形成
されている。垂直磁気記録媒体の場合、このCo
−Cr合金薄膜2は膜面に垂直な方向に磁化容易
軸を持つように配向される。そして、Co−Cr合
金薄膜2上に厚さ200Å程度の窒化珪素薄膜3が
形成され、さらにこの窒化珪素薄膜3の上に液体
潤滑層4が塗布・形成されている。 窒化珪素薄膜3は例えば窒化珪素ターゲツトを
用いた高周波スパツタリングにより形成される。
この場合、スパツタ用真空室を予め10-7Torr程
度まで真空に引き、不純物ガスを十分除いた後、
窒素ガスを通常の窒化珪素(Si3N4)の形成の場
合より少なめに、すなわち10-7〜10-3Torr程度
まで導入し、その後アルゴンガスを導入して、全
圧を10-2Torr程度にして行なつた。このように
して形成された窒化珪素薄膜3は窒素欠損状態に
あり、その組成式はSi3N4-xとなる。この場合、
Xの値はスパツタ雰囲気の窒素分圧および成膜速
度によつて、0より大きい範囲で任意に制御する
ことが可能である。また、Xの値の測定は例えば
LiF結晶上に1μm程度のSi3N4-xを形成して、
XMA(X線マイクロアナライザ)により分析す
ることで行なうことができる。 こうして形成された窒化珪素薄膜3は、窒素欠
損状態により活性化しているため、その上に液体
潤滑剤を塗布して潤滑層4を形成する際、潤滑剤
のねれ性が良く均一に塗布することができる。ま
た、窒化珪素薄膜3と潤滑層4との結合力も強く
なる。従つて、磁気記録媒体および磁気ヘツドの
耐久性向上に大きく寄与することができる。 第1表はスパツタ雰囲気の窒素分圧比と成膜速
度によりXの値を変えた場合の耐久性の変化を調
べた実験結果を示すものである。但し、実験は上
述した構成の磁気記録媒体をフロツピーデイスク
の形態に作成し、このデイスクを毎分300回転で
回転走行させながら、フエライト磁気ヘツドをデ
イスク上の同一トラツクに接触させて行なつた。
ここで、耐久性は媒体(デイスク)およびヘツド
の少なくとも一方が著しい損傷を受けるまでの走
行回数(パス)である。著しい損傷とは媒体の場
合、窒化珪素薄膜3およびCo−Cr合金薄膜2の
少なくとも一部がけずれて、基体1の表面が露出
した状態をいう。
【表】
また、第2図はこうして求められた耐久性とX
の値との関係をプロツトしたものである。 以上の結果から、Xの値が0<X<2の範囲内
にあるとき、耐久性が著しく向上することがわか
る。特にXの値が0.01<X<1.4の範囲内が好適
であり、この範囲内にすると耐久性は100万パス
以上と、Xが零以下の場合に比べて6倍以上も向
上し、最大では実に500万パスを越える値が得ら
れる。要求される耐久性の程度は用途等によつて
異なるが、50万パス以上であればほぼ実用に耐え
ることができる。従つて、Xの値は上述した0.01
<X<1.4の範囲にあることが特に望ましい。 なお、Xの値が2を越えると耐久性がピークか
ら下がつてくるのは、窒素欠損状態になると潤滑
層4の付着性が向上する反面、窒化珪素薄膜3自
身の硬度が減少してゆくからである。しかしなが
ら、Xが零の場合よりも耐久性が低下するのは上
記の実験結果から類推されるようにXの値が非常
に大きく、例え3に近くなつて、窒化珪素薄膜3
が窒化珪素としての性質を失い、珪素に近くなつ
たときであるから、その状態では窒化珪素薄膜と
いう呼称そのものが成立しなくなる。 このように、この発明によれば窒化珪素薄膜
(Si3N4-x)をXが0<X<2なる範囲にある窒素
欠損状態とすることにより、その上に形成される
潤滑層の付着力を増大させて、磁気記録媒体自身
および磁気ヘツドの耐久性を著しく高めることが
でき、また潤滑層が均一に形成されることで信号
再生出力の低下や変動が小さくなり、エラー率を
減少させることが可能となる。 第3図はこの発明の他の実施例の磁気記録媒体
を示すもので、非磁性基体11上に蒸着法により
記録磁性層としてのCo−Cr合金薄膜12が形成
され、その上に窒化珪素薄膜13が例えばマグネ
トロンスパツタリングにより形成され、さらにそ
の上に固体潤滑層14がスパツタリングにより形
成されている。窒化珪素薄膜13は窒素分圧がア
ルゴン分圧の10%程度のアルゴン雰囲気中でスパ
ツタリング形成されることにより、やはり窒素欠
損の状態となつている。 このように形成された磁気記録媒体において
も、前記実施例で説明した磁気記録媒体と同様に
優れた耐久性が得られる。 この発明は上述した実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱ない範囲で種々変形実施
することが可能である。例えば記録磁性層として
はCo−Cr合金薄膜を例示したが、Co−Cr−Ni合
金薄膜等でもよく、特にこの発明は表面に潤滑層
を形成する必要のある金属薄膜を記録磁性層とす
る磁気記録媒体に有効である。また、基体および
潤滑層の材質も種々選択することができる。さら
に、この発明は垂直磁気記録媒体のみでなく、面
内磁気記録媒体にも適用することができる。
の値との関係をプロツトしたものである。 以上の結果から、Xの値が0<X<2の範囲内
にあるとき、耐久性が著しく向上することがわか
る。特にXの値が0.01<X<1.4の範囲内が好適
であり、この範囲内にすると耐久性は100万パス
以上と、Xが零以下の場合に比べて6倍以上も向
上し、最大では実に500万パスを越える値が得ら
れる。要求される耐久性の程度は用途等によつて
異なるが、50万パス以上であればほぼ実用に耐え
ることができる。従つて、Xの値は上述した0.01
<X<1.4の範囲にあることが特に望ましい。 なお、Xの値が2を越えると耐久性がピークか
ら下がつてくるのは、窒素欠損状態になると潤滑
層4の付着性が向上する反面、窒化珪素薄膜3自
身の硬度が減少してゆくからである。しかしなが
ら、Xが零の場合よりも耐久性が低下するのは上
記の実験結果から類推されるようにXの値が非常
に大きく、例え3に近くなつて、窒化珪素薄膜3
が窒化珪素としての性質を失い、珪素に近くなつ
たときであるから、その状態では窒化珪素薄膜と
いう呼称そのものが成立しなくなる。 このように、この発明によれば窒化珪素薄膜
(Si3N4-x)をXが0<X<2なる範囲にある窒素
欠損状態とすることにより、その上に形成される
潤滑層の付着力を増大させて、磁気記録媒体自身
および磁気ヘツドの耐久性を著しく高めることが
でき、また潤滑層が均一に形成されることで信号
再生出力の低下や変動が小さくなり、エラー率を
減少させることが可能となる。 第3図はこの発明の他の実施例の磁気記録媒体
を示すもので、非磁性基体11上に蒸着法により
記録磁性層としてのCo−Cr合金薄膜12が形成
され、その上に窒化珪素薄膜13が例えばマグネ
トロンスパツタリングにより形成され、さらにそ
の上に固体潤滑層14がスパツタリングにより形
成されている。窒化珪素薄膜13は窒素分圧がア
ルゴン分圧の10%程度のアルゴン雰囲気中でスパ
ツタリング形成されることにより、やはり窒素欠
損の状態となつている。 このように形成された磁気記録媒体において
も、前記実施例で説明した磁気記録媒体と同様に
優れた耐久性が得られる。 この発明は上述した実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱ない範囲で種々変形実施
することが可能である。例えば記録磁性層として
はCo−Cr合金薄膜を例示したが、Co−Cr−Ni合
金薄膜等でもよく、特にこの発明は表面に潤滑層
を形成する必要のある金属薄膜を記録磁性層とす
る磁気記録媒体に有効である。また、基体および
潤滑層の材質も種々選択することができる。さら
に、この発明は垂直磁気記録媒体のみでなく、面
内磁気記録媒体にも適用することができる。
第1図はこの発明の一実施例に係る磁気記録媒
体の断面図、第2図は同実施例の磁気記録媒体に
おける窒化珪素薄膜(Si3N4-x)のXの値と耐久
性との関係を示す図、第3図はこの発明の他の実
施例に係る磁気記録媒体の断面図である。 1……樹脂製フイルム状基体、2……Co−Cr
合金薄膜(記録磁性層)、3……窒化珪素薄膜、
4……液体潤滑層、11……非磁性基体、12…
…Co−Cr合金薄膜(記録磁性層)、13……窒化
珪素薄膜、14……固体潤滑層。
体の断面図、第2図は同実施例の磁気記録媒体に
おける窒化珪素薄膜(Si3N4-x)のXの値と耐久
性との関係を示す図、第3図はこの発明の他の実
施例に係る磁気記録媒体の断面図である。 1……樹脂製フイルム状基体、2……Co−Cr
合金薄膜(記録磁性層)、3……窒化珪素薄膜、
4……液体潤滑層、11……非磁性基体、12…
…Co−Cr合金薄膜(記録磁性層)、13……窒化
珪素薄膜、14……固体潤滑層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 記録磁性層上に窒化珪素薄膜が形成されると
ともに、この窒化珪素薄膜上に潤滑層が形成され
た磁気記録媒体であつて、前記窒化珪素薄膜が組
成式 Si3N4-x 但し、xは0<x<2 を満足するよう窒素欠損状態に形成されてなるこ
とを特徴とする磁気記録媒体。 2 記録磁性層が金属薄膜であることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体。 3 記録磁性層を形成する金属薄膜がCo−Cr系
合金薄膜であることを特徴とする特許請求の範囲
第2項記載の磁気記録媒体。 4 組成式Si3N4-xにおいて、xの値が0.01<x
<1.4の範囲にあることを特徴とする特許請求の
範囲第1項記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19791784A JPS6177129A (ja) | 1984-09-21 | 1984-09-21 | 磁気記録媒体 |
US06/750,271 US4761334A (en) | 1984-09-21 | 1985-07-01 | Magnetic recording medium |
DE8585111962T DE3580635D1 (de) | 1984-09-21 | 1985-09-20 | Magnetisches aufzeichnungsmedium. |
EP85111962A EP0175389B1 (en) | 1984-09-21 | 1985-09-20 | Magnetic recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19791784A JPS6177129A (ja) | 1984-09-21 | 1984-09-21 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6177129A JPS6177129A (ja) | 1986-04-19 |
JPH0578088B2 true JPH0578088B2 (ja) | 1993-10-28 |
Family
ID=16382416
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19791784A Granted JPS6177129A (ja) | 1984-09-21 | 1984-09-21 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6177129A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6371929A (ja) * | 1986-09-16 | 1988-04-01 | Sony Corp | 磁気記録媒体の製法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5573931A (en) * | 1978-11-29 | 1980-06-04 | Hitachi Ltd | High-recording-density magnetic disk |
JPS5718025A (en) * | 1980-07-04 | 1982-01-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Magnetic recording medium |
JPS58179939A (ja) * | 1982-04-15 | 1983-10-21 | Nec Corp | 磁気記憶体 |
JPS5991314A (ja) * | 1982-11-16 | 1984-05-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電圧監視回路をもつ不揮発性メモリ使用制御回路 |
-
1984
- 1984-09-21 JP JP19791784A patent/JPS6177129A/ja active Granted
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5573931A (en) * | 1978-11-29 | 1980-06-04 | Hitachi Ltd | High-recording-density magnetic disk |
JPS5718025A (en) * | 1980-07-04 | 1982-01-29 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Magnetic recording medium |
JPS58179939A (ja) * | 1982-04-15 | 1983-10-21 | Nec Corp | 磁気記憶体 |
JPS5991314A (ja) * | 1982-11-16 | 1984-05-26 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 電圧監視回路をもつ不揮発性メモリ使用制御回路 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6177129A (ja) | 1986-04-19 |
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