JPH0577799A - 熱制御ミラー - Google Patents
熱制御ミラーInfo
- Publication number
- JPH0577799A JPH0577799A JP26714391A JP26714391A JPH0577799A JP H0577799 A JPH0577799 A JP H0577799A JP 26714391 A JP26714391 A JP 26714391A JP 26714391 A JP26714391 A JP 26714391A JP H0577799 A JPH0577799 A JP H0577799A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- silver film
- control mirror
- glass substrate
- silver
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 太陽光を高い割合で反射させ、しかも優れた
耐湿性を有するため、ガラス基板から銀膜が剥離し難い
熱制御ミラーを提供する。 【構成】 耐放射線性ガラス基板１０と、その表面に形
成された銀膜１１と、該銀膜の表面に形成された保護膜
とからなり、該保護膜が、酸化セリウムの膜１２からな
る下層と、酸化ケイ素の膜１３からなる上層の二層構造
を有することを特徴とする。
耐湿性を有するため、ガラス基板から銀膜が剥離し難い
熱制御ミラーを提供する。 【構成】 耐放射線性ガラス基板１０と、その表面に形
成された銀膜１１と、該銀膜の表面に形成された保護膜
とからなり、該保護膜が、酸化セリウムの膜１２からな
る下層と、酸化ケイ素の膜１３からなる上層の二層構造
を有することを特徴とする。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、人工衛星の表面に貼り
付けられ、人工衛星の温度制御を行う熱制御ミラーに関
するものである。
付けられ、人工衛星の温度制御を行う熱制御ミラーに関
するものである。
【０００２】
【従来の技術】人工衛星は、宇宙空間において、太陽光
に直接照射されるため、その温度が非常に高くなりやす
い。人工衛星の温度が高くなりすぎると、その搭載機器
に悪影響を与え、誤動作を引き起こす恐れが生じるた
め、その温度が一定以上に高くならないように制御する
必要がある。
に直接照射されるため、その温度が非常に高くなりやす
い。人工衛星の温度が高くなりすぎると、その搭載機器
に悪影響を与え、誤動作を引き起こす恐れが生じるた
め、その温度が一定以上に高くならないように制御する
必要がある。
【０００３】そのため耐放射線性を有するガラス基板の
表面に銀膜を形成した熱制御ミラーを多数作製し、これ
らを銀膜の形成された側を裏にして、シリコン樹脂等の
接着剤を用いて人工衛星の表面に貼り付けることによっ
て、人工衛星に照射される太陽光を高い割合で反射さ
せ、人工衛星の温度が高くなりすぎないように熱制御す
る工夫がなされている。
表面に銀膜を形成した熱制御ミラーを多数作製し、これ
らを銀膜の形成された側を裏にして、シリコン樹脂等の
接着剤を用いて人工衛星の表面に貼り付けることによっ
て、人工衛星に照射される太陽光を高い割合で反射さ
せ、人工衛星の温度が高くなりすぎないように熱制御す
る工夫がなされている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ところが単に耐放射線
性ガラス基板の表面に銀膜を形成しただけの熱制御ミラ
ーは、耐湿性が悪いため、地上において人工衛星の表面
に貼り付けられる前に、反射特性が低下したり、次第に
銀膜とガラス基板との密着力が弱くなって、剥離すると
いう問題が生じ易い。
性ガラス基板の表面に銀膜を形成しただけの熱制御ミラ
ーは、耐湿性が悪いため、地上において人工衛星の表面
に貼り付けられる前に、反射特性が低下したり、次第に
銀膜とガラス基板との密着力が弱くなって、剥離すると
いう問題が生じ易い。
【０００５】そのため、銀膜の表面に、保護膜として耐
湿性を有する酸化セリウム（ＣｅＯ2 ）の膜を形成する
ことが提案されているが、このような保護膜を形成して
も、未だ十分な耐湿性を付与することが不可能であり、
やはりガラス基板と銀膜との間の密着力が弱くなって、
銀膜がガラス基板から剥離する恐れがある。
湿性を有する酸化セリウム（ＣｅＯ2 ）の膜を形成する
ことが提案されているが、このような保護膜を形成して
も、未だ十分な耐湿性を付与することが不可能であり、
やはりガラス基板と銀膜との間の密着力が弱くなって、
銀膜がガラス基板から剥離する恐れがある。
【０００６】本発明の目的は、太陽光を高い割合で反射
させ、しかも優れた耐湿性を有するため、ガラス基板か
ら銀膜が剥離し難い熱制御ミラーを提供することであ
る。
させ、しかも優れた耐湿性を有するため、ガラス基板か
ら銀膜が剥離し難い熱制御ミラーを提供することであ
る。
【０００７】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明の熱制御
ミラーは、耐放射線性ガラス基板と、その表面に形成さ
れた銀膜と、該銀膜の表面に形成された保護膜とからな
り、該保護膜が、酸化セリウムの膜からなる下層と、酸
化ケイ素の膜からなる上層の二層構造を有することを特
徴とする。
ミラーは、耐放射線性ガラス基板と、その表面に形成さ
れた銀膜と、該銀膜の表面に形成された保護膜とからな
り、該保護膜が、酸化セリウムの膜からなる下層と、酸
化ケイ素の膜からなる上層の二層構造を有することを特
徴とする。
【０００８】
【作用】本発明において耐放射線性ガラス基板を使用す
る理由は、この種のガラスが、宇宙空間に存在する紫外
線、陽子線、電子線、中性子線、Ｘ線、γ線等の放射線
に曝されても着色し難く、太陽光を高い割合で透過し、
長時間に亙って反射率を高く維持できるからであり、特
に重量百分率で、ＳｉＯ2 ５５．０〜７５．０％、Ａ
ｌ2 Ｏ3 ２．０〜８．０％、Ｂ2 Ｏ2 ３．０〜１
３．０％、ＭｇＯ０〜４．０％、ＣａＯ ０〜３．０
％、ＢａＯ ０．５〜６．０％、ＺｎＯ ０〜４．０
％、Ｌｉ2 Ｏ ０〜３．０％、Ｎａ2 Ｏ ７．０〜１
４．０％、Ｋ2 Ｏ０〜５．０％、ＣｅＯ2 ２．０〜
８．０％、ＴｉＯ2 ０．３〜３．０％、Ｓｂ2 Ｏ3
０．１〜２．０％、Ｖ2 Ｏ5 ０〜１．０％の組成を有
するガラスが耐着色性に優れているため好ましい。
る理由は、この種のガラスが、宇宙空間に存在する紫外
線、陽子線、電子線、中性子線、Ｘ線、γ線等の放射線
に曝されても着色し難く、太陽光を高い割合で透過し、
長時間に亙って反射率を高く維持できるからであり、特
に重量百分率で、ＳｉＯ2 ５５．０〜７５．０％、Ａ
ｌ2 Ｏ3 ２．０〜８．０％、Ｂ2 Ｏ2 ３．０〜１
３．０％、ＭｇＯ０〜４．０％、ＣａＯ ０〜３．０
％、ＢａＯ ０．５〜６．０％、ＺｎＯ ０〜４．０
％、Ｌｉ2 Ｏ ０〜３．０％、Ｎａ2 Ｏ ７．０〜１
４．０％、Ｋ2 Ｏ０〜５．０％、ＣｅＯ2 ２．０〜
８．０％、ＴｉＯ2 ０．３〜３．０％、Ｓｂ2 Ｏ3
０．１〜２．０％、Ｖ2 Ｏ5 ０〜１．０％の組成を有
するガラスが耐着色性に優れているため好ましい。
【０００９】本発明において使用される酸化ケイ素の膜
は、酸化セリウムの膜に比べて優れた耐湿性を有し、し
かも酸化セリウムの膜との密着性も良好である。従って
本発明の熱制御ミラーは、従来の酸化セリウムの膜のみ
を保護膜として形成した熱制御ミラーに比べて、耐湿性
に優れており、ガラス基板からの銀膜の剥離が防止され
ることになる。
は、酸化セリウムの膜に比べて優れた耐湿性を有し、し
かも酸化セリウムの膜との密着性も良好である。従って
本発明の熱制御ミラーは、従来の酸化セリウムの膜のみ
を保護膜として形成した熱制御ミラーに比べて、耐湿性
に優れており、ガラス基板からの銀膜の剥離が防止され
ることになる。
【００１０】また本発明において、銀膜、酸化セリウム
の膜及び酸化ケイ素の膜を形成する方法としては、真空
蒸着法やスパッタリング法が適当であり、銀膜の厚みと
しては、約２５００Å、酸化セリウムの膜の厚みとして
は、約１１００Å、酸化ケイ素の膜の厚みとしては、約
２２００Åが適当である。
の膜及び酸化ケイ素の膜を形成する方法としては、真空
蒸着法やスパッタリング法が適当であり、銀膜の厚みと
しては、約２５００Å、酸化セリウムの膜の厚みとして
は、約１１００Å、酸化ケイ素の膜の厚みとしては、約
２２００Åが適当である。
【００１１】
【実施例】以下、本発明の熱制御ミラーを実施例に基づ
いて詳細に説明する。
いて詳細に説明する。
【００１２】図１は、本発明品である試料Ａの断面図で
あり、図中、１０は、耐放射線性ガラス基板、１１は、
銀膜、１２は、酸化セリウムの膜、１３は、酸化ケイ素
の膜を各々示し、この試料Ａは、以下のような方法で作
製した。
あり、図中、１０は、耐放射線性ガラス基板、１１は、
銀膜、１２は、酸化セリウムの膜、１３は、酸化ケイ素
の膜を各々示し、この試料Ａは、以下のような方法で作
製した。
【００１３】先ず重量百分率で、ＳｉＯ2 ６２．１
％、Ａｌ2 Ｏ3 ５．５％、Ｂ2 Ｏ3１０．０％、Ｃａ
Ｏ ０．５％、ＢａＯ １．５％、ＺｎＯ ２．０％、
Ｎａ2Ｏ ９．３％、Ｋ2 Ｏ ２．１％、ＣｅＯ2
５．０％、ＴｉＯ2 １．０％、Ｓｂ2 Ｏ3 １．０％
の組成からなり、２０．０×４０．０×０．２ｍｍの寸
法を有する耐放射線性ガラス基板１０の表面に真空蒸着
法によって、膜厚２５００Åの銀膜１１を形成した。次
いでこの銀膜の表面に膜厚１１００Åの酸化セリウムの
膜１２を、さらに膜厚２２００Åの酸化ケイ素の膜１３
を、いずれも真空蒸着法によって形成することによっ
て、試料Ａを作製し、これを３０枚準備した。
％、Ａｌ2 Ｏ3 ５．５％、Ｂ2 Ｏ3１０．０％、Ｃａ
Ｏ ０．５％、ＢａＯ １．５％、ＺｎＯ ２．０％、
Ｎａ2Ｏ ９．３％、Ｋ2 Ｏ ２．１％、ＣｅＯ2
５．０％、ＴｉＯ2 １．０％、Ｓｂ2 Ｏ3 １．０％
の組成からなり、２０．０×４０．０×０．２ｍｍの寸
法を有する耐放射線性ガラス基板１０の表面に真空蒸着
法によって、膜厚２５００Åの銀膜１１を形成した。次
いでこの銀膜の表面に膜厚１１００Åの酸化セリウムの
膜１２を、さらに膜厚２２００Åの酸化ケイ素の膜１３
を、いずれも真空蒸着法によって形成することによっ
て、試料Ａを作製し、これを３０枚準備した。
【００１４】また上記と同様の耐放射線性ガラス基板を
用意し、同じ条件で銀膜と酸化セリウムの膜を形成する
ことによって、試料Ｂを作製し、これを３０枚準備し
た。
用意し、同じ条件で銀膜と酸化セリウムの膜を形成する
ことによって、試料Ｂを作製し、これを３０枚準備し
た。
【００１５】こうして作製した各試料を耐湿性試験に供
した後、ガラス基板と銀膜との間の密着性を調べ、その
結果を表１に示した。耐湿性試験は、３種類の条件で行
い、各条件について１０枚の試料Ａ及びＢを用いた。
した後、ガラス基板と銀膜との間の密着性を調べ、その
結果を表１に示した。耐湿性試験は、３種類の条件で行
い、各条件について１０枚の試料Ａ及びＢを用いた。
【００１６】
【表１】
【００１７】表１から明らかなように、本発明品である
試料Ａは、いずれの条件においても全て良好な密着性を
有していた。それに対して従来品である試料Ｂは、５０
℃、９８％、７２０時間の試験条件において、全数が不
良となり、それ以外の試験条件においても一部不良とい
う結果が得られた。
試料Ａは、いずれの条件においても全て良好な密着性を
有していた。それに対して従来品である試料Ｂは、５０
℃、９８％、７２０時間の試験条件において、全数が不
良となり、それ以外の試験条件においても一部不良とい
う結果が得られた。
【００１８】尚、密着性の評価は、ＣＯＭＭＥＲＣＩＡ
Ｌ ＩＴＥＭ ＤＥＳＣＲＩＰＴＩＯＮ、Ａ−Ａ−１１
３Ｂの規程に基づいて行ったものであり、保護膜に接着
させたテープによって銀膜が一部でも剥離した試料は、
不良と判断した。
Ｌ ＩＴＥＭ ＤＥＳＣＲＩＰＴＩＯＮ、Ａ−Ａ−１１
３Ｂの規程に基づいて行ったものであり、保護膜に接着
させたテープによって銀膜が一部でも剥離した試料は、
不良と判断した。
【００１９】
【発明の効果】以上のように本発明の熱制御ミラーは、
太陽光を高い割合で反射させ、しかも優れた耐湿性を有
し、ガラス基板から銀膜が剥離し難いため、特に人工衛
星の表面に貼り付けられる熱制御ミラーとして好適であ
る。
太陽光を高い割合で反射させ、しかも優れた耐湿性を有
し、ガラス基板から銀膜が剥離し難いため、特に人工衛
星の表面に貼り付けられる熱制御ミラーとして好適であ
る。
【図１】本発明品である試料Ａの断面図である。
１０ 耐放射線性ガラス基板 １１ 銀膜 １２ 酸化セリウムの膜 １３ 酸化ケイ素の膜
Claims (1)
- 【請求項１】 耐放射線性ガラス基板と、その表面に形
成された銀膜と、該銀膜の表面に形成された保護膜とか
らなり、該保護膜が、酸化セリウムの膜からなる下層
と、酸化ケイ素の膜からなる上層の二層構造を有するこ
とを特徴とする熱制御ミラー。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26714391A JPH0577799A (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 熱制御ミラー |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26714391A JPH0577799A (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 熱制御ミラー |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0577799A true JPH0577799A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=17440682
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26714391A Pending JPH0577799A (ja) | 1991-09-18 | 1991-09-18 | 熱制御ミラー |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0577799A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7267866B2 (en) | 2000-07-07 | 2007-09-11 | Nec Corporation | Heat control method and heat controller |
| JP2015083527A (ja) * | 2013-02-19 | 2015-04-30 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス積層体、光学結像部材、ガラス積層体の製造方法及び光学結像部材の製造方法 |
-
1991
- 1991-09-18 JP JP26714391A patent/JPH0577799A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7267866B2 (en) | 2000-07-07 | 2007-09-11 | Nec Corporation | Heat control method and heat controller |
| JP2015083527A (ja) * | 2013-02-19 | 2015-04-30 | 日本電気硝子株式会社 | ガラス積層体、光学結像部材、ガラス積層体の製造方法及び光学結像部材の製造方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5763064A (en) | Laminate | |
| US6352755B1 (en) | Alkali metal diffusion barrier layer | |
| US5830252A (en) | Alkali metal diffusion barrier layer | |
| AU624753B2 (en) | Solar screening assembly | |
| US5962115A (en) | Pane of transparent material having a low emissivity | |
| US5000528A (en) | Scratch resistant optical interference film | |
| US7203003B2 (en) | Reflective Ag alloy film for reflectors and reflector provided with the same | |
| JP4759106B2 (ja) | ガラスの使用 | |
| CA1202359A (en) | Incandescent lamp | |
| JP3068211B2 (ja) | 積層ガラスの電気加熱式自動車グレイジング | |
| JP3139031B2 (ja) | 熱線遮蔽ガラス | |
| JP2002528372A (ja) | 透明基材のための積層体 | |
| JP2000214304A (ja) | 透明基板用熱反射層システム | |
| JPH0427179B2 (ja) | ||
| JPH0577799A (ja) | 熱制御ミラー | |
| JPH11157881A (ja) | 低放射ガラス積層体 | |
| JP2020522454A (ja) | 低放射硝子 | |
| JPH08271701A (ja) | ＺｎＳを基板とする耐環境性赤外線透過構造体 | |
| JPS61284703A (ja) | 銀鏡 | |
| JPH0985893A (ja) | 積層体 | |
| JP2002047033A (ja) | 熱処理可能な熱線遮蔽ガラス | |
| JPH09283731A (ja) | 固体撮像素子用カバーガラス | |
| ES2207090T3 (es) | Capa revestida y metodo de revestimiento de una capa. | |
| JP3136845B2 (ja) | 赤外反射防止膜とその形成方法 | |
| JPH0582822A (ja) | 太陽電池保護カバー |