JPH057770Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈本考案の目的〉 ［産業上の利用分野］ 本考案は、シーム溶接に適した圧電振動子用パ
ツケージに関する。

［従来の技術］ 圧電振動子を収容するセラミツクパツケージの
封止にシーム溶接を用いるが、セラミツク基板上
にガラスフリツトを用いて金属枠を固着する。こ
の金属枠と金属フタとの間をシーム溶接し気密封
止している。

［考案が解決しようとする課題］ 従来のシーム溶接用パツケージでは金属枠と金
属フタのメツキに無電解ニツケルメツキを施す
が、無電解ニツケルメツキでは溶接の設定範囲が
狭く難しい。これは無電解ニツケルメツキの熱電
導が良いためであり、このため溶接パワーを上げ
るとガラスフリツトが溶けてしまうおそれがあ
り、逆にパワーが低いとリーク不良の原因とな
る。

［本考案の目的］ 本考案は、圧電振動子用パツケージとしてシー
ム溶接により気密封止するが安定した条件で溶接
し易いパツケージを提供することを目的としてい
る。

〈本考案の構成〉 ［課題を解決する手段］ 本考案は、圧電振動子を収容し、気密封止をシ
ーム溶接により行う圧電振動子用パツケージにお
いて、基板と金属枠との固着にガラスフリツトを
用い、該金属枠と該金属フタとの間をシーム溶接
により封止するときに、該金属枠に電解メツキ、
該金属フタに無電解メツキを施した該金属枠と該
金属フタとを用いたことにより良好なシーム溶接
が可能となる。

［作用及び実施例］ 第１図は、本考案に用いるパツケージの断面図
である。セラミツク板１に金属パラジウム等の導
電体が施され、さらにガラスフリツト２を介して
金属枠３が固着してある。金属枠３及び金属フタ
４は、抵抗が大きくシーム溶接し易いコバー、又
は42アロイ等が用いられている。シーム溶接は、
周知の通り金属フタに２個のローラ型の電極５，
５′を押しつけ、両電極に流れる電流で生じる熱
によつて金属枠と金属フタとを溶接している。パ
ツケージ１０の中には両面に電極を施した圧電振
動子６を固着している。

第２図は本考案のパツケージに溶接用電極を押
しあてているところである。この金属枠３と金属
フタ４にメツキを施すが、この際、従来無電解メ
ツキを両方に施していたが、この場合無電解メツ
キは熱電導が良く、溶接のための熱が拡散するこ
とからメツキ金属を溶かす温度が下がつてしま
う。その結果、溶接が不十分となりリーク不良の
原因となる。そこで本考案では、金属枠３に無電
解ニツケルメツキ、金属フタ４に無電解ニツケル
メツキを施す。電解メツキは第１にガラスフリツ
トとの接着力が強いことがあげられる。第２に電
解メツキには添加物（リン等）が無いため発熱が
小さい。またガラスへの歪みが少ないのでリーク
不良が出にくい。

さらに電解メツキは熱伝導が悪いためガラスへ
の熱の伝導が悪いので溶接部分のみがよく溶け
る。このように溶接性が良くなるのは、電気抵抗
が高いためである。メツキ金属については、ニツ
ケルを例に挙げたが他に電解メツキ、無電解メツ
キの出来る材料であつてもよい。

なお圧電体として水晶の他圧電セラミツク、タ
ンタル酸リチウム等が挙げられる。

〈本考案の効果〉 本考案によつて、従来に比べ溶接性が良くな
り、広い溶接条件で溶接出来る様になつた。そし
て気密性が高く安定した気密性を維持出来るパツ
ケージは圧電振動子のパツケージとして最適であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のパツケージの構造断面図。
第２図は、シーム溶接時のパツケージの正面図で
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 圧電振動子を収容し、気密封止をシーム溶接
   により行う圧電振動子用パツケージにおいて、
   基板と金属枠との固着にガラスフリツトを用
   い、該金属枠と該金属フタとの間をシーム溶接
   により封止するときに、該金属枠に電解メツ
   キ、該金属フタに無電解メツキを施した該金属
   枠と該金属フタとを用いたことを特徴とする圧
   電振動子用パツケージ。 (2) 電解ニツケルメツキを施した該金属枠と無電
   解ニツケルメツキを施した該金属フタを用いた
   ことを特徴とする実用新案登録請求の範囲第１
   項記載の圧電振動子用パツケージ。