JPH0577696U - フィルタ機能付きコネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 従来技術のコネクタでは、油内混入異物の流
入を阻止するために高価なメッシュスクリーンをそなえ
たフィルタ部材を内蔵していた。建設機械では、上記高
価なコネクタを油圧回路内のかなり多数の連結部に設け
るので、建設機械の製造コストを下げることが困難であ
った。本考案は、上記の問題点を解決することを目的と
する。 ［構成］ 本考案のコネクタでは、コネクタの油路用穴
にプラグを嵌着し、そのプラグの油路上流側端面部に、
外径寸法が油路の穴径より小寸の円板部を形成し、上記
油路の内周面と円板部の外周面との隙間を、所定の粒度
の混入異物が通過できないフィルタ用隙間に設定し、そ
の隙間を通過した油が、プラグ内部に形成した通路を経
て下流側へ流れるように構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として建設機械，作業車両などの油圧機器，油圧配管における油 路連結部に装着されているコネクタに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図１２は、油圧配管１と、油圧機器の弁体２の油路を連結しているコネクタ３ を示す一部切欠き要部側面図である。図１３は、図１２におけるコネクタ３の穴 心方向の断面図である。図において、４はコネクタ３の油路穴、５は油路穴４に おける絞り部、６はフィルタ部材、７はフィルタ部材６のメッシュスクリーン、 イはフィルタ部材６嵌着時のポンチング施工部、矢印ロは油の流れる方向を示す 。図１４は、フィルタ部材６の一部切欠き側面図である。図１５は、図１４のＡ より見た図である。

【０００３】 建設機械の油圧回路内には、ゴミ，残在切り粉など異物が混入されていること がある。図１３に示す従来技術のコネクタ３では、油路穴４に絞り部５を有する ので、その絞り部５で上記異物が詰まらないように、上流側にフィルタ部材６を 組付けている。そのフィルタ部材６のメッシュスクリーン７のメッシュ粗さは、 絞り部５の穴径ｄより若干細かく設定しているので、メッシュスクリーン７を通 過した異物が絞り部５を詰まらせることはない。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術のコネクタでは、油内混入異物の流入を阻止するためにメッシュスク リーンをそなえたフィルタ部材を内蔵していた。図１４及び図１５に示すように メッシュスクリーンの構造はかなり複雑で、しかもその材料費は高価である。こ のように高価なコネクタを油圧回路内のかなり多数の連結部に設けるので、建設 機械の製造コストを下げることが困難であった。本考案は上記の問題点を解決し 、製作費が安くかつフィルタ部材の組付けを容易に行えるフィルタ機能付きコネ クタを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案のフィルタ機能付きコネクタでは、コネクタの油路用穴にプラグを嵌着 し、そのプラグの油路上流側端面部に、外径寸法が油路の穴径より小寸の円板部 を形成し、上記油路の内周面と円板部の外周面との隙間を、所定の粒度の混入異 物が通過できないフィルタ用隙間に設定し、その隙間を通過した油が、プラグ内 部に形成した通路を経て下流側へ流れるように構成した。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図１は、本考案の第 １実施例コネクタ８の断面図である。図において、９はコネクタ８の油路穴、１ ０は油路穴９に嵌着したプラグ、矢印ロは油の流れる方向を示す。図２は、図１ のＢ部詳細図である。図において、１１はプラグ１０の円板部、１２はプラグ１ ０に開穿した通路、１３は絞り部、ハはプラグ１０の脱落を防止するための係止 部である。なおこの係止部ハを形成する手段としては、コーキング施工、あるい はストップリング嵌着などがある。図３は、図２のＣ−Ｃより見た断面図である 。図４は、図２におけるプラグ１０をＤ−Ｄより見た断面図である。

【０００７】 次に、本考案の第１実施例コネクタ８の構成を図１〜図４について述べる。コ ネクタ８では、油路穴９の下流側端部にプラグ１０を嵌着し、そのプラグ１０の 上流側端面部に、外径寸法（φＰ1 ）が油路９の穴径（φＱ1 ）より小寸の円板 部１１を形成し、上記油路９の内周面と円板部１１の外周面との隙間を、所定の 粒度の混入異物が通過できない隙間Ｓ1 に設定し、その隙間Ｓ1 を通過した油が 、プラグ１０内部に形成した通路１２、絞り部１３を経て、下流側へ流れるよう に構成した。

【０００８】 次に、本考案の第１実施例コネクタ８の作用について述べる。コネクタ８では 混入異物の大きさが絞り部１３の穴径ｄ1 ９Ｌ大きいと、絞り部１３が詰まって しまうので、隙間Ｓ1 ＜穴径ｄ1 に設定した。それにより混入異物の粒度（粒状 でない場合も含むが、フィルタ機能をそなえた隙間に対応するために粒度という ）が絞り部１３の穴径ｄ1 より大きいものは、円板部１１の上流側で流入を阻止 される。すなわち隙間Ｓ1 を通過できる細かい混入異物を含んだ油が、隙間Ｓ1 、プラグ１０の通路１２、絞り部１３を通って下流側へ流れる。したがって油内 混入異物が絞り部１３に詰まって、油の流れを止めてしまうトラブルを防止する ことができる。

【０００９】 なお図５は、第１実施例コネクタ８のうち、絞り部を有しないコネクタ８’を 示す断面図である。図において、１４はプラグ１０’に形成した通路である。コ ネクタ８’では、コネクタ８の場合と同様に油路９の内周面と円板部１１の外周 面との隙間をＳ1 に設定したので、所定の粒度の混入異物を円板部１１の上流側 で流入阻止を行うことができる。したがって隙間Ｓ1 を通過できる細かい混入異 物を含んだ油が、隙間Ｓ1 、プラグ１０’の通路１２、１４を通って下流側へ流 れる。本考案では、上記コネクタ８のように、またバルブ内部に絞り部を有する 場合、特に有効である。

【００１０】 次に図６は、本考案の第２実施例コネクタ１５の断面図である。図において、 １６はコネクタ１５の上流側端部に形成したプラグ嵌着用穴、１７はコネクタ１ ５の油路穴、１８はプラグ嵌着用穴１６に圧入嵌着したプラグ、矢印ニは油の流 れる方向を示す。図７は、図６のＥ部詳細図である。図において、１９はプラグ １８の上流側端面部に形成した円板部、２０はプラグ１８内の通路、２１は絞り 部、ｄ2 は絞り部２１の穴径、φＰ2 は円板部１９の外径寸法、φＱ2 はプラグ 嵌着用穴１６の穴径、Ｓ2 はプラグ嵌着用穴１６の内周面と円板部１９の外周面 との隙間である。図８は、図７のＦより見た図である。なおプラグ嵌着用穴１６ に対してプラグ１８を圧入嵌着するために、図７の符号ホの部分に示すようにテ ーパ状の部分を形成してもよいし、またテーパ状の対応を行わないで、インロー 部を形成して装着剤にて固着してもよい。この第２実施例コネクタ１５はその上 流側端部にプラグ１８を嵌着したもので、その作用及び機能は第１実施例コネク タ８の場合と同様である。

【００１１】 次に図９は、本考案の第３実施例コネクタ２２の断面図である。図において、 ２３はコネクタ２２の上流側端部に形成したプラグ嵌着用ねじ穴、２４はコネク タ２２の油路穴、２５はプラグ嵌着用ねじ穴２３にねじ込み嵌着したプラグ、２ ６はプラグ２５の外側端面部に形成した締付用六角穴、矢印ニは油の流れる方向 を示す。図１０は、図９のＧ部詳細図である。図において、２７はプラグ２５の 上流側端面部に形成した円板部、２８はプラグ２５内の通路、２９は絞り部、ｄ 3 は絞り部２９の穴径、φＰ3 は円板部２７の外径寸法、φＱ3 はプラグ嵌着用 ねじ穴２３の下穴径、Ｓ3 はプラグ嵌着用ねじ穴２３の下穴と円板部２７の外周 面との隙間である。図１１は、図１０のＨより見た図である。この第３実施例コ ネクタ２２はプラグ嵌着用穴をねじ穴に形成し、そのねじ穴（２３）に対してね じ部をそなえたプラグ２５をねじ込み嵌着したものである。したがって第３実施 例コネクタ２２の作用及び機能は第２実施例コネクタ１５の場合と同様である。

【００１２】

【考案の効果】

従来技術のコネクタでは、油内混入異物の流入を阻止するために高価なメッシ ュスクリーンをそなえたフィルタ部材を内蔵していた。建設機械では、上記高価 なコネクタを油圧回路内のかなり多数の連結部に設けるので、建設機械の製造コ ストを下げることが困難であった。しかし本考案では、コネクタ油路用穴にプラ グを嵌着し、そのプラグの油路上流側端面部に、外径寸法が油路の穴径より小寸 の円板部を形成し、上記油路の内周面と円板部の外周面との隙間を、所定の粒度 の混入異物が通過できないフィルタ用隙間に設定した。それによりその隙間より 大きい混入異物は、プラグの円板部上流側で流入を阻止される。そして隙間を通 過できる細かい混入異物を含んだ油が、上記隙間を通過して、プラグの通路を通 り下流側へ流れる。したがって本考案のコネクタでは、上記円板部と通路をそな えたプラグを嵌着することによりフィルタ機能を発揮させることができる。プラ グの形状は簡単で材料費も安いので、本考案のフィルタ機能付きコネクタを安価 に製作することができる。したがって本考案のコネクタを装備することにより、 建設機械のコストダウンを行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１実施例コネクタの断面図である。

【図２】図１のＢ部詳細図である。

【図３】図２のＣ−Ｃより見た断面図である。

【図４】図２におけるプラグをＤ−Ｄより見た断面図で
ある。

【図５】本考案の第１実施例コネクタのうち絞り部を有
しないコネクタを示す断面図である。

【図６】本考案の第２実施例コネクタの断面図である。

【図７】図６のＥ部詳細図である。

【図８】図７のＦより見た図である。

【図９】本考案の第３実施例コネクタの断面図である。

【図１０】図９のＧ部詳細図である。

【図１１】図１０のＨより見た図である。

【図１２】従来技術コネクタの連結状態を示す一部切欠
き要部側面図である。

【図１３】従来技術のコネクタの断面図である。

【図１４】図１３におけるフィルタ部材の一部切欠き側
面図である。

【図１５】図１４のＡより見た図である。

【符号の説明】

３，８，８’，１５，２２ コネクタ ４，９，１７，２４ 油路穴 ５，１３，２１，２９ 絞り部 ６ フィルタ部材 ７ メッシュスクリーン １０，１０’，１８，２５ プラグ １１，１９，２７ 円板部 １２，１４，２０，２８ 通路 １６ プラグ嵌着用穴 ２３ プラグ嵌着用ねじ穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 建設機械の油圧機器，油圧配管における
   油路連結部に設けられ、その油路を通過する油内混入異
   物の流入を阻止するためのフィルタ部材を内蔵している
   コネクタであって、コネクタの油路用穴にプラグを嵌着
   し、そのプラグの油路上流側端面部に、外径寸法が油路
   の穴径より小寸の円板部を形成し、上記油路の内周面と
   円板部の外周面との隙間を、所定の粒度の混入異物が通
   過できないフィルタ用隙間に設定し、その隙間を通過し
   た油が、プラグ内部に形成した通路を経て下流側へ流れ
   るようにしたことを特徴とするフィルタ機能付きコネク
   タ。