JPH0577539A - 印章材 - Google Patents
印章材Info
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- JPH0577539A JPH0577539A JP27320891A JP27320891A JPH0577539A JP H0577539 A JPH0577539 A JP H0577539A JP 27320891 A JP27320891 A JP 27320891A JP 27320891 A JP27320891 A JP 27320891A JP H0577539 A JPH0577539 A JP H0577539A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- hydroxyapatite
- acrylic acid
- weight
- meth
- Prior art date
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- Pending
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 (A)親油性表面処理を施し、且つ気孔率が
40〜80%のヒドロキシアパタイト粉末5〜20重量
部 (B)(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末5〜3
0重量部 (C)(メタ)アクリル酸エステル系重合体55〜85
重量部 を含むことを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体をマトリックス樹脂としヒドロキシアパタイ
ト粉末が均一に分散された極めて優れ細部に渡る印刻を
も可能な印章材が得られる。
40〜80%のヒドロキシアパタイト粉末5〜20重量
部 (B)(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末5〜3
0重量部 (C)(メタ)アクリル酸エステル系重合体55〜85
重量部 を含むことを特徴とする。 【効果】 本発明によれば、(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体をマトリックス樹脂としヒドロキシアパタイ
ト粉末が均一に分散された極めて優れ細部に渡る印刻を
も可能な印章材が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印刻性に優れた印章材
に関する。
に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、印章材の素材としては、象牙、水
牛角、黄楊、べっこう等が使用されている。これらはそ
の色調、質感に優れ、且つ、経時変化が少なく、印刻し
やすいという特長を有しており、これらの性質により印
章材として古くから使用されてきた。しかしながら、こ
れらの天然物は産出量が限定されており、更に天然資源
の保護の動きに伴ない、今後質的に優れた材料は減少
し、入手が困難となりつつある。このような状況の下に
あって、印章材を人工的に作製する試みがなされてい
る。その主なものは、金属、セラミックス及び合成樹脂
などを素材とする印章材である。しかしながら、金属及
びセラミックスからなる材料は硬すぎる為刃を傷めやす
く、更に細部の印刻が困難である。一方、合成樹脂は合
成印章材として最も多量に用いられているものであるが
粘り強すぎる為、印刻時に刃に切り屑がまとわりつき印
刻し難い。
牛角、黄楊、べっこう等が使用されている。これらはそ
の色調、質感に優れ、且つ、経時変化が少なく、印刻し
やすいという特長を有しており、これらの性質により印
章材として古くから使用されてきた。しかしながら、こ
れらの天然物は産出量が限定されており、更に天然資源
の保護の動きに伴ない、今後質的に優れた材料は減少
し、入手が困難となりつつある。このような状況の下に
あって、印章材を人工的に作製する試みがなされてい
る。その主なものは、金属、セラミックス及び合成樹脂
などを素材とする印章材である。しかしながら、金属及
びセラミックスからなる材料は硬すぎる為刃を傷めやす
く、更に細部の印刻が困難である。一方、合成樹脂は合
成印章材として最も多量に用いられているものであるが
粘り強すぎる為、印刻時に刃に切り屑がまとわりつき印
刻し難い。
【0003】これら既存の合成樹脂性印章材の欠点を解
決する為、合成樹脂と無機フィラーの複合体の印章材も
製造されている。しかしながら、この複合体においても
無機フィラー自身が硬すぎ且つ、粒径が大きすぎる為、
均一に分散されていない等に起因して印刻時に欠けが発
生しやすい。本発明者は、気孔率の高いヒドロキシアパ
タイト粉末と(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び
重合体を混合し、型枠中で硬化成型せしめてなる人工象
牙を提案した(特願平3−046248号)。この人工
象牙により、色調、質感において天然象牙に非常に良く
似たものが製造できるが、これは、上記材料に比し印刻
性は改善されてはいるものの細部の彫刻において未だ欠
けが発生することがある。以上のような状況の中、印刻
性に優れた人工の印章材の開発が望まれている。
決する為、合成樹脂と無機フィラーの複合体の印章材も
製造されている。しかしながら、この複合体においても
無機フィラー自身が硬すぎ且つ、粒径が大きすぎる為、
均一に分散されていない等に起因して印刻時に欠けが発
生しやすい。本発明者は、気孔率の高いヒドロキシアパ
タイト粉末と(メタ)アクリル酸エステル系単量体及び
重合体を混合し、型枠中で硬化成型せしめてなる人工象
牙を提案した(特願平3−046248号)。この人工
象牙により、色調、質感において天然象牙に非常に良く
似たものが製造できるが、これは、上記材料に比し印刻
性は改善されてはいるものの細部の彫刻において未だ欠
けが発生することがある。以上のような状況の中、印刻
性に優れた人工の印章材の開発が望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、既存の合
成樹脂性印章材の有する諸問題点に鑑み、鋭意研究を続
けた結果、ヒドロキシアパタイト表面に親油性を賦与
し、ヒドロキシアパタイトの含有量を特定することによ
って、上記欠点が解決できることを見い出し本発明を完
成したものであって、その目的とするところは、印刻性
に極めて優れた印章材を提供するにある。
成樹脂性印章材の有する諸問題点に鑑み、鋭意研究を続
けた結果、ヒドロキシアパタイト表面に親油性を賦与
し、ヒドロキシアパタイトの含有量を特定することによ
って、上記欠点が解決できることを見い出し本発明を完
成したものであって、その目的とするところは、印刻性
に極めて優れた印章材を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的は、 (A)親油性表面処理を施し、且つ気孔率が40〜80
%のヒドロキシアパタイト粉末5〜20重量部 (B)(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末5〜3
0重量部 (C)(メタ)アクリル酸エステル系重合体55〜85
重量部 を含むことを特徴とする印章材を提供するにある。
%のヒドロキシアパタイト粉末5〜20重量部 (B)(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末5〜3
0重量部 (C)(メタ)アクリル酸エステル系重合体55〜85
重量部 を含むことを特徴とする印章材を提供するにある。
【0006】本発明に用いられるヒドロキシアパタイト
粉末は、予めその表面に親油性表面処理を施す。これ
は、ヒドロキシアパタイトと(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体とのぬれ性を改善し、ヒドロキシアパタイト
粉末を均一に分散する為に行う。この処理を施さない場
合、ヒドロキシアパタイト粉末の凝集塊が残存し、その
結果、印刻時に欠けが発生しやすくなる。表面親油性表
面処理膜は以下の方法に従って実施される。例えば、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、リン酸系
カップリング剤等の各種カップリング剤の添加や、高級
アルコールとの加水分解による表面のエステル化処理、
高分子吸着層の形成等がある。それらの中で、比較的簡
単で汎用性が高く、安定市に優れたシランカップリング
剤、チタンカップリング剤による表面処理が好ましい。
表面の親油化はヒドロキシアパタイト表面全体を覆う程
度の最低量で良い。即ちその量は、ヒドロキシアパタイ
トの表面積と表面親油性膜の種類により異なるが、通常
ヒドロキシアパタイト粉末に対して0.1〜5重量%で
ある。本発明に用いられるヒドロキシアパタイト粉末は
気孔率が40〜80%の多孔質粉末であればどのような
製造方法によって得られたものでも使用可能である。
尚、本発明における気孔率とは水銀圧入法を用いて得ら
れる値で示す。気孔率40%未満の緻密質な粉末を使用
すると得られる印章材は硬くなり、印刻時に刃を傷めや
すい。一方、気孔率80%を上廻る多孔質粉末を使用す
るとヒドロキシアパタイトの細孔部まで(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体が浸透しなくなり、加えて成型時
に注型可能な粘性にするには少量のヒドロキシアパタイ
トしか混合出来なくなる。
粉末は、予めその表面に親油性表面処理を施す。これ
は、ヒドロキシアパタイトと(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体とのぬれ性を改善し、ヒドロキシアパタイト
粉末を均一に分散する為に行う。この処理を施さない場
合、ヒドロキシアパタイト粉末の凝集塊が残存し、その
結果、印刻時に欠けが発生しやすくなる。表面親油性表
面処理膜は以下の方法に従って実施される。例えば、シ
ランカップリング剤、チタンカップリング剤、リン酸系
カップリング剤等の各種カップリング剤の添加や、高級
アルコールとの加水分解による表面のエステル化処理、
高分子吸着層の形成等がある。それらの中で、比較的簡
単で汎用性が高く、安定市に優れたシランカップリング
剤、チタンカップリング剤による表面処理が好ましい。
表面の親油化はヒドロキシアパタイト表面全体を覆う程
度の最低量で良い。即ちその量は、ヒドロキシアパタイ
トの表面積と表面親油性膜の種類により異なるが、通常
ヒドロキシアパタイト粉末に対して0.1〜5重量%で
ある。本発明に用いられるヒドロキシアパタイト粉末は
気孔率が40〜80%の多孔質粉末であればどのような
製造方法によって得られたものでも使用可能である。
尚、本発明における気孔率とは水銀圧入法を用いて得ら
れる値で示す。気孔率40%未満の緻密質な粉末を使用
すると得られる印章材は硬くなり、印刻時に刃を傷めや
すい。一方、気孔率80%を上廻る多孔質粉末を使用す
るとヒドロキシアパタイトの細孔部まで(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体が浸透しなくなり、加えて成型時
に注型可能な粘性にするには少量のヒドロキシアパタイ
トしか混合出来なくなる。
【0007】現在一般的に製造されているヒドロキシア
パタイトには、カルシウム塩とリン塩を原料として製造
される合成ヒドロキシアパタイト粉末及び哺乳動物や魚
の骨に由来する天然ヒドロキシアパタイト粉末がある。
本発明において使用される気孔率40〜80%のヒドロ
キシアパタイト粉末は、合成ヒドロキシアパタイトでは
製造が難しく、しかも高価になるが、天然ヒドロキシア
パタイトの場合は熱処理によって気孔率が自由に制御出
来しかも安価である為、本発明のヒドロキシアパタイト
としては天然骨由来のものを用いるのが好ましい。ヒド
ロキシアパタイト粉末の添加量は5〜20重量%、好ま
しくは8〜18重量%、更に好ましくは10〜15重量
%である。添加量が5重量%未満では得られる印章材が
粘り強すぎる為印刻時に刃に切り屑がまとわりつき印刻
しずらい。一方、20重量%を超えると印章材が硬くな
りすぎ、印刻時に刃を傷め、更に細部の印刻の際欠けを
発生しやすい。本発明に用いられる(メタ)アクリル酸
エステル系重合体粉末は、ヒドロキシアパタイト粉末、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末、(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体及び重合触媒から成る液状混
合物の粘性を調整して、ヒドロキシアパタイト粉末の沈
降分離を防止する。更には重合時の収縮を軽減して、製
品の寸法安定性を向上させる等の目的により混合され
る。(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末として
は、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの単独
重合体粉末若しくは共重合体粉末、あるいはそれらの粉
末の混合物を用いることが出来るが、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体との混合時に膨潤又は溶解し、重合
後一体化するものが好ましい。これらのうちメタクリル
酸メチルエステル重合体、メタクリル酸メチルエステル
−メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メチルエ
ステル−メタクリル酸プロピルエステル又はメタクリル
酸メチルエステル−メタクリル酸ブチルエステル等の共
重合体粉末が好ましい。本発明における(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体粉末の添加量は5〜30重量%、
好ましくは15〜25重量%である。添加量が5重量%
未満では、混合時の粘性が低くなり、ヒドロキシアパタ
イトが沈降分離し、均一な印章材が得られない。一方、
添加量が30重量%を超えると、混合時の粘性が高くな
り成型が困難となる。
パタイトには、カルシウム塩とリン塩を原料として製造
される合成ヒドロキシアパタイト粉末及び哺乳動物や魚
の骨に由来する天然ヒドロキシアパタイト粉末がある。
本発明において使用される気孔率40〜80%のヒドロ
キシアパタイト粉末は、合成ヒドロキシアパタイトでは
製造が難しく、しかも高価になるが、天然ヒドロキシア
パタイトの場合は熱処理によって気孔率が自由に制御出
来しかも安価である為、本発明のヒドロキシアパタイト
としては天然骨由来のものを用いるのが好ましい。ヒド
ロキシアパタイト粉末の添加量は5〜20重量%、好ま
しくは8〜18重量%、更に好ましくは10〜15重量
%である。添加量が5重量%未満では得られる印章材が
粘り強すぎる為印刻時に刃に切り屑がまとわりつき印刻
しずらい。一方、20重量%を超えると印章材が硬くな
りすぎ、印刻時に刃を傷め、更に細部の印刻の際欠けを
発生しやすい。本発明に用いられる(メタ)アクリル酸
エステル系重合体粉末は、ヒドロキシアパタイト粉末、
(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末、(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体及び重合触媒から成る液状混
合物の粘性を調整して、ヒドロキシアパタイト粉末の沈
降分離を防止する。更には重合時の収縮を軽減して、製
品の寸法安定性を向上させる等の目的により混合され
る。(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末として
は、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステルの単独
重合体粉末若しくは共重合体粉末、あるいはそれらの粉
末の混合物を用いることが出来るが、(メタ)アクリル
酸エステル系単量体との混合時に膨潤又は溶解し、重合
後一体化するものが好ましい。これらのうちメタクリル
酸メチルエステル重合体、メタクリル酸メチルエステル
−メタクリル酸エチルエステル、メタクリル酸メチルエ
ステル−メタクリル酸プロピルエステル又はメタクリル
酸メチルエステル−メタクリル酸ブチルエステル等の共
重合体粉末が好ましい。本発明における(メタ)アクリ
ル酸エステル系重合体粉末の添加量は5〜30重量%、
好ましくは15〜25重量%である。添加量が5重量%
未満では、混合時の粘性が低くなり、ヒドロキシアパタ
イトが沈降分離し、均一な印章材が得られない。一方、
添加量が30重量%を超えると、混合時の粘性が高くな
り成型が困難となる。
【0008】本発明に用いる(メタ)アクリル酸エステ
ル系単量体は、特定の触媒の存在、温度の条件下で重合
反応することにより硬化成型せしめる重要な作用効果を
司る。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は単官能性
単量体でも多官能性単量体でもよく、又、両者を混合し
て使用してもよい。単官能性単量体としては、例えば、
メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエス
テル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸プロ
ピルエステル、メタクリル酸2エチルヘキシルエステ
ル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエス
テル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2エチル
ヘキシルエステル等を用いることが出来る。多官能性単
量体としては、例えば、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2.
2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロ
パン等を用いることが出来る。(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体は、上記単量体を単独で用いても良いし2
種類以上混合して用いても良いが、上述した(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体粉末との混合時に速やかに膨
潤又は溶解させる為、少なくとも1成分としてメタクリ
ル酸メチルエステルを用いることが好ましい。又、多官
能性単量体を併用することにより得られる印章材の硬さ
を適宜変化させることが出来る。本発明における(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の添加量は、55〜8
5重量%、好ましくは64〜74重量%である。添加量
が55重量%未満では混合時の粘性が高く成型が困難と
なり、しかも、得られる印章材が脆くなりすぎる為、印
刻時に欠け易い。一方、添加量が85重量%を超える
と、得られた印章材が粘り強くなりすぎる為、印刻時に
切り屑がまとわりつき印刻しずらい。
ル系単量体は、特定の触媒の存在、温度の条件下で重合
反応することにより硬化成型せしめる重要な作用効果を
司る。(メタ)アクリル酸エステル系単量体は単官能性
単量体でも多官能性単量体でもよく、又、両者を混合し
て使用してもよい。単官能性単量体としては、例えば、
メタクリル酸メチルエステル、メタクリル酸エチルエス
テル、メタクリル酸ブチルエステル、メタクリル酸プロ
ピルエステル、メタクリル酸2エチルヘキシルエステ
ル、アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエス
テル、アクリル酸ブチルエステル、アクリル酸2エチル
ヘキシルエステル等を用いることが出来る。多官能性単
量体としては、例えば、エチレングリコールジメタクリ
レート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、テトラメチロールメタントリメタク
リレート、テトラメチロールメタンテトラメタクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、2.
2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロ
パン等を用いることが出来る。(メタ)アクリル酸エス
テル系単量体は、上記単量体を単独で用いても良いし2
種類以上混合して用いても良いが、上述した(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体粉末との混合時に速やかに膨
潤又は溶解させる為、少なくとも1成分としてメタクリ
ル酸メチルエステルを用いることが好ましい。又、多官
能性単量体を併用することにより得られる印章材の硬さ
を適宜変化させることが出来る。本発明における(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体の添加量は、55〜8
5重量%、好ましくは64〜74重量%である。添加量
が55重量%未満では混合時の粘性が高く成型が困難と
なり、しかも、得られる印章材が脆くなりすぎる為、印
刻時に欠け易い。一方、添加量が85重量%を超える
と、得られた印章材が粘り強くなりすぎる為、印刻時に
切り屑がまとわりつき印刻しずらい。
【0009】本発明に用いる重合触媒は、通常のビニル
重合用の触媒であれば良い。例えば、過酸化ベンゾイル
又は過酸化ベンゾイル−アミン等の重合触媒を使用する
ことが出来る。重合触媒の添加量は0.1〜3重量%で
ある。0.1重量%未満では重合反応に時間がかかりす
ぎ、特にその添加量が少ない場合重合反応が不十分とな
り、出来上がった印章材は柔らかくなりすぎる。一方、
3重量%を上廻る場合、重合反応が急激に起こる為、型
枠内に注型する前に硬化し始めたり、出来上がった印章
材の内部に気泡が発生しやすくなったりする。本発明に
おいて、上記各成分以外に顔料及び各種安定化剤等を添
加することが出来る。例えば、顔料としては、弁柄、紺
青、酸化チタニウム、亜鉛華、カーボン等を、又、安定
化剤としては、紫外線吸収剤、無機粉末の分散剤、粘性
調整剤等を挙げる事が出来る。上記各成分は、その後、
混合し、重合反応により硬化させ、本発明の印章材とな
る。混合は、乳鉢、ホモディスパー、ボールミル等の通
常実施されている混合法でよい。その後、所望の型枠中
にこの混合物を注入し、好ましくは30〜110℃の温
度範囲で保持せしめ重合成型することにより、或は、注
入後型枠ごと30〜50℃の温度範囲で加圧重合せしめ
る等の方法を用いることによって印章材が製造出来る。
重合用の触媒であれば良い。例えば、過酸化ベンゾイル
又は過酸化ベンゾイル−アミン等の重合触媒を使用する
ことが出来る。重合触媒の添加量は0.1〜3重量%で
ある。0.1重量%未満では重合反応に時間がかかりす
ぎ、特にその添加量が少ない場合重合反応が不十分とな
り、出来上がった印章材は柔らかくなりすぎる。一方、
3重量%を上廻る場合、重合反応が急激に起こる為、型
枠内に注型する前に硬化し始めたり、出来上がった印章
材の内部に気泡が発生しやすくなったりする。本発明に
おいて、上記各成分以外に顔料及び各種安定化剤等を添
加することが出来る。例えば、顔料としては、弁柄、紺
青、酸化チタニウム、亜鉛華、カーボン等を、又、安定
化剤としては、紫外線吸収剤、無機粉末の分散剤、粘性
調整剤等を挙げる事が出来る。上記各成分は、その後、
混合し、重合反応により硬化させ、本発明の印章材とな
る。混合は、乳鉢、ホモディスパー、ボールミル等の通
常実施されている混合法でよい。その後、所望の型枠中
にこの混合物を注入し、好ましくは30〜110℃の温
度範囲で保持せしめ重合成型することにより、或は、注
入後型枠ごと30〜50℃の温度範囲で加圧重合せしめ
る等の方法を用いることによって印章材が製造出来る。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば、(メタ)アクリル酸エ
ステル系重合体をマトリックス樹脂とし、ヒドロキシア
パタイト粉末が均一に分散された極めて優れ細部に渡る
印刻をも可能な印章材が得られる。以下実施例を挙げ、
本発明を更に詳細に説明する。
ステル系重合体をマトリックス樹脂とし、ヒドロキシア
パタイト粉末が均一に分散された極めて優れ細部に渡る
印刻をも可能な印章材が得られる。以下実施例を挙げ、
本発明を更に詳細に説明する。
【0011】
[実施例1]先ずヒドロキシアパタイト表面を親油性に
改質する。気孔率60%の天然ヒドロキシアパタイトを
10倍量のメタノール中に分散させ、シランカップリン
グ剤LS−3380(信越化学製)をヒドロキシアパタ
イト粉末に対し1重量%及び0.1N塩酸を全体量の1
重量%添加した。1時間の混合攪拌後濾過、乾燥し、メ
タノール成分を完全に除去した。こうして表面処理を施
したヒドロキシアパタイト粉末を得た。次いで、前処理
にて得たヒドロキシアパタイト粉末と(メタ)アクリル
酸エステル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体及び重合触媒を重量比10:20:69:1となる
よう乳鉢にて30分混合した。尚、ここで重合触媒は乳
鉢混合が終了する直前に混合した。本実施例で用いた
(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末はポリメタク
リル酸メチルエステルを、(メタ)アクリル酸エステル
系単量体はメタクリル酸メチルエステルとトリメチロー
ルプロパントリメタクリレートを重量比98:2の混合
物を、重合触媒は過酸化ベンゾイル及びパラトリルジエ
タノールアミンを使用した。次いで、この混合物を直径
16mm、深さ80mmのポリプロピレン製型枠に注入
し、振動により脱泡後、30℃の水中にいれ、300k
g/cm2 の加圧下、重合せしめた。次いで、得られた
硬化体を旋盤及び研磨機にて直径15mm、長さ60m
mの印章形状に形成した。
改質する。気孔率60%の天然ヒドロキシアパタイトを
10倍量のメタノール中に分散させ、シランカップリン
グ剤LS−3380(信越化学製)をヒドロキシアパタ
イト粉末に対し1重量%及び0.1N塩酸を全体量の1
重量%添加した。1時間の混合攪拌後濾過、乾燥し、メ
タノール成分を完全に除去した。こうして表面処理を施
したヒドロキシアパタイト粉末を得た。次いで、前処理
にて得たヒドロキシアパタイト粉末と(メタ)アクリル
酸エステル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系単
量体及び重合触媒を重量比10:20:69:1となる
よう乳鉢にて30分混合した。尚、ここで重合触媒は乳
鉢混合が終了する直前に混合した。本実施例で用いた
(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末はポリメタク
リル酸メチルエステルを、(メタ)アクリル酸エステル
系単量体はメタクリル酸メチルエステルとトリメチロー
ルプロパントリメタクリレートを重量比98:2の混合
物を、重合触媒は過酸化ベンゾイル及びパラトリルジエ
タノールアミンを使用した。次いで、この混合物を直径
16mm、深さ80mmのポリプロピレン製型枠に注入
し、振動により脱泡後、30℃の水中にいれ、300k
g/cm2 の加圧下、重合せしめた。次いで、得られた
硬化体を旋盤及び研磨機にて直径15mm、長さ60m
mの印章形状に形成した。
【0012】上述の作業時における成型性、及び、得ら
れた印章の印刻性を以下に示す基準にて評価した。尚、
比較例として表面処理を施さなかったヒドロキシアパタ
イト粉末についても同様に印章を成型し、評価した。 成型性の評価 ×:得られた混合物がペースト状となり鋳型成型が困難
となる。 ○:得られた混合物がスラリー状又はシラップ状となり
容易に鋳型成型出来る。 印刻性の評価 ×1:印章が硬過ぎる為、印刻時に刃を傷め、印刻が困
難である。 ×2:印章が柔らか過ぎる為、印刻時に刃に切り屑がま
とわりつき印刻しずらい。 △1:印章が若干硬過ぎる為、印刻時に刃を傷め易く、
細部の印刻が困難である。 △2:印章が若干柔らか過ぎる為、印刻時に刃に切り屑
がまとわりつくことがあり印刻に時間を要する。 ○:問題なく印刻できる。 ◎:特に優れた印刻性を示した。 結果を表1に示す。
れた印章の印刻性を以下に示す基準にて評価した。尚、
比較例として表面処理を施さなかったヒドロキシアパタ
イト粉末についても同様に印章を成型し、評価した。 成型性の評価 ×:得られた混合物がペースト状となり鋳型成型が困難
となる。 ○:得られた混合物がスラリー状又はシラップ状となり
容易に鋳型成型出来る。 印刻性の評価 ×1:印章が硬過ぎる為、印刻時に刃を傷め、印刻が困
難である。 ×2:印章が柔らか過ぎる為、印刻時に刃に切り屑がま
とわりつき印刻しずらい。 △1:印章が若干硬過ぎる為、印刻時に刃を傷め易く、
細部の印刻が困難である。 △2:印章が若干柔らか過ぎる為、印刻時に刃に切り屑
がまとわりつくことがあり印刻に時間を要する。 ○:問題なく印刻できる。 ◎:特に優れた印刻性を示した。 結果を表1に示す。
【表1】 以上の結果から、ヒドロキシアパタイト粉末は親油性表
面処理する必要があることがわかる。
面処理する必要があることがわかる。
【0013】[実施例2]ヒドロキシアパタイト粉末の
気孔率を700〜1200℃の熱処理によって順次変化
させる以外は実施例1に従い印章材を作製し評価した。
結果を表2に示す。
気孔率を700〜1200℃の熱処理によって順次変化
させる以外は実施例1に従い印章材を作製し評価した。
結果を表2に示す。
【表2】 以上の結果から本発明のヒドロキシアパタイト粉末の気
孔率は40〜80%が好適であることがわかる。
孔率は40〜80%が好適であることがわかる。
【0014】[実施例3]ヒドロキシアパタイト粉末と
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体及び重合触媒の配合量をそれぞれ
表3に示す各値とする事と、ヒドロキシアパタイト粉末
をオクチルアルコール中にて沸点で10時間還流処理を
行なう事以外は実施例1と同様に印章材を作製し、評価
した。尚、ここで使用したヒドロキシアパタイト粉末の
気孔率は65%である。結果を表3に示す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体及び重合触媒の配合量をそれぞれ
表3に示す各値とする事と、ヒドロキシアパタイト粉末
をオクチルアルコール中にて沸点で10時間還流処理を
行なう事以外は実施例1と同様に印章材を作製し、評価
した。尚、ここで使用したヒドロキシアパタイト粉末の
気孔率は65%である。結果を表3に示す。
【表3】 以上の結果から本発明におけるヒドロキシアパタイト粉
末の添加量は5〜20重量%が好適であることがわか
る。
末の添加量は5〜20重量%が好適であることがわか
る。
【0015】[実施例4]ヒドロキシアパタイト粉末と
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体及び重合触媒の配合量をそれぞれ
表4に示す各値とする以外は実施例1と同様に印章材を
作製し、評価した。尚、ここで使用したヒドロキシアパ
タイト粉末の気孔率は60%のものを、表面処理として
チタンカップリング(KR−55、味の素製)使用し
た。結果を表4に示す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体及び重合触媒の配合量をそれぞれ
表4に示す各値とする以外は実施例1と同様に印章材を
作製し、評価した。尚、ここで使用したヒドロキシアパ
タイト粉末の気孔率は60%のものを、表面処理として
チタンカップリング(KR−55、味の素製)使用し
た。結果を表4に示す。
【表4】 以上の結果から本発明における(メタ)アクリル酸エス
テル系重合体の添加量は5〜30重量%、又、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体の添加量は55〜85重量
%が好適であることがわかる。
テル系重合体の添加量は5〜30重量%、又、(メタ)
アクリル酸エステル系単量体の添加量は55〜85重量
%が好適であることがわかる。
【0016】[実施例5]ヒドロキシアパタイト粉末と
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体及び重合触媒の配合量をそれぞれ
表5に示す各値とする以外は実施例1と同様に印章材を
作製し、評価した。尚、ここで使用したヒドロキシアパ
タイト粉末の気孔率は70%のものを、表面処理として
シランカップリング(LS−3380、信越化学製)使
用した。結果を表5に示す。
(メタ)アクリル酸エステル系重合体、(メタ)アクリ
ル酸エステル系単量体及び重合触媒の配合量をそれぞれ
表5に示す各値とする以外は実施例1と同様に印章材を
作製し、評価した。尚、ここで使用したヒドロキシアパ
タイト粉末の気孔率は70%のものを、表面処理として
シランカップリング(LS−3380、信越化学製)使
用した。結果を表5に示す。
【表5】 以上の結果から、本発明における重合触媒の添加量は
0.1〜3重量%が好適であることがわかる。
0.1〜3重量%が好適であることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/06 LHU 7921−4J //(C04B 26/06 14:36 2102−4G 24:26) 2102−4G
Claims (1)
- 【請求項1】 (A)親油性表面処理を施し、且つ気孔
率が40〜80%のヒドロキシアパタイト粉末5〜20
重量部 (B)(メタ)アクリル酸エステル系重合体粉末5〜3
0重量部 (C)(メタ)アクリル酸エステル系重合体55〜85
重量部 を含むことを特徴とする印章材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27320891A JPH0577539A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 印章材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27320891A JPH0577539A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 印章材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0577539A true JPH0577539A (ja) | 1993-03-30 |
Family
ID=17524607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27320891A Pending JPH0577539A (ja) | 1991-09-24 | 1991-09-24 | 印章材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0577539A (ja) |
-
1991
- 1991-09-24 JP JP27320891A patent/JPH0577539A/ja active Pending
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