JPH0577156B2 - - Google Patents
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- JPH0577156B2 JPH0577156B2 JP61198522A JP19852286A JPH0577156B2 JP H0577156 B2 JPH0577156 B2 JP H0577156B2 JP 61198522 A JP61198522 A JP 61198522A JP 19852286 A JP19852286 A JP 19852286A JP H0577156 B2 JPH0577156 B2 JP H0577156B2
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Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
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- H01M10/00—Secondary cells; Manufacture thereof
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-
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Description
(産業上の利用分野)
本発明はリザーバー(陰極容器)内及び固体電
解質管内に充填されているウイツクの種類及び充
填状態を改良したナトリウム−硫黄電池に関する
ものである。 (従来の技術) 最近電気自動車用、夜間電力貯蔵用及び宇宙ロ
ケツト用の二次電池としてナトリウム−硫黄電池
の研究開発が進められている。 ナトリウム−硫黄電池は鉛蓄電池に比べて理論
エネルギー密度が高く、充放電時における水素や
酸素の発生といつた副反応もなく、活物質の利用
率も高いという特徴を有している。ナトリウム−
硫黄電池は陽極に溶融硫黄、陰極に溶融金属ナト
リウム及びこの両者を隔離し、ナトリウムイオン
に対して選択的な透過性を有するβ−アルミナ製
の固体電解質からなつており、放電時には次のよ
うな反応によつてナトリウムイオンが固体電解質
を透過して陽極の硫黄と反応し、多硫化ナトリウ
ムを生成する。 2Na+xS→Na2Sx また、充電時には放電時とは逆の反応が起こ
り、ナトリウム及び硫黄が生成される。 ナトリウム−硫黄電池の構造は、第6図に示す
ように、21は陽極端子、22は同陽極端子の上
端部に立設された円筒状の陽極容器、23は陽極
容器22の上端部に固着されたαアルミナ製の絶
縁板、24は同絶縁板23の内端部に密封固着さ
れ、下方へ延びる円筒状の袋管を形成するβアル
ミナ製の固体電解質管であつて、陰極作用物質で
あるナトリウムイオンを透過させる機能を有して
いる。25は上記絶縁板23の上端部に密封固着
された円筒状のリザーバー(陰極容器)、26は
同リザーバー25の上部蓋の中央部に固着された
リザーバー25を通して固体電解質管24底部ま
で延びた細長い陰極管で、同陰極管は陰極端子2
7を兼ねる。そして28は陽極作用物質である硫
黄を含んだカーボンマツト、29は陰極作用物質
である溶融ナトリウムを含浸させたステンレス製
のウイツクである。 このようなナトリウム−硫黄電池において、放
電時にはナトリウムは固体電解質管24を介して
陽極側へ移動し、それに伴つてリザーバー25内
のナトリウムは徐々に固体電解質管24内へ移動
する。 (発明が解決しようとする問題点) 従来、陰極作用物質のナトリウムが収容されて
いるリザーバー25及び固体電解質管24内に
は、通常安全対策として線径8μmの一種類のス
テンレス製ウイツクが一定の空孔率97%の割合で
充填されている。 このため電池の放電時又は充電時、特に放電時
において陰極作用物質であるナトリウムのリザー
バー25から固体電解質管24内への移動がスム
ーズではなくなり、ナトリウムの利用率が低くな
つて、電池の効率が低下するという問題点があつ
た。 発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明は前記問題点を解決するために、リザー
バー内及び固体電解質管内に所定線径のウイツク
を封入し、同リザーバー内における全ウイツクの
体積に対する空孔率を、同固体電解質管内におけ
る全ウイツクの体積に対する空孔率よりも大きく
するという構成を採用している。 (作用) 上記構成を採用したことにより、リザーバー内
の空孔率は相対的に固体電解質管内よりも大きく
なるため、陰極作用物質であるナトリウムの放電
時及び充電時におけるリザーバーと固体電解質管
との間の移動がスムーズになり、特に放電時にナ
トリウムがリザーバー内から固体電解質管内へス
ムーズに移動し、ナトリウムイオンとなつて陽極
に接する固体電解質面全体から均等に透過して陽
極容器内の硫黄と定常的に反応する。 (実施例) 次に本発明を具体化した一実施例を第1図及び
第2図を用いて説明する。 ナトリウム−硫黄電池の構造は第1図に示すよ
うに、1はナトリウム−硫黄電池の陽極端子、2
は同陽極端子1の上端部に立設された有底円筒状
で、クロマイジング処理された鉄製の陽極容器、
3は陽極容器2の外周側上端部に固着されたαア
ルミナ製の絶縁板、4は同絶縁板3の内端部に密
封固着され下方へ延びる円筒状の袋管を形成する
βアルミナ製の固体電解質管であつて、ナトリウ
ムイオンを放電時には固体電解質管4内から陽極
容器2内へ、充電時には逆に陽極容器2内から固
体電解質管4内へ自由に透過させる機能を有して
いる。 5は上記絶縁板3の上端部に密封固着立設さ
れ、その上部に蓋を有する円筒状のリザーバー、
6は同リザーバー5の上部蓋中央部に固着されリ
ザーバー5を通つて固体電解質管4底部まで下方
へ延びるステンレス又はニツケル製の円筒状の陰
極管で、陰極端子を兼ねる。8は前記陽極容器2
と固体電解質管4の間に充填された陽極作用物質
である硫黄を含んだカーボンマツト、9Aは固体
電解質管4内部に充填された線径の細いステンレ
ス製のウイツク、9Bはリザーバー内に充填され
た線径の太いステンレス製のウイツクである。ウ
イツク9Aの線径は5〜20μmの範囲内で例えば
8μmが好ましい。線径20μmを越えるとウイツク
の各素線で形成されるポアサイズが大きくなるた
め、ナトリウムの流動性が良くなり、固体電解質
管破損時にナトリウムが流出し易く、十分な安全
性が確保しにくい。また、5μm未満ではポアサ
イズが極端に小さくなるためナトリウムの流動性
が悪くなりナトリウムの利用率が低下する。ウイ
ツク9Bの線径は20〜50μmである。線径50μm
を越えると線径が太いため作業性が悪く、均一に
充填し難い。ウイツクの充填密度を示す空孔率は
ウイツク9A、ウイツク9Bともに97%である。 前記固体電解質管4の材料であるβ″アルミナは
Na2O・5Al2O3なる化学組成を有し、βアルミナ
(Na2O,11Al2O3)に比べてナトリウムイオンが
通りやすく、電気抵抗が低い。 陰極作用物質であるナトリウムは前記陰極管6
内を通じてウイツク9A、ウイツク9Bへと注入
される。ナトリウム−硫黄電池の放電時には固体
電解質管4内のウイツク9Aに含まれたナトリウ
ムが固体電解質を介して陽極容器2内へ移動し、
それによつて固体電解質管4内のナトリウムが減
少するので、その減少分に相当する分だけウイツ
ク9Bに含まれたナトリウムが固体電解質管4内
に移動する。 本発明のナトリウム−硫黄電池は上記のように
構成するか又は第2図に示すように、固体電解質
管4内及びリザーバー5内のウイツクの線径を変
えないで同一とし、リザーバー5内のウイツクの
空孔率を固体電解質管4内のウイツクの空孔率よ
り高くするように構成することができる。その場
合のウイツクの線径は5〜50μmの範囲内であ
り、空孔率はリザーバー5内が98〜100%、固体
電解質管4内が98%未満例えば97%である。な
お、ウイツクの空孔率が98%以上では固体電解質
管破損時にナトリウムが流出するため充分な安全
性が確保できない。 次に上記実施例の作用について説明する。 ナトリウム−硫黄電池は通常300〜400℃で効率
的に作動し、陰極作用物質としての液体ナトリウ
ムは陰極管6内を通じて固体電解質管4内及びリ
ザーバー5内に充填され、ナトリウム−硫黄電池
の放電時には固体電解質管4内のナトリウムがナ
トリウムイオンとなつてナトリウムイオン透過性
の固体電解質を透過して陽極容器2内へ移動し
て、次式の電気化学反応に基づき硫黄と反応し多
硫化ナトリウムを生成する。そして、約1.9Vの
放電電圧が得られる。 2Na+xS→Na2Sx 放電が継続される場合には、固体電解質管4内
のナトリウムが減少するため、その減少分に相当
するナトリウムが徐々にリザーバー5内から補給
される。 その際本実施例ではリザーバー5内のウイツク
9Bの線径が固体電解質管4内のウイツク9Aの
線径よりも太いか又はリザーバー5内のウイツク
10Bの空孔率が固体電解質管4内のウイツク1
0Aの空孔率よりも高いので、ナトリウムのリザ
ーバー5から固体電解質管4への移動が極めてス
ムーズに行われる。その効果を第3図、第4図に
示す。 第3図はリザーバー内のウイツク線径とナトリ
ウム利用率の関係を表わすもので、Aは固体電解
質管内のウイツク線径が8μm、Bは20μmで、固
体電解質管内及びリザーバー内のウイツクの空孔
率がいずれも97%である。 第4図はリザーバー内のウイツク空孔率とナト
リウム利用率の関係を表わし、A,B,Cはそれ
ぞれ次の条件を表わす。 固体電解質管内の 固体電解質管内の ウイツク空孔率 ウイツクの線径 (%) (μm) A 97 8 B 96 8 C 98 8 固体電解質管内のウイツクの線径を一定とし、
リザーバー内のウイツクの線径を変えた場合、ナ
トリウムの利用率は第3図に示すようにリザーバ
ー内のウイツクの線径が20μm以上で良好な特性
を示した。 なお、固体電解質管内のウイツクの線径は8μ
m、20μmでもこの特性はほぼ同等であつた。 一方、固体電解質管内のウイツクの空孔率を一
定とし、リザーバー内のウイツクの空孔率を変え
た場合、ナトリウムの利用率は第4図に示すよう
に、リザーバー内のウイツクの空孔率が98%以上
で良好な特性を示した。 なお、固体電解質管内のウイツクの空孔率が96
〜98%でもこの特性はほぼ同等であつた。 放電が終了し、続いて充電が行われると、陽極
容器2内において前記反応とは逆の反応が起こつ
て多硫化ナトリウムが分解し、陽極には硫黄が生
成しナトリウムイオンは再び固体電解質を透過し
て固体電解質管4内へ移動し、固体電解質管4内
表面で電気化学反応により再びナトリウムに戻
る。充電が継続されると生成したナトリウムは固
体電解質管4内を満たし、さらにリザーバー5内
へと移動する。充電時の印加電圧は約1.9〜2.3V
を要する。本実施例で作成したナトリウム−硫黄
電池を、電流密度50mA/cm2で充放電したときの
容量−電圧特性は第5図に示す通りであり、電池
の容量および電池電圧は従来電池に比べ大巾に向
上した。 なお、第5図における条件は次の通りである。
解質管内に充填されているウイツクの種類及び充
填状態を改良したナトリウム−硫黄電池に関する
ものである。 (従来の技術) 最近電気自動車用、夜間電力貯蔵用及び宇宙ロ
ケツト用の二次電池としてナトリウム−硫黄電池
の研究開発が進められている。 ナトリウム−硫黄電池は鉛蓄電池に比べて理論
エネルギー密度が高く、充放電時における水素や
酸素の発生といつた副反応もなく、活物質の利用
率も高いという特徴を有している。ナトリウム−
硫黄電池は陽極に溶融硫黄、陰極に溶融金属ナト
リウム及びこの両者を隔離し、ナトリウムイオン
に対して選択的な透過性を有するβ−アルミナ製
の固体電解質からなつており、放電時には次のよ
うな反応によつてナトリウムイオンが固体電解質
を透過して陽極の硫黄と反応し、多硫化ナトリウ
ムを生成する。 2Na+xS→Na2Sx また、充電時には放電時とは逆の反応が起こ
り、ナトリウム及び硫黄が生成される。 ナトリウム−硫黄電池の構造は、第6図に示す
ように、21は陽極端子、22は同陽極端子の上
端部に立設された円筒状の陽極容器、23は陽極
容器22の上端部に固着されたαアルミナ製の絶
縁板、24は同絶縁板23の内端部に密封固着さ
れ、下方へ延びる円筒状の袋管を形成するβアル
ミナ製の固体電解質管であつて、陰極作用物質で
あるナトリウムイオンを透過させる機能を有して
いる。25は上記絶縁板23の上端部に密封固着
された円筒状のリザーバー(陰極容器)、26は
同リザーバー25の上部蓋の中央部に固着された
リザーバー25を通して固体電解質管24底部ま
で延びた細長い陰極管で、同陰極管は陰極端子2
7を兼ねる。そして28は陽極作用物質である硫
黄を含んだカーボンマツト、29は陰極作用物質
である溶融ナトリウムを含浸させたステンレス製
のウイツクである。 このようなナトリウム−硫黄電池において、放
電時にはナトリウムは固体電解質管24を介して
陽極側へ移動し、それに伴つてリザーバー25内
のナトリウムは徐々に固体電解質管24内へ移動
する。 (発明が解決しようとする問題点) 従来、陰極作用物質のナトリウムが収容されて
いるリザーバー25及び固体電解質管24内に
は、通常安全対策として線径8μmの一種類のス
テンレス製ウイツクが一定の空孔率97%の割合で
充填されている。 このため電池の放電時又は充電時、特に放電時
において陰極作用物質であるナトリウムのリザー
バー25から固体電解質管24内への移動がスム
ーズではなくなり、ナトリウムの利用率が低くな
つて、電池の効率が低下するという問題点があつ
た。 発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明は前記問題点を解決するために、リザー
バー内及び固体電解質管内に所定線径のウイツク
を封入し、同リザーバー内における全ウイツクの
体積に対する空孔率を、同固体電解質管内におけ
る全ウイツクの体積に対する空孔率よりも大きく
するという構成を採用している。 (作用) 上記構成を採用したことにより、リザーバー内
の空孔率は相対的に固体電解質管内よりも大きく
なるため、陰極作用物質であるナトリウムの放電
時及び充電時におけるリザーバーと固体電解質管
との間の移動がスムーズになり、特に放電時にナ
トリウムがリザーバー内から固体電解質管内へス
ムーズに移動し、ナトリウムイオンとなつて陽極
に接する固体電解質面全体から均等に透過して陽
極容器内の硫黄と定常的に反応する。 (実施例) 次に本発明を具体化した一実施例を第1図及び
第2図を用いて説明する。 ナトリウム−硫黄電池の構造は第1図に示すよ
うに、1はナトリウム−硫黄電池の陽極端子、2
は同陽極端子1の上端部に立設された有底円筒状
で、クロマイジング処理された鉄製の陽極容器、
3は陽極容器2の外周側上端部に固着されたαア
ルミナ製の絶縁板、4は同絶縁板3の内端部に密
封固着され下方へ延びる円筒状の袋管を形成する
βアルミナ製の固体電解質管であつて、ナトリウ
ムイオンを放電時には固体電解質管4内から陽極
容器2内へ、充電時には逆に陽極容器2内から固
体電解質管4内へ自由に透過させる機能を有して
いる。 5は上記絶縁板3の上端部に密封固着立設さ
れ、その上部に蓋を有する円筒状のリザーバー、
6は同リザーバー5の上部蓋中央部に固着されリ
ザーバー5を通つて固体電解質管4底部まで下方
へ延びるステンレス又はニツケル製の円筒状の陰
極管で、陰極端子を兼ねる。8は前記陽極容器2
と固体電解質管4の間に充填された陽極作用物質
である硫黄を含んだカーボンマツト、9Aは固体
電解質管4内部に充填された線径の細いステンレ
ス製のウイツク、9Bはリザーバー内に充填され
た線径の太いステンレス製のウイツクである。ウ
イツク9Aの線径は5〜20μmの範囲内で例えば
8μmが好ましい。線径20μmを越えるとウイツク
の各素線で形成されるポアサイズが大きくなるた
め、ナトリウムの流動性が良くなり、固体電解質
管破損時にナトリウムが流出し易く、十分な安全
性が確保しにくい。また、5μm未満ではポアサ
イズが極端に小さくなるためナトリウムの流動性
が悪くなりナトリウムの利用率が低下する。ウイ
ツク9Bの線径は20〜50μmである。線径50μm
を越えると線径が太いため作業性が悪く、均一に
充填し難い。ウイツクの充填密度を示す空孔率は
ウイツク9A、ウイツク9Bともに97%である。 前記固体電解質管4の材料であるβ″アルミナは
Na2O・5Al2O3なる化学組成を有し、βアルミナ
(Na2O,11Al2O3)に比べてナトリウムイオンが
通りやすく、電気抵抗が低い。 陰極作用物質であるナトリウムは前記陰極管6
内を通じてウイツク9A、ウイツク9Bへと注入
される。ナトリウム−硫黄電池の放電時には固体
電解質管4内のウイツク9Aに含まれたナトリウ
ムが固体電解質を介して陽極容器2内へ移動し、
それによつて固体電解質管4内のナトリウムが減
少するので、その減少分に相当する分だけウイツ
ク9Bに含まれたナトリウムが固体電解質管4内
に移動する。 本発明のナトリウム−硫黄電池は上記のように
構成するか又は第2図に示すように、固体電解質
管4内及びリザーバー5内のウイツクの線径を変
えないで同一とし、リザーバー5内のウイツクの
空孔率を固体電解質管4内のウイツクの空孔率よ
り高くするように構成することができる。その場
合のウイツクの線径は5〜50μmの範囲内であ
り、空孔率はリザーバー5内が98〜100%、固体
電解質管4内が98%未満例えば97%である。な
お、ウイツクの空孔率が98%以上では固体電解質
管破損時にナトリウムが流出するため充分な安全
性が確保できない。 次に上記実施例の作用について説明する。 ナトリウム−硫黄電池は通常300〜400℃で効率
的に作動し、陰極作用物質としての液体ナトリウ
ムは陰極管6内を通じて固体電解質管4内及びリ
ザーバー5内に充填され、ナトリウム−硫黄電池
の放電時には固体電解質管4内のナトリウムがナ
トリウムイオンとなつてナトリウムイオン透過性
の固体電解質を透過して陽極容器2内へ移動し
て、次式の電気化学反応に基づき硫黄と反応し多
硫化ナトリウムを生成する。そして、約1.9Vの
放電電圧が得られる。 2Na+xS→Na2Sx 放電が継続される場合には、固体電解質管4内
のナトリウムが減少するため、その減少分に相当
するナトリウムが徐々にリザーバー5内から補給
される。 その際本実施例ではリザーバー5内のウイツク
9Bの線径が固体電解質管4内のウイツク9Aの
線径よりも太いか又はリザーバー5内のウイツク
10Bの空孔率が固体電解質管4内のウイツク1
0Aの空孔率よりも高いので、ナトリウムのリザ
ーバー5から固体電解質管4への移動が極めてス
ムーズに行われる。その効果を第3図、第4図に
示す。 第3図はリザーバー内のウイツク線径とナトリ
ウム利用率の関係を表わすもので、Aは固体電解
質管内のウイツク線径が8μm、Bは20μmで、固
体電解質管内及びリザーバー内のウイツクの空孔
率がいずれも97%である。 第4図はリザーバー内のウイツク空孔率とナト
リウム利用率の関係を表わし、A,B,Cはそれ
ぞれ次の条件を表わす。 固体電解質管内の 固体電解質管内の ウイツク空孔率 ウイツクの線径 (%) (μm) A 97 8 B 96 8 C 98 8 固体電解質管内のウイツクの線径を一定とし、
リザーバー内のウイツクの線径を変えた場合、ナ
トリウムの利用率は第3図に示すようにリザーバ
ー内のウイツクの線径が20μm以上で良好な特性
を示した。 なお、固体電解質管内のウイツクの線径は8μ
m、20μmでもこの特性はほぼ同等であつた。 一方、固体電解質管内のウイツクの空孔率を一
定とし、リザーバー内のウイツクの空孔率を変え
た場合、ナトリウムの利用率は第4図に示すよう
に、リザーバー内のウイツクの空孔率が98%以上
で良好な特性を示した。 なお、固体電解質管内のウイツクの空孔率が96
〜98%でもこの特性はほぼ同等であつた。 放電が終了し、続いて充電が行われると、陽極
容器2内において前記反応とは逆の反応が起こつ
て多硫化ナトリウムが分解し、陽極には硫黄が生
成しナトリウムイオンは再び固体電解質を透過し
て固体電解質管4内へ移動し、固体電解質管4内
表面で電気化学反応により再びナトリウムに戻
る。充電が継続されると生成したナトリウムは固
体電解質管4内を満たし、さらにリザーバー5内
へと移動する。充電時の印加電圧は約1.9〜2.3V
を要する。本実施例で作成したナトリウム−硫黄
電池を、電流密度50mA/cm2で充放電したときの
容量−電圧特性は第5図に示す通りであり、電池
の容量および電池電圧は従来電池に比べ大巾に向
上した。 なお、第5図における条件は次の通りである。
【表】
なお、ステンレス製のウイツクは固体電解質管
4が破損した際ナトリウムの漏れを防止するとと
もに、固体電解質管4内のナトリウムを毛細管現
象によつてその内面に対し均一に供給する機能を
有している。 ナトリウム−硫黄電池には上記のような放電と
充電の繰返しによつてその機能を果しているの
で、反応にあづかるナトリウムの移動の難易は電
池の容量、電池の効率の点から最も重要である。
即ち、反応に関与するナトリウムが不足するとそ
の分だけ電池内部抵抗が増加し、充電電力に対す
る放電電力の割合で表される充放電の電力効率が
低下するとともに、電池容量が減少するために活
物質単位重量当りの電力で表されるエネルギー効
率も低下する。 また、反応にあづかるナトリウムの移動の難易
は電池の容量変動、電圧変動にも影響する。即
ち、反応に関与するナトリウムが不足すると陰極
の抵抗が大きくなつて電池の容量が変動し、また
電池の電圧が低下する。 発明の効果 本発明によれば、ナトリウム−硫黄電池におけ
るナトリウムの利用率のアツプ、内部抵抗の安定
化すなわち電池の容量アツプ、電池効率のアツプ
をはかることができるとともに、電池の容量変
動、電圧変動が小さく、特性の安定した電池が得
られ、さらに電池相互の容量のバラツキを減少さ
せることができるという優れた効果を奏する。
4が破損した際ナトリウムの漏れを防止するとと
もに、固体電解質管4内のナトリウムを毛細管現
象によつてその内面に対し均一に供給する機能を
有している。 ナトリウム−硫黄電池には上記のような放電と
充電の繰返しによつてその機能を果しているの
で、反応にあづかるナトリウムの移動の難易は電
池の容量、電池の効率の点から最も重要である。
即ち、反応に関与するナトリウムが不足するとそ
の分だけ電池内部抵抗が増加し、充電電力に対す
る放電電力の割合で表される充放電の電力効率が
低下するとともに、電池容量が減少するために活
物質単位重量当りの電力で表されるエネルギー効
率も低下する。 また、反応にあづかるナトリウムの移動の難易
は電池の容量変動、電圧変動にも影響する。即
ち、反応に関与するナトリウムが不足すると陰極
の抵抗が大きくなつて電池の容量が変動し、また
電池の電圧が低下する。 発明の効果 本発明によれば、ナトリウム−硫黄電池におけ
るナトリウムの利用率のアツプ、内部抵抗の安定
化すなわち電池の容量アツプ、電池効率のアツプ
をはかることができるとともに、電池の容量変
動、電圧変動が小さく、特性の安定した電池が得
られ、さらに電池相互の容量のバラツキを減少さ
せることができるという優れた効果を奏する。
第1図は本発明の一実施例を示すナトリウム−
硫黄電池の概略縦断面図、第2図は本発明の別例
を示すナトリウム−硫黄電池の概略縦断面図、第
3図はリザーバー内のウイツク線径とナトリウム
利用率の関係を示すグラフ、第4図はリザーバー
内のウイツク空孔率とナトリウム利用率の関係を
示すグラフ、第5図は電池の充放電特性を示すグ
ラフ、第6図は従来のナトリウム−硫黄電池の概
略縦断面図である。 2……陽極容器、4……固体電解質管、5……
リザーバー、9A……線径の細いウイツク、9B
……線径の太いウイツク、10A……固体電解質
管内の空孔率の低いウイツク、10B……リザー
バー内の空孔率の高いウイツク。
硫黄電池の概略縦断面図、第2図は本発明の別例
を示すナトリウム−硫黄電池の概略縦断面図、第
3図はリザーバー内のウイツク線径とナトリウム
利用率の関係を示すグラフ、第4図はリザーバー
内のウイツク空孔率とナトリウム利用率の関係を
示すグラフ、第5図は電池の充放電特性を示すグ
ラフ、第6図は従来のナトリウム−硫黄電池の概
略縦断面図である。 2……陽極容器、4……固体電解質管、5……
リザーバー、9A……線径の細いウイツク、9B
……線径の太いウイツク、10A……固体電解質
管内の空孔率の低いウイツク、10B……リザー
バー内の空孔率の高いウイツク。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 リザーバー5内及び固体電解質管4内に所定
線径のウイツクを封入し、同リザーバー5内にお
ける全ウイツクの体積に対する空孔率を、同固体
電解質管4内における全ウイツクの体積に対する
空孔率よりも大きくしたことを特徴とするナトリ
ウム−硫黄電池。 2 前記リザーバー5内のウイツクの線径を20〜
50μmとし、前記固体電解質管4内のウイツクの
線径を5〜20μmとして同リザーバー5内におけ
る全ウイツクの体積に対する空孔率を、同固体電
解質管4内における全ウイツクの体積に対する空
孔率よりも大きくした特許請求の範囲第1項に記
載のナトリウム−硫黄電池。 3 前記リザーバー5内のウイツクの空孔率を98
〜100%とし、前記固体電解質管4内のウイツク
の空孔率を98%未満とした特許請求の範囲第1項
に記載のナトリウム−硫黄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61198522A JPS6353865A (ja) | 1986-08-25 | 1986-08-25 | ナトリウム−硫黄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61198522A JPS6353865A (ja) | 1986-08-25 | 1986-08-25 | ナトリウム−硫黄電池 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6353865A JPS6353865A (ja) | 1988-03-08 |
JPH0577156B2 true JPH0577156B2 (ja) | 1993-10-26 |
Family
ID=16392538
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61198522A Granted JPS6353865A (ja) | 1986-08-25 | 1986-08-25 | ナトリウム−硫黄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS6353865A (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0495164A (ja) * | 1990-08-07 | 1992-03-27 | Nec Corp | 電子ファイリング装置の文書管理システム |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6012680A (ja) * | 1983-07-01 | 1985-01-23 | Yuasa Battery Co Ltd | ナトリウム−硫黄電池 |
JPS6151774A (ja) * | 1984-08-22 | 1986-03-14 | Hitachi Ltd | ナトリウム−硫黄電池 |
-
1986
- 1986-08-25 JP JP61198522A patent/JPS6353865A/ja active Granted
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6012680A (ja) * | 1983-07-01 | 1985-01-23 | Yuasa Battery Co Ltd | ナトリウム−硫黄電池 |
JPS6151774A (ja) * | 1984-08-22 | 1986-03-14 | Hitachi Ltd | ナトリウム−硫黄電池 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6353865A (ja) | 1988-03-08 |
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