JPH057697Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔技術分野〕 この考案は棚下照明器具に関する。

〔背景技術〕

店舗などにおいては、陳列されている商品の照
明を行うために、第７図にみるように、照明ラン
プ（照明灯）が棚部材（棚板）の下側に設けられ
ている。

長尺物の前面カバー２が棚部材１の下側前部に
取り付けられていて、照明ランプ１５はこの前面
カバー２の裏側に配備されたソケツト３６に取り
付けられている。

この棚下照明の施工は、つぎのようにしてなさ
れる。

前面カバー２を、ビス３により棚部材１の下側
前部に固定する。照明ランプ１５のソケツト台３
５とソケツト３６を照明ランプ１５のピツチに合
わせて取りつけ、照明ランプ１５をソケツト３６
に嵌める。一方、照明ランプ１５用の安定器１６
は、前面カバー２や照明ランプ１５とは全く離れ
た奥側にビス３７によつて取り付けらる。

この後、続いて電気配線を行う。壁面３８に設
けられたコンセント（図示省略）と安定器１６の
間は、電源コード３９を配線する。安定器１６と
ソケツト３６の間は、接続子４１を使つて、電源
コード４０を配線する。通常、複数個の照明ラン
プ１５が連設されており、それぞれへ配線しなけ
ればならない。

従来は、上記のように、照明ランプ１５や安定
器１６が別々であり、それらの取り付けと配線作
業を現場で行なつていたので、施工が複雑で手間
や時間がかかり、施工自体も電気工事の資格を有
する者によらなければならなかつた。しかも、安
定器１６やコード類が目立つたりして、棚下が見
苦しくなつていた。

〔考案の目的〕

この考案は、前記事情に鑑み、現場施工が簡単
化できるとともに、電気工事の資格者でなくても
施工作業ができて、しかも、棚下の体裁も良くな
る棚下照明器具を提供することを目的とする。

〔考案の開示〕

前記目的を達成するため、この考案は、棚部材
の下側前部に取り付けられる前面カバー体の裏側
に照明灯用ソケツトが配備されるようになつてい
る棚下照明器具において、前記前面カバー体が前
側壁と同前側壁の上下両辺から後側に延びる上側
壁および下側壁とを有する断面略コ字状体に形成
されてその上側壁で棚部材の下側前部に取り付け
られ、前記前面カバー体の裏側に、一端側に送り
配線用コンセントを有し、前記照明灯用ソケツト
と安定器および前記送り配線用コンセントに適合
する電源コード付プラグを備えた照明器具本体が
前記前面カバー体の内部を覆うようにして着脱可
能に取り付けられるようになつているとともに、
前記電源コードが前記照明器具本体で覆われた前
面カバー体の内部に通されるようになつており、
電源コード付プラグが隣接する照明器具本体の送
り配線用コンセント設置側の一端で前面カバー体
の内部から引き出されて前記隣接する照明器具本
体の送り配線用コンセントに差し込まれることに
よつて送り配線がなされるようになつていること
を特徴とする棚下照明器具を要旨とする。

以下に、この考案にかかかる棚下照明器具を、
その実施例をあらわした図面を参照しながら詳し
く説明する。

第１図、この考案にかかる棚下照明器具の第１
実施例の施工済の状態を断面によつてあらわして
いる。第２図は、この棚下照明器具の照明器具本
体の外観をあらわしたものである。

棚下照明器具は、前面カバー２の内側に取り付
けられる照明器具本体Ｕを備えている。前面カバ
ー（前面カバー体）２は、木質材料の棚部材１の
下側前部にビス３止めされて固定されている。こ
の固定された前面カバー２に照明器具本体Ｕが取
り付けられている。

前面カバー２は、見栄えの良い表面を有する垂
直な前側壁４と、この前側壁４の上端から背部へ
向けて水平に突出する上側壁５と、前側壁４の下
端から前斜面壁６を介して奥側へ突出する下側壁
７とを備えている。つまり、前面カバー２は前側
壁４と同前側壁４の上下両辺から後側に延びる上
側壁５および下側壁７とを有する断面略コ字状体
である。前側壁４の裏面には、上下一対の突条部
８，８が形成されている。これら各突条部８の先
端には、Ｃ字形になつていて溝１０を有する嵌入
溝片９が一体に突設されている。嵌入溝片９の溝
１０の開口部は、前面カバー２の裏側へ向いてい
る。

照明器具本体Ｕは、安定器１６、ソケツト１
４、送り配線用配線器具であるコンセント２０、
および、電源導入用配線器具である電源コード１
８付差込プラグ１７が組み付けられている。照明
器具本体Ｕは、コの字形の取付部材１１を備えて
いる。この取付部材１１は、丸棒状の嵌入突片１
３を有する上下一対の突片１２，１２を一側に備
えている。突片１２の嵌入突片１３を前記嵌入溝
片９の溝１０内に嵌着させることによつて、照明
器具本体Ｕが前面カバー２に取り付けられる。嵌
入突片１３は、嵌入溝片９を弾性的に開きながら
溝１０に嵌着するようになつており、このため当
然に照明器具本体Ｕを逆に引けば嵌入溝片９が弾
性的に開き嵌入片１３が抜けて照明器具本体Ｕが
外れるから、同器具本体Ｕの着脱は自在であると
言える。

ソケツト１４，１４は取付部材１１の外部背面
に配備されていて、これらソケツト１４へ照明ラ
ンプ１５が取り付けられている。また、照明ラン
プ１５用の安定器１６は取付部材１１の内部空間
に取り付けられている。安定器１６には電源コー
ド１８が接続されている。電源コード１８の先端
の差込プラグ１７は、壁面や床面などのコンセン
トへ差し込まれる。電源コード１８は、前面カバ
ー２と取付部材１１の間に形成された隙間１９を
通つて引き出されている。

コンセント２０が取付部材１１の背面に組み付
けられている。差込プラグ１７、２２はコンセン
ト２０に適合している。コンセント２０へ隣設さ
れる照明器具本体Ｕから延びている電源コード２
１先端の差込プラグ２２が差し込むと、送り配線
がなされる。コンセント２０は送り配線用端子と
なつていて、差込プラグ１７から入る電力はコン
セント２０へ送られているのである。もちろん、
隣設される照明器具本体Ｕにも、コンセント２０
は組み付けられていて、連設される照明器具本体
Ｕは、隣のコンセントへ差込プラグをつなぐだけ
で配線が行えるようになつているのである。隣接
される照明器具本体Ｕにおいてもコード２１は隙
間１９を通される。

なお、取付部材１１の上下面は、第１図にみる
ように、前面カバー２の上側壁５と下側壁７に当
たつて前面カバー２内に嵌まりこむようになつて
いるので、照明器具本体Ｕは安定確実に支持され
ているが、嵌まり込まないようにしておいてもよ
い。

第３図および第４図は、第２実施例をあらわし
ている。

第２実施例の棚下照明器具は、照明器具本体Ｕ
と前面カバー２の取り付けがつぎのようにしてな
される。前面カバー２の裏面に設けられた突条部
２３の先端には半丸棒状の係合突片２４が設けら
れている。取付部材１１の前端近くには、上下に
対応するように一対を一組とする切り起し突片２
５が形成されている。この切り起し突片２５は、
上側壁５と突条部２３間と、下側壁７と突条部２
３間に差し込まれて各係合突片２４に係合するよ
うになつている。

第５図は、第３実施例をあらわしている。第３
実施例の棚下照明器具は、照明器具本体Ｕと前面
カバー２の取り付けがつぎのようにしてなされ
る。前面カバー２の上・下側壁５，７から掛合突
片２６が突設され、これら両掛合突片２６間に嵌
挿口２７が形成されている。取付部材１１の内部
には、板ばねによつてコの字形に形成された保持
部材２８が突設されていて、この保持部材２８の
前端に山形に屈曲して形成された掛入突片２９が
前記嵌挿口２７から差し込まれて掛合突片２６に
掛合するようになつている。

第６図は第４実施例をあらわしている。第４実
施例の棚下照明器具は、照明器具本体Ｕと前面カ
バー２の取り付けがつぎのようにしてなされる。
取付部材１１の内側の取付金具３１の掛合突起３
３を、前面カバー２の掛合突起３３に係止した状
態でセツトねじ３０で固定する。取り外す時は、
セツトねじ３０を弛めて、掛合突起３３と前端突
起３２の係合を外すことにより行う。

前記実施例１〜４の棚下照明器具では、棚部材
１に前面カバー２を固定し、あとは照明器具本体
Ｕを前面カバー２に嵌め込むだけで簡単に取付作
業が完成してしまう。しかも、照明器具本体Ｕに
は、送り配線用コンセントが組み付けられてお
り、連設する場合でも配線作業は極めて簡単で容
易なものとなる。これにより、電気工事の資格者
でなくとも一般の作業者でも施工を行うことがで
きるものである。改装にあたつての変更も容易で
ある。さらに、棚部材１の下側には、前部にコ字
状体に形成された前面カバー２が背面開口するよ
うにして取り付けられ、この前面カバー２の内部
（隙間１９）を覆うようにして前面カバー２の背
部に照明器具本体Ｕがコンパクトにまとまつて配
備されているとともに、電源コード１８や２１が
隙間１９を通されるので、体裁の良い仕上がりが
得られる。電源コードが配線しやすく、目立たな
いようにして配線できるので、美観が得られる。
電源コードはキヤブタイヤケーブルを使用する必
要がなく、一般の配線コードを使用できるので処
理が簡便である。棚、前面カバー、壁コンセント
や床コンセントなどが施設されていれば、後は商
品陳列後、電気工事の資格者ではない素人にもセ
ツテイングが可能であり、器具施工や結線の待ち
時間ロスがなくなる。また、インバータバラスト
展開時にも電線をシールドできるので、ノイズを
制限できる。

この考案は、以上の実施例に限定されない。例
えば、照明器具本体Ｕは、他の構造であつてもよ
い。

〔考案の効果〕

この考案にかかる棚下照明器具は、上に述べた
ような構成となつている。そのため、現場施工が
簡略化できるとともに、電気工事の資格者でなく
ても施工をすることができ、しかも、棚下が体裁
良くまとまるようになつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案にかかる棚下照明器具の一
実施例をあらわした断面図、第２図は、この棚下
照明器具の照明器具本体の外観斜視図、第３図
は、この考案にかかる棚下照明器具の第２実施例
をあらわした断面図、第４図は、切り起し突片付
の照明器具本体の取付部材をあらわした斜視図、
第５図は、第３実施例をあらわした断面図、第６
図は、第４実施例をあらわした断面図、第７図
は、従来の棚下照明の様子をあらわした断面図で
ある。 １……棚部材、２……前面カバー、１５……照
明ランプ、１６……安定器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 棚部材の下側前部に取り付けられる前面カバー
   体の裏側に照明灯用ソケツトが配備されるように
   なつている棚下照明器具において、前記前面カバ
   ー体が前側壁と同前側壁の上下両辺から後側に延
   びる上側壁および下側壁とを有する断面略コ字状
   体に形成されてその上側壁で棚部材の下側前部に
   取り付けられ、前記前面カバー体の裏側に、一端
   側に送り配線用コンセントを有し、前記照明灯用
   ソケツトと安定器および前記送り配線用コンセン
   トに適合する電源コード付プラグを備えた照明器
   具本体が前記前面カバー体の内部を覆うようにし
   て着脱可能に取り付けられるようになつていると
   ともに、前記電源コードから前記照明器具本体で
   覆われた前面カバー体の内部に通されるようにな
   つており、電源コード付プラグが隣接する照明器
   具本体の送り配線用コンセント設置側の一端で前
   面カバー体の内部から引き出されて前記隣接する
   照明器具本体の送り配線用コンセントに差し込ま
   れることによつて送り配線がなされるようになつ
   ていることを特徴とする棚下照明器具。