JPH0576441U - 香り発生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 香料を空気中に噴霧することなく，液体香料
を少量づつ気化させる制御性のよい香り発生装置を得
る。 【構成】 液体香料を収容した香料容器３と，気体透過
性材料層１３を上面に有する香料漏出容器４と，一端が
該香料容器３に，他端が該香料漏出容器４に接続された
香料搬送チユーブ５と，この香料搬送チユーブ５に介装
された微少流量ポンプ６と，前記の香料漏出容器４に空
気を送入する手段と，そして香料漏出容器４内から空気
を排気する手段と，からなる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は，液体香料を微少量づつ漏出・気化させることによって，空調空気や 室内空気に香りを付加するための香り発生装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

最近，空調空間に香りを付与する香り空調が注目され，各種の香料や香り付与 手段がこれまでに種々提案されている。このうち，香り付与手段について見ると 噴霧ノズルを用いて香料を噴霧する方式が最も代表的なものである。この場合， 適度な香料濃度と言われている室内空気中１ppm 以下の香料濃度にコントロール するために，香料を純水やアルコール等の溶媒によって希釈したうえで噴霧され るのが一般である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

香料を空気中に噴霧する方式では，噴霧できる最小量に限度があるので，前記 のように液体香料を溶媒等で希釈して噴霧されるが，最も代表的な溶媒であるア ルコール類は危険を伴うという問題がある。

【０００４】 これを回避するために純水で希釈されることも多いが，水の蒸発速度は遅いの で十分に蒸発せずに液垂れの問題が発生したり，また水の噴霧は潜熱負荷が増え たり湿度変化をもたらすという問題が付随する。

【０００５】 また，香料には油性のものも多いが，油性香料は水と混合し難いので界面活性 剤を用いて混合されているが，界面活性剤が居室内に吹き出してくるのは，あま り気持ちのよいものではない。

【０００６】 本考案は，空調空間に香りを付与するさいの，前記のような問題を解決しよう とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば，液体香料を収容した香料容器と，気体透過性材料層を上面に 有する香料漏出容器と，一端が該香料容器に，他端が該香料漏出容器に接続され た香料搬送チユーブと，この香料搬送チユーブに介装された微少流量ポンプと， 前記の香料漏出容器に空気を送入する手段と，そして香料漏出容器内から空気を 排気する手段と，からなる香り発生装置を提供する。

【０００８】

【作用】

微少流量ポンプは，香料容器内の液体香料をそのまま（溶媒等で希釈せずに） チューブ端の香料漏出容器に極めて少量づづ（0.01〜120ml/Hr）搬送する。香料 漏出容器内に少量づづ導出する液体香料はこの容器内で蒸発し，濃度の高い加香 空気が容器内に充満し，一部は気体通過性材料層を透過して外部に漏出する。調 和空気に香りを付与する場合には空気送入手段によって香料漏出容器内に空気を 送入する。これによって，容器内の加香空気は，送入空気がキヤリアとなってこ れと混合しつつ気体通過性材料層から外部に搬送放出される。香り付与を停止す る場合には，排気手段によって香料漏出容器内の加香空気を強制的に系外に排出 処理する。送入空気量または排気量を調節することによって付与する香りの濃度 制御を行うことができる。

【０００９】

【実施例】

図１は，本考案装置の一実施例を示したもので，調和空気を室内に搬送するダ クト１に本考案の香り発生装置を接続した例を示す。本例において，本考案の香 り発生装置は，液体香料２を収容した香料容器３と，気体透過性材料層を上面に 有する香料漏出容器４と，一端が香料容器３に他端が香料漏出容器４に接続され た香料搬送チユーブ５と，この香料搬送チユーブ５に介装された微少流量ポンプ ６と，香料漏出容器４に空気を送入する送気系７と，香料漏出容器４内から空気 を排気する排気系８を備えている。

【００１０】 香料容器３は，液体香料２を気密に収容するビンであり，この容器３の蓋には 液体香料をくみ出すチユーブ５と，逆止弁付の空気侵入管９が気密に貫通してい る。空気侵入管９は, 液体香料のくみ出しによる容器内の減圧を緩和するための ものである。チユーブ５には開閉弁10が取り付けてある。

【００１１】 微少流量ポンプ６は，図示の例では香料漏出容器４の近傍のチユーブ５に取り 付けられており，ポンプ停止中はこのポンプ６が逆止弁の役割を果たしている。 この微少流量ポンプ６は市場で入手できる装置であり，図示の例では，可撓性チ ユーブを外側から挟みながら一方向性に回転するローラでチユーブ内の液体を一 方向性に押し出すようにしたローラポンプを使用している。ローラはモータで回 転するが，ローラの回転速度を調節することによって押出し液量を微量調整でき る。なお，このような市場で入手可能な微少流量ポンプ６としては，ローラポン プのほか，チューブポンプ，ダイヤフラムポンプと呼ばれているものもある。い ずれにしても，このポンプは0.01〜120ml/Hrの範囲で流量制御ができるものがよ い。

【００１２】 チユーブ５には液フイルタカセット11を取替え可能に取り付ける。図示の例で は微少流量ポンプ６の吸込側位置のチユーブ５にこれを介装してある。

【００１３】 微少流量ポンプ６から近いところのチユーブ５の端は香料漏出容器４に接続さ れる。図１ではダクト１の外側に微少流量ポンプ６が，ダクト１の内側に香料漏 出容器４が設置されている。

【００１４】 香料漏出容器４は，図２に示すように，上面に気体透過性材料層13をもつ容器 である。図示の例では気体透過性材料層13が容器４の蓋に取付けられている。気 体透過性材料層13は空気のろ過に使用するフイルタ材料が使用されているが，多 孔性セラミック板や多孔性樹脂，繊維層等も使用できる。この容器４内にチユー ブ５の端が挿入され，この端から液体香料が微少量づつ導入される。

【００１５】 一方，この香料漏出容器４には給気口14を容器内に開口した送気管７と，吸入 口15を容器内に開口した排気管８が接続されている。送気管７は図１に見られる ように給気機16に接続されている。この給気機16の稼動によって圧縮空気が給気 口14から容器４内に吐出する。送気管７には高性能フイルタ17および中性能フイ ルタ18が介装されており，これらフイルタを経て清浄化された圧縮空気が容器４ 内に導入される。排気管８は排気機19に接続され，この排気機19の駆動によって 容器４内から吸入される排気は排出口20から系外に排出される。

【００１６】 このように構成した図１の装置では，開閉弁10を開いて微少流量ポンプ６を稼 働すると，香料漏出容器４内に液体香料が液体のまま微少量づつ導入される。容 器４内に導入された液体香料はここで分圧差によって蒸発し，容器４内に充満す る。香り付与運転を行う場合には給気機16を稼動し，運転を停止する場合には排 気機19を稼動する。給気機16を稼動する香り付与運転では，容器４内に充満する 加香空気は送入空気がキヤリアとなって気体透過性材料層13から容器外に搬出さ れ，調和空気に香りを付与する。排気機20を稼動すれば，ただちにこの香りの漏 出を停止できる。

【００１７】 上記の実施例では，ダクト１内に香料漏出容器４を配置する例を示したが，こ の香料漏出容器４は空気調和器内や，場合によっては空調空間内に配置すること もできる。

【００１８】

【考案の効果】

以上の構成になる本考案の香り発生装置によれば，微少流量ポンプによって液 体香料そのものの送出量を微量に調整することができ，且つ香料を溶媒や水で希 釈することなく適度な香料の空気中濃度にコントロールすることができる。また 加香の発停制御や加香濃度の制御も容易であり，取扱も簡単である。このような ことから，従来の噴霧方式に代わる効果的な香り空調を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の香り発生装置の実施例を示す機器配置
系統図である。

【図２】本考案に従う香料漏出容器の例を示す略断面図
である。

【符号の説明】

１ 空調用ダクト ２ 液体香料 ３ 香料容器 ４ 香料漏出容器 ５ 香料搬送チユーブ ６ 微少流量ポンプ ７ 給気系（管） ８ 排気系（管） １３ 気体透過性材料層 １６ 給気機 １９ 排気機

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液体香料を収容した香料容器と，気体透
   過性材料層を上面に有する香料漏出容器と，一端が該香
   料容器に，他端が該香料漏出容器に接続された香料搬送
   チユーブと，この香料搬送チユーブに介装された微少流
   量ポンプと，前記の香料漏出容器に空気を送入する手段
   と，そして香料漏出容器内から空気を排気する手段と，
   からなる香り発生装置。