JPH0576181A - 倍電圧整流装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単相交流電源を整流回路に印加したとき、こ
の単相交流電源に挿入されたブレーカの尖頭電流による
動作を防ぐことを目的とする。 【構成】 １００Ｖ単相交流電源８を整流するダイオー
ドブリッジ１の後に直流電圧平滑用の電解コンデンサ
６、７を接続し、これら電解コンデンサの接続点を電源
投入時は接点が開であるリレー３、４を介して電源側に
接続する。全波整流回路では、このリレー３の電源側の
端子と前記ダイオードブリッジ１の交流端子の間に挿入
した電流制限抵抗２で電解コンデンサ６、７への充電電
流を制限し、倍電圧回路では、リレー４と並列に接続し
た電流制限抵抗５により電解コンデンサ６、７への充電
電流を制限している。このような接続構成により、１０
０Ｖ交流電源印加時のブレーカの動作を防ぐことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は異電圧対策を施したイン
バータの倍電圧整流装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年、１００Ｖ単相交流電源対応のイン
バータ装置を組み込んだ機器が普及し、このインバータ
装置の直流電源を作るための整流装置として倍電圧整流
装置が取り入れられている。しかし、設置工事の間違い
により、交流１００Ｖ電源仕様の倍電圧整流装置に交流
２００Ｖ電源が印加されると、電子部品の破壊が発生す
るため、問題になっており、数々の対策回路が提案され
ている。

【０００３】従来、この種の倍電圧整流装置は、図２の
ような構成が一般的であった。以下、その構成について
図２を参照しながら説明する。

【０００４】図に示すように、例えば１００Ｖ単相交流
電源１０５がダイオードブリッジ１０１の交流入力端子
に接続され、同時に、前記１００Ｖ単相交流電源１０５
の片側線はリレー１０２を介して、電解コンデンサ１０
３の負極側と、電解コンデンサ１０４の正極側に接続さ
れている。前記ダイオードブリッジ１０１の正極端子・
負極端子は、それぞれ前記電解コンデンサ１０３の正極
側・前記電解コンデンサ１０４の負極側に接続されてい
る。

【０００５】上記構成において、前記ダイオードブリッ
ジ１０１に１００Ｖ単相交流電源１０５が印加されると
リレー１０２が開の状態なので、全波整流器として働
き、電解コンデンサ１０３と電解コンデンサ１０４の両
端に、直流電圧Ｖ_DCが発生する。これらの電解コンデン
サ１０３・１０４に十分充電した後、リレー１０２が閉
し、倍電圧整流装置となるものである。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の倍電
圧整流装置では、ダイオードブリッジ１０１に１００Ｖ
交流電源電圧１０５が印加され、直流電圧平滑用の電解
コンデンサ１０３・１０４に充電電流Ｉが流れると、こ
れらの電解コンデンサ１０３・１０４に電荷が蓄えられ
ていないので、これらの電解コンデンサ１０３・１０４
の内部直流抵抗分は０Ωとなり、電圧印加の瞬間の電流
ｉ_Pは、

【０００７】

【数１】

【０００８】となる。ここで、ｅ_O は１００Ｖ単相交流
電源１０５の瞬時電圧、Ｖ_F はダイオードブリッジ１０
１の順方向電圧、ｒは１００Ｖ単相交流電源１０５の内
部インピーダンスを示す。一般的に

【０００９】

【数２】

【００１０】

【数３】

【００１１】であり、ｅ_O がピーク値（＝１００／２）
であれば、瞬間ではあるが、ｉ_P≒１４１（Ａ）もの大
電流が流れ、電源に挿入されているブレーカーを動作さ
せるという課題があった。

【００１２】また、上記動作でブレーカーが動作しなか
った場合でも、電解コンデンサ１０３・１０４に十分充
電された後、リレー１０２が閉すると、さらに電解コン
デンサ１０３・１０４への再充電が始まり、再充電の瞬
間の電流ｉ_Pは、

【００１３】

【数４】

【００１４】となる。ここで、Ｖ_DCは電解コンデンサ１
０３（または１０４）の充電された電圧を示す。

【００１５】

【数５】

【００１６】であり、ｅ_O がピーク値（＝１００／２）
であれば、瞬間ではあるが、上記同様に、ｉ_P≒１４１
（Ａ）もの大電流が流れ、電源に挿入されているブレー
カーを動作させるという課題があった。

【００１７】本発明は上記同様な２つの課題を解決する
もので、１００Ｖ単相交流電源１０５を整流回路に印加
したときに平滑用コンデンサに流れる充電電流を小さく
することのできる倍電圧整流装置を提供することを目的
としている。

【００１８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、単相交流電源の片側を電圧整流用のダイオ
ードブリッジの交流入力端子に接続し、このダイオード
ブリッジのもう一方の交流端子を電流制限抵抗を介して
前記単相交流電源のもう一方の側と、直列に接続された
リレーと、直列に接続したリレーを介して直流電圧平滑
用の電解コンデンサの負極側と、同じく直流電圧平滑用
であって同じ容量の電解コンデンサの正極側に接続し、
前記リレーには並列に電流制限抵抗を接続している。ま
た、前記ダイオードブリッジの正極側・負極側を、それ
ぞれ、前記電解コンデンサの正極側・前記電解コンデン
サの負極側に接続した倍電圧整流装置の構成としたもの
である。

【００１９】

【作用】本発明は上記した構成により、平滑用の電解コ
ンデンサの充電電流を２つの電流制限抵抗に流すこと
で、充電電流を小さくすることができるものである。

【００２０】

【実施例】以下、本発明の一実施例について、図１を参
照しながら説明する。

【００２１】図１に示すように、１００Ｖ単相交流電源
８の片側を電圧整流用のダイオードブリッジ１の交流入
力端子に接続し、このダイオードブリッジ１のもう一方
の交流端子を電流制限抵抗２を介して前記単相交流電源
のもう一方の側と、直列に接続されたリレー３、リレー
４を介して直流電圧平滑用の電解コンデンサ６の負極側
と、同じく直流電圧平滑用であって同じ容量の電解コン
デンサ７の正極側に接続し、前記リレー４には、並列に
電流制限抵抗５を接続している。また、前記ダイオード
ブリッジ１の正極側・負極側を、それぞれ、前記電解コ
ンデンサ６の正極側・前記電解コンデンサ７の負極側に
接続したものである。

【００２２】上記構成において、平滑用の電解コンデン
サ６・７の充電電流を２つの電流制限抵抗２・５に流す
ことで、充電電流を小さくすることができる。

【００２３】このように本発明の実施例の倍電圧整流装
置によれば、平滑用の電解コンデンサ６・７の充電電流
を２つの電流制限抵抗２・５に流すことで、充電電流を
小さくし、１００Ｖ単相交流電源８に挿入されているブ
レーカーの電源投入時の誤動作を防ぐことができる。

【００２４】

【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明によれば平滑用のコンデンサへの充電電流を２つの電
流制限抵抗によって制限することができ、特に電源投入
直後および全波整流回路から倍電圧整流回路に移行した
直後の突入充電電流を大幅に制限することができる。こ
のことにより、電源投入時におけるブレーカーの動作を
防ぐことができる効果のある倍電圧整流装置を提供でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の倍電圧コンバータ装置の回
路図

【図２】従来の倍電圧コンバータ装置の回路図

【符号の説明】

１ ダイオードブリッジ ２ 電流制限抵抗 ５ 電流制限抵抗 ３ リレー ４ リレー ６ 電解コンデンサ ７ 電解コンデンサ ８ １００Ｖ単相交流電源

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】単相交流電源の片側を交流電圧整流用のダ
   イオードブリッジの交流入力端子に接続し、このダイオ
   ードブリッジのもう一方の交流端子を電流制限抵抗を介
   して前記単相交流電源のもう一方の側と、直列に接続さ
   れたリレーと、直列に接続したリレーを介して直流電圧
   平滑用の電解コンデンサの負極側と、同じく直流電圧平
   滑用であって同じ容量の電解コンデンサの正極側に接続
   し、前記リレーには並列に電流制限抵抗を接続するとと
   もに前記ダイオードブリッジの正極側・負極側を、それ
   ぞれ、前記電解コンデンサの正極側・前記電解コンデン
   サの負極側に接続した倍電圧整流装置。