JPH0575684B2 - - Google Patents

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JPH0575684B2
JPH0575684B2 JP60142243A JP14224385A JPH0575684B2 JP H0575684 B2 JPH0575684 B2 JP H0575684B2 JP 60142243 A JP60142243 A JP 60142243A JP 14224385 A JP14224385 A JP 14224385A JP H0575684 B2 JPH0575684 B2 JP H0575684B2
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oxide
inorganic
thickness
scale
inorganic oxide
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JP60142243A
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Goro Sato
Michio Komatsu
Hirokazu Tanaka
Susumu Fujii
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JGC Catalysts and Chemicals Ltd
Original Assignee
Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、透明でかつほぼ一定の厚さを有する
新規な鱗片状の無機酸化物および含水無機酸化
物、ならびにこれらの製造方法に関する。 発明の技術的背景ならびにその問題点 無機物質特に無機酸化物は、通常塊状あるいは
粒子状の形態をなしているが、ある種の無機物質
は鱗片状をなしている。鱗片状をなす無機物質と
しては、雲母、セリサイトなどの天然鉱物、合成
雲母、鱗片状グラフアイト、ガラスフレークある
いはリン酸カルシウムのような鱗片状結晶があ
り、電気部品、建材、塗料、プラスチツク用フイ
ラー、化粧品などに幅広く使用されている。 これらのうち合成鱗片無機物質は、以下のよう
にして合成されてきた。たとえば合成雲母は、
SiO2、Na2O、MgO、Fなど原料を所定の組成に
なるように水に溶解して調製した溶液を、オート
クレーブ中で水熱合成することにより製造されて
いるが、その製造工程では水などにより膨潤し雲
母の層間が広がるなどの理由により、得られる鱗
片状物の厚さが一定しないという問題点があつ
た。またガラスフレークは、溶融ガラスを薄いフ
イルム状にした後、冷却して鱗片状にすることに
より製造されているが、得られる鱗片状物の厚さ
は数μm〜10数μm程度であり、これより薄い鱗
片状物は得られていないのが現状である。さらに
リン酸カルシウムのような鱗片状結晶は、通常溶
液中で薄片状の結晶を析出させることによつて製
造されるが、この方法では得られる鱗片状物の厚
さをコントロールすることは困難であるという問
題点があつた。 ところで酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミ
ニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化スズ、
酸化アンチモンなどの無機酸化物は、天然に存在
するものであつてもあるいは種々の方法で合成さ
れたものであつても、その形状はいずれも球形あ
るいは不定形であつて、厚さに比較して辺の長さ
が非常に長い鱗片状物は得られていない。また上
記の無機酸化物は球形あるいは不定形であるた
め、可視光の透過率は低く、透明性に優れている
ものは得にくかつた。 ところでもし上記の無機酸化物を透明性に優れ
しかも厚さに比較して辺の長さが非常に長い鱗片
状に形成することができれば、触媒あるいはその
担体、電気部品、建材用フイラー、塗料用フイラ
ー、プラスチツク用フイラー、化粧品配合剤とし
ての用途が期待される。 本発明者らは、酸化チタン、酸化ケイ素、酸化
アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化
スズ、酸化アンチモンナドの無機酸化物を透明性
に優れしかも厚さに比較して辺の長さが非常に長
い鱗片状に形成すべく研究したところ、上記無機
酸化物のコロイド溶液を凍結した後溶媒を除去す
れば、上記酸化物(含水無機酸化物を含む)の鱗
片状物を製造しうることを見出して本発明を完成
するに至つた。 発明の目的 本発明は、透明性に優れしかも厚さに比較して
辺の長さが非常に長い、酸化チタン、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化スズ、酸化アンチモンからなる群から選
ばれた1種または2種以上の無機酸化物または含
水無機酸化物からなる鱗片状物、ならびにこれら
の製造方法を提供することを目的としている。 発明の概要 本発明では、新規な、透明性に優れしかも厚さ
に比較して辺の長さが非常に長い鱗片状の酸化チ
タン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、
酸化ジルコニム、酸化スズ、酸化アンチモンから
なる群から選ばれた1種または2種以上の無機酸
化物および含水無機酸化物が提供される。 これら本発明に係る鱗片状の無機酸化物および
含水無機酸化物は、透明性に優れ、それぞれの可
視光透過率は550nmで80%以上である。また、
これらの鱗片状の無機酸化物および含水無機酸化
物においては、厚さは10μm以下好ましくは0.05
〜5μmであつて、厚さと辺の最長長さの比(ア
スペクト比)は、5以上好ましくは10以上であ
る。 また本発明に係る透明性に優れしかも厚さに比
較して辺の長さが非常に長い鱗片状の無機酸化物
または含水無機酸化物の製造方法は、無機酸化物
または含水無機酸化物あるいはこの両者のコロイ
ド溶液を凍結し、コロイド溶液の溶媒の結晶面と
結晶面の間隙に無機酸化物粒子または含水無機酸
化物粒子あるいはこの両者を析出せしめた後、凍
結物が凍結しない温度に保持しながら溶媒を除去
することを特徴としている。 上記の無機酸化物としては、酸化チタン、酸化
ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコ
ニウム、酸化スズ、酸化アンチモンなどが用いら
れる。 発明の具体的説明 以下本発明をより具体的に説明する。 本発明に係る無れしかも厚さに比較して辺の長
さが非常に長い鱗片状である。これらの無機酸化
物は、それぞれ酸化チタン、酸化ケイ素、酸化ア
ルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化ス
ズ、酸化アンチモンからなる群から選ばれた1種
または2種以上から構成されている。 これらの鱗片状無機酸化物および含水無機酸化
物においては、厚さは10μm以下好ましくは0.05
〜5μmであることが望ましい。この厚さが10μm
を越えると、鱗片状物としての特性を期待するこ
とができなくなるため好ましくなく、一方0.05μ
m未満では鱗片状物の機械的強度が弱すぎるため
好ましくない。また厚さと辺の最長長さとの比で
あるアスペクト比は、5以上好ましくは10以上で
ある。このアスペクト比が5未満では、粒状のも
のと比較して鱗片状物としての特性を期待するこ
とができなくなるため好ましくない。さらに本発
明に係る方法により得られる鱗片状の無機酸化物
および含水無機酸化物は、透明性に優れており、
500nmの可視光の透過率が80%以上である。な
お本発明に係る鱗片状の無機酸化物および含水無
機酸化物の可視光透過率は、本発明に係る鱗片状
の無機酸化物または含水無機酸化物10重量部に流
動パラフイン90重量部を加え、ホモミキサー(特
殊機化工業製)にて良く分散させた後、この分散
液を透明石英板に厚さ5μmの膜厚になるように
塗布し、分光光度計により550nmの波長を有す
る可視光の透過率を測定することによつて決定し
た。 本発明に係る鱗片状無機酸化物は、酸化チタ
ン、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸
化ジルコニム、酸化スズ、酸化アンチモン単独で
構成されていてもよく、またこれらの2種以上の
無機酸化物から構成されていてもよいく、また水
和していてもよい。 以下本発明に係る透明性に優れしかも厚さに比
較して辺の長さが非常に長い鱗片状の無機酸化物
または含水無機酸化物の製造方法について説明す
る。 まず、所定濃度の1種または2種以上の無機酸
化物または含水無機酸化物あるいはこの両者のコ
ロイド溶液を、これらの溶液が凍結する温度以下
に冷却して所定時間内に凍結させる。このコロイ
ド溶液を凍結させると、溶液中のコロイド粒子は
溶媒から分離して凍結したコロイド溶液の溶媒の
結晶面と結晶面の間隙に析出してくる。このよう
にして析出した無機酸化物または含水無機酸化物
は、互いに重合または凝集して鱗片状となる。次
いで、この凍結物を鱗片状物の形状を保持させた
まま適宜の方法で乾燥して溶媒を除去すれば目的
の鱗片状物を得ることができる。 本発明でいう無機酸化物および含水無機酸化物
のコロイド溶液とは、水ガラスなどのアルカリ珪
酸塩の脱アルカリ、エチルシリケートの加水分解
などで得られる珪酸溶液またはシリカコロイドあ
るいは鉱酸塩または有機酸塩の加水分解などによ
り得られるチタン、スズ、ジルコニウム、鉄、ア
ンチモンなどの酸化物のコロイド溶液を含んで意
味しているが、本発明で用いられるコロイド溶液
は、上記の方法により得られたものに限定される
ものではなく、いかなる方法で製造されたもので
もよい。 このようなコロイド溶液中のコロイド粒子の平
均粒子径は250mμ以下好ましくは80mμ以下で
あることが望ましい。コロイド粒子の平均粒子径
は小さければ小さいほど析出するコロイド粒子は
密にかつ強固に重合あるいは凝集し、得られる鱗
片状の無機酸化物(含水無機酸化物を含む)の透
明性および強度は優れたものとなる。一方平均粒
子径が250mμを越えると、凍結時に溶媒の結晶
面の間隙に析出したコロイド粒子は、粒子径が大
きいために表面エネルギーが小さくなり、析出粒
子間の結合力は弱くなる。このため凍結物を乾燥
して溶媒を除去しても、鱗片状の無機酸化物また
は鱗片状の含水無機酸化物は得られず、粉末状物
または塊状物しか得られない。 コロイド溶解中の無機酸化物または含水無機酸
化物濃度は、酸化物基準で0.1重量%以上であれ
ば、目的とする鱗片状物が得られる。酸化物の濃
度が高くなるとともに、他の凍結条件が同じであ
れば、溶媒の結晶面の間隙に析出する粒子が多く
なるため、厚い鱗片状物が得られる。しかし、酸
化物の濃度があまり高くなるとコロイド溶液とし
て安定に存在し得なくなり、そのような高濃度の
コロイド溶液を用いても鱗片状の無機酸化物また
は鱗片状の含水無機酸化物は得られない。上記の
ことを勘案すると、本発明の目的に使用可能なコ
ロイド溶液の濃度は、酸化物の種類によつても大
きく変化するが、たとえば酸化ケイ素の場合には
60重量%以下であることが好ましく、酸化アルミ
ニウムの場合には10重量%以下であり酸化チタン
の場合には40重量%以下であることが好ましい。
また0.1重量%以下になると鱗片状のものが得ら
れにくい、また得られたとしても厚さが極端に薄
いため取り扱い時に破壊して粉化しやすくなるた
め好ましくない。 得られる鱗片状物の厚さをコントロールするも
う1つの因子は、コロイド溶液の凍結時間すなわ
ち所定のコロイド溶液が完全に凍結するまでに要
する時間である。凍結時間が短かいほど溶媒の単
一結晶が小さくなり、この結晶の結晶化時に溶媒
から分離されるコロイド粒子の量も少なくなり結
晶面間隙にできる鱗片状物は薄くなる。逆に凍結
時間を長くすると、溶媒の単一結晶が大きくな
り、結晶化時に溶媒から分離されるコロイド粒子
の量が多くなるので厚い鱗片状物が得られる。た
とえば、濃度1.0重量%の珪酸コロイド溶液を7
秒で凍結させると約0.1μmの厚さの鱗片状物が得
られるが、一方同じコロイド溶液を約60分で凍結
させると約2.0μmの厚さの鱗片状物が得られる。 ところで凍結時間を極端に短かくすると、つい
にはいわゆる瞬間凍結の状態となり、コロイド溶
液の溶媒とコロイド粒子とが分離する前に凍結し
てしまうので鱗片状物は得られない。したがつて
コロイド溶液の凍結に際しては、溶媒が凍結して
結晶化する間にコロイド粒子が溶媒から分離して
析出するのに充分な時間をかける必要がある。 ここで、コロイド粒子径30mμの含水酸化チタ
ンコロイド溶液から鱗片状の酸化チタンを製造す
るに際して、凍結時間と、コロイド溶液中の酸化
物濃度と、得られる鱗片状の酸化チタンの厚みと
の関係を第1図に示す。この第1図から、酸化チ
タンの濃度が1.0重量%である場合には、厚さ
0.1μの鱗片状の酸化チタンを得るには凍結時間を
6秒とすればよく、また厚さ2.0μmの鱗片状の酸
化チタンを得るには凍結時間を約50分とすればよ
いことがわかる。 同様にコロイド粒子径20mμの酸化アルミニウ
ムコロイド溶液から鱗片状の酸化アルミニウムを
製造するに際して、凍結時間と、コロイド溶液中
の酸化物濃度と、得られる鱗片状の酸化アルミニ
ウムの厚みとの関係を第2図に示す。またコロイ
ド粒子径12mμの酸化ケイ素コロイド溶液から鱗
片状の酸化ケイ素を製造するに際して、凍結時間
と、コロイド溶液中の酸化物の濃度と、得られる
鱗片状酸化ケイ素の厚みとの関係を第3図に示
す。 このようにコロイド溶液の凍結時間は得られる
鱗片状の無機酸化物の厚みに大きな影響を与える
が、コロイド溶液の凍結時間は、主としてコロイ
ド溶液の冷却速度を変化させることによつて変え
ることができる。具体的には、所定濃度のコロイ
ド溶液を満たした容器を冷凍装置にセツトし、所
定の時間内に凍結が完了するように冷却速度を設
定してコロイド溶液を凍結させる。このときコロ
イド溶液を満たす容器としては、コロイド溶液の
層が薄くなるうような容器、たとえば底の浅い平
らな容器を用い、これを一方向または上下方向す
なわち容器の底からのみまたは底と上部との両方
から冷却するようにすると、溶媒の結晶が容器の
底から上方に向つて、または容器の底部と上部と
から中心に向つて成長し、ほぼ液深と同程度の長
さを有する鱗片状物が得られる。 このときのコロイド溶液の液層の厚さ(液深)
は、冷却速度が同じであれば、薄いほど凍結時間
を短くすることができる。また厚いほど凍結時間
は長くなるがあまり厚くなると、出来た鱗片状物
の厚みが不均一となるなどの不都合が生じて好ま
しくない。したがつてコロイド溶液の液層の厚さ
は100mm以下好ましくは50mm以下であることが望
ましい。 次に、このようにして凍結させたコロイド溶液
から溶媒を除去する。この溶媒除去操作は、溶媒
が完全に除去された後にも析出したコロイド粒子
が鱗片状の形状を保持しているような方法で行わ
れる。この方法としては、凍結乾燥が好ましい方
法である。すなわち、前述のような方法により凍
結させたコロイド溶液を冷凍装置から取り出した
後、凍結物が解凍しない温度に保持しながら通常
の真空乾燥を行つて溶媒を除去する。このような
方法で溶媒を充分に除去すれば、得られた鱗片状
物を常温にもどしても、粉末状にならず鱗片状の
形状を保つことができる。 このような方法により得られた鱗片状の無機酸
化物または含水無機酸化物は、このままでも各種
の用途に供することができるが、用途に応じては
さらに強度が要求される場合があり、この場合に
は適宜温度たとえば350〜900℃で焼成すると強度
に優れた鱗片状無機酸化物が得られる。 本発明の方法で得られた透明でかつ鱗片状の無
機酸化物は、非常に薄い薄片状で厚さも平均して
おり、しかも無機酸化物であるため耐熱性、耐酸
性、耐アルカリ性、耐溶剤性に優れている。また
天然物の鱗片状鉱物である雲母あるいはセリサイ
トと比較して、非常に純度が高く均質であること
から種々にの用途に用いられる。 たとえば従来では、酸化ケイ素、酸化アルミニ
ウム、酸化チタンなどの無機酸化物の粉末を成形
触媒あるいは担体原料に用いようとする場合に
は、これらの無機酸化物のみで成形することは困
難であるため、通常天然鉱物である雲母あるいは
セリサイトなどを滑剤として適量添加することが
多かつた。しかし上記のようにして得られた触媒
または担体は、雲母などの滑剤を添加した分だ
け、あるいはそれ以上に触媒活性が低下するとい
う欠点がある。しかるに本発明で得られる鱗片状
の無機酸化物を原料として使用すれば、触媒活性
の低下を来たすことなく、成形触媒または担体を
製造することができる。 また、本発明に係る鱗片状の無機酸化物をプラ
スチツク添加剤として用いれば、得られるプラス
チツクは、耐衝撃性が改良され、かつ薄片状であ
るため配向性が良いので表面硬度も改良されると
ともに耐熱性も向上するという効果が得られる。 さらに耐熱性セラミツク成形体に酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニアからなる鱗片
状の無機酸化物を添加すれば、成形時の成形性が
改良されかつ得られる耐熱性セラミツクの熱スポ
ーリング性および耐圧強度が改良される。 本発明に係る鱗片状の酸化チタンまたは酸化鉄
は、紫外線吸収効果があるので、塗料に添加する
と塗料の耐候性が向上し、かつハードコート材と
しても効果がある。また、ポリエチレンフイルム
あるいはポリプロピレンフイルムなどのフイルム
に上記の鱗片状の酸化チタンまた酸化鉄を混入し
て紫外線カツトフイルムとし、これを農業用ビニ
ールハウスに使用すれば、ある種の植物では成長
促進効果が期待できる。 さらに、本発明に係る酸化チタン、酸化鉄、酸
化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム
などの鱗片状の無機酸化物を、従来化粧品に使用
されている雲母あるいはセリサイトなどと同じく
アスペクト比を10〜200に調製して、化粧品配合
剤として種々の化粧品に使用すれば、天然の雲母
などと比較して不純物が極端に少なく均質である
ことから皮膚に対する安全性が向上し、かつ厚さ
が天然物と比較して薄いため使用感および伸びが
良好で、化粧落ちが少なく素肌の美しさを損なう
ことのない透明感のある化粧品組成物が得られ
る。また、本発明に係る酸化チタンまたは酸化鉄
は、紫外線遮蔽剤として従来使用されている粒子
状の酸化チタンと比較し、優れた紫外線吸収能お
よび紫外線遮蔽能を有しており、かつ取り扱いが
簡単でしかも分散性が良いため、化粧品基材中に
多量に使用しても使用感は損なわれず、しかも透
明感のある皮膚に対する紫外線からの保護作用を
有する化粧品組成物を得ることができる。 このほかに本発明に係る鱗片状の無機酸化物お
よび鱗片状の含水無機酸化物は、潤滑剤、樹脂、
ゴム耐摩耗性改良高硬度フイラー、艶消フイラ
ー、無収縮フイラーなどの種々の用途に用いるこ
とができる。 発明の効果 本発明では、透明性に優れかつ均一な厚みを有
し、しかも厚さに比較して辺の長さが非常に大き
い鱗片状の無機酸化物および含水無機酸化物が得
られる。このためこの鱗片状の無機酸化物および
含水無機酸化物を、触媒あるいは担体、電気部
品、建材用フイラー、塗料用フイラー、プラスチ
ツク用フイラー、化粧品配合剤などとして用いる
ことができる。 また本発明では、従来粒状物しか得られていな
い無機酸化物に関して、透明性に優れかつ均一な
厚みを有し、しかも厚さに比較して辺の長さが非
常に大きい鱗片状の無機酸化物および含水無機酸
化物の製造方法が提供される。 以下本発明を実施例により説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。 実施例 1 水ガラスを陽イオン交換樹脂で脱アルカリして
得られた、粒径12mμの酸化ケイ素コロイド粒子
を種々の濃度で含む酸化ケイ素コロイド溶液10Kg
を凍結時間を変化させて凍結させ、次いで凍結乾
燥を行つて、鱗片状の含水酸化ケイ素を得た。こ
れを600℃で3時間焼成し透明でかつ鱗片状の酸
化ケイ素を得た。コロイド溶液中の酸化ケイ素の
濃度と、凍結時間と、得られた鱗片状の酸化ケイ
素の厚みとの関係を表1に示す。 同様に粒径80mμの酸化ケイ素コロイド粒子を
調製して、コロイド溶液中の酸化ケイの濃度と、
凍結時間と、得られた鱗片状の酸化ケイ素の厚み
との関係を表1に示す。
【表】 実施例 2 硫酸チタニルを加水分解して得られた、粒径30
mμの含水酸化チタンコロイド粒子を種々の濃度
で含む酸化チタンコロイド溶液10Kgを、凍結時間
を変化させて凍結させ、次いで凍結乾燥を行つ
た。得られた鱗片状酸化チタンを600℃で3時間
焼成して透明でかつ鱗片状の酸化チタンを得た。 コロイド溶液中の酸化チタンの濃度と、凍結時
間と、得られた鱗片状酸化チタンの厚みとの関係
を表2に示す。
【表】
【表】 実施例 3 酸化アルミニウムゲルに酢酸を加え90℃で熟成
し得られた、粒径20mμの酸化アルミニウムコロ
イド粒子を種々の濃度で含む酸化アルミニウムコ
ロイド溶液10Kgを、凍結時間を変化させて凍結さ
せ、次いで凍結乾燥を行なつた。得られた鱗片状
の含水酸化アルミニウムを550℃で3時間焼成し
て透明でかつ鱗片状の酸化アルミニウムを得た。 コロイド溶液中の酸化アルミニウムの濃度と、
凍結時間と、得られた鱗片状の酸化アルミニウム
の厚みとの関係を表3に示す。
【表】 実施例 4 実施例1〜3で用いた酸化ケイ素、酸化チタ
ン、酸化アルミニウムコロイド溶液から2種類を
選びそれぞれ同量ずつ混合して混合コロイド溶液
を調製した。これを所定時間で凍結させた後凍結
乾燥した。得られた鱗片状の含水酸化物を600℃
で3時間焼成して透明でかつ鱗片状の混合酸化物
を得た。 酸化物の重量比と、コロイド溶液の濃度と、凍
結時間と、得られた鱗片状物の厚さとの関係を表
4に示す。
【表】 実施例 5 硫酸鉄水溶液をアンモニアで中和して得られた
ゲルに硝酸を加えて硝酸解捏した鉄を酸化物換算
で5重量%含有する鉄コロイド溶液(コロイド粒
子径10mμ)10Kgを18時間で凍結させ、次いで凍
結乾燥を行ない、鱗片状の含水酸化鉄を得た。こ
れを500℃で3時間焼成し、厚さ2μmの透明鱗片
状酸化鉄を得た。 実施例 6 三酸化アンチモンを過酸化水素水で溶解して得
られるアンチモンを酸化物換算で6重量%含有す
るアンチモンコロイド溶液(コロイド粒径15m
μ)、10Kgを30分間で凍結させ、次いで凍結乾燥
を行ない鱗片状の含水酸化アンチモンを得た。こ
れを500℃で3時間焼成し、厚さ2.0μmの透明で
かつ鱗片状の酸化アンチモンを得た。 実施例 7 塩化スズ水溶液をアンモニアで中和して得られ
たゲルに塩酸を加えて塩酸解捏したスズを酸化物
換算で10重量%含有するスズコロイド溶液(コロ
イドの粒子径15mμ)1Kgを6分間で凍結させ、
次いで凍結乾燥を行ない鱗片状の含水酸化スズを
得た。これを650℃で3時間焼成して厚さ2μmの
透明でかつ鱗片状の酸化スズを得た。 実施例 8 市販ジルコニアゲルの酢酸解捏によるジルコン
を酸化物換算で5重量%含有する酸化ジルコニウ
ムコロイド溶液(コロイドの粒子径10mμ)1Kg
を20分間で凍結させ、次いで凍結乾燥を行ない鱗
片状含水酸化ジルコニウムを得た。これを600℃
で3時間焼成し、厚さ2μmの透明でかつ鱗片状
の酸化ジルコニウムを得た。
【図面の簡単な説明】
第1図は、コロイド粒子径30mμの含水酸化チ
タンコロイド溶液から鱗片状の酸化チタンを製造
するに際して、凍結時間と、コロイド溶液中の酸
化物濃度と、得られる鱗片状の酸化チタンの厚み
との関係を示す図であり、第2図はコロイド粒子
径20mμの酸化アルミニウムコロイド溶液から鱗
片状の酸化アルミニウムを製造するに際して、凍
結時間と、コロイド溶液中の酸化物濃度と、得ら
れる鱗片状の酸化アルミニウムの厚みとの関係を
示す図であり、第3図はコロイド粒子径12mμの
酸化ケイ素コロイド溶液から鱗片状の酸化ケイ素
を製造するに際して、凍結時間と、コロイド溶液
中の酸化物の濃度と、得られる鱗片状の酸化ケイ
素の厚みとの関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 酸化チタン、酸化ケイ素、酸化アルミニウ
    ム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化
    アンチモンからなる群から選ばれた1種または2
    種以上からなり、透明であつて550nmの可視光
    の透過率が80%以上であることを特徴とする鱗片
    状の無機酸化物または含水無機酸化物。 2 厚みが0.05〜5μmであり、厚みと辺の最長長
    さとの比(アスペクト比)が5以上であることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の鱗片状
    の無機酸化物または含水無機酸化物。 3 無機酸化物または含水無機酸化物あるいはこ
    の両者のコロイド溶液を凍結し、コロイド溶液の
    溶媒の結晶面と結晶面との間〓に無機酸化物粒子
    または含水無機酸化物粒子あるいはこの両者を析
    出せしめた後、凍結物が解凍しない温度に保持し
    ながら溶媒を除去することを特徴とする鱗片状の
    無機酸化物または含水無機酸化物の製造方法。 4 無機酸化物が、酸化チタン、酸化ケイ素、酸
    化アルミニウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸
    化スズ、酸化アンチモンからなる群から選択され
    る1種または2種以上であることを特徴とする特
    許請求の範囲第3項に記載の鱗片状の無機酸化物
    または含水無機酸化物の製造方法。
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