JPH0575424B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は骨板に関し、特に小型の骨板であつ
て、互いに長手方向に変位可能な２つの板部分か
ら成り、かつ骨用ねじのためのねじ孔と、前記板
部分の相対位置を調整するため該板部分間にある
歯車手段と、を含んでいる骨板に関する。

従来の技術及びその欠点 通常、骨板は折れた部分を安定化しかつ折れた
部分の骨と共に伸びることができるように設計さ
れている。骨の長さの変動に従つて変動できる２
つの部分から成る骨板を形成することは知られて
いる。例えば長さの変動は、例えば西独特許明細
書第2938202号又は第3134120号等に示される特別
の圧縮装置によつて行なわれる折れた部分の圧縮
によつて達成される。またこの長手方向の変動は
折れた部分のシンタリングプロセスにより又は青
年期の患者の骨の場合に発生する。所定の板部材
長さを調整するため、歯付部分を有する２つの入
れ子式に係合する骨板を備えることは知られてい
る。また骨折部分を圧縮するため協働する板部分
間に歯車手段を位置づけることは西独特許明細書
第3134120号によつて知られている。この歯車手
段はハウジング内の第１板部材上に配置されてお
り、一方、この歯車手段の出力軸は第２板部材と
協働する。この第２板部材は第１板部材の細長い
孔を介して差込まれている骨用ねじにより所定の
骨へ取付けられる。このような圧縮手段は肢の骨
折には適するが、小さい骨板特に柔らかい組織を
小さいカバーでおおうような場合例えば顔面の骨
折などの場合にはこのような公知装置の使用は不
適である。

固定支持された締付手段に対し、ねじ付軸によ
つて締付手段を調整することは西独特許明細書第
3504616号により知られている。このような装置
は外部的にのみ使用でき、顔面骨格には使用でき
ない。

発明が解決しようとする課題 本発明は、小型の骨板であつて伸縮自在な骨板
を提供することを目的とする。この目的は特許請
求の範囲の記載の構成によつて解決される。

課題を解決するための手段及び本発明の効果 満足に作動する小型の骨板は例えば西独実用新
案第879612号に開示されている。これらは頭蓋骨
や顔面骨格の骨折に適用したりその他の骨格部分
の小さい骨折部に使用するように考えられてい
る。公知の小さい骨板においては、いわゆるねじ
孔周辺がウエブ、望ましくはねじ孔周辺の断面積
の２倍に等しいか又はより小さい断面積を有する
ウエブの少なくとも一部へ接続されている。かな
りうすい板部材が、装着域にある骨に適合するよ
う外科医によつて変形されるように寸法づけられ
ている。板部材がその面にてが曲げられるときね
じ孔周辺に著しい変形を生じないよう気をつける
必要がある。このためウエブからねじ孔周辺まで
の変遷部の半径が非常に小さくなるように寸法づ
けられるならそのことは望ましいこととなる。

本発明による骨板は特に上述の小型骨板として
適当であるがこの発明の用途はそれに限定される
ものではない。

本発明においては、板部材の協働する案内部分
が、案内部材内にて長手方向に変位自在に案内さ
れている。案内部分の少なくとも１つが案内部材
内に回転自在に支持された歯車即ちピニオンに係
合する歯車セグメント即ちラツクを含んでいる。
このピニオンはツール係合手段を有し、回転ツー
ルによつてピニオンが回転可能となつている。望
ましくは本発明の実施例では各板部分はラツクを
有し、これらのラツクはピニオンの直径方向に対
向した部分と協働している。これによりピニオン
シヤフトが単一作動の曲げ力を受けないようにし
ている。歯車軸用軸受は比較的容易を設けられう
る。この二重ラツク係合は、調整通路が二重とな
ることができるという別の利点を有している。こ
のため歯車の比較的少ない回転のみが対応する調
整通路をもたらしている。この通路の長さは歯車
の直径に依存することが理解されよう。

本発明による骨板は比較的平坦に形成可能であ
り、このため内部に装着できかつまたそこでは柔
らかい組織による僅かなおおいのみが存在するこ
ととなる。例えば案内部材は比較的平坦なハウジ
ングとして形成でき、このハウジングの案内溝部
は、板部分の歯車又はラツク部分を受入れるのに
十分な深さのみを有している。回転ツール用のツ
ール係合手段は例えば歯車軸の内部六角形部によ
つて提供できる。本発明による骨板調整は、患者
に耐えがたいような苦痛を与えることなくかなり
短時間のうちに達成できる。本発明による骨板は
望ましくは伸長目的例えば骨切術に使用される。

本発明による骨板は非常に小型に形成でき、案
内部材の幅は約10mm、厚みは約３mm、板自体の厚
みは約0.7mmとすることができる。

本発明の特に望ましい実施例によれば、案内部
分は２本の平行な脚部を有し、これらの案内部分
の脚部は互いに入れ子式に差込まれ、外方脚部の
外側は案内ハウジングの協働する内壁によつて案
内される。これにより案内ハウジング内にある板
部分の安内部分の十分な支持は、単独作動の引張
力又は圧縮力による偏倚によつて生じるクランプ
を確実に防止することにより達成できる。

本発明の別の実施例による案内部材即ち案内ハ
ウジングは歯車又は歯車軸に夫々スケールと、該
スケールと協働するマークと、を有し、例えば伸
長調整時に回転角度又は調整通路の表示を行なう
ことができる。

後退変位を防止するために、内方作用力による
伸縮の後に、適当にセツトした手段が設けられな
ければならない。例えば相互の運動を阻止するた
めに板部分を固定するセツトねじを設けることが
できる。さらには歯車軸又は歯車自体がセツトね
じによつて各位置へ固定されることができる。

歯車が回転しないように該歯車を固定する別の
方法は、案内部材又は案内ハウジングの協働する
面へ係合するようナツトがねじ込まれている外ね
じを備えた歯車軸を有することである。例えばこ
のナツトは外面に六角形面を有するスリーブの形
状に形成できる。セツトナツトの解放及び歯車の
回転は２つの異なるレンチ面を要求する。このた
め内部レンチ表面を備えたヘツドを有するスリー
ブ内を入れ子式に変位可能で歯車軸の内部六角形
部のためのレンチ表面を備えたロツドを有する組
合せツールが使用できる。ナツトの取はずし又は
締付の場合には、レンチスリーブがレンチロツド
を越えて僅かに滑動してナツトへ係合する。レン
チロツド自体は歯車軸の内部六角形部に係合す
る。ナツトが解放後対応する回転はレンチロツド
によつて実行されうる。

回転角は調整通路に比例するので回転角を認識
することが望ましい。例えばスケールがレンチス
リーブ上に設けられ、該レンチスリーブは歯車が
回転している間中しつかり保持され、一方レンチ
ロツド上のマークは前記スケールに対して移動し
これにより回転角度を視覚的に認識できるのであ
る。

実施例 以下に、略図的に示した実施例について述べ
る。

第１〜３図に示す骨板は、板部分１１，１２を
案内しているハウジング１０を有している。この
ハウジング１０はＵ字形断面の底部分１３と、板
状のリツド部分１４とを有し、これらの部分は半
田付け、溶接等により互いに取付けられている。
ハウジングの高さｈは例えば約３mmであり、幅ｂ
は例えば約10mmである。

ハウジング１０を越える板部分１１，１２の面
積は適当に設計される、板部分は細長いウエブ１
５から成り、各ウエブは小さい骨用ねじを受入れ
る孔部１６で相互に連結されている。ウエブ１５
は、骨板が手による変形によつて骨の表面形態に
適合できるように寸法づけられている。ハウジン
グ１０と協働している板部分１１，１２の個所は
Ｕ字形状をなしかつ脚部２０，２１，２２，２３
を含んでいる。これらの脚部２０，２１，２２，
２３は夫々横方向ウエブ２４，２５で連結されて
いる。板部分１１，１２の各脚部２０，２３は第
１図及び第２図に示すようにハウジングの内壁へ
対置している。また脚部２０，２３の内側は夫々
他の脚部２２，２１に係合している。これら他の
脚部２２，２１は歯車２６，２７を有するラツク
のように形成されている。

ハウジングの底部分１３の面と、リツド１４
と、の間には歯車３０が位置づけられている。こ
の歯車３０はリツド１４の開口３２内に軸部分３
１によつて回転自在に支持されている。第１図に
示すようにこの軸部分３１は内部に六角形部分を
有している。歯車３０は直径方向に対向した点に
おいて脚部２２，２１の歯部２６，２７に係合し
ている。第２図に示す位置においては、板部分１
１，１２は、ほぼ最大限に一方が他方内に入れ子
式に配置されている。もし歯車３０を反時計方向
に回転すると、板部分１１，１２が互いに変動
し、例えば一方の歯とだけ歯車３０がかみあうと
きの変位に比較し、板部分１１，１２の二重変位
は、二重の変位量だけ移動する。

セツトスクリユーなどの図示していない固定手
段が板部分１１，１２の案内部分の脚部又は歯車
３０又は歯車軸部分３１と協働して、板部分が
夫々の調節された位置に固定するようにしてあ
る。

第３図に示すように、板部分の外方部分はハウ
ジング１０内の案内部分に対し偏倚している。こ
の偏倚は第３図の点３８にて示すクランク部分に
より得られている。こうして板部分外方部の下側
にハウジング１０の下側と整合している。

図示の例では横方向ウエブ２４，２５及び案内
部分の脚部は２つのウエブを介する外方板部分で
もつて接続されている。反つた構造体を選択する
ことも可能である。

もし歯車３０とラツク２１，２２との間の伝達
比があまり大きい場合には例えば第１図に破線で
示すような別のピニオン４０を設けることもでき
る。その場合には軸部分３１は歯車３０と協働せ
ず核ピニオン４０と協働する。これによつて対応
する歯車減速が得られ、比較的大きい回転角度で
僅かな板部分１１，１２調整を得ることができる
のである。

第５図及び第６図には第１〜３図の歯車３０に
対応する歯車３０′が示されている。軸３１′は外
ねじを有しこの外ねじにねじ付スリーブ４５が螺
合している。このねじ付スリーブ４５は六角形外
面４６を有している。軸３１′は六角形内面３
４′を有している。図に示すようにこのスリーブ
４５は、該スリーブ４５が図示していないガイド
ハウジングのリツド部分１４′の外面へ係合する
とき、軸３１′及び歯車３０′を所定位置へ固定す
る作用を有している。もしスリーブ４５が締付け
られないなら歯車３０′はツールによつて回転で
きる。第４図にはそのようなツールの一例を示
す。この図において、レンチロツド５０は一端に
六角形表面５１を有しており、該一端は例えば内
部六角形部分３４，３４′へ係合可能となつてい
る。レンチロツド５０の他端にはこぶ付ノブ５
２′が形成されている。レンチスリーブ５２がレ
ンチロツド５０上へ滑動自在に位置づけられる。
該スリーブ５２は内部に六角形のレンチ表面５４
を含んでいるヘツド５３を備えている。こぶ付ノ
ブ５５がスリーブ５２の他端に位置づけられてい
る。レンチヘツド５３は例えばセツトスリーブ４
５の外部六角形部分４６と協働できる。第４図の
組合せツールによつて、歯車３０′の調整及びセ
ツトスリーブ４５の作動は順次実行できる。ノブ
５５は図示していないスケールを提供でき、ノブ
５２′上のマークはこのスケールと協働し、角度
目盛又は板部分１１，１２の直線調整通路の形態
にて歯車３０′の回転を視覚的に認識できるよう
にしている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による骨板の拡大平面図及び部
分断面図、第２図は第１図の２−２矢視図、第３
図は第１図の３−３矢視図、第４図は第１〜３図
の骨板の調整用ツールの部分断面図、第５図はセ
ツトナツトを含む歯車の実施例を示す図、第６図
は第５図と同様の別の実施例を示す図である。 符号の説明、１０：ハウジング、１１，１２：
板部分、１３：底部分、１４：リツド部分、１
５：ウエブ、１６：孔部、２０，２１，２２，２
３：脚部、２４，２５：横方向ウエブ、２６，２
７：歯部、３０：歯部、３１：軸部分、３２：開
口、５０：レンチロツド、５１：六角形部分、５
２：スリーブ、５２′：ノブ、５３：ヘツド、５
４：レンチ表面、５５：ノブ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 小型の骨板であつて、互いに長手方向に変位
   可能な２つの板部分から成り、かつ骨用ねじのた
   めのねじ孔と、前記板部分の相対位置を調整する
   ため該板部分間にある歯車手段と、を含んでお
   り、 前記板部分１１，１２が、案内部材１０内を長
   手方向に滑動可能な案内部分であつて少なくとも
   一方がラツク２２，２１を含んでいる案内部分を
   有し、かつ歯車又はピニオン３０が該ラツクに係
   合する前記案内部材１０内に回転自在に支承さ
   れ、かつ前記歯車又はピニオンがツール係合面３
   ４を有していることを特徴とする骨板。 ２ 案内部材が平坦なハウジング１０のような形
   状を有している請求項１の骨板。 ３ ハウジングが板状ハウジング部分１４により
   おおわれている溝状ハウジング部１３を有してい
   る請求項２の骨板。 ４ 板部分１１，１２のラツク２２，２１が直径
   方向に対置した位置で歯車３０に係合している請
   求項１〜３の骨板。 ５ 案内部分が２つの平行な脚部２０，２１又は
   ２２，２３を有し、これらの案内部分の各脚部は
   互いに入れ子式に差込まれており、外方の脚部２
   ０，２１の外側が案内ハウジングの内壁により案
   内されている請求項１及び４の骨板。 ６ 前記案内部材１０に隣接した板部分１１，１
   ２が、該板部分の下面が案内部材１０の下面とほ
   ぼ整合するように、曲げられている請求項１〜５
   の骨板。 ７ 少なくとも１つの別の歯車４０が案内部材１
   ０内に回転自在に支持されかつ先に述べた歯車と
   係合し、該別の歯車４０が小直径を有しかつ回転
   ツールのためのツール係合面を含んでいる請求項
   １〜６の骨板。 ８ 歯車３０が内面六角形部３４を有している請
   求項１〜７の骨板。 ９ 歯車３０が固定部材と協働する請求項１〜８
   の骨板。 １０ 歯車３０′が外ねじを有する軸３１′を有
   し、該外ねじにナツト４５がねじ込まれ、該ナツ
   トが案内部材１４′の面に対し回転されるように
   なつている請求項１〜９の骨板。 １１ 外面にツール受入用のツール係合面４６を
   有するスリーブ状ナツト４５が設けてある請求項
   １０の骨板。 １２ ナツト４５に係合するスリーブ状の第１レ
   ンチ５２が内部六角形部３４′のためのロツド状
   の第２レンチ５０上を滑動自在に変位できるよう
   に歯車軸３１′及びナツト４５用のツールが構成
   してある請求項８〜１１の骨板。 １３ 案内部材１０が外表面にスケールを備えか
   つ歯車３０がスケールと協働するマークを有して
   いる請求項１〜１２の骨板。 １４ 第１のレンチ５２がスケールを有し、第２
   のレンチ５０が該スケールと協働するマークを有
   している請求項１０の骨板。