JPH0575166U - 食品包装パック用の間隔保持具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 刺身や惣菜等の食品を収納したトレイ（容
器）の上方を透明フィルムでラップする際に、透明フィ
ルムの下面を上方に持ち上げてフィルムと食品とが接触
しないようにする食品包装パック用の間隔保持であっ
て、ラップ時に上下方向及び左右方向に揺れない、安定
度の高いものを提供する。 【構成】 トレイ１６の側壁１８に係合する係合挟持部
１２と、フィルム支え部１４とからなる間隔保持具にお
いて、係合挟持部１２を少なくとも５本脚を有する構造
とし、バネ機構による挟持機能と、トレイ側壁を掴んで
揺れを防止する機能とを別々の部材により行なうように
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、刺身や惣菜等の食品を収納したトレイ（例えば、発泡スチロール製 の容器）の上方を合成樹脂製の透明フィルムで覆う際に、透明フィルムの下面を 上方に持ち上げてフィルムと食品とが接触しないようにする食品包装パック用の 間隔保持具であって、とくにパック時の揺れを防止して安定度を高めた間隔保持 具に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

実公昭６２−３１４１７号公報には、二股部に縦部材を連設し、この縦部材に 傾斜板を連設してプラスチック製の間隔保持具を形成し、この間隔保持具の二股 部をトレイの側壁に係合させ、食品を入れたトレイを透明フィルムで傾斜板の上 面を押圧して包装するようにした食品包装パックが記載されている。 また、実公平１−２３９８４号公報には、間隔保持具を弾性変形可能な合成樹 脂で形成し、上半部にフィルムを支える支え部を、下半部に嵌着挟持部を夫々形 成し、支え部は側面視において円弧状に形成するとともに、嵌着挟持部はトレイ の側壁の内面部分に当接する受け止め部分と、トレイの側壁部分の外面を押圧す るように曲成された挟持部分とで構成した間隔保持具が記載されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

実公昭６２−３１４１７号公報記載の間隔保持具では、トレイ側壁に差し込ん でフィルムで被覆する（ラッピング）場合、上部からの押圧力で下方にグラグラ 動き、正確なパックを行い難かった。 また、実公平１−２３９８４号公報記載の間隔保持具では、トレイ側壁に差し 込んだ場合、トレイ側壁上部の外縁部を固定するための挟持部分が細い１本の部 材で、この１本の部材にバネ機構とトレイ固定機能の両方を持たせている。この ため、フィルム支え部の上部からフィルムで被覆する（ラッピング）時に、上部 からの押圧力で下方にグラグラ動き、正確なパックを行うことができないという 問題点がある。 また、トレイ側壁の外縁部に位置する挟持部分が１本の部材であるため、ラッ ピング時に左右に対してもグラグラ動いて不安定であり、この点からも正確なパ ックができなかった。 本考案は、上記の諸点に鑑みなされたもので、側面視における二股部（係合部 ）を、少なくとも５本脚構造とすることにより、上下方向及び左右方向の動き（ 揺れ）を防止して安定させ、ラッピングを正確、かつ容易に行なうことができる ようにした食品包装パック用の間隔保持具を提供することを目的とするものであ る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために、本考案の食品包装パック用の間隔保持具は、図 面を参照して説明すれば、食品を収納したトレイの上部開口を覆う透明フィルム の下面を支えて、透明フィルムとトレイとの間に食品収納用空間を形成するよう にした、弾性変形可能な合成樹脂製の食品包装パック用の間隔保持具において、 トレイ１６の側壁１８に係合してトレイの側壁を挟持する少なくとも５本脚構 造の係合挟持部１２と、 この係合挟持部１２に連設されたフィルム支え部１４とからなり、 係合挟持部１２は、トレイ側壁１８の内面に接する左右２本の内側固定脚２０ 、２０と、トレイ側壁の上部周縁部に接する左右２本の外側固定脚２４、２４と 、これらの外側固定脚の間に設けられた１本の中央バネ脚２６とからなることを 特徴としている。 外側固定脚の内面には、トレイ側壁１８の上部に固定するための少なくとも１ 個の小突起３４を設けるのが望ましい。 フィルム支え部１４の形状は問わないが、例えば、フィルム支え部１４が、縦 部材３０と傾斜部材３２とからなる形状や、円弧状部材４４からなる形状などと するのが望ましい。また、傾斜部材や円弧状部材は、平板状としたり、複数本の 棒状部材とすることができる。

【０００５】

【作用】

食品４０を収納したトレイ１６の側壁１８に、間隔保持具１０をワンタッチで 差し込む。具体的には、左右２本の内側固定脚２０、２０がトレイ側壁１８の内 面に接触し、１本の中央バネ脚２６がトレイ側壁１８の外面を外方から押圧する ように差し込む。 このように、差し込むと、左右２本の外側固定脚２４、２４はトレイ側壁１８ の上部外面をつかんで固定される。 外側固定脚２４の内面に小突起３４を設けている場合は、小突起３４をトレイ 側壁１８の上部周縁部２２に挿し込むとより安定し、挿し込まない場合は、トレ イ側壁１８の上部周縁部２２との滑り止めにもなり、さらに安定して固定するこ とができる。 このようにして、間隔保持具１０はトレイ側壁１８に安定して固定される。そ して、透明フィルム４２を上方から被覆すると、フィルム４２はその内面が持ち 上げられて、トレイ１６の内部に大きな空間ができる。このため、食品が盛付時 にトレイ側壁の高さより上にはみ出しても、フィルムが食品に接触するようなこ とはない。

【０００６】

【実施例】

以下、図面を参照して本考案の好適な実施例を詳細に説明する。ただし、この 実施例に記載されている構成部材の形状、その相対配置などは、とくに特定的な 記載がない限りは、本考案の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、 単なる説明例にすぎない。 図１〜図７において、間隔保持具１０は、全体が透明な合成樹脂で形成されて おり、５本以上（本実施例では５本）の脚を有する係合挟持部１２と、この係合 挟持部１２の上部に連設されたフィルム支え部１４とからなっている。 係合挟持部１２は、図８に示すトレイ１６の側壁１８の内面に接する左右２本 の内側固定脚２０、２０と、トレイ側壁１８の上部周縁部２２の外面に接する左 右２本の外側固定脚２４、２４と、これらの外側固定脚の間に設けられた１本の 中央バネ脚２６とからなる。中央バネ脚２６は、トレイ側壁１８に挿入し易いよ うに、折り返し片２８が連設されている。 フィルム支え部１４は、例えば、縦部材３０と傾斜部材３２とからなっている 。 また、外側固定脚２４、２４の内面には、爪状の小突起３４が少なくとも１個 づつ（実施例では、一例として２個づつ）設けられている。また、外側固定脚２ ４の下端には、内方向に折れ曲がった係合片３６が連設されている。３８は補強 用リブである。

【０００７】 上記のように構成された間隔保持具１０を、図８に示すように、食品４０を収 納したトレイ１６の側壁１８に挿入して取り付ける。しかる後、透明フィルム４ ２を上方から被覆する。この場合、中央バネ脚２６と内側固定脚２０、２０が挟 持機能を発揮し、外側固定脚２４、２４と内側固定脚２０、２０がトレイ側壁を 掴んで揺れを防止する機能を発揮する。 間隔保持具１０をトレイ１６の側壁１８に係合させる場合、図９に示すように 、小突起３４を側壁上部周縁部２２に押し込むことにより、より安定させること ができる。トレイは発泡プラスチックなどで形成されているので、外側固定脚を 指で押圧するだけで、小突起３４を容易に押し込むことができる。また、押し込 まなくても、滑り止めの機能を発揮する。 トレイ１６の側壁１８の上部に曲成周縁部がない場合は、図１０に示すように 、側壁１８の上端は内側固定脚２０と上側の小突起３４とで固定されるか、又は 、図１１に示すように、側壁１８の上端は２つの小突起３４、３４で固定される 。 なお、フィルム支え部１４は、縦部材と傾斜部材とに限定するものではなく、 他の形状、例えば、図１２及び図１３に示すように、フィルム支え部１４を円弧 状部材４４で形成することもある。この場合も、図１〜図１１の場合と同様の作 用、効果を奏する。

【０００８】

【考案の効果】

本考案は上記のように構成されているので、つぎのような効果を奏する。 （１） ２本の独立した外側固定脚と、２本の独立した内側固定脚とでトレイ側 壁を掴み、その上に、中央バネ脚と２本の内側固定脚とでトレイ側壁を挟持する ので、安定度が高くなり、フィルムラップ時の間隔保持具の上下方向の揺れ、及 び左右方向の揺れを防止することができる。 （２） 外側固定脚の内面に小突起を設ける場合は、間隔保持具の上下方向の揺 れ、及び左右方向の揺れをさらに確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の食品包装パック用の間隔保持具の一実
施例を示す正面図である。

【図２】図１に示す間隔保持具の左側面図である。

【図３】図１に示す間隔保持具の右側面図である。

【図４】図１に示す間隔保持具の平面図である。

【図５】図１に示す間隔保持具の底面図である。

【図６】図１におけるＡ−Ａ′線切断部端面図である。

【図７】図１におけるＢ−Ｂ′線切断部端面図である。

【図８】図１に示す間隔保持具の使用状態を示す説明図
である。

【図９】本考案の間隔保持具の他の使用状態を示す説明
図である。

【図１０】本考案の間隔保持具の他の使用状態を示す説
明図である。

【図１１】本考案の間隔保持具のさらに他の使用状態を
示す説明図である。

【図１２】本考案の間隔保持具の他の実施例を示す正面
図である。

【図１３】図１２に示す間隔保持具の使用状態を示す説
明図である。

【符号の説明】

１０ 間隔保持具 １２ 係合挟持部 １４ フィルム支え部 １６ トレイ １８ 側壁 ２０ 内側固定脚 ２２ 周縁部 ２４ 外側固定脚 ２６ 中央バネ脚 ２８ 折り返し片 ３０ 縦部材 ３２ 傾斜部材 ３４ 小突起 ３６ 係合片 ４０ 食品 ４２ 透明フィルム ４４ 円弧状部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食品を収納したトレイの上部開口を覆う
   透明フィルムの下面を支えて、透明フィルムとトレイと
   の間に食品収納用空間を形成するようにした、弾性変形
   可能な合成樹脂製の食品包装パック用の間隔保持具にお
   いて、 トレイ（１６）の側壁（１８）に係合してトレイの側壁
   を挟持する少なくとも５本脚構造の係合挟持部（１２）
   と、 この係合挟持部（１２）に連設されたフィルム支え部
   （１４）とからなり、 係合挟持部（１２）は、トレイ側壁（１８）の内面に接
   する左右２本の内側固定脚（２０）、（２０）と、トレ
   イ側壁の上部周縁部に接する左右２本の外側固定脚（２
   ４）、（２４）と、これらの外側固定脚の間に設けられ
   た１本の中央バネ脚（２６）とからなることを特徴とす
   る食品包装パック用の間隔保持具。
2. 【請求項２】 外側固定脚（２４）の内面に、トレイ側
   壁の上部に固定するための少なくとも１個の小突起（３
   ４）を設けたことを特徴とする食品包装パック用の間隔
   保持具。
3. 【請求項３】 フィルム支え部（１４）が、縦部材（３
   ０）と傾斜部材（３２）とからなることを特徴とする請
   求項１又は２記載の食品包装パック用の間隔保持具。
4. 【請求項４】 フィルム支え部（１４）が、円弧状部材
   （４４）であることを特徴とする請求項１又は２記載の
   食品包装パック用の間隔保持具。