JPH0574743U - マシニングセンタにおけるパレットチェンジャー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単かつ安価な構成により、マシニングセン
タを長期無人連続運転する際のパレット処理枚数を増加
して、マシニングセンタの稼動率を向上する。 【構成】 １台の門形マシニングセンタにおける加工機
テーブル１の延長線に沿って４台の待機用パレット置台
２Ａ〜２Ｄを列設する。待機用パレット置台２Ｃ，２Ｄ
の近傍に１台の段取用パレット置台３を設置する。加工
機テーブル１及び待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄの上に
合計５枚のパレットＰを載置する。パレットＰをパレッ
ト移載装置４により加工機テーブル１、待機用パレット
置台２Ａ〜２Ｄ、段取用パレット置台３の相互間で移し
換える。加工機テーブル１上に搬送装置５を配置する。
制御盤６にパレット移載装置４の動作順序を決定する制
御装置を設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、ワークを載せた複数枚のパレットを交換してマシニングセンタの 加工機テーブル上に搬出入するパレットチェンジャーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、門形マシニングセンタにおいては２面パレットチェンジャーが広く使用 されている。この２面パレットチェンジャーは、図３に示すように、１台の加工 機テーブル２１の周辺に配設された２台のパレット置台２２Ａ，２２Ｂと、各パ レット置台２２Ａ，２２Ｂと加工機テーブル２１との間でパレットＰを移し換え る移載装置２３と、加工機テーブル２１上に設置された搬送装置２４とから構成 されている。これによれば、加工機テーブル２１で一方のパレットＰ上のワーク （図示略）を加工している間に、他方のパレットＰ上でワークの取り換えまたは 清掃等の段取り作業ができるため、マシニングセンタの運転を停止することなく ２枚のパレットＰを交換して加工機テーブル２１に搬出入できる。また、従来、 複数台のマシニングセンタを設置した大規模ラインにおいては、多数枚のパレッ トをストッカーに格納し、そのストッカーと各マシニングセンタの加工機テーブ ルとの間で搬送車を運転して、多数のパレットを循環処理できるように構成した ＦＭＳ方式のパレットチェンジャーが使用されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来の２面パレットチェンジャーによると、段取り作業を２台のパ レット置台２２Ａ，２２Ｂにて交互に行う必要があり、マシニングセンタを長期 無人連続運転する場合にパレットの処理枚数が不足し、マシニングセンタの稼動 率が低下するという問題点があった。一方、ＦＭＳ方式のパレットチェンジャー によると、広大な設置スペースと膨大な設備費とが必要で、１台のマシニングセ ンタのみを設備した小規模ラインには不向きであった。そこで、この考案の課題 は、簡単かつ安価な構成により、マシニングセンタを長期無人連続運転する際の パレット処理枚数を増加できて、マシニングセンタの稼動率を向上できるパレッ トチェンジャーを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、この考案のパレットチェンジャーは、１台の加 工機テーブルの延長線に沿って列設された複数台の待機用パレット置台と、その 待機用パレット置台の近傍に設置された１台の段取用パレット置台と、パレット を加工機テーブル、待機用パレット置台、段取用パレット置台の相互間で移し換 えるパレット移載装置と、そのパレット移載装置の動作順序を決定する制御装置 とから構成される。

【０００５】

【作用】

この考案のパレットチェンジャーによれば、パレット移載装置が制御装置で決 定された動作順序に従い、段取用パレット置台と待機用パレット置台との間、待 機用パレット置台と加工機テーブルとの間、及び、加工機テーブルと段取用パレ ット置台との間で移動してパレットを交換する。この場合、段取用パレット置台 を段取り作業専用に使用できるため、その分、パレットの処理枚数を増加でき、 マシニングセンタの長期無人連続運転が可能になって稼動率が向上する。しかも 、待機用パレット置台及び段取用パレット置台は加工機テーブルの延長線に沿っ て列設されるので、システム全体の設置スペースを縮小でき、パレット移載装置 の可動部の移動距離も短縮できて、設備費を大幅に削減することが可能になる。

【０００６】

【実施例】

以下、この考案を具体化した実施例を図１及び図２に基づいて説明する。図１ に示すパレットチェンジャーにおいては、１台の門形マシニングセンタにおける 加工機テーブル１の延長線を挟む位置に２台ずつ合計４台の待機用パレット置台 ２Ａ，２Ｂ，２Ｃ，２Ｄが列設されている。また、待機用パレット置台２Ｃ，２ Ｄの近傍において加工機テーブル１の延長線上には１台の段取用パレット置台３ が設置されている。そして、加工機テーブル１及び各待機用パレット置台２Ａ〜 ２Ｄの上には合計５枚のパレットＰが載置されている。

【０００７】 加工機テーブル１の延長線上には、縦横に延びるレール及びパレット駆動機構 等（図示略）を装備したパレット移載装置４が設置され、パレットを加工機テー ブル１、待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄ、段取用パレット置台３の相互間で移し 換えできるように構成されている。加工機テーブル１上にはパレット搬出入用レ ール及びパレットクランプ機構等（図示略）を装備した搬送装置５が設けられて いる。また、段取用パレット置台３の近傍には制御盤６が配置され、ここには操 作パネル、及び、パレット移載装置４の動作順序を決定する制御装置等（図示略 ）が設けられている。

【０００８】 上記のように構成したこの実施例のパレットチェンジャーにおいては、パレッ ト移載装置４が制御装置で決定されたスケジュールに従って動作し、段取用パレ ット置台３と待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄとの間、待機用パレット置台２Ａ〜 ２Ｄと加工機テーブル１との間、及び、加工機テーブル１と段取用パレット置台 ３との間でパレットＰが交換される。この場合、段取用パレット置台３を段取り 作業専用に使用できるため、その分、パレットＰの処理枚数を増加でき、門形マ シニングセンタの長期無人連続運転が可能になって稼動率が向上する。しかも、 待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄ及び段取用パレット置台３は加工機テーブル１の 延長線に沿って列設されるので、システム全体の設置スペースを縮小でき、パレ ット移載装置４の可動部の移動距離も短縮できて、設備費を大幅に削減すること が可能になる。特に、この実施例では、段取用パレット置台３の周囲が開放され ているため、大型ワークの段取り作業を容易にできるという利点もある。

【０００９】 ここで、パレット移載装置４の動作順序の一例を図１の矢印に従って説明する と、加工機テーブル１上のパレットＰは、これに載せたワークの加工が完了した のち、搬送装置５により加工機テーブル１から直ちに搬出されてパレット移載装 置４に転送され、その移載装置４によって段取用パレット置台３上に載置される 。次いで、待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄのうちの一つからパレットＰがパレッ ト移載装置４により搬送装置５を介して加工機テーブル１上に搬入され、そのパ レットＰ上のワークが加工される。この間、段取用パレット置台３にてワークの 取り換えまたは清掃等の段取り作業が行われ、その作業が終了したパレットＰは パレット移載装置４により空の待機用パレット置台に送り込まれる。

【００１０】 また、別の方法として、段取用パレット置台３で段取り作業を済ませた５枚の パレットＰを予め加工機テーブル１及び待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄ上に送り 込んでおき、各パレットＰを加工スケジュールに基づいて順次加工し、加工後の パレットＰを元の待機用パレット置台２Ａ〜２Ｄに戻すように処理してもよく、 この場合には、パレット５枚分の長期無人連続運転が可能となる。その他、オペ レータは制御盤６にてパレットチェンジャーの運転スケジュールを任意に組替え てプログラムでき、割込み処理も可能である。

【００１１】 図２に示すパレットチェンジャーにおいては、加工機テーブル１の延長線を挟 む位置に合計３台の待機用パレット置台２Ａ，２Ｂ，２Ｃが列設され、待機用パ レット置台２Ｂに隣接する位置には１台の段取用パレット置台３が設置されてい て、合計４枚のパレットＰが加工機テーブル１及び各待機用パレット置台２Ａ〜 ２Ｃの上に載置されている。この構成によれば、パレット４枚分の長期無人連続 運転が可能になるうえ、図１の実施例と比較して、設置スペースをより縮小する ことができる。

【００１２】 なお、この考案は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、待機用パレ ット置台を加工機テーブルの延長線を挟む位置に更に２枚ずつ増設したり、待機 用パレット置台及び段取用パレット置台を加工機テーブルの延長線に沿って一列 に配設したりするなど、本考案の趣旨を逸脱しない範囲で各部の形状並びに構成 を適宜に変更して具体化することも可能である。

【００１３】

【考案の効果】

以上に詳述したように、この考案によれば、複数台の待機用パレット置台と１ 台の段取用パレット置台とを加工機テーブルの延長線に沿って列設したので、簡 単かつ安価な構成により、マシニングセンタを長期無人連続運転する際のパレッ トの処理枚数を増加できて、マシニングセンタの稼動効率を向上できるという優 れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すパレットチェンジャー
の平面図である。

【図２】本考案の別の実施例を示すパレットチェンジャ
ーの平面図である。

【図３】従来のパレットチェンジャーの平面図である。

【符号の説明】

１・・加工機テーブル、２Ａ〜２Ｄ・・待機用パレット
置台、３・・段取用パレット置台、４・・パレット移載
装置、５・・搬送装置、６・・制御盤、Ｐ・・パレッ
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 １台の加工機テーブルの延長線に沿って
   列設された複数台の待機用パレット置台と、その待機用
   パレット置台の近傍に設置された１台の段取用パレット
   置台と、パレットを加工機テーブル、待機用パレット置
   台、段取用パレット置台の相互間で移し換えるパレット
   移載装置と、そのパレット移載装置の動作順序を決定す
   る制御装置とを備えることを特徴とするマシニングセン
   タにおけるパレットチェンジャー。