JPH0574423B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ホツパーを有し、該ホツパーに投入
された乾式吹付用または湿式吹付用のコンクリー
ト材料を回転するロータのチヤンバに落ち込むよ
うにしたロータ式コンクリート吹付機に関する。

従来の技術 上記形式のコンクリート吹付機は、周知であ
る。この種の従来の吹付機は、主にホツパーに投
入したコンクリート材料を自重でロータのチヤン
バに落ち込むように構成している。ところが、コ
ンクリート材料が落ち込まれる位置におけるロー
タのチヤンバは上部を除いて気密的になつてい
る。従つて、コンクリート材料とチヤンバ内の空
気とが入れ換わられなければ、コンクリート材料
をロータに供給することができない。即ち、チヤ
ンバ内の空気が抜けなければ、コンクリート材料
がチヤンバ内に容易に落ち込まない。

このため、上記した従来の吹付機ではチヤンバ
内の空気がホツパー内のコンクリート材料の間を
縫つて抜けているが、コンクリート材料にはその
状態、例えばスランプ値の大きさ等によつて空気
が通りにくいものが多い。この結果、ロータのチ
ヤンバ内に供給されるコンクリート材料の量にば
らつきが生じ、このばらつきによつてコンクリー
ト吹付時において先端ノズルでの脈動が起つた
り、粉塵が多くなつたりする等の問題が起つた。

また、コンクリート吹付機はホツパー内でコン
クリート材料が層となつてその開口部を塞ぐブリ
ツジ現象が生ずることが多々ありこのブリツジ現
象が発生すると、吹付機本体側に供給されるコン
クリート材料の量にばらつきが生じ、上記と同様
な問題が起きた。

目 的 本発明は、上述した従来の不具合を解消し、コ
ンクリート材料をロータ内にスムーズに落ち込む
ことができるため従来に比較し吐出量を増大させ
てしかも安定して供給することができるロータ式
コンクリート吹付機を提供することを目的とす
る。

構 成 本発明は、上記目的をホツパー内の少なくとも
下部開口側に、コンクリート材料供給部と空気逃
げ部とを形成するための仕切部材を設け、前記空
気逃げ部が前記コンクリート材料供給部よりもロ
ータの回転方向に対して上流側に形成されている
ことにより達成した。

さらに、本発明は上記目的をホツパー内の少な
くとも下部開口側に、コンクリート材料供給部と
空気逃げ部とを形成するための仕切部材を設け、
前記空気逃げ部が前記コンクリート材料供給部よ
りもロータの回転方向に対して上流側に形成され
ていることと、前記ホツパーはその下端が振動可
能に支承されており、該ホツパーに振動を与える
振動発生手段を設けたこととにより達成した。

実施例 以下、本発明の実施例を添付図面に従つて説明
する。

第１図において、符号１は湿式吹付用のコンク
リート材料または乾式吹付用のコンクリート材料
が投入されるホツパーであり、ホツパー１の下方
には上部フランジ２及び上部ジヨイントプレート
３を介してロータ４が配置されている。

ロータ４は、第２図に示すように周方向に複数
のチヤンバ５が形成され、チヤンバ５はすべて同
容量に形成されている。また、ロータ４はその中
心に駆動軸６が連結され、この駆動軸６の回転駆
動に伴い、ロータ４は第２図の矢印Ｐ方向へ回転
する。

ロータ４の下部には、下部ジヨイントプレート
７が配設され、このプレートは下部フランジ８に
支持されている。上、下部のジヨイントプレート
３，７は、共に耐摩耗性を有し、かつ摩耗係数の
小さいゴム材等で作られている。なお、ロータ４
と上、下部ジヨイントプレート３，７との各間に
は焼入れ研摩したロータプレート（図示せず）を
ロータ４に固定するようにして介在させてもよ
い。

上記上部フランジ２及び上部ジヨイントプレー
ト３には、ホツパー１とロータ４のチヤンバ５と
連通する入口９，１０が形成されている。また、
下部ジヨイントプレート７及び下部フランジ８に
は入口９，１０に対しロータ４をほぼ半回転させ
た位置に出口１１，１２が形成されている。な
お、この出口１１，１２の上方において上部フラ
ンジ２及び上部ジヨイントプレート３に形成され
た孔は図示していないコンプレツサー等によつて
送り込まれる圧縮空気の取入口１３である。ま
た、出口１１，１２は圧送手段及びゴムホース等
を介してノズル（図示せず）に連通している。

かく構成されたコンクリート吹付機は、第１図
及び第４図に示すように、まずホツパー１内にコ
ンクリート材料が投入されるとともにロータ４が
回転する。そして、ホツパー１内のコンクリート
材料が入口９，１０を介してロータ４のチヤンバ
５へ落ち、コンクリート材料が入つたチヤンバ５
が半回転すると、取入口１３からの圧縮空気によ
り出口１１，１２を介してロータ４外へ排出され
る。排出されたコンクリート材料は、圧送手段に
よる圧縮空気によつてゴムホース等を介しノズル
から吹付けられる。なお、コンクリート材料が乾
式の場合には圧送中に水分等が供給される。圧縮
空気によつてコンクリート材料が排出された後の
ロータ４のチヤンバ５内には、圧縮空気が残存す
る。この圧縮空気はそのままチヤンバ５内に残つ
てホツパー１の下部開口１ａに至ると、コンクリ
ーシ材料の落ち込みに大きな障害となる。そこ
で、チヤンバ５がホツバー１の下部開口１ａに至
る手前に連通孔１３ａを形成し、その連通孔１３
ａを介してチヤンバ５内を大気圧にすることで、
上記問題が生じないように構成している。

上記した動作を順次繰返し行うことにより、コ
ンクリートの吹付けがなされる。ところが、従来
のコンクリート吹付機ではチヤンバ５内の空気が
大気圧であつても抜けにくく、コンクリート材料
がスムーズにロータ４のチヤンバ５に落ち込まな
かつたりした。

このため、チヤンバ５に供給されるコンクリー
ト材料の量にばらつきが生じ、これが原因で吹付
時に脈動が生ずる等の問題があることは先に説明
した。

本発明に係るコンクリート吹付機におけるホツ
パー１の下部開口１ａの大きさは、第２図に示す
ようにその外縁と内縁がチヤンバ５の外周線と内
周線とほぼ一致し、かつ約３つのチヤンバ５に股
がる程度の大きさであつて、全体でえんどう豆の
如き形状に形成されている。なお、上フランジ２
及び上ジヨイントプレート３の入口も同形であ
る。また、上記連通孔１３はホツパー１の下部開
口１ａに近づいた位置に配置されている。

かく構成のコンクリート吹付機は、第２図及び
第３図に示すようにホツパー１内面に固定された
仕切板１４として構成された仕切部材を設け、こ
の仕切板によつてホツパー１内を、コンクリート
材料が投入されロータ４へ供給するためのコンク
リート材料供給部１５と空気逃げ部１６とを形成
している。本例の仕切板１４は、ホツパー１の上
端にほぼ一致する位置からロータ４に近接する位
置まで延在している。上記空気逃げ部１６は、コ
ンクリート材料供給部１５よりもロータ４の回転
方向Ｂに対し上流側に設けられている。この場
合、空気逃げ部１６の大きさ、即ちホツパー１の
下部開口側の面積は適宜な大きさを選択してもよ
いが、あまり大きいとコンクリート供給部１５の
面積が小さくなるので、大きくとも１つのチヤン
バ５の開口面積よりも小さい程度が好ましい。そ
して、より好ましい空気逃げ部は下記の如く形成
する。なお、この説明の便宜上、第４図乃至第７
図のチヤンバ５にＡ〜Ｈの符号を付け、説明の基
準となるＡにはハツチングを付している。

チヤンバＡが第４図に示す位置に到来すると、
連通孔１３ａと連通しているので、チヤンバＡ内
に残留した圧縮空気が完全に抜け、室内は大気圧
となる。そして、ロータ４の回転により、チヤン
バＡが空気逃げ部１６と連通孔１６ａと股がる位
置（第５図）に到来すると、コンクリート材料供
給部１５から仕切板１４を通つて空気逃げ部１６
に回り込んだコンクリート材料があつても、この
位置においてでチヤンバＡに落ち込む。この場
合、その落ち込み量に応じてチヤンバＡ内の空気
が連通孔１３ａから逃げるのでコンクリート材料
と空気の入れ換りが容易に行われる。

チヤンバＡが第６図に示す位置へ到来すると、
コンクリート供給部１５よりコンクリート材料が
落ち込み、その落ち込み量に応じて空気が空気逃
げ部１６を介してチヤンバＡから抜ける。即ち、
チヤンバＡ内の空気がコンクリート材料と入れ換
えに空気逃げ部１６から抜ける。このため、コン
クリート材料のチヤンバＡへの供給が極めてスム
ーズに行われ、しかも供給量が安定して、チヤン
バＡが充満状態となる。そして、チヤンバＡが第
７図の位置に到来したとき、チヤンバＡがほぼ充
満状態となつて、コンクリート材料がコンクリー
ト供給部１５から空気逃げ部１６に回り込んでも
上記したように次のチヤンバＢに支障なく落ち込
められる。このような動作がチヤンバＡ〜Ｈに対
し同様に行われので、供給量が大量でしかも安定
し得られる。

かく構成のコンクリート吹付機は、下記に詳細
する機構をホツパーに設けることにより、上記し
た効果がより安定して得られる。

第１図及び第３図において、本実施例ではホツ
パー１が下部ホツパー１７と、下部ホツパー上に
連接された上部ホツパー１８とから構成されてい
る。この場合、上部ホツパー１８は金属で作られ
ているが、下部ホツパー１７はその少なくとも周
面の１部分がゴム等の可撓性材料で作られた振動
防止部１９が設けられている。上部ホツパー１８
はその上方で吹付機本体に防振ゴム２０を介して
支承されている。従つて、ホツパー１は吊られる
如くして吹付機本体に支持されている。上部ホツ
パー１８にはホツパー１を振動させるためのバイ
ブレータ２１として構成された振動発生手段が取
付けられている。このバイブレータ２１は、その
種類を問わないが、本実施例では圧縮空気によつ
て駆動するものが用いられている。

ここで、バイブレータ２１を振動させると、上
部ホツパー１８を吊るす如く支承して振動させる
ため、コンクリート材料がロータ４のチヤンバ５
に十分に落ち込み、しかもホツパー内でブリツジ
現象を起すこと自体も防止する。このとき、バイ
ブレータ２１の振動は防振ゴム２０及び下部ホツ
パー１７に設けた振動防止部１９によつて殆んど
吸収され、コンクリート吹付機本体には伝わりに
くくなつている。

以上、本発明の好ましい実施例について説明し
たが、本発明は上記実施例にのみ限定されず、各
種改変できるものである。例えば、第３図では空
気逃げ部はホツパーの上端まで延びているが、ホ
ツパーの中間域でホツパーの外部連通するように
してもよい。即ち、ホツパーの一部に孔をあけ、
そこに空気逃げ部を連通するようにしてもよい。
また、ホツパーを上部と下部とに分割し、上部ホ
ツパー側にバイブレータを取付ける場合には、コ
ンクリート吹付機本体へ振動が伝わらないように
するものとして第８図及び第９図に示す如く夫々
ゴム材１９′，１９″を設けてもよい。

なお、本発明は湿式コンクリート材料専用、乾
式コンクリート材料専用及び湿式コンクリート材
料と乾式コンクリート材料共用タイプのロータ式
コンクリート吹付機に適用できる。

効 果 本発明に係るロータ式コンクリート吹付機は、
上述の如く構成され、コンクリート材料のロータ
内への落ち込みがスムーズでバラツキが生じにく
いため、ノズル部での脈動のない安定した吹付け
が得られた。

さらに、本発明は上部ホツパーを吊るす如く支
承して振動させるため、コンクリート材料がロー
タのチヤンバに十分に落ち込み、ホツパー内でブ
リツジ現象を起すこと自体も防止することができ
た。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係るロータ式コンクリート
吹付機の断面図、第２図は第１図の平面図、第３
図は第２図の−線に従う断面図、第４図乃至
第７図はコンクリート材料がチヤンバに落ち込む
作動を説明する説明図、第８図及び第９図は夫々
ホツパーの変更例を示す一部分の断面図である。 １……ホツパー、４……ロータ、５……チヤン
バ、１４……仕切板、１５……コンクリート材料
供給部、１６……空気逃げ部、２１……バイブレ
ータ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ホツパーを有し、該ホツパーに投入された乾
   式吹付用または湿式吹付用のコンクリート材料を
   ロータのチヤンバに落ち込むようにしたロータ式
   コンクリート吹付機において、前記ホツパー内の
   少なくとも下部開口側に、コンクリート材料供給
   部と空気逃げ部とを形成するための仕切部材を設
   け、前記空気逃げ部が前記コンクリート材料供給
   部よりもロータの回転方向に対して上流側に形成
   されていることを特徴とする前記コンクリート吹
   付機。 ２ ホツパーを有し、該ホツパーに投入された乾
   式吹付用または湿式吹付用のコンクリート材料を
   ロータのチヤンバに落ち込むようにしたロータ式
   コンクリート吹付機において、前記ホツパー内の
   少なくとも下部開口側に、コンクリート材料供給
   部と空気逃げ部とを形成するための仕切部材を設
   け、前記空気逃げ部が前記コンクリート材料供給
   部よりもロータの回転方向に対して上流側に形成
   されていることと、前記ホツパーはその下端が振
   動可能に支承されており、該ホツパーに振動を与
   える振動発生手段を設けたこととを特徴とする前
   記コンクリート吹付機。