JPH0574145B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、磁気記憶装置に関し、特に磁気記録
媒体から読出された情報をパルス列に変換する磁
気データ再生方式に関する。

〔発明の背景〕

第１図は従来の磁気記憶装置における一般的な
磁気データ再生方式を示す図、第２図、第３図は
その動作波形図である。

第１図において、磁気記録媒体１に書込まれた
情報は、磁気ヘツド２により電気信号に変換され
る。この時、電気信号は、磁気記録媒体１の半径
方向の位置等により信号レベルが異なるため、該
電気信号はAGCアンプ３により信号振幅の一定
化が行われ、読出し信号ａとして出力される。読
出し信号ａは、一方ではピーク点検出回路４へ供
給され、ピーク点検出回路４はピーク点検出パル
スｃをANDゲート７へ供給する。第２図に示す
ように、読出し信号ａは、磁気記録媒体１の情報
を示す本来のピーク点Ｐの他に、雑音等による偽
のピーク点P′を含んでおり、ピーク点検出回路４
から得られるピーク点検出パルスｃは偽のピーク
点P′によるパルスS′をも含んでいる。この偽のピ
ーク点P′によるパルスS′を除去するため、ある一
定の基準レベルにより読出し信号ａをスライスし
ている。

すなわち、読出し信号ａは、比較回路６へ供給
される。また、比較回路６へは、基準レベル発生
回路５の出力する基準レベルｂが供給される。比
較回路６は、入力された読出し信号ａと基準レベ
ルｂの振幅レベルを比較し、読出し信号ａが所定
の振幅レベル（基準レベルｂ）以上であることを
示すゲート信号ｄをANDゲート７へ供給する。
このゲート信号ｄは、磁気記録媒体１の情報を示
す読出し信号ａのピーク点Ｐに対応しているた
め、ピーク点検出パルスｃとゲート信号ｄとの論
理積をANDゲート７でとると、その出力は、磁
気記録媒体１の情報を正確に示す再生パルスｅと
なる。

この場合、通常は基準レベルｂを固定レベルと
して雑音等による偽再生パルス（S′）のわき出し
を防止している。

しかし、例えば、書込み動作終了直後のAGC
アンプ３の出力信号は、AGCアンプ３の過渡応
答の影響を受け、第３図に示す読出し信号ｆのよ
うに、低周波成分ｇを伴なつた信号としてピーク
点検出回路４、および比較回路６へ供給される。
この時、ピーク点検出回路４はピーク点検出パル
スｈをANDゲート７へ供給するが、基準レベル
発生回路５の発生する基準レベルｂが固定レベル
であり、低周波成分ｇに対応した基準レベルでな
いため、比較回路６は、磁気記録媒体１の情報を
正確に反映しない誤つたゲート信号ｊをANDゲ
ート７へ供給する。したがつて、ANDゲート７
から出力されるピーク点検出信号は偽の再生パル
スｋとなる。

このように、固定の基準レベルを用いる磁気デ
ータ再生方式では、書込み動作直後の正しい再生
パルスの発生が行えないため、一定時間待たなけ
ればならず、装置のアクセスタイム短縮、あるい
は記憶容量増大の障害となつていた。そこで、基
準レベルを読出し信号の低周波成分に応じて変化
させるフローテイングスライス方式が提案されて
いるが、従来のフローテイング方式は、差動アン
プのCMRRを利用する等、回路が複雑であり高
価である。

〔発明の目的〕

上記目的を達成するため、本発明は、磁気記憶
装置において、簡単かつ安価な回路により書込み
動作終了直後に短時間で読出し動作に移行できる
よう構成した磁気データ再生方式を提供すること
にある。

〔発明の概要〕

上記目的を達成するため、本発明は、磁気記録
媒体に書込まれた情報を磁気ヘツドで読み出し、
AGCアンプを通過させた読出し信号のピーク点
を示す信号を発生する手段と、前記読出し信号を
スライスするための基準レベル信号を発生する手
段とを有する磁気記憶装置において、前記読出し
信号の低周波成分を通過させる低域濾波器と、加
算回路とを設け、前記低周波成分と前記基準レベ
ル信号とを前記加算回路により加算し、加算した
信号により前記読出し信号をスライスし、スライ
スした信号により前記ピーク点を示す信号をゲー
トすることに特徴がある。

〔発明の実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明
する。

第４図は本発明の一実施例による磁気記憶装置
の読取部のブロツク図、第５図は第４図の動作波
形図である。

第４図において、第１図に示した従来の固定レ
ベル方式と異なる点は、ローパスフイルタ８、お
よび加算回路９を追加した点である。このローパ
スフイルタ８、および加算回路９は、いずれも簡
単な回路構成であり、かつ安価である。

以下、第４図の回路動作を説明する。磁気記録
媒体１に書込まれた情報は磁気ヘツド２により読
出され電気信号に変換される。この電気信号は、
磁気記録媒体１の位置により信号レベルが異なる
ため、AGCアンプ３により信号振幅の一定化が
行われ、読出し信号ｆとして出力される。

読出し信号ｆはピーク点検出回路４に供給さ
れ、ピーク点検出回路４は読出し信号ｆのピーク
点を検出し、その結果得られたピーク点検出信号
ｈをANDゲート７に供給する。ピーク点検出信
号ｈは、磁気記録媒体１の情報に対応するパルス
Ｓともに、雑音等による偽のパルスS′をも含んで
いる。偽のパルスS′を除去するためには、偽のパ
ルスS′の原因となる雑音等によるピーク点P′は磁
気記録媒体１の情報によるピーク点Ｐより振幅レ
ベルが小さいことを利用する。すなわち、基準レ
ベルを設け、基準レベルにより読出し信号ｆをス
ライスする。ここで、書込み動作直後や電源投入
直後における読出し信号ｆは、第５図に示すよう
に低周波成分ｌを含んでおり、このため基準レベ
ルを固定した場合、磁気記録媒体１の情報に正確
に対応するパルス列を得られないこととなる。

磁気記録媒体１の情報を正確に再生した再生パ
ルスを得るためには、基準レベルを読出し信号ｆ
の低周波成分ｌに応じて変化させる必要がある。
そこで、本実施例では次のようにした。

読出し信号ｆを低域濾波器（ローパス・フイル
タ）８に供給し高周波成分を除去して、その低周
波成分ｌのみを加算回路９に供給する。

加算回路９は、基準レベル発生回路５より供給
された基準レベルｂと低周波成分ｌとを加算す
る。この結果得られる信号は、読出し信号ｆの低
周波成分ｌに応じて変化し、かつ低周波成分ｌと
は基準レベルｂの値だけレベル差を有する。した
がつて、この可変信号を読出し信号ｆをスライス
するための基準レベルとすれば、たとえ読出し信
号ｆが低周波成分を含んでいたとしても磁気記録
媒体１の情報を忠実に再生することができる。そ
こで、加算回路９の出力を可変基準レベルb′とし
て比較回路６へ供給する。

比較回路６は、読出し信号ｆを可変基準レベル
b′によりスライスし、読出し信号ｆの可変基準レ
ベルb′以上の部分を示す信号ｍを発生する。
ANDゲート７は、この信号ｍとピーク点検出信
号ｈとの論理積をとることにより、雑音や過渡応
答時の信号レベル変動による偽のピーク点を除去
した正しいピーク点検出信号である再生パルスｎ
を発生する。

このように、従来の固定基準レベル方式に、簡
単かつ安価なローパスフイルタと加算回路とを追
加することのみで、低周波成分を含む読出し信号
から、磁気記録媒体の情報を正確に再生した再生
パルスを得ることができ、書込み動作終了後の読
出し動作の開始待ち時間を短縮することができ
る。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明の磁気データ再生
方式によれば、簡単かつ安価な回路により書込み
動作終了後、直ちに読出し動作に移行し得るよう
構成することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の磁気データ再生方式を示すブロ
ツク図、第２図、第３図は第１図の動作波形図、
第４図は本発明の一実施例による磁気データ再生
方式を示すブロツク図、第５図は第４図の動作波
形図である。 １：磁気記録媒体、４：ピーク点検出回路、
５：基準レベル発生回路、６：比較回路、７：
ANDゲート、８：ローパスフイルタ、９：加算
回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 磁気記録媒体に書込まれた情報を磁気ヘツド
   で読み出し、AGCアンプを通過させた読出し信
   号のピーク点を示す信号を発生する手段と、前記
   読出し信号をスライスするための基準レベル信号
   を発生する手段とを有する磁気記憶装置におい
   て、前記読出し信号の低周波成分を通過させる低
   域濾波器と、加算回路とを設け、前記低周波成分
   と前記基準レベル信号とを前記加算回路により加
   算し、加算した信号により前記読出し信号をスラ
   イスし、スライスした信号により前記ピーク点を
   示す信号をゲートすることを特徴とする磁気デー
   タ再生方式。