JPH057393A - 音響用振動板材料 - Google Patents
音響用振動板材料Info
- Publication number
- JPH057393A JPH057393A JP23342191A JP23342191A JPH057393A JP H057393 A JPH057393 A JP H057393A JP 23342191 A JP23342191 A JP 23342191A JP 23342191 A JP23342191 A JP 23342191A JP H057393 A JPH057393 A JP H057393A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filamentous
- genus
- acoustic diaphragm
- diaphragm
- fibers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】糸状微生物の生産する糸状物または繊維状物を
洗浄後、単体でまたは他の材料と混合して、抄紙、成形
して音響用振動板材料を得る。 【効果】糸状微生物の生産する糸状物または繊維状物を
音響用振動板の材料として用いることにより、ヤング率
が高いことはもちろん、従来より特に内部損失の点が大
きく音色の優れた音響振動板材料を得ることが可能とな
った。この素材を音響振動板として用いることにより、
歪の少ない音色がえることができるようになる。
洗浄後、単体でまたは他の材料と混合して、抄紙、成形
して音響用振動板材料を得る。 【効果】糸状微生物の生産する糸状物または繊維状物を
音響用振動板の材料として用いることにより、ヤング率
が高いことはもちろん、従来より特に内部損失の点が大
きく音色の優れた音響振動板材料を得ることが可能とな
った。この素材を音響振動板として用いることにより、
歪の少ない音色がえることができるようになる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スピーカー、マイクロ
ホン、楽器などに使用される音響用振動板に関するもの
であり、さらに詳しく述べると材料として、糸状微生物
の生産する糸状物または繊維状物を含有する音響用振動
板に関するものである。
ホン、楽器などに使用される音響用振動板に関するもの
であり、さらに詳しく述べると材料として、糸状微生物
の生産する糸状物または繊維状物を含有する音響用振動
板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の音響用振動板として要求される物
理的特性としては、以下のようなことが一般的に言われ
ている。第一に良い音響振動板材料とは、低比重、高弾
性率をもつものである。すなわち、低比重で弾性率が高
ければ音響用振動板の共振周波数が高くなるので、高音
域での特性がよくなる。次に、内部損失が大きいことで
ある。すなわち内部損失が大きいことは、共振鋭度が少
なく周波数特性の平坦化や歪の改善につながる。
理的特性としては、以下のようなことが一般的に言われ
ている。第一に良い音響振動板材料とは、低比重、高弾
性率をもつものである。すなわち、低比重で弾性率が高
ければ音響用振動板の共振周波数が高くなるので、高音
域での特性がよくなる。次に、内部損失が大きいことで
ある。すなわち内部損失が大きいことは、共振鋭度が少
なく周波数特性の平坦化や歪の改善につながる。
【0003】このような特性の要求がある中でこれまで
の音響振動板材料としては、紙のような天然繊維、人工
的に作られた合成繊維、高分子フィルム、合成高分子シ
ート、金属、木材、さらには、これらを組み合わせた材
料や、化学的に構造を一部改変したりした材料が用いら
れてきている。例えば、スピーカーのようなものを例に
あげると、古くから紙を抄造して得られるコーンが最も
広く用いられてきた。近年は、液晶紡糸により得られる
アラミド繊維や、超高分子量ポリエチレンのような一軸
方向に高弾性率を持つ材料を混抄したり、チタン、アル
ミニウムなどの金属を用いることで弾性率を増強するこ
とが試みられている。また、酢酸菌の生産したゲル状セ
ルロースをプレス成形することなどにより、高弾性率、
低比重の素材を得、これを再生周波数帯域の広い音響振
動板と用いる方法が特開昭61−281800に開示さ
れている。一方、内部損失を増加させるためには、アル
ギン酸繊維を混抄することなどが試みられている。
の音響振動板材料としては、紙のような天然繊維、人工
的に作られた合成繊維、高分子フィルム、合成高分子シ
ート、金属、木材、さらには、これらを組み合わせた材
料や、化学的に構造を一部改変したりした材料が用いら
れてきている。例えば、スピーカーのようなものを例に
あげると、古くから紙を抄造して得られるコーンが最も
広く用いられてきた。近年は、液晶紡糸により得られる
アラミド繊維や、超高分子量ポリエチレンのような一軸
方向に高弾性率を持つ材料を混抄したり、チタン、アル
ミニウムなどの金属を用いることで弾性率を増強するこ
とが試みられている。また、酢酸菌の生産したゲル状セ
ルロースをプレス成形することなどにより、高弾性率、
低比重の素材を得、これを再生周波数帯域の広い音響振
動板と用いる方法が特開昭61−281800に開示さ
れている。一方、内部損失を増加させるためには、アル
ギン酸繊維を混抄することなどが試みられている。
【0004】一般に、内部損失が高い材料は弾性率と比
重が低くなり、また弾性率と比重が高い材料は内部損失
が低い傾向があった。したがって、上記のように、様々
な材料が音響振動板として試みられてきているが、理想
的と言える高い弾性率と高い内部損失を持つ材料につい
ては、まだまだ開発の余地が多く残されている。
重が低くなり、また弾性率と比重が高い材料は内部損失
が低い傾向があった。したがって、上記のように、様々
な材料が音響振動板として試みられてきているが、理想
的と言える高い弾性率と高い内部損失を持つ材料につい
ては、まだまだ開発の余地が多く残されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、音響
振動板材料に好適な材料を提供する事にある。さらに詳
しくは、音響材料に必要な高いヤング率と低い比重を持
ちながら、特に内部損失の高い材料を提供する事にあ
る。
振動板材料に好適な材料を提供する事にある。さらに詳
しくは、音響材料に必要な高いヤング率と低い比重を持
ちながら、特に内部損失の高い材料を提供する事にあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために鋭意検討をおこなった。その結果、糸
状微生物の生産する糸状物または繊維状物を音響振動板
材料として用いることにより、内部損失の低い音色の優
れた振動板を得られることを見いだし本発明を完成する
に至った。
を達成するために鋭意検討をおこなった。その結果、糸
状微生物の生産する糸状物または繊維状物を音響振動板
材料として用いることにより、内部損失の低い音色の優
れた振動板を得られることを見いだし本発明を完成する
に至った。
【0007】本発明で用いられる糸状微生物とは、カビ
(アスペルギルス属、リゾプス属、フザリウム属、サプ
ロレグニア属、ムコール属、ディプロディア属、セルコ
スポラ属、モナスカス属、アクチノムコール属、ニュー
ロスポラ属、ペニシリウム属等)、酵母(カンディダ
属、サッカロミセス属等)、放線菌(ストレプトミセス
属等)、バクテリア(マイコバクテリウム属等)、担子
菌類(ヘテロバシジョン属、ラエティポルス属、ティロ
ミセス属等)、藻類(ボトリディウム属、スペルリナ
属、バロニア属)等、糸状物または繊維状物になる全て
の生物をさす。このような糸状物または繊維状物の直径
は、約0.1ないし15μmである。
(アスペルギルス属、リゾプス属、フザリウム属、サプ
ロレグニア属、ムコール属、ディプロディア属、セルコ
スポラ属、モナスカス属、アクチノムコール属、ニュー
ロスポラ属、ペニシリウム属等)、酵母(カンディダ
属、サッカロミセス属等)、放線菌(ストレプトミセス
属等)、バクテリア(マイコバクテリウム属等)、担子
菌類(ヘテロバシジョン属、ラエティポルス属、ティロ
ミセス属等)、藻類(ボトリディウム属、スペルリナ
属、バロニア属)等、糸状物または繊維状物になる全て
の生物をさす。このような糸状物または繊維状物の直径
は、約0.1ないし15μmである。
【0008】培地は、有機及び無機栄養分を含む各糸状
微生物に適した培地(例えば、カビの場合には、ポテト
デキストロース培地や酵母エキスマルトエキストラクト
培地)を用いる。培養においては、生産された糸状物ま
たは繊維状物が、玉状に固まってしまうこともあるの
で、緩やかな攪拌か静置条件が望ましい。玉状に固まっ
てしまう恐れのない場合は、生育を促進するために、激
しい振盪、かくはんを行なってもよい。温度は、5〜9
5℃、期間は、1日間〜90日間の範囲にて行う。
微生物に適した培地(例えば、カビの場合には、ポテト
デキストロース培地や酵母エキスマルトエキストラクト
培地)を用いる。培養においては、生産された糸状物ま
たは繊維状物が、玉状に固まってしまうこともあるの
で、緩やかな攪拌か静置条件が望ましい。玉状に固まっ
てしまう恐れのない場合は、生育を促進するために、激
しい振盪、かくはんを行なってもよい。温度は、5〜9
5℃、期間は、1日間〜90日間の範囲にて行う。
【0009】培養により得られた糸状物または繊維状物
は、そのまま使用することもできるが、セルロース、キ
チンのような不溶性多糖類、可溶性多糖類等の他に、タ
ンパク質、核酸、脂質、無機塩類等種々の成分を含有し
ているので適当な処理でそれらを除去することもでき
る。例えばタンパク質の場合はアルカリ溶液、脂質の場
合は有機溶剤、無機塩類にの場合は酸溶液等にそれぞれ
浸漬することにより除去が可能である。また糸状物また
は繊維状物には色が着いている場合があるが、これは目
的に応じて上記の処理や漂白等で脱色する事が可能であ
る。通常、本発明の糸状物または繊維状物に対する処理
は、通常のパルプ精製工程、すなわちアルカリ処理や漂
白処理などの工程をそのまま使用することができる。さ
らに、酵素処理、界面活性剤処理等も組み合わせて行っ
てもよい。吸湿性等の音響振動板に好ましくない特性を
改善するためにも上記のような操作はしたほうが望まし
い。
は、そのまま使用することもできるが、セルロース、キ
チンのような不溶性多糖類、可溶性多糖類等の他に、タ
ンパク質、核酸、脂質、無機塩類等種々の成分を含有し
ているので適当な処理でそれらを除去することもでき
る。例えばタンパク質の場合はアルカリ溶液、脂質の場
合は有機溶剤、無機塩類にの場合は酸溶液等にそれぞれ
浸漬することにより除去が可能である。また糸状物また
は繊維状物には色が着いている場合があるが、これは目
的に応じて上記の処理や漂白等で脱色する事が可能であ
る。通常、本発明の糸状物または繊維状物に対する処理
は、通常のパルプ精製工程、すなわちアルカリ処理や漂
白処理などの工程をそのまま使用することができる。さ
らに、酵素処理、界面活性剤処理等も組み合わせて行っ
てもよい。吸湿性等の音響振動板に好ましくない特性を
改善するためにも上記のような操作はしたほうが望まし
い。
【0010】さらにまた、耐水性を積極的に得るために
は、糸状微生物の生産する糸状物または繊維状物の成分
の中の水分を吸着するような極性を持った部分を化学的
に修飾することもできる。具体的には、不均一脂肪酸エ
ステル化、アセチル化等が上げられる。またこの操作で
は、糸状物または繊維状物の一部例えば表面のみが修飾
されるので、修飾後の音響振動板特性が劣化することは
ない。
は、糸状微生物の生産する糸状物または繊維状物の成分
の中の水分を吸着するような極性を持った部分を化学的
に修飾することもできる。具体的には、不均一脂肪酸エ
ステル化、アセチル化等が上げられる。またこの操作で
は、糸状物または繊維状物の一部例えば表面のみが修飾
されるので、修飾後の音響振動板特性が劣化することは
ない。
【0011】このようにして得られた糸状微生物の生産
する糸状物または繊維状物、あるいはこれを化学的に修
飾したものは、従来から用いられてきた音響振動板の素
材と併用してもよいし、単独で用いてもよい。併用する
方法を具体的にのべると、例えばパルプと混抄する場合
は、本発明の糸状物または繊維状物を水に懸濁させたも
のを、パルプの離解物と攪拌して混合した後に、通常の
抄造を行なえばよい。混合の比率は、本発明の糸状物ま
たは繊維状物の含量でいうと、重量%で0.1%ないし
100%である。この際、必要に応じて、例えばコーン
型に形を整えたい時などには、抄造後に熱プレス等を行
なってもよい。また、パルプから抄紙を行なったのち
に、本発明の糸状物または繊維状物を出来た紙の表面に
コーティングしてもよい。コーティングの際、本発明の
糸状物または繊維状物と紙の結着を効率的に行なわしめ
るために、適当な接着剤を添加してもよい。さらにま
た、コーティングを行なう相手の材料は、紙に限らず金
属、プラスチックなど何でもよい。
する糸状物または繊維状物、あるいはこれを化学的に修
飾したものは、従来から用いられてきた音響振動板の素
材と併用してもよいし、単独で用いてもよい。併用する
方法を具体的にのべると、例えばパルプと混抄する場合
は、本発明の糸状物または繊維状物を水に懸濁させたも
のを、パルプの離解物と攪拌して混合した後に、通常の
抄造を行なえばよい。混合の比率は、本発明の糸状物ま
たは繊維状物の含量でいうと、重量%で0.1%ないし
100%である。この際、必要に応じて、例えばコーン
型に形を整えたい時などには、抄造後に熱プレス等を行
なってもよい。また、パルプから抄紙を行なったのち
に、本発明の糸状物または繊維状物を出来た紙の表面に
コーティングしてもよい。コーティングの際、本発明の
糸状物または繊維状物と紙の結着を効率的に行なわしめ
るために、適当な接着剤を添加してもよい。さらにま
た、コーティングを行なう相手の材料は、紙に限らず金
属、プラスチックなど何でもよい。
【0012】以上のようにして得られる本発明の糸状物
または繊維状物を含有している成形物は、通常の紙より
も高い内部損失をもつ。しかし、内部損失が大きいだけ
では、音響振動板材料の特性としては片手落ちである。
本発明の糸状物または繊維状物を含有している材料は、
前述の音響振動板材料として必要とされる弾性率と比重
についても充分な値をもつ。すなわち、本発明の糸状物
または繊維状物は、これまでスピーカーの音響振動板の
材料によく用いられてきた紙等の繊維より細い為、単位
体積当りの表面積が大きくなり、糸状物または繊維状物
相互の結着強度が高い。従って、弾性率は、通常の紙よ
りも高い。また、比重に関しては、従来の金属材料など
と比較すると大変ひくく紙並である。すなわち、用いる
糸状物または繊維状物の種類にもよるが0.3ないし
1.6である。
または繊維状物を含有している成形物は、通常の紙より
も高い内部損失をもつ。しかし、内部損失が大きいだけ
では、音響振動板材料の特性としては片手落ちである。
本発明の糸状物または繊維状物を含有している材料は、
前述の音響振動板材料として必要とされる弾性率と比重
についても充分な値をもつ。すなわち、本発明の糸状物
または繊維状物は、これまでスピーカーの音響振動板の
材料によく用いられてきた紙等の繊維より細い為、単位
体積当りの表面積が大きくなり、糸状物または繊維状物
相互の結着強度が高い。従って、弾性率は、通常の紙よ
りも高い。また、比重に関しては、従来の金属材料など
と比較すると大変ひくく紙並である。すなわち、用いる
糸状物または繊維状物の種類にもよるが0.3ないし
1.6である。
【0013】
【実施例1】イーストエキストラクト3g、マルトエキ
ストラクト3g、ポリペプトン5g、グルコース10
g、寒天20g、水道水1.0Lの組成でpH7.0に
調整した寒天平面培地上で、カビ(アスペルギウス.オ
リゼー ATCC15240)を接種し、30℃で3日
間培養した。この培養で得られたカビの胞子を生理食塩
水吸光度を2.53(600nm)になるように懸濁し
た。この懸濁液を、イーストエキストラクト0.3g、
マルトエキストラクト0.3g、ポリペプトン0.5
g、グルコース1.0g、水道水1.0Lの組成をもち
pH7.0に調整した液体培地に対して2%の容量で接
種した。これをマグネチックスターラーにより、30r
pmの緩やかな回転を行いながら、30℃で2日間培養
した。培養後に、生成した菌糸を十分量の水で吸引ろ過
しながら水洗した(以下水洗菌糸)。この水洗菌糸1部
を10部の2%の水酸化ナトリウム水溶液中で70℃で
24時間浸漬し可溶性成分を除去した。この操作をさら
に2回繰り返した。これをさらに、ブフナー漏斗上で吸
引しながらpHが中性となるまで水で洗浄した(以下ア
ルカリ洗浄菌糸)。
ストラクト3g、ポリペプトン5g、グルコース10
g、寒天20g、水道水1.0Lの組成でpH7.0に
調整した寒天平面培地上で、カビ(アスペルギウス.オ
リゼー ATCC15240)を接種し、30℃で3日
間培養した。この培養で得られたカビの胞子を生理食塩
水吸光度を2.53(600nm)になるように懸濁し
た。この懸濁液を、イーストエキストラクト0.3g、
マルトエキストラクト0.3g、ポリペプトン0.5
g、グルコース1.0g、水道水1.0Lの組成をもち
pH7.0に調整した液体培地に対して2%の容量で接
種した。これをマグネチックスターラーにより、30r
pmの緩やかな回転を行いながら、30℃で2日間培養
した。培養後に、生成した菌糸を十分量の水で吸引ろ過
しながら水洗した(以下水洗菌糸)。この水洗菌糸1部
を10部の2%の水酸化ナトリウム水溶液中で70℃で
24時間浸漬し可溶性成分を除去した。この操作をさら
に2回繰り返した。これをさらに、ブフナー漏斗上で吸
引しながらpHが中性となるまで水で洗浄した(以下ア
ルカリ洗浄菌糸)。
【0014】アルカリ洗浄菌糸を100メッシュの篩上
で抄紙してから2枚の金属板にはさんで150℃で10
分間プレス乾燥し、シートをえた(以下シートA)。こ
のシートの特性を強制非共振振動法で測定したところ、
内部損失tanδが0.055であった。比較のため、
アルミニウムシート、クラフト紙の内部損失を測定した
ところ、それぞれ、0.002及び0.039で本発明
で得られるシートよりも低いことがわかった。
で抄紙してから2枚の金属板にはさんで150℃で10
分間プレス乾燥し、シートをえた(以下シートA)。こ
のシートの特性を強制非共振振動法で測定したところ、
内部損失tanδが0.055であった。比較のため、
アルミニウムシート、クラフト紙の内部損失を測定した
ところ、それぞれ、0.002及び0.039で本発明
で得られるシートよりも低いことがわかった。
【0015】
【実施例2】実施例1で得たシートAを無水酢酸蒸気中
で気相酢化した。酢化剤として無水酢酸を用い無触媒
で、120℃で5時間反応させシートを得た(これをシ
ートBとする)。シートAの表面に水を一滴たらした場
合は、水がすぐに吸着されることがわかったが、シート
Bは、水滴が玉状に表面を転がり、シートの表面が酢化
されていることがわかった。
で気相酢化した。酢化剤として無水酢酸を用い無触媒
で、120℃で5時間反応させシートを得た(これをシ
ートBとする)。シートAの表面に水を一滴たらした場
合は、水がすぐに吸着されることがわかったが、シート
Bは、水滴が玉状に表面を転がり、シートの表面が酢化
されていることがわかった。
【0016】このシートBの特性を実施例1と同様に測
定した。その結果内部損失tanδは、0.056であ
った。
定した。その結果内部損失tanδは、0.056であ
った。
【0017】
【実施例3】クラフト紙をパルプ離解機を用いて離解し
てから、実施例1のアルカリ洗浄菌糸を乾燥重量に換算
して1:1で混合した。これを実施例1と同様に抄紙し
てからプレス乾燥してシートを得た(シートCとす
る)。このシートCのtanδは、0.050であっ
た。
てから、実施例1のアルカリ洗浄菌糸を乾燥重量に換算
して1:1で混合した。これを実施例1と同様に抄紙し
てからプレス乾燥してシートを得た(シートCとす
る)。このシートCのtanδは、0.050であっ
た。
【0018】
【実施例4】ディプロディア・ナタレンシス(Diplodia
natalensis)ATCC34643、セルコスポラ・オリ
ゼー(Cercospora oryzae)ATCC60658、モナス
カス・プルプレウス(Monascus purpureus)IFO451
3、アクチノムコール・エレガンス(Actinomucor elega
ns)IFO6408、ムコール・プライニー(Mucor prai
nii)IFO4581、リゾプス・ニベウス(Rhizopus ni
veus)IFO4759、リゾプス・オリゴスポラス(Rhiz
opus oligosporus)IFO8631をそれぞれ実施例1
と同様の方法で培養して菌糸を得た。これらの菌糸を水
洗後、1%水酸化ナトリウム溶液中で2時間煮沸洗浄し
可溶性成分を除去した。これらをさらに充分量の水で洗
浄し、アルカリ洗浄菌糸を得た。これらのアルカリ洗浄
菌糸を常法に従い抄紙しシートを作成した。これらシー
トの特性を振動リード法によって測定した。なお比較と
して通常のクラフト紙の測定も行った。結果を表1に示
す。
natalensis)ATCC34643、セルコスポラ・オリ
ゼー(Cercospora oryzae)ATCC60658、モナス
カス・プルプレウス(Monascus purpureus)IFO451
3、アクチノムコール・エレガンス(Actinomucor elega
ns)IFO6408、ムコール・プライニー(Mucor prai
nii)IFO4581、リゾプス・ニベウス(Rhizopus ni
veus)IFO4759、リゾプス・オリゴスポラス(Rhiz
opus oligosporus)IFO8631をそれぞれ実施例1
と同様の方法で培養して菌糸を得た。これらの菌糸を水
洗後、1%水酸化ナトリウム溶液中で2時間煮沸洗浄し
可溶性成分を除去した。これらをさらに充分量の水で洗
浄し、アルカリ洗浄菌糸を得た。これらのアルカリ洗浄
菌糸を常法に従い抄紙しシートを作成した。これらシー
トの特性を振動リード法によって測定した。なお比較と
して通常のクラフト紙の測定も行った。結果を表1に示
す。
【0019】
【表1】
【0020】本発明の糸状微生物の菌糸を用いたシート
は、一般の振動板材料と比較すると、ヤング率はかなり
高いレベルに位置していると同時に、内部損失がこれま
で知られている紙の様な材料よりはるかに高く音響振動
板材料として好適であることがわかった。
は、一般の振動板材料と比較すると、ヤング率はかなり
高いレベルに位置していると同時に、内部損失がこれま
で知られている紙の様な材料よりはるかに高く音響振動
板材料として好適であることがわかった。
【0021】
【発明の効果】糸状微生物の生産する糸状物または繊維
状物を音響用振動板の材料として用いることにより、ヤ
ング率が高いことはもちろん、従来より特に内部損失の
点が大きく音色の優れた音響振動板材料を得ることが可
能となった。この素材を音響振動板として用いることに
より、歪の少ない音色がえることができるようになる。
状物を音響用振動板の材料として用いることにより、ヤ
ング率が高いことはもちろん、従来より特に内部損失の
点が大きく音色の優れた音響振動板材料を得ることが可
能となった。この素材を音響振動板として用いることに
より、歪の少ない音色がえることができるようになる。
Claims (5)
- 【請求項1】糸状微生物の生産する糸状物または繊維状
物を含有する事を特徴とする音響用振動板材料 - 【請求項2】糸状微生物の生産する糸状物または、繊維
状物の表面が化学修飾されたものである請求項1記載の
音響振動板材料 - 【請求項3】化学修飾が脂肪酸エステル化である請求項
2記載の音響用振動板材料。 - 【請求項4】化学修飾がアセチル化である請求項2記載
の音響振動板材料 - 【請求項5】糸状微生物がアスペルギルス属、リゾプス
属、フザリウム属、サプロレグニア属、ムコール属、デ
ィプロディア属、セルコスポラ属、モナスカス属、アク
チノムコール属、ニューロスポラ属、ペニシリウム属、
カンディダ属、サッカロミセス属、ストレプトミセス
属、マイコバクテリウム属、ヘテロバシジョン属、ラエ
ティポルス属、ティロミセス属、ボトリディウム属、ス
ペルリナ属、バロニア属の中から選ばれる1つ以上のも
のである請求項1記載の音響振動板材料
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23342191A JPH057393A (ja) | 1990-09-14 | 1991-09-12 | 音響用振動板材料 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24584690 | 1990-09-14 | ||
JP2-245846 | 1990-09-14 | ||
JP23342191A JPH057393A (ja) | 1990-09-14 | 1991-09-12 | 音響用振動板材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH057393A true JPH057393A (ja) | 1993-01-14 |
Family
ID=26531033
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23342191A Pending JPH057393A (ja) | 1990-09-14 | 1991-09-12 | 音響用振動板材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH057393A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2016038813A1 (ja) | 2014-09-08 | 2016-03-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ラウドスピーカ用振動板と、その振動板を用いたラウドスピーカ、および電子機器と、移動体装置 |
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1991
- 1991-09-12 JP JP23342191A patent/JPH057393A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2016038813A1 (ja) | 2014-09-08 | 2016-03-17 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | ラウドスピーカ用振動板と、その振動板を用いたラウドスピーカ、および電子機器と、移動体装置 |
US9781515B2 (en) | 2014-09-08 | 2017-10-03 | Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. | Loudspeaker diaphragm, and loudspeaker, electronic device and mobile device including the diaphragm |
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