JPH0573520U - 圧電振動ジャイロ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電振動子の支持に用いる部品の少ない圧電
振動ジャイロを得る。 【構成】 圧電振動子２が回路基板３に実装され、圧電
振動子２の屈曲振動モードを利用する圧電振動ジャイロ
において、回路基板３に設けられた、圧電振動子２より
大きい穴部８と、この穴部８に圧電振動子２が位置する
状態に圧電振動子２を回路基板３に支持させる支持具１
とを有する。支持具１は圧電振動子２の長さ方向の中心
軸が、実質的に、回路基板３の厚さ方向の中心面に連な
る穴部８の中心面内に、位置する状態に、圧電振動子２
を回路基板３に支持させる。支持具１は、その中に圧電
振動子２が挿入された状態に圧電振動子２を支持する円
環状部と、円環状部から半径方向にしかも互いに反対方
向に突出した一対の突起とを有し、一対の突起が回路基
板３に固定される。穴部８の代りに切り欠き部を回路基
板３に設けても良い。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、カメラ一体型ＶＴＲの手振れ防止や自動車のナビゲーションシステ ム、姿勢制御などに用いられるジャイロスコープの内、特に圧電振動子の超音波 振動を用いた、いわゆる圧電振動ジャイロに関し、特に、圧電振動子の超音波振 動を用いた圧電振動ジャイロの振動子支持方法及び構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

圧電振動ジャイロは振動している物体に回転角速度が与えられると、その振動 方向と直角な方向にコリオリ力を生ずるという力学現象を利用したジャイロスコ ープである。一般に、直交する二つの方向の振動モードを持つ複合振動系におい て、振動子の一方の振動を励振した状態で、振動子を回転させると、前述のコリ オリ力の作用によりこの励振された振動と直角な方向に力が働き、回転角速度に 比例した他方の振動が発生する。この励振振動に直角な振動の大きさを検出する ことにより、回転角速度を知ることができる。

【０００３】 一般に、この種の圧電振動ジャイロは、圧電振動子（音片振動子）と、この圧 電振動子を屈曲振動させる駆動回路と、圧電振動子の屈曲振動を検出する検出回 路と、圧電振動子、駆動回路、及び検出回路が実装される回路基板とを備え、圧 電振動子の屈曲振動モードを利用して回転角速度の検出を行う。

【０００４】 従来の圧電振動ジャイロにおいては、圧電振動子は、圧電振動子の屈曲振動の 節に金属細線やシリコンゴムからなる支持具を溶着あるいは接着し、その支持具 を介して振動子固定基板に支持され、この振動子固定基板が回路基板に実装され る。図５に従来の圧電振動ジャイロの一例を示す。図５において、圧電振動子２ の長さ方向の一方の端面からおよそ全長の２２．４％の位置の円周上に円環状の シリコンゴムからなる支持具７が接着され、更に支持具固定基板６に挿入された 後、回路基板５に実装される。同様に、圧電振動子２の長さ方向の他方の端面か らおよそ全長の２２．４％の位置の円周上に円環状のシリコンゴムからなる支持 具７が接着され、更に支持具固定基板６に挿入された後、回路基板５に実装され る。図６に支持具７及び支持具固定基板６の構造を示す。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、図５に示した従来の支持方法によると、圧電振動子２を支持するため の構造が複雑で、部品点数も多く高価になる上に、回路基板５、振動子２、支持 具７、振動子固定基板６を含めた寸法が大きくなるという欠点がある。

【０００６】 本考案の課題は、上記欠点を除去し、使用する部品が少なく、小型及び安価な 圧電振動ジャイロを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案によれば、圧電振動子と、この圧電振動子が実装される回路基板とを備 え、前記圧電振動子の屈曲振動モードを利用する圧電振動ジャイロにおいて、前 記回路基板に設けられた、前記圧電振動子より大きい穴部又は切り欠き部と、こ の穴部又は切り欠き部に前記圧電振動子が位置する状態に前記圧電振動子を前記 回路基板に支持させる支持具とを有することを特徴とする圧電振動ジャイロが得 られる。

【０００８】 更に、本考案によれば、前記支持具は、前記圧電振動子の長さ方向の中心軸が 、実質的に、前記回路基板の厚さ方向の中心面に連なる前記穴部又は前記切り欠 き部の中心面内に、位置する状態に、前記圧電振動子を前記回路基板に支持させ るものであることを特徴とする上述の圧電振動ジャイロが得られる。

【０００９】 更に、本考案によれば、前記支持具は、その中に前記圧電振動子が挿入された 状態に前記圧電振動子を支持する円環状部と、該円環状部から半径方向にしかも 互いに反対方向に突出した一対の突起とを有し、該一対の突起が前記回路基板に 固定されることを特徴とする上述の圧電振動ジャイロが得られる。

【００１０】

【実施例】

次に本考案の実施例について図面を参照して説明する。

【００１１】 図１を参照すると、本考案の第１の実施例による圧電振動ジャイロにおいては 、回路基板３には、振動子実装用の穴部８が設けられている。圧電振動子２はそ の長さ方向の一方の端面からおよそ全長の２２．４％の位置の円周上に支持具１ が接着されており、さらに支持具１の突起を回路基板３に接着することで圧電振 動子２は回路基板３に支持される。同様に、圧電振動子２はその長さ方向の他方 の端面からおよそ全長の２２．４％の位置の円周上に支持具１が接着されており 、さらに支持具１の突起を回路基板３に接着することで圧電振動子２は回路基板 ３に支持される。このように、回路基板３の穴部８に、支持具１を介して圧電振 動子２を実装することで、圧電振動子２は、圧電振動子２の長さ方向の中心軸が 、実質的に、回路基板３の厚さ方向の中心面に連なる穴部８の中心面内に、位置 する状態に、配される。よって、この圧電振動ジャイロの外形寸法は、特に回路 基板３の厚み方向の寸法が短縮され、小型化される。また、従来用いていた図５ における支持具固定基板６を削除することができるから、部品点数が少なく構造 も簡単となり、安価な圧電振動ジャイロを提供できる。

【００１２】 図２を参照すると、支持具１は、その中に圧電振動子２が挿入された状態に圧 電振動子２を支持する円環状部と、該円環状部から半径方向にしかも互いに反対 方向に突出した一対の突起とを有する。この支持具１は、例えば、シリコンゴム からなる。

【００１３】 なお、図１の回路基板３の代わりに、図３の回路基板が用いられても良い。図 ３の回路基板においては、図１の穴部８の代わりに切り欠き部９が設けられてい る。

【００１４】 図４を参照すると、本考案の第２の実施例による圧電振動ジャイロにおいては 、支持具に金属細線４を用いている。金属細線４の一端は、圧電振動子２の屈曲 振動の節部に接着あるいは溶着、半田付け等によって固定される。さらに金属細 線４の他端は、回路基板３に接着あるいは溶着、半田付け等によって固定される 。図示の金属細線４は、支持具としてだけではなく、圧電振動子２の電極を引き 出すためのリード線を兼ねており、これにより圧電振動ジャイロの構造はさらに 簡単となり、安価となる。

【００１５】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案によれば、回路基板に設けられた、圧電振動子よ り大きい穴部又は切り欠き部と、この穴部又は切り欠き部に圧電振動子が位置す る状態に圧電振動子を回路基板に支持させる支持具とを有する圧電振動ジャイロ が得られ、従来必要であった、支持具を回路基板に固定するための支持具固定基 板を削除することができるから、部品点数が少なく構造も簡単となり、安価な圧 電振動ジャイロを提供できる。しかも、圧電振動ジャイロの厚さ方向の寸法を小 さくすることができ、小型化が可能である。

【００１６】 更に、本考案では、圧電振動子の長さ方向の中心軸が、実質的に、回路基板の 厚さ方向の中心面に連なる穴部又は切り欠き部の中心面内に、位置する状態に、 圧電振動子を回路基板に支持させることができるから、圧電振動ジャイロの厚さ 方向の寸法を、より一層、小さくすることができ、小型で安価な圧電振動ジャイ ロを提供することができ、その工業的価値は大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例による圧電振動ジャイロ
の主要部の斜視図である。

【図２】図１の圧電振動ジャイロの支持具１の斜視図で
ある。

【図３】図１の圧電振動ジャイロの回路基板３の代わり
に用い得る回路基板の斜視図である。

【図４】本考案の第２の実施例による圧電振動ジャイロ
の主要部の斜視図である。

【図５】従来の圧電振動ジャイロの主要部の斜視図であ
る。

【図６】図５の圧電振動ジャイロの支持具７及び支持具
固定基板６の斜視図である。

【符号の説明】

１ 支持具 ２ 圧電振動子 ３ 回路基板 ４ 金属細線 ５ 回路基板 ６ 支持具固定基板 ７ 支持具 ８ 穴部 ９ 切り欠き部

Claims (6)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧電振動子と、この圧電振動子が実装さ
   れる回路基板とを備え、前記圧電振動子の屈曲振動モー
   ドを利用する圧電振動ジャイロにおいて、前記回路基板
   に設けられた、前記圧電振動子より大きい穴部又は切り
   欠き部と、この穴部又は切り欠き部に前記圧電振動子が
   位置する状態に前記圧電振動子を前記回路基板に支持さ
   せる支持具とを有することを特徴とする圧電振動ジャイ
   ロ。
2. 【請求項２】 前記支持具は、前記圧電振動子の長さ方
   向の中心軸が、実質的に、前記回路基板の厚さ方向の中
   心面に連なる前記穴部又は前記切り欠き部の中心面内
   に、位置する状態に、前記圧電振動子を前記回路基板に
   支持させるものであることを特徴とする請求項１に記載
   の圧電振動ジャイロ。
3. 【請求項３】 前記支持具は、その中に前記圧電振動子
   が挿入された状態に前記圧電振動子を支持する円環状部
   と、該円環状部から半径方向にしかも互いに反対方向に
   突出した一対の突起とを有し、該一対の突起が前記回路
   基板に固定されることを特徴とする請求項２または３に
   記載の圧電振動ジャイロ。
4. 【請求項４】 前記支持具は、シリコンゴムからなるこ
   とを特徴とする請求項１、２、及び３のいずれかに記載
   の圧電振動ジャイロ。
5. 【請求項５】 前記支持具は、金属細線からなることを
   特徴とする請求項１または２に記載の圧電振動ジャイ
   ロ。
6. 【請求項６】 前記金属細線は、前記支持具として作用
   するのみならず、前記圧電振動子の電極に接続されたリ
   ード線としても作用することを特徴とする請求項５に記
   載の圧電振動ジャイロ。